本書は、既存の項の変更と、新規情報の追加に伴って、今後も引き続き更新されます。これまでの更新内容は次の表のとおりです。
日付 | 製品 | 機能 | ノート |
---|---|---|---|
2020年8月14日 | 初版作成。 |
Oracle Configure, Price, and Quote (CPQ)の使用により、商談から見積、オーダーまでの一連のプロセス(製品の選択、構成、価格設定、見積作成、オーダーおよび承認のワークフローを含む)を合理化できます。Oracle CPQは柔軟性と拡張性の高いエンタープライズ対応ソリューションです。直販や間接、Eコマースといった販売チャネルを通じて製品やサービスを販売するあらゆる規模のお客様にご利用いただけます。
このガイドでは、Oracle CPQ 20Cの新機能と機能向上を理解するうえで必要な情報の概要を示し、更新のために実行する必要があるタスクについて説明します。このガイドは本アップデートでの新規・改善機能の概要を理解するのに必要な情報およびアップデートに必要なタスクについて説明します。個々のセクションは機能の概略説明、その機能を実装に必要なステップ、ヒントおよび考慮点、他に必要なリソースが記述されています。
主なリソース
詳細および手順は、Oracle CPQ管理オンライン・ヘルプを参照してください。
セキュリティおよび新機能
システムでセキュリティの構造に変更が生じた場合は、実装する新機能についてセキュリティ管理者にアドバイスの提供が必要になる可能性があることに留意してください。
フィードバックをお寄せください
本書の内容改善のため、ご意見やご提案をお待ちしております。フィードバックは、cpqcloud_documentation_us_grp@oracle.comまでお送りください
列の定義:
使用可能な状態で提供される機能
レポート = 新規または変更済の、オラクル社提供の実行可能レポート。
UIまたはプロセスベース: 小規模 = これらのUIまたはプロセスベースの機能は、通常、フィールド、検証またはプログラムのマイナーな変更で構成されています。したがって、ユーザーに対する潜在的な影響は最小限になります。
UIまたはプロセスベース: 大規模* = これらのUIまたはプロセスベースの機能には、より複雑な設計が含まれます。したがって、ユーザーに対する潜在的な影響は高くなります。
すぐ使用できない状態で提供される機能 = エンド・ユーザーがこれらの機能を使用できるようにするには、処理が必要です。これらの機能は提供時には使用不可になっているため、機能を使用可能にするかどうかおよび使用可能にする時期を選択してください。たとえば、a)新規または拡張BIサブジェクト領域は、レポートにまず組み込む必要があり、b)新規Webサービスは使用する前に統合する必要があり、c)ユーザー・ロールに機能を割り当てないと機能にアクセスできません。
エンド・ユーザーが使用可能 レポートおよび小規模なUIまたはプロセスベースの新機能は、更新後のユーザーに対する影響を最小限に抑えます。したがって、顧客受入れテストでは、大規模なUIまたはプロセスベース*の新機能に焦点を当ててください。 |
エンド・ユーザーが使用する前に処理が必要 これらの機能をすぐに使用可能にするためにアクションが必要になるため破壊的ではありません。選択的に使用するよう選択すると、テストおよびロールアウトのタイミングを設定できます。 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|
機能 |
レポート |
UIまたは |
UIまたは |
|
||
Oracle CPQ 20Cでは、次の承認機能が提供されます。
Oracle CPQ 20Cより前は、Eメール承認コメントの最初の行のみがEメール承認返信にコピーされていました。Oracle CPQ 20Cでは、Eメール承認返信に複数のコメント行を含めることができます。
承認/否認のEメール通知では無制限のコメント行がサポートされるため(最大4000文字)、承認または否認のコミュニケーションが改善されます。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
ヒントと考慮事項
- 履歴の発行属性は、すべてのコメント行を1行で表示します。
- 数値、マルチバイト文字、特殊文字および余分なスペースは、コメント行で適切に表示されます。
- この機能は、HTML形式の承認Eメール通知に適用されます。
Oracle CPQ 20Cでは、次のBML機能が提供されます。
新しいBML日付関数(addmonths)を使用して属性値を設定できます。この関数は、指定された日付から月数を加算または減算した後の結果となる日付を返します。このBML関数には、サブスクリプションまたは見積の失効日の設定など、多数のユース・ケースがあります。
BML構文:
Date addmonths(Date date, Integer num_of_months) |
パラメータ:
パラメータ | 型 | 説明 |
---|---|---|
date | 日付 | 特定の日付を表します。 |
num_of_months | 整数 | 特定の月に追加する月数。正の値は月数を加算します。負の値は、指定された日付から月を減算します。この値が0の場合、結果は同じ日付を返します。 |
戻りタイプ: 日付
例:
return datetostr(addmonths(getdate(), 2)); |
この機能により、管理者は日付をより簡単に操作できます。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
ヒントと考慮事項
このBML日付関数では、月およびうるう年の日数が考慮されます。日付が月末の場合、日付はその月とカレンダ年度の有効なカレンダ日となります。
例:
- 1月31日 + 1か月 = 2月28日(うるう年の場合は2月29日)
- 2月28日 + 1か月 = 3月28日
- 8月31日 + 3か月 = 11月30日
- 9月28日 + 1か月 = 10月28日
- 12月15日 - 3か月 = 9月15日
Oracle CPQ 20Cでは、次の一括アップロードおよび一括ダウンロード機能が提供されます。
Oracle CPQ 20Cより前は、一括アップロード・サマリー通知はSuperUserのEメール・アドレスにのみ送信されました。Oracle CPQ 20Cには、一括アップロード・サマリー通知を送信する追加のEメール・アドレスを指定する新しい「一般サイト・オプション」設定が用意されています。スケジュール済データ表エクスポートに関する通知も、指定のEメール・アドレスに送信されます。
これにより、この情報を必要としているユーザーまたは関心のあるユーザーに対する適時な通知が可能になります。また、SuperUserのEメール・アドレスから一括アップロード通知を分離することにより、企業では、失敗が発生したときに適切な処理を実行する自動化されたプロセスに通知を送信できます。
有効化のステップ
一括アップロードおよびスケジュール済データ表エクスポートの通知用の電子メール・アドレスを追加するには、次のステップを実行します。
- 管理ホーム・ページにナビゲートします。
- 「一般」の「一般サイト・オプション」をクリックします。「オプション - 一般」ページが開きます。
- 「オプション ? 一般」セクションで、「一括アップロードおよびスケジュール済データ表エクスポートの通知Eメール」にEメール・アドレスを入力します。通知Eメールを複数のEメール・アドレスに送信する場合は、テキスト入力フィールドでEメール・アドレスをカンマまたはセミコロンで区切ります。
- 「更新」または「適用」をクリックします。
ヒントと考慮事項
- 「一括アップロードおよびスケジュール済データ表エクスポートの通知Eメール」フィールドが空白の場合、Eメール通知はSuperUserのEメールに引き続き送信されます。
- 「一括アップロードおよびスケジュール済データ表エクスポートの通知Eメール」フィールドに1つ以上のEメール・アドレスが含まれている場合、指定のEメール・アドレスにEメール通知が送信され、SuperUserはEメール通知を受信しません。
Oracle CPQ 20Cでは、次のコマース機能および拡張機能が提供されます。
- コマース・ルール実行の最適化
- コマース表示履歴用のデータ記憶域の最適化
- JETトランザクションUI表に対するInteractコールの最適化
Oracle CPQ 20Cでは、不要なルールを実行しないことで、コマース・ルールを最適化します。非表示ルールおよびフィルタ・ルールは、ワークフロー・ステップの関係者プロファイルで処理属性および処理が非表示である場合は実行されません。これらのルールは、属性および処理がステップの関係者プロファイルに表示される場合、必要に応じて実行されます。
この拡張によって、エンド・ユーザー・ワークフローに冗長な非表示ルールが含まれている場合のパフォーマンスが向上します。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
ヒントと考慮事項
この拡張は、JETトランザクションUIにのみ適用されます。
Oracle CPQ 20Cでは、保存されるレコード数に対応できるように保存関数を最適化することによって、コマース属性履歴を保存する際のパフォーマンスが向上します。追加の拡張機能により、コマース属性履歴を非同期で保存することでコマース処理の応答性が向上し、履歴保存の完了前に処理を完了できます。
これらの拡張機能により、コマース処理の実行時のエンド・ユーザーのレスポンス時間が改善されます。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
JETトランザクションUI表に対するInteractコールの最適化
Oracle CPQ 20Cでは、冗長な明細品目グリッドとトランザクション配列のInteractコールを実行しないことにより、JETトランザクションUIをロードする際のパフォーマンスが向上します。
この拡張によって、複数のJETトランザクションUI表を含むページをロードする際のエンド・ユーザーのレスポンス時間が向上します。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
ヒントと考慮事項
この拡張は、JETトランザクションUIにのみ適用されます。
Oracle CPQ 20Cでは、次のディール管理拡張機能が提供されます。
Oracle CPQ 20C以降、価格スコア値はJET UIの自動更新時に自動的に更新されます。また、1つの保存または変更処理により価格スコア値が更新されます。以前は、保存または変更処理を起動して(場合によっては2回)、価格スコア値を更新する必要がありました。たとえば、営業ユーザーが個別の明細品目に割引を適用した場合は、その明細品目の価格スコア値が新しい価格スコアで自動的に更新されます。また、見積レベルの価格スコアが表示されている場合は、それも自動的に更新されます。
トランザクションおよびトランザクション明細の価格スコア値は、JET UIの自動更新時に自動的に更新されます。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
ヒントと考慮事項
- 価格スコアの自動更新は、JETトランザクションUIにのみ適用されます
- 「自動更新のトリガー」は、価格スコア属性に対して有効にする必要はありません。JET UIの自動更新時の価格スコアの再計算は常に行われます。
- AJAX対応の算式は、価格スコア値がトリガーされた場合に自動更新を開始します。
Oracle CPQ 20Cでは、次のJETトランザクションUI機能および拡張機能が提供されます。
- JET UIインライン・リッチ・テキスト・エディタ
- JETトランザクションUI表のエラー・パネル・メッセージの表示
- 編集可能な明細品目グリッド・フィールドのインジケータ・アイコンの表示
- JETトランザクションUIレイアウトの表示ラベルの左揃え
- JETトランザクションUI表の列の順序変更およびデフォルトのリセット
- 明細品目グリッドのテキストの折返しオプション
Oracle CPQ 20Cでは、リッチ・テキスト編集可能属性(RTE)用の新しいインライン・エディタが導入されました。新しいJETエディタには、レガシー・エディタよりも多くのテキスト書式設定オプションが含まれます。機能には、元に戻す/やり直し、イメージ、リンク、表ツール、ブラウザに固有のスペル・チェックの機能があります。
エディタ・ツールバーはテキスト編集領域の上に表示され、ページ・サイズに基づいてレスポンシブにサイズが設定されます。インライン・エディタでは、次の編集機能を使用できます。機能ツールチップは、ツールバー・アイコンにカーソルを重ねると表示されます。「最大化」機能を使用すると、エディタ画面をフル・ページ・ビューまで拡大できます。
表編集機能
RTEインライン・エディタで表内をクリックすると、表の上に表ツールバーが表示されます。表ツールバーでは、列と行の設定、セルと表のプロパティおよびセルのマージのコントロールにアクセスできます。
列設定では、列をヘッダー列として指定したり、新しい列を挿入したり、列を削除したり、列を選択することができます。行設定では、行をヘッダー行として指定したり、新しい行を挿入したり、行を削除したり、行を選択することができます。
セル・プロパティには、セルの書式、サイズおよびテキストの位置合せのオプションが用意されています。表のプロパティでは、表の書式、サイズおよび位置合せのオプションが提供されます。
ユーザーは、レガシー・エディタのすべての書式設定機能を維持しながらコピーおよび貼付機能を向上させた直感的なエディタで、見積に対するリッチ・テキストの編集および書式設定を行えるようになりました。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
ヒントと考慮事項
- デフォルト値として表示するように選択されたテンプレートはサポートされていますが、エンド・ユーザーは、この新しいエディタの初期リリースでは他のテンプレートにアクセスできません。
- JET UIインライン・テキスト・エディタは、Internet Explorerブラウザと互換性がありません。
- JETインライン・リッチ・テキスト・エディタを非アクティブにするために、サイト管理者はMy Oracle Supportでサービス要求(SR)を発行できます。
JETトランザクションUI表のエラー・パネル・メッセージの表示
既存のインライン表示に加えて、縮小可能な固定ヘッダー・バーのエラー・パネルのページ上部に、JETトランザクションUI明細品目グリッドおよびトランザクション配列のエラー・メッセージが表示されるようになりました。エラー通知は、エラーを説明し、エラー箇所をリストし、メッセージをトリガーする属性の場所へのリンクを提供します。
JETトランザクションUI明細品目グリッドおよびトランザクション配列のエラー・メッセージのエラー・パネル表示により、一貫性のあるユーザー・エクスペリエンスが提供され、操作性が向上します。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
編集可能な明細品目グリッド・フィールドのインジケータ・アイコンの表示
Oracle CPQ 20C以降、管理者は、編集可能な明細品目グリッド・フィールドを簡単に認識できるように、インジケータ・アイコンを表示できます。以前は、フィールドが編集用に選択されているときにのみ、インジケータ・アイコン表示が表示されていました。読取り専用フィールドでは、これらのインジケータは表示されません。
編集可能なJETトランザクションUI明細項目のインジケータ・アイコン表示を使用すると、営業ユーザーは編集可能なフィールドをすばやく認識してアクセスできます。
有効化のステップ
編集可能なフィールド・アイコンを表示するには、次のステップを実行します。
-
「コマース・プロセス」ページにナビゲートします。「管理」→「コマースおよび文書」→「プロセス定義」
-
該当するプロセスについて、「ナビゲーション」列で「文書」を選択し、「リスト」をクリックします。
-
該当する文書について、「ナビゲーション」列で「JETレスポンシブ・レイアウト」を選択し、「リスト」をクリックします。JETレスポンシブ・レイアウト・エディタがオープンします。
-
明細品目表の編集アイコンをクリックします。
-
「編集可能なフィールド・アイコンの表示」オプションを選択します。
-
「OK」をクリックします。
-
*保存をクリックしてレイアウトの変更を保存します。
JETトランザクションUIレイアウトで、表示ラベル用に左揃えオプションが用意されました。以前は、JETトランザクションUIのラベルは、フィールドの上部または右側にのみ表示できました。Oracle CPQ 20C以降、管理者はJETトランザクションUIの左揃え、右揃えおよび上揃えのオプションを使用できます。
左揃えの表示ラベルは、JETトランザクションUIに追加の表示オプションを提供します。左揃えの表示ラベルは、JETトランザクションUIに追加の表示オプションを提供します。
有効化のステップ
表示ラベルを左揃えにするには、次のステップを実行します。
-
「コマース・プロセス」ページにナビゲートします。「管理」→「コマースおよび文書」→「プロセス定義」
-
該当するプロセスについて、「ナビゲーション」列で「文書」を選択し、「リスト」をクリックします。
-
該当する文書について、「ナビゲーション」列で「JETレスポンシブ・レイアウト」を選択し、「リスト」をクリックします。JETレスポンシブ・レイアウト・エディタがオープンします。
-
該当するパネル列の編集アイコンをクリックします。
-
「ラベルの位置合せ」ドロップダウン・メニューで「左」を選択します。
-
「OK」をクリックします。
-
*保存をクリックしてレイアウトの変更を保存します。
JETトランザクションUI表の列の順序変更およびデフォルトのリセット
Oracle CPQ 20Cを使用すると、エンド・ユーザーは、JETトランザクションUI明細品目グリッドおよびトランザクション配列の列の順序を変更できます。「列の管理」ウィンドウには、順序変更オプションに加えて、表の列の表示オプションをデフォルト設定に戻すリセット機能があります。有効にすると、ユーザーの列の順序設定はユーザーに対してセッションをまたいで永続的になります。
順序変更およびデフォルトのリセットの機能を使用するには、JETトランザクションUI明細品目グリッドおよびトランザクション配列の「表示」メニューから「列の管理」を選択します。
「列の管理」ウィンドウには「デフォルトにリセット」機能があり、「表示」列パネルの右側に新しい順序変更オプションが表示されます。
(オプション)管理者は次のステップを実行して、列の順序変更を無効にできます。
-
「コマース・プロセス」ページにナビゲートします。「管理」→「コマースおよび文書」→「プロセス定義」
-
該当するプロセスについて、「ナビゲーション」列で「文書」を選択し、「リスト」をクリックします。
-
該当する文書について、「ナビゲーション」列で「JETレスポンシブ・レイアウト」を選択し、「リスト」をクリックします。JETレスポンシブ・レイアウト・エディタがオープンします。
-
明細品目表の編集アイコンをクリックします。
-
「列の順序変更の許可」オプションの選択を解除します。
-
「OK」をクリックします。
-
*保存をクリックしてレイアウトの変更を保存します。
新しいJETトランザクションUI表の列の順序変更を使用すると、CPQエンド・ユーザーは操作をパーソナライズし、特定のニーズに合わせて明細品目グリッドおよびトランザクション配列を最適化できます。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
以前のJET UIの明細品目グリッドでは、オーバーフローしたコンテンツが切り捨てられ、ユーザーはセルにカーソルを重ねるとコンテンツ全体を表示できました。ユーザビリティを向上させるために、Oracle CPQ 20Cには、JET明細品目グリッドのセル・コンテンツを折り返す新しい「表示」メニュー・オプションが用意されています。行は、コンテンツの追加の行にあわせて、必要に応じて拡張されます。
セルのコンテンツを折り返すには、JETトランザクションUI明細品目グリッドの「表示」メニューから「列の管理」を選択します。
明細品目グリッドの文字列の折返しオプションは、エンド・ユーザーにセル・コンテンツの折返しまたは切捨てのオプションを提供します。
有効化のステップ
この機能を使用可能にするために必要な手順はありません。
Oracle CPQ 20Cでは、次のOracle CPQ統合機能が提供されます。
Microsoft Dynamics 365統合ユーザー・インタフェースのサポート
Microsoft Dynamics 365 for Sales (CRM)のユーザーは、Oracle CPQと統合して、シームレスなシングル・サインオン操作を使用して商談からCPQにアクセスし、新しい見積を作成し、既存の見積を編集できます。見積データと明細品目はDynamicsに同期され、より信頼性の高い予測およびレポートが可能になります。
Microsoft Dynamics 365では、新しい統合UIが導入されました。Oracle CPQ 20C以降、MS Dynamics統合UIの統合サポートが追加されました。また、Oracle CPQではMicrosoft DynamicsレガシーWebクライアントも引き続きサポートされます。
有効化のステップ
Microsoft Dynamics 365統合UIの場合、Oracle CPQのユーザーは、Microsoft Dynamics用のOracle CPQ Connectorソリューションを使用してサイトを統合する必要があります。詳細な手順は、Oracle CPQとMicrosoft Dynamics 365の統合ガイドを参照してください。
ヒントと考慮事項
- Oracle CPQを最新のMicrosoft Dynamicsソリューション・パッケージ(1.0以降)と統合する前に、サイトのプロセスID、文書IDおよび処理IDを記録する必要があります。これらのフィールドの値は保持されず、再入力する必要があります。
- 「商談に戻る」および「アカウントに戻る」処理がDynamics統合UIで機能するよう、管理者は戻りURLアプリケーションIDを設定する必要があります。アプリケーションIDは、営業ハブのサイトURLから取得できます。
- 統合UIで見積を作成中にエンド・ユーザーがページのリフレッシュを実行すると、「レコードは使用できません」というエラーが表示されることがあります。エンド・ユーザーが見積を保存してMicrosoft Dynamicsに同期した場合、データは失われません。見積は、それぞれの商談の下で提供されます。
主なリソース
Oracle CPQ ? Dynamics 365実装ガイドおよび移行パッケージ(My Oracle Support文書ID 2364513.1)
Oracle CPQ 20Cでは、次のREST APIの拡張機能が提供されます。
- 構成REST APIのヘッドレス・モードをFalseにデフォルト設定
- インタフェース・カタログREST APIのSwaggerスキーマの表示
構成REST APIのヘッドレス・モードをFalseにデフォルト設定
以前のリリースでは、構成REST APIのデフォルトの動作はヘッドレスでした。ヘッドレス・モードでは、レイアウト・エディタで定義されたデフォルト値および上書きされた値はAPIコールに含まれず、属性エディタで定義されたデフォルト値のみが適用されます。ユーザーは、現在のOracle CPQレガシー構成レイアウト・フローで定義されているように、上書きされた値に頻繁に依存します。legacyModeプロパティを使用すると、ユーザーはヘッドレス動作を無効にできます。デフォルトの設定がfalseであったため、レガシー動作を有効にするには、REST APIコールでlegacyModeを明示的にtrueに設定する必要がありました
Oracle CPQ 20Cでは、headlessModeプロパティによってv10構成REST APIのlegacyModeプロパティが置換されます。現在のOracle CPQ構成レイアウト・フローで定義済の上書きされた値を優先するために、ヘッドレス・モードはデフォルトで無効になっています。この変更は次のREST APIに適用されます。
- Configure Model (_configure)
- Reconfigure Transaction (_reconfigureTxn)
- Reconfigure from Favorites (_reconfigureFav)
- Bulk Add to Transaction (_bulkAddToTxn)
v10構成REST APIはデフォルトでレガシー動作を優先するため、ユーザーは構成RESTコールについてヘッドレス・モードを明示的に無効にする必要はありません。
有効化のステップ
REST APIガイドのRESTサービス定義(「Oracle Help Center」→関心のあるアプリケーション・サービス領域 →「REST API」から使用可能)を参照してください。OracleのRESTサービスを初めて利用する場合は、「クイック・スタート」セクションから始めることができます。
重要:
- Oracle CPQ 20C以降、legacyModeプロパティはv10構成REST APIから削除されます。構成RESTコールでlegacyModeプロパティを明示的に設定した場合、v10構成コールからlegacyModeプロパティを削除する必要があります。legacyModeプロパティが削除されていない場合、無効なパラメータ・エラーが返されます。
- ヘッドレス・モードを有効にするには、headlessModeプロパティをtrueに設定する必要があります。このプロパティのデフォルト値はfalseです。CPQ構成レイアウトを優先するためにheadlessModeプロパティをfalseに明示的に設定する必要はありません。false値を渡すことはオプションです。
インタフェース・カタログREST APIのSwaggerスキーマの表示
Oracle CPQ 20C以降、インタフェース・カタログでは、次のv10 REST APIについてJSONスキーマのかわりに、swagger定義が表示されます。
- アカウント
- 資産
- コマース文書
- 構成BOMインスタンス
- 構成レイアウトおよびメタデータ
- DocxCompareおよびDocxMerge
- ECommerceインタラクション・メトリック
- 適格ルール
- 部品
Swagger定義はOpenAPI仕様に準拠しており、RESTful Webサービスの開発、テストおよび視覚化にはいくつかのオープン・ソース・ツールを使用できます。
有効化のステップ
REST APIガイドのRESTサービス定義(「Oracle Help Center」→関心のあるアプリケーション・サービス領域 →「REST API」から使用可能)を参照してください。OracleのRESTサービスを初めて利用する場合は、「クイック・スタート」セクションから始めることができます。
アップグレード前の考慮事項
既知の機能の変更
Oracle CPQ 20Cにアップグレードする前に、既知の機能に加えた変更を確認し、その変更に応じて計画することをお薦めします。
- Oracle CPQ 20C以降、パスワード・リカバリのためのユーザー・パスワード・セキュリティの質問に対する答えのテキスト入力サイズは50文字以内に制限されています。Oracle CPQ 20C以降にアップグレードした後、ユーザーがパスワード・セキュリティの質問への答えを初めて変更するまで、既存のユーザー・セキュリティの質問と答えは保持されます。
- JET構成UIでは、カタログ・オブジェクト変数名にスラッシュ(/)が含まれていると、Webサービスでのコールのルーティングに問題が生じます。
- JET UIの水平方向の構成配列に多数のレコードを追加する場合、レスポンス時間が非常に遅くなり、ページが応答しなくなる可能性があります。この場合は、水平方向の構成配列を垂直方向のフォーマットに変換することをお薦めします。
- Oracle CPQ 20C以降、_BM_USER_EMAILコンテキスト設定が文書オブジェクト・モデル(DOM)から削除されます。その結果、カスタマイズが正しく動作するようにリファクタリングする必要があります。この変更が自分の機能に影響する場合や、この変更の詳細情報が必要な場合は、My Oracle Supportでサービス要求を登録してください。
- Oracle CPQ 20Cでは、Internet ExplorerからEdgeへとブラウザのサポートを移行するため、CPQ管理プラットフォームのInternet Explorerブラウザの動作保証とサポートは廃止されます。この変更に備え、準備を進めていただくことをお薦めします。
- 以前にアナウンスしたとおり、Oracle CPQ 20B以降ではXSL/XML書式設定においてAntenna Houseをサポートしています。Apache FOPはサポートされなくなりました。ApacheからAntenna Houseへの移行時に、すべての出力文書を正確なレンダリングのためにレビューする必要があります。特に、ピクセル単位で幅が定義されている要素や、パーセントでサイズが設定されている要素は、Apacheにより正しくレンダリングされません。
サポートされている機能への計画的な変更
サポートされている機能に対する次の変更が、将来の更新で実行されます。これらの変更に備え、準備を進めていただくことをお薦めします。
- Oracle CPQ 20D以降は、複雑度の低いパスワード強度のサポートを廃止します。この変更は、20Dへのアップグレード後にエンド・ユーザーが最初にパスワードをリセットする際に影響を与えます。
- Oracle CPQ 20D以降、CPQ管理とエンド・ユーザーの両方について、Internet Explorerブラウザの動作保証とサポートは廃止されます。20DのOracle CPQでは、最新バージョンのEdgeブラウザをサポートする予定です。
- Oracle CPQ 21A,以降は、Lightweight Directory Access Protocol (LDAP)ユーザー管理のサポートを終了する予定です。
- Oracle CPQ 21Aからは、現在のRESTバージョンと2つ前までのRESTバージョンがサポートされます。それより古い(3世代以上さかのぼる)RESTバージョンが今後引き続き機能するとしても、発生する新たな問題に対する対応はいたしません。
カスタムJavaScript
文書オブジェクト・モデルの構造または特定の要素、クラスまたはIDを使用するカスタムJavaScriptを追加した場合、このカスタマイズには徹底的なテストに加え、場合によってはリファクタリングが必要になります。カスタムJavaScriptの詳細は、Oracle CPQ管理のオンライン・ヘルプで、スタイルおよびテンプレート > JET JavaScriptのカスタマイズにナビゲートしてください。
移行
「ソースからインポート」または「宛先に接続」を使用してコンテンツを移行する場合、両方のサイトで同じメジャー更新を使用する必要があります。コンテンツの移行は、同じメジャー更新内のマイナー更新間でのみ実行できます。
- 「メジャー更新」 = 更新20C
- 「マイナー更新」 = 更新20Cパッチ1
移行パッケージを使用する場合、19A以降のコンテンツを最新のサイト・バージョンにアップロードできます。
解決済の既知の問題
更新20Cで修正されたバグについての情報は、My Oracle SupportおよびOracle CPQ管理のオンライン・ヘルプでOracle CPQ 20C解決済の既知の問題に関するドキュメントを参照してください。
翻訳
Oracle CPQ 20Cでは、システム定義の一部のメッセージとコンポ―ネントに対し、文字列が一部削除され、別の文字列が加えられました。システム定義の文字列で独自の実装固有の翻訳を作成した場合、一部の文字列は表示されなくなります。その他の文字列は英語で表示されるようになります。新たに英語で表示される文字列は翻訳する必要があります。
これらの大半のメッセージとコンポーネントはOracle CPQの管理側にあります。ただし、更新インストールをデプロイする前に、エンド・ユーザーと管理ページの両方をレビューして、すべての文字列が指定の言語で表示されていることを確認する必要があります。
翻訳ステータス
Oracle CPQでは、シングルおよびマルチバイトの両方の文字セットの利用をサポートしています。ご利用のサイトで新しい言語を有効化するには、My Oracle Supportでサービス要求を発行してください。
次の言語については、プラットフォームとリファレンス・アプリケーションの両方で、Oracle CPQのユーザー・インタフェース上での翻訳を利用できます。
- 中国語(簡体字) [中国]
- 中国語(繁体字) [台湾]
- チェコ語[チェコ共和国]
- デンマーク語[デンマーク]
- オランダ語[オランダ]
- 英語
- フィンランド語[フィンランド]
- フランス語
- フランス語[カナダ]
- ドイツ語
- ハンガリー語[ハンガリー]
- イタリア語
- 日本語[日本]
- 韓国語[韓国]
- ノルウェー語(ボークモール語) [ノルウェー]
- ポーランド語[ポーランド]
- ポルトガル語[ブラジル]
- ルーマニア語[ルーマニア]
- ロシア語[ロシア]
- スペイン語(全世界)
- スウェーデン語[スウェーデン]
- トルコ語[トルコ]
アップグレード後の考慮事項
本番環境にアップグレードする前に、Oracle CPQ 20Cのすべてのテスト・インスタンスをアップグレードしてテストします。
ブラウザ・サポート
CPQ Cloudは、Oracle Software Webブラウザ・サポート・ポリシーの基準を満たすすべてのブラウザ・バージョンをサポートしています。
サポートされているブラウザのバージョンを使用して問題が発生した場合は、My Oracle Supportでチケットをオープンして問題を解決してください。サポートされているブラウザの使用時に問題が生じた場合は、修正プログラムが配信されるまで認定ブラウザ・バージョンを使用してください。認定ブラウザは現在の市場シェアに基づいて選択され、現在のバージョンの標準機能で動作するように徹底的にテストされています。
認定ブラウザ
Windows
- Google Chrome 83.x
- Mozilla Firefox 77.x
- Internet Explorer 11.x (Oracle CPQ管理画面を含まない。下記ノートを参照)
重要:
- Oracle CPQ 20C以降、CPQ管理プラットフォームについて、Internet Explorerブラウザの動作保証とサポートは廃止されます。Oracle CPQ 20Dでは、CPQ管理とエンド・ユーザーの両方について、Internet Explorerブラウザの動作保証とサポートは廃止されます。20DのOracle CPQでは、最新バージョンのEdgeブラウザをサポートする予定です。この変更に備え、準備を進めていただくことをお薦めします
- サイトに追加のJavaScript、代替CSS、または他のカスタム機能が含まれている場合は、選択されたブラウザとの互換性の問題が存在する可能性があります。カスタマイズはアドオンの作業が必要な場合があります。利用できる回避策と細かい修正を判断するためには、My Oracle Supportに連絡してください。
Salesforce統合サポート
オラクル社は、Oracle CPQ Connector for Salesforceのバージョン8.1、8.2および8.3を正式にサポートしています。レガシーOracle CPQ Commerce統合のバージョン7.2も引き続きサポートします。
重要: SalesforceのSpring 20リリースでは、すべての顧客に対しSalesforceモバイル・アプリが自動的に有効になります。この新しいSalesforceモバイル・アプリとOracle CPQ Mobileのエクスペリエンスの間に互換性の問題が生じる可能性がありますが、現時点ではサポート外となっています。公開時点では、これは流動的な状況のままです。My Oracle Supportで使用可能になると、最新情報が通知されます。『Oracle CPQ Cloud | Impending CPQ - Salesforce Mobile Incompatibility.』というタイトルのMy Oracle Supportの記事を参照してください。
トレーニング
現在使用中のバージョンとこれからアップグレードするバージョンまでのすべてのバージョンの、すべての新機能、解決済の既知の問題、および機能的な既知の問題を確認するために、リリース・ドキュメントを参照してください。
Oracle CPQ 20Cで導入された新機能を理解するには、Oracle CPQ管理のオンライン・ヘルプを参照してください。その他のヘルプについては、My Oracle Supportを参照してください。
このソフトウェアでサポートされている、このドキュメントに明確に記載されていない情報については、Oracle CPQ 20Cの製品ヘルプを確認してください。
追加情報
Oracle CPQの詳細は、Oracle CPQドキュメントのサイトを参照してください。
免責事項
このドキュメントの詳細は、高度な情報提供の目的でのみ使用され、仕様としてまたはオンライン・ヘルプの代用として使用することを目的としていません。後続リリースにアップグレードする際に、コマース・プロセス、構成またはグローバル機能設定の再デプロイメントが必要な場合があります。統合XSLファイルまたはAPIの変更も必要な場合があります。