1 Oracle GoldenGateの概要

Oracle GoldenGateの概念と、これを使用する理由と状況について学び、Oracle GoldenGateに関連する基本的な用語やキーワードを理解します。

トピック:

• Oracle GoldenGateとは
  Oracle GoldenGateは、異種IT環境のリアルタイム・データ統合およびレプリケーションのための包括的なソフトウェア・パッケージです。これにより、運用システムと分析エンタープライズ・システム間での高可用性ソリューション、リアルタイム・データ統合、トランザクション・チェンジ・データ・キャプチャ、データ・レプリケーション、変換、および検証が可能になります。
• Oracle GoldenGateが必要な理由
  企業のデータは一般的に企業内で異種データベースに分散されています。様々なデータ・ソースからデータを取得するために、Oracle GoldenGateを使用します。社内のトランザクションのロード、分散およびフィルタリングをリアルタイムで行うことができ、停止時間をほとんど発生させずに異なるデータベース間での移行が可能になります。
• Oracle GoldenGateを使用するとき
  Oracle GoldenGateは、考えられるほぼすべてのデータ移動要件に対応できます。一般的なユースケースの一部をこの項で説明します。
• Oracle GoldenGateのトポロジ
  Oracle GoldenGateは、インストール後に組織のビジネス・ニーズを満たすように構成できます。
• Oracle GoldenGate製品ファミリ
  Oracle GoldenGate製品ファミリには多数の製品が含まれています。

Oracle GoldenGateとは

Oracle GoldenGateは、異種IT環境のリアルタイム・データ統合およびレプリケーションのための包括的なソフトウェア・パッケージです。これにより、運用システムと分析エンタープライズ・システム間での高可用性ソリューション、リアルタイム・データ統合、トランザクション・チェンジ・データ・キャプチャ、データ・レプリケーション、変換、および検証が可能になります。

Oracle GoldenGateを使用すると、コミット済トランザクションを社内の複数の異種システム間で移動できます。Oracle GoldenGateでは、Oracleデータベース間でのデータのレプリケート、サポートされる異種データベースへのデータのレプリケート、異種データベース間でのデータのレプリケートを行うことができます。また、Oracle GoldenGate for Big Dataと組み合せることで、Javaメッセージング・キュー、フラット・ファイルおよびBig Dataターゲットにもレプリケートできます。詳細は、https://www.oracle.com/middleware/technologies/goldengate.htmlを参照してください。

Oracle GoldenGateが必要な理由

企業のデータは一般的に企業内で異種データベースに分散されています。様々なデータ・ソースからデータを取得するために、Oracle GoldenGateを使用します。社内のトランザクションのロード、分散およびフィルタリングをリアルタイムで行うことができ、停止時間をほとんど発生させずに異なるデータベース間での移行が可能になります。

これを実現するためには、リアルタイムでシステムからシステムに停止時間なしでデータを効率よく移す手段が必要です。Oracle GoldenGateは、データをレプリケートして統合するためのオラクル社のソリューションです。

Oracle GoldenGateの主な機能は次のとおりです。

• データの移動がリアルタイムで行われ、レイテンシが低減されます。

• コミット済トランザクションのみが移動されるため、一貫性が保証されパフォーマンスが向上します。

• Oracle Databaseの様々なバージョンやリリースに加えて、多様なオペレーティング・システムで稼働する幅広い異種データベースがサポートされます。Oracle Databaseのデータを別の異種データベースにレプリケートできます。

• アーキテクチャは単純で、容易に構成できます。

• 高いパフォーマンスが得られますが、基礎となるデータベースとインフラストラクチャへのオーバーヘッドは最小限です。

Oracle GoldenGateを使用するとき

Oracle GoldenGateは、考えられるほぼすべてのデータ移動要件に対応できます。一般的なユースケースの一部をこの項で説明します。

Oracle GoldenGateを使用すると、次のビジネス要件を満たすことができます。

ビジネス継続性および高可用性

ビジネス継続性とは、企業がその機能やサービスの運用を中断せずに提供できる能力です。高可用性とはフォルト・トレランスの最高のレベルです。ビジネス継続性を実現するためには、複数のサーバー、複数のストレージ、複数のデータセンターを使用してシステムを設計し、ビジネスの真の継続性を支える十分に高い可用性を提供できるようにします。このような環境を作り上げて維持するには、これらの複数のサーバーとデータ・センター間でデータを移動する必要がありますが、これはOracle GoldenGateを使用してたやすく行うことができます。

自分が英国ロンドンに拠点を置く多国籍銀行に勤務しているというシナリオについて考えてみてください。インドのバンガロールにある支店で働いています。この銀行では、すべての支店でグローバルに使用される財務アプリケーションのために特別な口座を使用しています。バンガロール支店のデータベースのこの口座で発生した取引を英国にある中央データベースと毎日同期することを上司から命じられました。取引数は大量であり、わずかの遅れでさえ業務に大きな影響を及ぼす可能性があります。この同じプロセスが、世界中のすべての支店のすべてのデータベースに対して複数の場所で必要になります。このプロセスは継続的にモニタリングする必要があり、できれば管理しやすいGUIベースのツールを使用することが望まれます。さらに、この銀行では、他のクリティカルではないアプリケーションもすべての支店で使用されています。これらのアプリケーションは、MySQLなどの異種データベースに基づいていますが、これらのデータベース上で行われた取引も本店にあるOracle Databaseに読み込む必要があります。使用されるレプリケーション・テクノロジは、Oracleと異種データベースが互いにやりとりできるように両方に対応する必要があります。Oracle GoldenGateはこのようなシナリオに適したソリューションです。

初期ロードおよびデータベース移行

初期ロードは、ソース・データベースからデータ・レコードを抽出して、それらのレコードをターゲット・データベースにロードするプロセスです。初期ロードは、1回だけ実行されるデータ移行プロセスです。Oracle GoldenGateでは、システムをオフラインにせずに初期ロードのデータ移行を実行できます。

データ統合

データ統合では、様々なテクノロジを使用して格納されている異なるソースのデータを1つにまとめて、統一されたデータ表示を提供します。Oracle GoldenGateではリアルタイムのデータ統合が提供されます。

Oracle GoldenGateのトポロジ

Oracle GoldenGate をインストールした後で、組織のビジネス・ニーズに合うように構成できます。

単純な単方向トポロジから複雑なピアツーピアまで、多様なトポロジを構成できます。Oracle GoldenGateは、アーキテクチャにかかわらずアーキテクチャ間の類似点を示して管理を容易にします。

図configurations.pngの説明

処理方法、サポートされるトポロジと機能、および構成要件の詳細は、使用中のデータベースに対応するOracle GoldenGateのドキュメントを参照してください。

Oracle GoldenGate製品ファミリ

Oracle GoldenGate製品ファミリには多数の製品が含まれています。

• Oracle GoldenGate Veridata: Oracle GoldenGate Veridataは、あるデータのセットと別のデータのセットを比較して、同期していないデータを特定し、非同期のデータを修復できるようにします。

• Oracle GoldenGate Plug-in for EMCC: Enterprise Manager Plug-in for Oracle GoldenGateEnterprise Manager Plug-in for Oracle GoldenGateは、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを拡張し、Oracle GoldenGateプロセスの監視と管理のために視覚的なサポートを提供します。

• Oracle GoldenGate Monitor: Oracle GoldenGate Monitorは、すべてのOracle GoldenGateインスタンスおよび企業内で関連付けられているデータベースを一目で確認できるリアルタイムのWebベース監視コンソールです。

• Oracle GoldenGate for Big Data: Oracle GoldenGate for Big Dataには、操作データをOracle GoldenGateの証跡レコードから各種のビッグ・データ・ターゲット(HDFS、HBase、Kafka、Flume、JDBC、CassandraおよびMongoDBなど)に書き込むサポートも組み込まれています。

• Oracle GoldenGate Applicationアダプタ: Oracle GoldenGate Applicationアダプタは、Oracle GoldenGateコア製品のインストールとの統合により、Java Message Service (JMS)情報を取り込んだり、JMSメッセージまたはファイルとして情報を配信します。

• Oracle GoldenGate for HP NonStop (Guardian): Oracle GoldenGate for HP NonStopでは、選択したデータ・レコードとトランザクション変更を抽出して、様々な異種アプリケーションおよびプラットフォームへレプリケートすることで、ビジネス・データをトランザクション・レベルで管理できます。

• Oracle GoldenGate Studio: Oracle GoldenGate Studioでは、大量かつリアルタイムのレプリケーションを設計してデプロイすることができます。表と列のマッピングを自動的に処理し、カスタム・マッピングのドラッグ・アンド・ドロップに対応しており、テンプレートからベスト・プラクティスの構成を生成することができ、状況依存ヘルプが用意されています。

• GoldenGate Cloud Service: GoldenGate Cloud Serviceはクラウドベースのリアルタイム・データ統合およびレプリケーション・サービスです。このサービスにより、オンプレミスの各種リレーショナル・データベースからクラウドのデータベースへのシームレスなデータ移動が実現します。その際に、データ整合性が維持され、フォルト・トレランスとリジリエンシが提供されます。