3 デプロイメントの使用

Service Managerインスタンスにログインしたら、デプロイメントの作成または既存のデプロイメントの編集を行うことができます。1つのService Managerインスタンスで複数のデプロイメントを扱うことができます。

Oracle GoldenGate MAのインストールを完了したら、Configuration Assistantを使用して新しいデプロイメントを作成する必要があります。このウィザードを使用すると1つのService Managerに複数のデプロイメントを追加できます。従って、新しいリリースまたはパッチを使用してアップグレードする必要があるのは1つのService Managerのみになります。

トピック:

Service Managerに接続する方法

デプロイメントの作成時に、Service ManagerをMA内の他のすべてのサービスを制御できるデーモン・サービスとして選択して、システム・サービスとして実行できます。

注意:

Service Managerがシステム・デーモンとして登録されている場合、Service Manager、Administration Server (AS)、Distribution Server (DS)、Receiver Server (RS)およびPerformance Metrics Serverはホストの起動(再起動)時に自動的に起動されます。

Service Managerへのログイン

Oracle GoldenGate MAデプロイメントの使用を開始するには、Service Managerに接続する必要があります。
  1. Webブラウザを開いて、Configuration Assistantで作成したService Managerに接続します。URLはhttp://localhost:9001のようになります。9001はService Managerインスタンスをデプロイしたポートです。セキュアなデプロイメントの場合、URLはhttps://localhost:9001のようになります。
  2. デプロイメント時に作成したユーザー名とパスワードを入力してサインインします。
Service Managerでは、Service Managerとその他すべてのサーバーが稼働中かどうかを確認できます。リンクを使用して、それぞれのインタフェースに接続し、詳細を確認し、デプロイメントを管理します。

Service Managerをデーモン・サーバーとして設定する方法の詳細は、「セキュアなデプロイメントとセキュアでないデプロイメントを作成する方法」を参照してください。

Service Managerを起動および停止する方法

スクリプトを実行して、Oracle GoldenGate Microservices ArchitectureでService Managerを起動および停止できます。次の場所からスクリプトを実行します。

  • Service Managerを起動する場合: Deployment_Home/bin/startSM.sh

  • Service Managerを停止する場合: Deployment_Home/bin/stopSM.sh

Service Managerホームページのクイック・ツアー

Oracle GoldenGate MA のインストールを完了すると、Service Managerのホームページが指定したURLに開設されます。このページは、デプロイメントの実行や、Administration Server、Distribution Server、Receiver Server、Performance Metrics ServerおよびAdmin Clientの構成のためのアクセス・ポイントとして機能します。

Service Managerのホームページは、デプロイされたサービスを表示したり、デプロイメントに関連するインベントリや構成の情報にアクセスしたりできるダッシュボードです。デプロイメントのステータスの確認や、サービスの起動と停止を行うこともできます。

Service Managerの概要が把握できたところで、ここではService Managerホームページを使用して実行できる操作の一部について説明します。

操作 タスク

サービスのステータスを表示

ステータス変更の確認

デプロイメントを起動および停止

「デプロイメントとサーバーを起動および停止する方法」

様々なサーバーにアクセス

それぞれのリンクをクリックしてアクセスできます。

Administration Server、Distribution Server、Performance Metrics ServerおよびReceiver Serverの詳細にアクセス

詳細を確認する必要があるサーバーの「Details」をクリックします。「サービス構成の表示および編集」を参照してください。

「Application Navigation」ペイン

アイコンをクリックして開き、Service ManagerまたはDiagnosisのホームページにアクセスします。

ログ情報を解釈する方法

Service Managerについてロギングされたすべてのメッセージをこのページで確認できます。

表の使用

ExtractおよびReplicatサーバー・メッセージの更新されたログが表示されます。このリストは、日付または重大度でソートできます(それぞれの横にある下矢印をクリックします)。また、このログをリフレッシュして、表示するページ数を選択することもできます。

検索する場合は、「Date」、「Severity」または「Message」を選択してから、適切なオプションを選択して検索を構成します。

ページの下部にある「Notifications」タブに注目してください。ここには、トランザクション・エラーのためにログでは更新されないサーバー・メッセージが表示されます。たとえば、データベース資格証明を使用したデータベースへのログインに失敗した場合などです。

ユーザーを追加する方法

デプロイメントの設定時に作成した管理者ユーザーの他にもユーザーを追加できます。こうしたユーザーも、すべてのMAサーバーにログインできます。

Oracle GoldenGate 18cリリース以降では、Service Managerページにログインして様々なロールを持つ別のユーザーを作成できます。このようなユーザーは、ロールに応じて各種サービスを停止および起動できます。たとえば、「Service Manager Administration」ページからセキュリティとしてのロールを持つscottという名前のユーザーを作成すると、そのユーザーは、サービスの停止や起動、デプロイメントなどのすべての操作を実行できます。

注意:

デプロイメント内にのみ存在するユーザーは、Administration Serverから作成します。これらは、ExtractまたはReplicatの停止や起動など、主にデプロイメント固有の問題に対処するために使用されます。
  1. Service Managerにログインします。

  2. 左側のナビゲーション・ペインで、「Administrator」を選択します。

  3. 「Users (+)」をクリックします。

  4. 一意のユーザー名を入力します。

  5. 次のいずれかのロールを選択します。

    ロールID 権限レベル

    ユーザー

    情報のみのサービス要求を許可します。これは、MAのいずれに対しても操作を変更したり、操作に影響を与えたりすることはありません。問合せ/読取り専用情報の例には、パフォーマンス・メトリック情報およびリソースのステータスと監視情報が含まれます。

    オペレータ

    ユーザーは、リソースの作成、開始および停止などの操作アクションのみを実行できます。オペレータは、MAサーバーの操作パラメータまたはプロファイルを変更することはできません。

    管理者

    全面的なアクセス権がユーザーに与えられ、セキュリティに関連しない一般的なサーバーの操作パラメータおよびプロファイルを変更することもできます。

    セキュリティ

    セキュリティ関連オブジェクトの管理権限を付与し、セキュリティ関連のサービス・リクエストを呼び出します。このロールにはすべての権限があります。

  6. ユーザーを説明する情報を入力します。

  7. 「Type」リスト・ボックスから、ユーザーのタイプとして「Basic」または「Certificate」を選択します。

  8. パスワードを2回入力して確認します。パスワードにはユーザー名を含めることができます。

  9. 「Submit」をクリックします。

    ユーザーが登録されます

ユーザーが登録されます

ユーザーは変更できません。ユーザーを削除してから追加し直す必要があります。

デプロイメントとサーバーを起動および停止する方法

Service Managerは、デプロイメント、Administration Server、Distribution Server、Performance Metrics Server、Receiver Serverの起動や停止を行うことができる中央ハブです。

デプロイメントを起動(または停止)するには、次の手順を実行します。

注意:

Oracle GoldenGate Service Managerがシステム・デーモンとして登録されている場合、Service Managerおよび他のサーバーはホストの起動(再起動)時に自動的に起動されます。
  1. インストール時に指定したURLを使用してService Managerに接続します。たとえば、ここではService ManagerのURLがhttp://localhost:9001であると仮定します
  2. 自分のユーザー名とパスワードでログインします。
  3. Service Managerホームページの「Deployments」セクションで、起動または停止する必要があるデプロイメントを探します。
  4. 「Actions」列で「start」をクリックします。
  5. デプロイメントが起動したら、そのデプロイメントに関連付けられたすべてのサービスが起動したかどうかを確認します。「Action」列には自動的に「stop」オプションが表示されます。これは、デプロイメントを停止するときに使用できます。デフォルトでは、すべてのサーバー・インスタンスがデプロイされると「Running」状態になります。
  6. デプロイメントに関連付けられたサービス(Administration ServerやDistribution Serverなど)を起動または停止するには、「Services」セクションに移動します。
  7. デプロイメントの場合と同様に、起動(または停止)する必要があるサーバー(またはサービス)を特定して、「Actions」列の「start」をクリックします。

デプロイメントを削除する方法

oggcaプログラムを使用してデプロイメントを削除できます。

デプロイメントを削除することで、そのデプロイメントの様々なコンポーネント(Extract、Replicat、パス、構成ファイルなど)を削除できます。ただし、Service Managerは削除されません。

デプロイメントを削除するには、次の手順を実行します。

  1. $OGG_HOME/binにあるoggcaプログラムを実行します

  2. 「Select Service Manager Options」画面で「Existing Service Manager」を選択します。「Next」をクリックします

  3. 「Configuration Options」画面で「Remove Existing Oracle GoldenGate Deployment」を選択します。

  4. 削除する必要があるデプロイメントを「Deployment Name」リスト・ボックスで選択します。すべてのデプロイメント・ファイル(構成ファイルを含む)をホストから削除する場合は、「Delete Deployment Files from Disk」チェック・ボックスも選択します。

    注意:

    デプロイメントを削除しても、Oracle GoldenGate MAをアンインストールしても、システムによって自動的にプロセスが停止されることはありません。この結果、場合によっては、デプロイメントに関連付けられたプロセスを停止する必要があります。また、ファイルを手動で消去する必要があります。詳細は、「デプロイメントの削除後に手動で削除するファイル」を参照してください。
  5. 管理アカウントのユーザー名とパスワードを入力して、「Next」をクリックします。
  6. デプロイメントと一緒に削除される設定のリストを確認して、「Finish」をクリックします。

デプロイメントの削除後に手動で削除するファイル

一部のファイルを手動で削除する必要があるのは、Service Managerが登録されていたが、登録解除して新たに登録する必要がある場合のみです。ファイルを手動で削除するには、root権限またはsudo権限が必要です。削除するファイルを次に示します。
オペレーティング・システム 既存のService Managerを登録解除するために手動で削除するファイル
Linux 6
  • /etc/init.d/OracleGoldenGate
  • /etc/rc.d/*OracleGoldenGate
  • /etc/rc*.d/*OracleGoldenGate
  • /etc/oggInst.loc

Linux 7 /etc/systemd/system/OracleGoldenGate.service

サービス構成の表示および編集

Administration Server、Distribution Server、Performance Metrics ServerおよびReceiver Serverのサービス構成と再起動オプションは、Services Managerで表示および編集できます。

各サーバーのサービス構成にはService Managerのホームページからアクセスできます。サービス構成を確認する必要があるサーバーの「Details」ボタンをクリックします。Service Configurationページが表示されます。このページで、対応するサーバーのサービス構成と再起動オプションを表示および編集できます。すべてのサーバーの構成と再起動オプションは同一です。

次の表で、Services Configurationページのサービス構成と再起動のオプションについて説明します。
サービス構成のオプション 説明
Port 対応するサーバーのポート番号
Enable Legacy Protocol 互換性のあるサービスで従来の通信を有効にします。
Enabled Async Operation 非同期RESTful APIメソッドの実行を有効にします
Default Sync Wait サービスが非同期REST APIレスポンスに応答するまでに待機するデフォルトの時間
Enabled Task Manager 提供するサービスのタスク管理を有効にします。
U-Mask ファイル・モード作成マスク
Config Force 構成データを強制的に適用します。
Quiet サービスを非出力モードで起動します。
Enabled サービスがService Managerによって管理されることを示します。
Status サービスが実行していることを示します。
再起動のオプション 説明
Enabled trueに設定すると、タスクが中止された場合に再起動します。
On Success falseに設定すると、タスクは失敗した場合のみ再起動します。
Delay 異常終了したプロセスの検出からプロセスの再起動までの待機時間(分)。
Retries 再起動を試行する最大回数。これを超えると再試行を中止します。
Window 再試行回数がカウントされる時間枠。デフォルトは120分です。
Disable on Failure trueに設定すると、実行ウィンドウですべての実行試行が失敗した場合にタスクが無効になります。