データ・ワークショップの使用

データ・ワークショップでは、データベースにデータをロードしたり、アンロードすることができます。

データのロード/アンロード・ウィザードについて

データのロード/アンロード・ウィザードを使用して、区切られたテキスト・データをデータベースにロードおよびデータベースからアンロードします。

段階的に進むウィザードには次の機能があります。

  • XMLファイルまたは区切られたフィールドを持つテキスト・ファイル(カンマ区切り(.csv)またはタブ区切りファイルなど)をロードまたはアンロードします。

  • スプレッドシートからコピー・アンド・ペーストすることでロードします。

  • ロード時またはアンロード時に列を省略(スキップ)します。

  • 既存の表にロードするか、ロードしたデータから新しい表を作成します。

  • 新しい表へのロード時に、主キーをデータから取得するか、新規または既存のOracleの順序から生成できます。

  • 新しい表へのロード時に、列名をロードしたデータから取得できます。

  • ファイルからロードするたびに、ファイルの詳細がテキスト・データのロード・リポジトリに保存されます。これらのファイルには、リポジトリからいつでもアクセスできます。

次の制限があります。

  • ウィザードでは表データのみをロードおよびアンロードします。他の種類のスキーマ・オブジェクトのロードやアンロードはできません。

  • ロードおよびアンロードはユーザー自身のスキーマのみで可能です。これは、管理者権限を持つユーザーにも該当します。

  • 一度にロードまたはアンロードできる表は1つのみです。

  • テキストまたはXMLファイルへのアンロード、またはXMLファイルからのロードについては、データ・タイプの制限はありません。しかし、スプレッドシートからの(コピー・アンド・ペーストによる)ロードまたはテキスト・ファイルからのロードの場合、NUMBERDATEVARCHAR2CLOBBINARY_FLOATおよびBINARY_DOUBLEのデータ型のみがサポートされています。

サポートされているアンロード形式は次のとおりです。

  • カンマ区切りデータ、タブ区切りデータなどのテキスト

  • XML文書

データのインポート、エクスポート、ロードおよびアンロードについて

Oracle Database間、またはOracle Databaseと外部ファイル間でデータをコピーする場合、様々なオプションがあります。データのコピーは、データのエクスポートインポート、およびデータのアンロードロードで行います。

次の表で、これらの用語を定義します。

用語 定義

エクスポート

他のOracle Databaseにインポートするためだけに、データベースのデータを外部ファイルにコピーします。ファイルは固有のバイナリ形式です。

インポート

他のOracle Databaseからエクスポートして作成した外部ファイルのデータを、データベースにコピーします。

アンロード

他のOracle Databaseまたは他のアプリケーション(スプレッドシート・アプリケーションなど)で使用するために、データベースのデータを外部テキスト・ファイルにコピーします。テキスト・ファイルは、タブ区切りやカンマ区切り(CSV)などの標準形式です。

ロード

標準の区切り形式またはOracleのSQL*Loaderユーティリティでサポートされている任意の形式の外部テキスト・ファイルのデータを、データベースにコピーします。

Oracle Databaseのどのエディション(Express Edition、Standard EditionおよびEnterprise Edition)間でもデータをエクスポートできます。

インポート/エクスポート/ロード/アンロード・オプション

Oracle DatabaseおよびOracle Application Expressには、データのインポート、エクスポート、ロードおよびアンロードのための様々な強力なオプションがあります。

表4-1に、これらのオプションのサマリーを示します。

表4-1 Oracle Application Expressのインポート/エクスポート・オプションのサマリー

機能またはユーティリティ 説明

Oracle Application Expressのデータのロード/アンロード・ウィザード

  • 使用しやすいグラフィカル・インタフェース

  • 外部テキスト・ファイル(区切られたフィールド)またはXMLファイルのロード/アンロード

  • 表のみ、一度に1つの表のみのロード/アンロード

  • ログイン・ユーザーのスキーマのみにアクセス

  • アップロード時にデータのフィルタ処理なし

SQL*Loaderユーティリティ

  • sqlldrコマンドで起動するコマンドライン・インタフェース

  • 外部ファイルからデータベースへデータをバルクロード

  • 区切り、固定レコード、可変レコードおよびストリームなど、多数の入力形式をサポート

  • 同時に複数の表をロード

  • 強力なデータのフィルタ機能

データ・ポンプ・エクスポートおよびデータ・ポンプ・インポート・ユーティリティ

  • expdpおよびimpdpコマンドで起動するコマンドライン・インタフェース

  • 任意のOracle Databaseから別のOracle Databaseへのエクスポートおよびインポート(固有のバイナリ形式)

  • すべてのスキーマ・オブジェクト・タイプのインポート/エクスポート

  • データベース全体、スキーマ全体、複数のスキーマ、複数の表領域、または複数の表のインポート/エクスポート

  • 強力なデータのフィルタ機能

  • 高速

エクスポートおよびインポート・ユーティリティ

  • expおよびimpコマンドで起動するコマンドライン・インタフェース

  • 任意のOracle Databaseから別のOracle Databaseへのエクスポートおよびインポート(固有のバイナリ形式)

  • XMLTypeデータをサポート

  • FLOATおよびDOUBLEデータ型をサポートしない

  • データ・ポンプの類似機能(データポンプを推奨)

表4-2では、ロード、アンロード、インポートおよびエクスポートの例を示し、それぞれで使用する適切なオプションを提案しています。

表4-2 インポート/エクスポートの例と推奨オプション

インポート/エクスポートの例 推奨オプション

ロードする表が10より少なく、データがスプレッドシートかタブ区切りまたはカンマ区切りのテキスト・ファイルにあり、複合データ型(オブジェクトや複数値のフィールドなど)が存在しない。

Oracle Application Expressのデータのロード/アンロード・ウィザード

区切られていないデータをロードする必要がある。レコードは固定長で、フィールド定義は列の位置に依存する。

SQL*Loader

ロードするデータがタブ区切りのテキスト・データであり、存在する表が10より多い。

SQL*Loader

ロードするデータがテキスト・データであり、ある選択基準(たとえば、部門番号3001の従業員のレコードのみ)を満たすレコードのみをロードする。

SQL*Loader

別のOracle Databaseへ、スキーマ全体をインポートまたはエクスポートする。

データ・ポンプ・エクスポートおよびデータ・ポンプ・インポート

別のOracle Databaseへデータをインポートまたはエクスポートする。データにはXMLTypeデータが含まれるが、FLOATまたはDOUBLEデータ型は含まれない。

インポート(imp)およびエクスポート(exp)

関連項目:

データ・ポンプ、インポートおよびエクスポート・ユーティリティ、およびSQL*Loaderの詳細は、Oracle Databaseユーティリティを参照してください

データのロード/アンロード・ページへのアクセス

「ユーティリティ」、「データ・ワークショップ」の順にクリックしてデータのロード/アンロード・ページにアクセスします。

データのロード/アンロード・ページにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「データ・ワークショップ」をクリックします。

    データ・ワークショップ・ページが表示されます。

  4. データのロード、データのアンロードまたはリポジトリの表示を行うには、該当するアイコンをクリックします。

データのロード

データのロード・ウィザードを使用して、データをコピー・アンド・ペーストしたり、アップロードします。

データのロードについて

複数の方法で、Oracle Application Expressデータベースにデータをロードできます。

  • スプレッドシートからデータをコピー・アンド・ペーストする。

  • 区切り形式(カンマ区切り(.csv)、タブ区切りなど)でスプレッドシート・ファイルをアップロードする。

    注意:

    アップロードするファイルの選択時に、そのファイルの最初の5行が、データのサンプルとしてプレビュー・ウィンドウに表示されます。これは、デフォルトでアクティブになっています。また、選択したすべてのファイルに対して動作します。データを実際にアップロードする前に、データを確認して、セパレータと囲み文字を調整できます。次のダイアログ・ボックスでは、列のマッピングを実行できます。

  • カンマ区切りデータまたはタブ区切りデータを含むテキスト・ファイルをアップロードする。

  • XML文書をアップロードする。

テキスト・ファイルまたはスプレッドシート・データのロード

テキスト・ファイルをアップロードすることも、タブ区切りデータをデータのロード・ウィザードに直接コピー・アンド・ペーストすることもできます。

テキスト・ファイルからデータをロードするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「データ・ワークショップ」をクリックします。
  4. 「データ・ロード」で「テキスト・データ」をクリックします。

    データのロード・ウィザードが表示されます。

  5. 「ロード先」で、「既存の表」または「新しい表」のいずれかを選択します。
  6. 「ロード元」で、「ファイルをアップロード」または「コピー・アンド・ペースト」のいずれかをクリックします。
    • ファイルのアップロード: アップロードする既存のテキスト・ファイルを指定する場合に選択します。

    • コピー・アンド・ペースト: コピー・アンド・ペーストを実行してアップロードするテキスト・ファイルを作成する場合に選択します。

  7. 「次へ」をクリックします。
  8. 「データのロード」でアップロード・ファイルを選択する場合は、次の変更を行います。
    • テキスト・ファイル - ロードするテキスト・ファイルの名前を参照します。

    • セパレータ - 列セパレータ文字を入力します。詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

    • 囲み文字(オプション) - データにデリミタ文字が含まれている場合は、それをここに入力します。詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

    • 1行目のデータに列名が含まれる - データの1行目が列名である場合にこのボックスを選択します。

    • ファイルのキャラクタ・セット - テキスト・ファイルのエンコードに使用されるキャラクタ・セットを選択します。詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

  9. 「コピー・アンド・ペースト」を選択した場合、「データ」で次の変更を行います。
    • データ - アップロードするテキスト・ファイルを入力します。

    • 1行目のデータに列名が含まれる - データの1行目が列名である場合にこのボックスを選択します。

  10. 「グローバリゼーション」で、次の変更を行います。
    • 通貨記号 - データに国際通貨記号が含まれている場合は、それをここに入力します。

    • グループ・セパレータ - データに整数グループを区切る文字が含まれている場合(たとえば千の位や百万の位を示す場合など)、それをここに入力します。

    • 小数点文字 - データに整数部分と小数部分を区切る文字が含まれている場合は、それをここに入力します。

    ヒント:

    特定の属性の詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

  11. 「次へ」をクリックします。

    表のプロパティ・ページが表示されます。データのアップロードを実行する前に、このページで、必要に応じてデータをカスタマイズできます。

  12. 「表のプロパティ」で次の変更を行って、「次へ」をクリックします。
    • スキーマ - ロードする表が含まれているスキーマを選択します。

    • 表名: 作成する表の名前を指定します。デフォルトでは、表の名前はすべて大文字に変換されます。「大/小文字を保持」を選択して、このデフォルトの動作を上書きします。

    • 列名 - 列の名前を入力します。

    • データ型 - この列のデータ型を選択します。

    • 書式 - 書式タイプを入力します。

    • 説明 - 説明を入力します。

    • 列長 - この列のデータの長さを入力します。

    • アップロード - この列のデータをアップロードする場合は「はい」を選択します。この列のデータはアップロードせずに、次の列にスキップする場合は「いいえ」を選択します。

  13. 「主キー」で次の変更を行います。
    • 主キーの移入元 - 既存の列または新しい列の作成を選択して、主キー列を定義します。オプションは次のとおりです。

      • 「既存の列を使用」: 既存の列を選択する場合は、ロードする列の中から列を選択する必要があります。

      • 新しい列の作成: 新しい列の作成を選択した場合は、新しい列の名前を指定する必要があります。

    • 制約名 - 制約名は、デフォルトではテーブル名の末尾に_PKが付いた名前になります。必要に応じて名前を更新できます。

    • 主キーの移入 - 主キーが移入される方法を決定する必要があります。新しい順序から生成するか、まったく生成しません。オプションは次のとおりです。

      • 新しい順序から生成: 新しい順序を選択した場合、指定した順序名を使用することも、必要に応じてそれを更新することもできます。順序が作成されます。

      • 既存の順序から生成: 既存の順序を選択した場合、現在スキーマで定義されている順序から選択する必要があります。

        順序(新規または既存)から主キーを生成すると、ウィザードは表にトリガーを作成して、次の順序値を取得し、レコードの挿入時に主キーを移入します。

      • 生成しない

  14. 「データのロード」をクリックします。

XML文書のロード

XMLデータのロード・ウィザードを使用して、XML文書をロードします。

Oracle Application Expressでは、Oracleの標準的なXML形式のXML文書をサポートしています。

Oracleの標準的なXML形式では、各要素が列の値を表し、列から各要素の名前が付けられ、同じ行を構成するすべての要素が<ROW>要素の子であり、すべての<ROW>要素が<ROWSET>要素の子です。

XML文書をロードするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「データ・ワークショップ」をクリックします。
  4. 「XMLデータ」をクリックします。

    XMLデータのロード・ウィザードが表示されます。

  5. データの適切なスキーマを選択し、「次へ」をクリックします。
  6. データのロード先となる表を選択します。
  7. 画面に表示されるステップに従います。

データのアンロード

アンロード・ページを使用して、表のコンテンツをテキスト・ファイルまたはXML文書にエクスポートします。

テキスト・ファイルのアンロード

テキストへのアンロード・ウィザードを使用して、表のコンテンツをテキスト・ファイルにエクスポートします。

たとえば、表全体をカンマ区切りファイル(.csv)にエクスポートできます。

表をテキスト・ファイルにアンロードするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「データ・ワークショップ」をクリックします。
  4. 「データ・アンロード」で「テキストへ」をクリックします。

    テキストへのアンロード・ウィザードが表示されます。

  5. 適切なスキーマを選択します。
  6. アンロードする表を選択します。
  7. 含める列をハイライトし、必要に応じて「WHERE句」に入力してアンロードするレコードを制限し、「次へ」をクリックします。
  8. 「オプション」に次を入力します。
    • セパレータ - 列の値の区切りに使用するセパレータのタイプを入力します。

    • 囲み文字(オプション) - データにデリミタ文字が含まれている場合は、それをここに入力します。

    • 列名を含める - テキスト・ファイルの各列の名前を含める場合は、このボックスを選択します。

    • ファイル形式 - 適切なファイル形式を選択します。

    • ファイルのキャラクタ・セット - テキスト・ファイルのエンコードに使用されるキャラクタ・セットを選択します。

    ヒント:

    詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

  9. 「データのアンロード」をクリックします。

    「ファイルのダウンロード」ウィンドウが表示されます。

  10. 「保存」をクリックして、ファイルをダウンロードします。

XML文書へのアンロード

XMLへのアンロード・ウィザードを使用して、表のコンテンツを標準XML仕様に準拠したXML文書にエクスポートします。

表をXML文書にアンロードするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースのホームページで「ユーティリティ」アイコンをクリックします。
  2. 「データ・ワークショップ」をクリックします。
  3. 「データ・アンロード」で「XMLへ」をクリックします。

    XMLへのアンロード・ウィザードが表示されます。

  4. 適切なスキーマを選択します。
  5. アンロードする表を選択します。
  6. 含める列をハイライトします。
  7. 必要に応じて、「WHERE句」を入力してアンロードするレコードを制限し、「データのアンロード」をクリックします。

    ブラウザにXMLデータが表示されます。

リポジトリの使用

ロードされたテキスト・データ・ファイルとスプレッドシートは、リポジトリに格納されます。適切なリポジトリを選択できます。

別のリポジトリにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースのホームページで「ユーティリティ」アイコンをクリックします。
  2. 「データ・ワークショップ」をクリックします。
  3. 「リポジトリ」で、次のいずれかを選択します。
    • インポート・リポジトリ: ロードされたテキスト・データのステータスが表示されます。「詳細」には、ファイル名、インポート者、インポート日、スキーマ、表、バイト数、正常にロードされた行数と正常にロードされなかった行数が含まれます。

    • スプレッドシートのインポート: ロードされたスプレッド・シートのステータスが表示されます。「詳細」には、ファイル名、インポート者、インポート日、スキーマ、表、バイト数、正常にロードされた行数と正常にロードされなかった行数が含まれます。

  4. 表示にフィルタを適用するには、「表示」リストでフィルタを選択して、「実行」をクリックします。
  5. 特定のファイルの詳細を表示するには、「ビュー」アイコンをクリックします。
  6. インポートされたファイルを削除するには、そのファイルのチェック・ボックスを選択して「チェックした項目の削除」をクリックします。