3 12cのためのOracle Databaseのアップグレードおよび準備

アップグレードに関するデータベース要件を理解することが重要です。アップグレード前にデータベースをサポートされているバージョンにアップグレードする必要がある場合があります。

次に示す各項では、12c (12.2.1.3.0)へのアップグレードのための、Oracleデータベースの準備に関連するタスクの一部について説明します。詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』Oracle Databaseをアップグレードするための準備に関する項を参照してください。

ノート:

12c (12.2.1.3.0)にアップグレードする場合、既存のデータベースをアップグレードに使用する必要があります。新しいデータベースは作成しません。

Oracle Databaseのアップグレードに関する最新情報の入手について

アップグレード前に、データベースの要件を確認して理解しておきます。多くのOracle Fusion Middleware製品は、ドメイン構成の前にデータベース・スキーマが必要です。

サポートWebサイトでは、アップグレード前の要件、アップグレード処理、アップグレード後、互換性および相互運用性に関する最新情報、ディスカッションおよびベスト・プラクティスが提供されています。

また、My Oracle Supportで入手できるアップグレード前情報ツールをダウンロードして実行することを強くお薦めします。

  • My Oracle Support:

    http://support.oracle.com

    ライブラリ内またはMy Oracle Supportサポートで、「データベース・アップグレード」などのキーワードについて検索してください。

  • My Oracle Supportの「Oracle Database Pre-Upgrade Utility」(ドキュメントID 884522.1)

  • My Oracle Supportの「Oracle Database 12c Release 2 Upgrade Companion」(ドキュメントID 1670757.1)

オペレーティング・システムで動作保証されているデータベースを調べるには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

スキーマ作成用にデータベースが適切に構成されていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ドキュメントのOracle Repository Creation Utilityの要件の確認に関する項を参照してください。

ノート:

標準インストール・トポロジには、動作保証されたデータベースのみを使用できます。リポジトリのスキーマをホストしているデータベースがサポート対象外の場合は、アップグレードしないでください。

最新のパッチ・セット更新および必須のパッチの適用

最新のパッチとアップグレード時の問題を回避するために必要な推奨パッチについて理解していることが重要です。

最新のパッチ・セットを適用していること、およびアップグレード中の問題の発生を回避するよう設計された推奨パッチ・リストを確認することで、相互運用性およびアップグレードに関する重要な問題を回避できます。

詳細は、ご使用のプラットフォーム用のリリース・ノートでアップグレードについての章を参照してください。たとえば、Linuxオペレーティング・システムを使用している場合は、『Oracle® Application Serverリリース・ノート』特定のアップグレードおよび互換性の要件に対処するためのパッチに関する項を参照してください。

データベースのパッチ要件の追加情報については、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』システム要件および仕様の確認に関する項 を参照してください。

スキーマ・バージョン・レジストリ表のバックアップ

システム・バックアップにはSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$表またはFMWREGISTRY.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$表を含める必要があります。

各Fusion MiddlewareスキーマはSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$表に行があります。Upgrade Assistantを実行して既存のスキーマを更新する際、正常に更新できなかった場合は、元のスキーマをリストアしてからやりなおす必要があります。アップグレード・アシスタントを実行する前に、既存のデータベース・スキーマおよびスキーマ・バージョン・レジストリを必ずバックアップします。

ノート:

アップグレード・アシスタントを使用してスキーマをアップグレードする前に、完全なデータベースのバックアップを実行する必要があります。アップグレード中に、バックアップが実行されていることを確認する必要があります。

データベース・オブジェクトのアップグレード準備が整っていることの確認

アップグレードの開始前に、サポート対象のデータベースに無効なオブジェクトが存在していないことと、アップグレードするスキーマがアップグレードに対応しているバージョンになっていることを確認する必要があります。

スキーマはインプレース・アップグレードされる(つまり、既存のスキーマがアップグレードされる)ため、スキーマがアップグレードに対応しているかどうかを知っていることが重要です。

スキーマ・バージョンの確認

データベースにスキーマが作成されると、RCUは、schema_version_registryという表を作成して維持します。この表には、バージョン番号、コンポーネント名とID、作成日と変更日およびカスタム接頭辞などのスキーマ情報が含まれています。

Upgrade Assistantを実行する前に、アップグレードするスキーマがこのバージョンのOracle Fusion Middlewareへのアップグレードでサポートされていることを確認します。

Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。

SET LINE 120
COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
COLUMN COMP_ID FORMAT A20
COLUMN VERSION FORMAT A12
COLUMN STATUS FORMAT A9
COLUMN UPGRADED FORMAT A8
SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;

VERSIONの数値が11.1.1.7.0以上で、STATUS列がVALIDであれば、そのスキーマはアップグレードでサポートされます。

あるスキーマでアップグレードの必要がない場合、schema_version_registry表には、アップグレード後もアップグレード前のバージョンでそのスキーマが保持されます。

無効なデータベース・オブジェクトのチェック

Oracle Databaseを使用している場合は、Upgrade Assistantを実行する前にデータベース・オブジェクトを再コンパイルして、アップグレード前に無効なオブジェクトをチェックしてください。SYSとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコマンドを実行します。

SELECT owner, object_name FROM all_objects WHERE status='INVALID';

詳細は、無効なオブジェクトをノートにとって、次の問合せを実行します。無効なデータベース・オブジェクトが存在すると、アップグレードを正常に完了できない場合があります。

oracle_home/software/rdbms/admin/utlrp.sql

単一のOracle Fusion Middlewareスキーマに属するオブジェクトのみを再コンパイルする場合は、次の例に示すOracle Databaseストアド・プロシージャdbms_utility.compile_schemaを使用できます。

SQL> execute
dbms_utility.compile_schema('1213_IAU');
PL/SQL procedure successfully completed 

ノート:

これらの手順は、確認のためにUpgrade Assistantを実行した後に、再度使用する必要があります。