14 Inbound Refineryを追加するためのドメインの拡張
- Inbound Refineryを追加するためのドメインの拡張の概要
Inbound Refineryは、Oracle WebCenter Content Serverがドキュメント変換を行う際に必要になります。 - Inbound Refineryを使用するためのドメインの拡張
この項では、Inbound Refineryソフトウェアを含めて既存のエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する手順を説明します。 - Inbound Refinery用の構成後タスクおよび検証タスクの実行
Inbound Refineryソフトウェアを含めてドメインを拡張した後、次の構成後タスクと検証タスクを行うことを考慮してください。 - Inbound Refinery管理対象サーバーの構成
Inbound Refinery管理対象サーバーの構成を初期化するには、その管理対象サーバーに一度だけHTTP経由でアクセスする必要があります。これは、管理対象サーバーのリスニング・アドレスで直接実行できます。Inbound RefineryインスタンスはHTTPサーバーの後方に配置する必要があります。 - Inbound Refinery管理対象サーバーの構成の検証
作成したInbound Refinery管理対象サーバーが正しく構成されているかどうかを確認するには、コンテンツ・サーバーにログインし、変換に有効と認識された拡張子を持つファイルが正しく変換されることを確認して、構成を検証します。
上位トピック: 「エンタープライズ・ドメインの構成」
Inbound Refineryを追加するためのドメインの拡張の概要
Inbound Refineryは、Oracle WebCenter Content Serverがドキュメント変換を行う際に必要になります。
実際のInbound Refinery管理対象サーバーの数は、要件によって異なります。可用性の理由から、少なくとも2つのInbound Refinery管理対象サーバーを別々のマシン上にインストールおよび構成することをお薦めします。参照用Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・トポロジにおいて、Inbound RefineryはContent Serverと同一のマシンに構成されます。
このエンタープライズ・デプロイメント・トポロジにInbound Refineryを追加してドメインを拡張するためのプロセスで複数の管理対象サーバーを作成しても、各Inbound Refineryインスタンスは完全に独立しています。Inbound Refineryはクラスタでは実行されません。
Inbound Refineryを使用するためのドメインの拡張
この項では、Inbound Refineryソフトウェアを含めて既存のエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する手順を説明します。
- 構成ウィザードの起動
既存のエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張するための最初のステップとして構成ウィザードを起動します。 - ドメインを拡張するために構成ウィザード画面へ移動
構成ウィザードの起動
既存のエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張するための最初のステップとして構成ウィザードを起動します。
ノート:
ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverridesLate.sh
という名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のJavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加したカスタマイズは、ドメインのアップグレード操作時に保持され、pack
コマンドとunpack
コマンドの使用時にリモート・サーバーに継承されます。
構成ウィザードを起動するには:
ドメインを拡張するために構成ウィザード画面へ移動
トポロジのドメインを更新して構成するには、この項の手順に従います。
ノート:
この項で説明する手順を使用して、既存のドメインを拡張することもできます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。
ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。
- タスク1 ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択
-
「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、作成した初期管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。
ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください
ヒント:
この画面に示されるその他のオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「構成タイプ」に関する項を参照してください。
「次へ」をクリックします。
- タスク2 構成テンプレートの選択
-
「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。
-
Oracle Universal Content Management - Inbound Refinery - 12.2.1.3.0 [wccontent]
初期ドメインを作成するために使用したため、次の追加のテンプレートもすでに選択されているはずです。
-
Oracle Enterprise Manager - 12.2.1.3.0[em]
-
Oracle SOA Suite - 12.2.1.3.0 [soa]
-
Oracle WebCenter Content - 12.2.1.3.0 [wcc]
-
Oracle WSM Policy Manager - 12.2.1.3.0[oracle_common]
-
Oracle JRF - 12.2.1.3.0[oracle_common]
-
WebLogic Coherenceクラスタの拡張 - 12.2.1.3.0 [wlserver]
-
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「テンプレート」に関する項を参照してください。
「次へ」をクリックします。
-
- タスク3 GridLink Oracle RACデータベース接続の詳細情報の指定
-
「GridLink Oracle RACコンポーネント・スキーマ」画面で「次へ」をクリックします。
- タスク4 JDBC接続のテスト
-
「次へ」をクリックして、続行します。
- タスク5 拡張構成の選択
-
トポロジのドメイン構成を完了するには、「拡張構成」画面で次のオプションを選択する必要があります。
トポロジ
「次へ」をクリックします。
- タスク6 管理対象サーバーの構成
-
「管理対象サーバー」画面で、サーバーのリストに新しい管理対象サーバーが表示されます。
次のタスクを実行して、デフォルトの管理対象サーバーを変更して2つ目の管理対象サーバーを作成します。
-
デフォルトの管理対象サーバーの名前を
WLS_IBR1
に変更します。 -
「追加」をクリックして新しい管理対象サーバーを作成し、そのサーバーに
WLS_IBR2
と名前を付けます。ヒント:
ここで推奨するサーバー名がこのドキュメント全体で使用されます。別の名前を選択した場合は、必要に応じて置き換えてください。
-
次の表の情報を使用して、各管理対象サーバーの残りの列を入力します。
表14-1 各Oracle Inbound Refineryサーバーで必要な値
サーバー名 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLの有効化 SSLリスニング・ポート サーバー・グループ WLS_IBR1
WCCHOST1
16250
いいえ
無効
IBR-MGD-SVR
WLS_IBR2
WCCHOST2
16250
いいえ
無効
IBR-MGD-SVR
ヒント:
「管理対象サーバー」画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の管理対象サーバーに関する項を参照してください。
「次へ」をクリックします。
-
- タスク7 クラスタの構成
-
このタスクでは、Oracle Inbound Refineryソフトウェアのターゲットにすることができる管理対象サーバーのクラスタを作成します。
「クラスタ」画面を使用して、新しいクラスタを作成します。
-
「追加」ボタンをクリックします。
-
「クラスタ名」フィールドで
IBR_Servers
を指定します。 -
「動的サーバー・グループ」ドロップダウン・リストで、
未指定
を選択します。 -
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
ノート:
デフォルトでは、クラスタ内のサーバー・インスタンスは、ユニキャストを使用して相互に通信します。マルチキャストを使用するようにクラスタの通信を変更する場合は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のユニキャストまたはマルチキャストを選択する際の考慮事項に関する項を参照してください。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「クラスタ」に関する項を参照してください。
-
- タスク8 サーバー・テンプレートの割当て
-
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
- タスク9 動的サーバーの構成
-
静的クラスタとして残すクラスタについて、すべての動的サーバー・オプションが無効になっていることを確認します。
-
この画面の「動的クラスタ」、「計算済リスニング・ポート」および「計算済マシン名」チェック・ボックスの選択が解除されていることを確認します。
-
「サーバー・テンプレート」で「未指定」が選択されていることを確認します。
-
「次へ」をクリックします。
-
- タスク10 クラスタへの管理対象サーバーの割当て
-
「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用して、
WLS_IBR1
およびWLS_IBR2
を新規クラスタIBR_Servers
に割り当てます。-
「クラスタ」ペインで、サーバーを割り当てるクラスタ(ここでは
IBR_Servers
)を選択します。 -
「サーバー」ペインで、次のいずれかの操作を実行して、WLS_IBR1を
IBR_Servers
に割り当てます。-
WLS_IBR1
管理対象サーバーを1回クリックして選択し、右矢印をクリックして「クラスタ」ペインで選択されているクラスタの下に移動します。 -
WLS_IBR1
をダブルクリックして、クラスタ・ペインで選択されているクラスタの下に移動します。
-
-
同じ手順を繰り返して、
WLS_IBR2
をIBR_Servers
に割り当てます。ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのクラスタへの割当」に関する項を参照してください。
-
「次へ」をクリックします。
-
- タスク11 Coherenceクラスタの構成
-
「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。ポート番号値は、初期インフラストラクチャ・メインの作成中に定義されているため、
9991
のままにします。ノート:
Coherenceライセンス情報については、Oracle Fusion Middlewareライセンス情報のOracle Coherenceに関する項を参照してください。
「次へ」をクリックします。
- タスク12 既存のマシンの検証
-
「Unixマシン」タブで、初期インフラストラクチャ・ドメインの作成時に作成したマシンの名前を確認します。
「次へ」をクリックします。
- タスク13 マシンへのサーバーの割当て
-
「サーバーのマシンへの割当」画面を使用して、作成したばかりのOracle Inbound Refinery管理対象サーバーを、ドメイン内の対応するマシンに割り当てます。
WLS_IBR1
をWCCHOST1、WLS_IBR2
をWCCHOST2に割り当てます。ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのマシンへの割当」に関する項を参照してください。
「次へ」をクリックします。
- タスク14 仮想ターゲットの確認
-
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
- タスク15 パーティションの確認
-
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
- タスク16 構成の仕様の確認とドメインの構成
-
「構成サマリー」画面には、ドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。
変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで任意の画面に戻れます。
「更新」をクリックして、ドメインの拡張を実行します。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。
- タスク17 ドメイン・ホームと管理サーバーURLのメモ
-
「構成に成功しました」画面には、構成したばかりのドメインについて、次の項目が表示されます。
-
ドメインの場所
-
管理サーバーURL
どちらの項目も後で必要になるため、ノートにとっておく必要があります。ドメインの場所は、ノード・マネージャと管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。また、URLは管理サーバーへのアクセスで必要になります。
「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。
-
- タスク18 管理サーバーの起動
-
管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。
Inbound Refinery用の構成後タスクおよび検証タスクの実行
Inbound Refineryソフトウェアを含めてドメインを拡張した後、次の構成後タスクと検証タスクを行うことを考慮してください。
Inbound Refineryのドメイン構成の更新の伝播
管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリでのノード・マネージャの起動
次のステップに従って、管理対象サーバー・ホームからノード・マネージャを起動します。
-
WCCHOST1で、次のディレクトリに移動します。
MSERVER_HOME/bin
-
次のコマンドを使用してノード・マネージャを起動します。
nohup ./startNodeManager.sh > ./nodemanager.out 2>&1 &
-
WCCHOST2の次のディレクトリに移動して、前のステップを繰り返します。
MSERVER_HOME/bin
追加ノード・マネージャの構成オプションの詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』を参照してください。
Inbound Refinery管理対象サーバーの構成
Inbound Refinery管理対象サーバーの構成を初期化するには、その管理対象サーバーに一度だけHTTP経由でアクセスする必要があります。これは、管理対象サーバーのリスニング・アドレスで直接実行できます。Inbound RefineryインスタンスはHTTPサーバーの後方に配置する必要があります。
Inbound Refineryインスタンスへのすべての後続のアクセスは、ソケット・リスナーを介して行われます。このリスナーは、次の項で構成する着信ソケット接続アドレス・セキュリティ・フィルタによって保護されます。
すべてのInbound Refineryインスタンスを使用して各コンテンツ・サーバー・インスタンスを構成することをお薦めします。コンテンツ・サーバーの構成プロセスは、Inbound Refineryインスタンスをプロバイダとして追加することです。また、一部のインストール後のステップをInbound Refineryで実行する必要があります。
次の項では、各Inbound Refineryインスタンスのインストール後の構成手順について説明します。
- Inbound Refineryの設定の構成
Inbound Refinery管理対象サーバーを起動した後、インストール後の構成画面で各サーバーの設定を構成します。 - Inbound Refineryにジョブを送信して変換するためのコンテンツ・サーバーの設定
Oracle WebCenter Content ServerからInbound Refineryにジョブを送信して変換を実施できるようにするには、次の項の説明に従って、Inbound Refinery管理対象サーバーごとに設定タスクを事前に実行する必要があります。
Inbound Refineryの設定の構成
Inbound Refinery管理対象サーバーを起動した後、インストール後の構成画面で各サーバーの設定を構成します。
親トピック: Inbound Refinery管理対象サーバーの構成
Inbound Refineryにジョブを送信して変換するためのコンテンツ・サーバーの設定
Oracle WebCenter Content ServerからInbound Refineryにジョブを送信して変換を実施できるようにするには、次の項の説明に従って、Inbound Refinery管理対象サーバーごとに設定タスクを事前に実行する必要があります。
- 送信プロバイダの作成
コンテンツ・サーバーからInbound Refineryにファイルを送信して変換を実施するには、「Inbound Refinery変換ジョブの処理」オプションを事前に選択して、コンテンツ・サーバーから各Inbound Refineryへの送信プロバイダを設定する必要があります。 - コンテンツ・サーバーでのInbound Refinery用のコンポーネントの有効化
変換タイプによっては、コンテンツ・サーバーでヘルパー・コンポーネントを有効にする必要があります。ドキュメント変換にInbound Refineryを使用するコンテンツ・サーバーのインスタンスでは、InboundRefinerySupportコンポーネントを常に有効にする必要があります。新しいコンテンツ・サーバーのインストールではデフォルトで有効になっています。 - 変換するファイル形式の選択
変換のためにInbound Refineryに送信するファイルをコンテンツ・サーバーに指定するには、ファイル形式を選択する必要があります。
親トピック: Inbound Refinery管理対象サーバーの構成
送信プロバイダの作成
コンテンツ・サーバーからInbound Refineryにファイルを送信して変換を実施するには、「Inbound Refinery変換ジョブの処理」オプションを事前に選択して、コンテンツ・サーバーから各Inbound Refineryへの送信プロバイダを設定する必要があります。
コンテンツ・サーバーでのInbound Refinery用のコンポーネントの有効化
変換タイプによっては、コンテンツ・サーバーでヘルパー・コンポーネントを有効にする必要があります。ドキュメント変換にInbound Refineryを使用するコンテンツ・サーバーのインスタンスでは、InboundRefinerySupportコンポーネントを常に有効にする必要があります。新しいコンテンツ・サーバーのインストールではデフォルトで有効になっています。
Inbound Refinery管理対象サーバーの構成の検証
作成したInbound Refinery管理対象サーバーが正しく構成されているかどうかを確認するには、コンテンツ・サーバーにログインし、変換に有効と認識された拡張子を持つファイルが正しく変換されることを確認して、構成を検証します。
たとえば、変換するフォーマットとしてdocx
を選択した場合は、拡張子が.docx
のMicrosoft Word文書をPDFフォーマットに変換できます。
チェックインとチェックアウトの手順の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの使用』のドキュメントのアップロードおよびファイルのチェックアウトとダウンロードに関する項を参照してください。
変換プロセスの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージング』のRefineryにジョブを送信するためのコンテンツ・サーバーの構成に関する項を参照してください。