6 Oracle WebCenter Portalコンポーネントのスタート・ガイド

この章は、Oracle WebCenter Portalコンポーネントを稼働し、使用できるようにするための構成方法について説明します。

Oracle WebCenter Portalコンポーネントと管理対象サーバーについて

Oracle WebCenter Portalをインストールすると、インストール時に選択したコンポーネントが様々なデフォルトの管理対象サーバーにデプロイされます。

次の表は、Oracle WebCenter Portalコンポーネントがデプロイされる管理対象サーバーとポート番号を示しています。

表6-1 Oracle WebCenter Portalコンポーネントと管理対象サーバー

コンポーネント 管理対象サーバー ポート

WebCenter Portal (ポータル・コンポーザ)

WC_Portal

8888

ディスカッション・サーバー

WC_Collaboration

8890

ポートレット・プロデューサ

WC_Portlet

8889

ページレット・プロデューサ

WC_Portlet

8889

Analyticsコレクタ

WC_Portal

8888

WebCenter Portalの使用

Oracle WebCenter Portalでは、個人およびグループがより効率的に作業し協力できる構成可能な作業環境とともに、エンタープライズ対応のカスタマイズが可能なポータル・コンポーザ(一般にWebCenter Portalとも呼ばれます)というアプリケーションがデフォルトで用意されています。

WebCenter Portalにアクセスするには:

  1. WC_Portal管理対象サーバーを起動します。

  2. 次の形式のURLを使用してWebCenter Portalにアクセスします: http://host:port/webcenter

    ここでのhost:portは、WebCenter Portalがインストールされているシステムのホスト名とポート番号を示します。デフォルトで、WebCenter Portalはポート8888にインストールされます。

  3. 管理者としてWebCenter Portalにサイン・インします。

    注意:

    Oracle WebCenter Portalドメインの作成中に、weblogic以外のユーザーをドメイン管理者として指定した場合は、WebCenter Portalのデフォルト以外のユーザーに管理者ロールを手動で付与する必要があります。『Oracle WebCenter Portalの管理』WebCenter Portal管理者ロールの付与に関する項を参照してください。

WebCenter Portalの使用の開始に関する情報は、『Oracle WebCenter Portalの管理』WebCenter Portalの起動および実行に関する項を参照してください。

WebCenter Portalの自動サービス構成の理解

WebCenter Portalでは、一部のツールおよびサービスの自動サービス構成をサポートしています。

WebCenter Portalを起動すると、接続がすでに存在する場合を除き、自動的に、特定の様々なツールおよびサービスへの接続が作成されます。この項では、自動的に構成されるサービス、自動構成が成功したかどうかを確認する方法、および必要に応じて自動構成を無効にする方法を説明します。

次の表は、自動サービス構成が実行されるツールおよびサービスのリストです。

表6-2 WebCenter Portal用に自動的に構成される接続

コンポーネント/ツール/サービス デフォルトの接続名

ディスカッションおよびお知らせ

WebCenterPortal-Discussions

ドキュメント

WebCenterPortal-ucm

ページレット・プロデューサ

WebCenterPortal-PageletProducer

事前構成済ポートレット・プロデューサ

wc-OmniPortlet

wc-WebClipping

wc-WSRPTools

ワークリストおよびWebCenter Portalワークフロー

WebCenterPortal-Worklist

前述のWebCenter Portal接続が自動的に構成されるためには、次の一般的な条件を満たしている必要があります。

  • WebCenter Portalとターゲット・コンポーネントは、同じドメインにインストールされる必要があります。

  • ターゲット・コンポーネントの管理対象サーバーは、明示的なリスニング・アドレスを持つ必要があります。そのリスニング・アドレスが空、nullまたはlocalhostである場合、そのアドレスには明示的アドレスを持つシステムが関連付けられている必要があります。リスニング・アドレスの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』管理対象サーバーの構成に関する項を参照してください。

  • ターゲット・コンポーネントが、クラスタにデプロイされる必要はありません。

  • 指定されたツールまたはサービスに関連付けられた管理対象サーバーを最初に起動する必要があります。次に、WC_Portal管理対象サーバーを起動します。

ターゲット・コンポーネントがアプリケーション起動時にすでに自動的に構成されている場合、その結果(失敗または成功)に関係なく、ターゲット・コンポーネントが再度構成されることはありません。サービスの自動接続構成は、ターゲットのコンポーネントがターゲット・コンポーネントに固有のルールを渡さないと失敗します。特定のコンポーネントの自動構成が失敗する場合、そのサービスは手動で構成する必要があります。詳細は、この章の必要なターゲット・コンポーネント固有の項を参照してください。

ツールおよびサービスの自動接続構成の確認

管理対象サーバーの起動時に、WebCenter Portalに対してツールおよびサービスの接続が自動的に構成されているかどうかを確認するには次の手順を実行します。

  1. 次の形式のURLを使用してOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールにアクセスします: http://host_name.domain_name:port_number/em

    例: http://myhost.mycompany.com:7001/em

  2. ファームの有効な管理者ユーザーの名前とパスワードを入力し、「ログイン」をクリックします。

  3. 次に示す手順でOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにナビゲートします。

    farm_wc_domainで、「WebCenter」をクリックし、「サーバー」タブで「WebCenter Portal」を選択します。

    WebCenter Portalホーム・ページが「WebCenter Portal」メニューに表示されます。

  4. 「WebCenter Portal」メニューから「設定」「サービス構成」を選択します。

  5. 別のツールおよびサービスを選択し、自動サービス構成をサポートするツールとサービスが構成されたことを確認します。

WebCenter Portalの自動サービス構成の無効化

必要に応じて、次のJavaプロパティを設定することにより、自動構成機能を無効にすることができます: -Dwebcenter.spaces.disableAutoConfigure=true

このJavaプロパティは、2つの方法で設定できます。

  • DOMAIN_HOME/bin/setDomainEnv.sh (UNIX)またはDOMAIN_HOME\bin\setDomainEnv.cmd (Windows)のJAVA_PROPERTIESに、プロパティを追加できます。

  • WC_Portal管理対象サーバーの起動時に、スクリプトの最後に追加できます。例: DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh WC_Portal -Dwebcenter.spaces.disableAutoConfigure=true

Oracle WebCenter Portal Analyticsコレクタの使用

Oracle WebCenter PortalのAnalyticsコレクタは、ポータルの使用状況とパフォーマンス・メトリックを表示できるようにするAnalytics機能をサポートしています。このトピックでは、Analyticsコレクタの使用を開始する方法について説明します。

Analytics機能には、Analyticsスキーマ(ACTIVITIES)がインストールされている必要があります。デフォルトでは、AnalyticsコレクタはWC_Portal管理対象サーバーにポート8888でインストールされます。
Analyticsコレクタは、そのままの状態で、インストール時のデフォルトを使用してイベントを受信するように構成されています。ただし、WebCenter Portalは、Analyticsコレクタにイベントを送信するようには構成されていません。WebCenter Portal,の使用状況とパフォーマンス・メトリックを収集する場合は、分析コレクタを登録してイベント収集を有効にする必要があります。アクティビティ・グラフがインストールされている場合、ACTIVITIESスキーマをアプリケーション間で共有することはできません。
Oracle WebCenter Portal Analyticsコレクタを使用するには:
  1. WC_Portal管理対象サーバーを起動します。
  2. アプリケーションのAnalyticsコレクタを登録します。『Oracle WebCenter Portalの管理』「分析の管理」を参照してください。

Oracle WebCenter Portalページレット・プロデューサの使用

Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサは、動的ページレットの開発を容易にする有用なツールと機能のコレクションを提供します。このトピックでは、Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサにアクセスし、使用を開始する方法について説明します。

注意:

Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサでは、以前のリリースのWebCenter PortalのWebクリッピング・ポートレットの機能が置き換えられています。

ページレット・プロデューサは、WC_Portlet管理対象サーバーにデプロイされます。

ページレット・プロデューサ・コンソールにアクセスするには、URL: http://host:port/pagelets/adminを使用します。

ここで、host:portはページレット・プロデューサがインストールされているシステムのホスト名およびポート番号です。デフォルトのコンテキスト・ルートはpageletsですが、ページレット・プロデューサは選択した任意の場所にデプロイできます。例: http://myhost.com:8889/pagelets/

すべてのデプロイメント後の接続構成は、Oracle Metadata Services (MDS)リポジトリに格納されます。ページレット・プロデューサでは、すべての構成データがRCUのMDSスキーマの個別パーティションに保存されます。通常、このスキーマはOracle WebCenter Portalインストールの一環としてインストールされます。この構成データは、他のサービスに属するデータとは競合しません。ページレット・プロデューサ・ドメイン・テンプレートをデプロイすると、構成ウィザード・プロンプトによって、スキーマが作成されているデータベースへの接続情報の入力が求められます。ページレット・プロデューサで想定されている名前は次のとおりです。

  • データ・ソース名: mds-PageletProducerDS

  • JNDI名: jdbc/mds/PageletProducerDS

  • MDSパーティション名: pageletproducer

ページレット・プロデューサを使用するには:

  1. WC_Portlet管理対象サーバーを起動します。
  2. WebCenter Portalのページレット・プロデューサを登録します。
    『Oracle WebCenter Portalの管理』「ページレット・プロデューサの管理」を参照してください。
    JavaScriptまたはREST APIを使用してページレット・プロデューサにアクセスすることもできます。

    注意:

    WebCenter Portalについては、接続を手動で登録する必要がない場合があります。次の条件を満たす場合は、WebCenter Portalを起動すると、WebCenterSpaces-PageletProducerという名前の接続が自動構成され、デフォルトの接続として設定されます。ただし、その接続がすでに存在する場合は除きます。
    • WebCenter Portalとページレット・プロデューサが同じドメインに存在する。

    • WC_Portlet管理対象サーバーは明示的なリスニング・アドレスを持つか、または明示的なアドレスでシステムが関連付けられている。

    • ページレット・プロデューサがクラスタにデプロイされていない。

Oracle WebCenter Portalポートレット・プロデューサの使用

Oracle WebCenter Portalのポートレット・プロデューサには、アクセスおよび登録が可能な事前構成済のポートレット・プロデューサがいくつか用意されています。

ポートレット・プロデューサをインストールすると、WC_Portlets管理対象サーバーが作成され、次のアプリケーションがサーバーにデプロイされます。
  • wsrp-tools - WSRPツールがサポートされます。

  • portalTools - OmniPortletがサポートされます

注意:

12cでは、portalToolsにより、ページレット・プロデューサで以前のリリースWebCenter PortalのWebクリッピング・ポートレット機能が置き換えられています。

事前構成済のポートレット・プロデューサにアクセスするには、アクセスする事前構成済ポートレット・プロデューサに応じて、次のURLを使用できます。

  • http://host:port/portalTools (OmniPortlet)

  • http://host:port/wsrp-tools/ (WSRPツール)

ここで、host:portは、ポートレット・プロデューサがインストールされているシステムのホスト名とポート番号を示します。デフォルトのポート番号は8889です。

Oracle WebCenter Portalで利用可能な事前構成済ポートレットを使用するには、次の手順に従う必要があります。

  1. WC_Portlet管理対象サーバーを起動します。
    『Oracle Fusion Middlewareの管理』Oracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。
  2. 必要な事前構成済ポートレット・プロデューサを登録します。
    ポートレットの登録の詳細は、『Oracle WebCenter Portalの管理』ポートレット・プロデューサの管理に関する項を参照してください。ポートレット・プロデューサを保護する場合は、『Oracle WebCenter Portalの管理』ポートレット・プロデューサのセキュリティの構成に関する項を参照してください。

    注意:

    WebCenter Portalについては、事前構成済ポートレット・プロデューサへの接続を手動で登録する必要がない場合があります。WebCenter Portalを起動すると、次の条件を満たす場合に、接続が自動的に構成されます。
    • WebCenter Portalとポートレット・プロデューサが同じドメインに存在する。

    • WC_Portlet管理対象サーバーが実行されている。

    • WC_Portlet管理対象サーバーは明示的なリスニング・アドレスを持つか、または明示的なアドレスでシステムが関連付けられている。

    • ポートレット・プロデューサがクラスタにデプロイされていない。

事前構成済のポートレット・プロデューサを登録すると、アプリケーション開発者またはWebCenter Portalユーザーは自分のポータル・ページにポートレットを追加できるようになります。