16 同一ドメイン内でのWebCenter PortalワークフローのOracle SOA Suiteとの統合

WebCenter Portalには、ポータル・メンバーシップ通知、ポータル・サブスクリプション・リクエストなどを処理する事前作成されたワークフローがいくつか用意されています。WebCenter Portalワークフローは、Oracle SOA SuiteのコンポーネントとしてインストールされるOracle BPM Worklistに依存します。

WebCenter Portalワークリストの統合では、SOA Suiteによって提供されるBPELサービスが同じWeb層、SSOおよびアイデンティティ・ストアをポータルと共有する必要があります。このエンタープライズ・デプロイメント・ガイドでは、SOA Suiteは同じWebLogic Serverドメインにインストールおよび構成され、Web層、SSOおよびディレクトリ構成に組み込まれます。

必要に応じて、SOA Suiteを別のWebLogic Serverドメインにデプロイできますが、Portalワークフローの統合タスク・フローが正しく機能するには、共有されるWeb層、SSOおよびアイデンティティ・ストアの要件を満たす必要があります。

Oracle BPM Worklistの機能の詳細は、『Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』「Oracle BPM Worklistの使用」を参照してください。

WebCenter PortalでWebCenter Portalワークフローの機能を有効にするために実行する必要があるタスクは次のとおりです。

注意:

BPMプロセス・ポータル・リソース・カタログを使用してBPM機能をポータル・ページに統合するには、このガイドに記載されていない追加ステップが必要です。「BPM機能のWebCenter Portalへの統合」」を参照してください。

インストールのバックアップ

再構成してPortalワークフローのSOA Suiteとの統合を組み込む前に、環境をバックアップします。

これは、この章の実行中に問題が発生した場合に即時リストアするという特別な目的のクイック・バックアップです。バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメントの設定が完了すれば、このバックアップは破棄してかまいません。その時点では、デプロイメント固有の定期的なバックアップ手順とリカバリ手順を実行できるようになっています。詳細は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイドを参照してください。

環境をバックアップする手順は次のとおりです。
  1. 管理対象サーバー、管理サーバー、ノード・マネージャの順にドメイン・リソースを停止します。
  2. データベースをバックアップします。データベースの全体バックアップ(ホットまたはコールド)をお薦めします。
  3. この章のトラブルシューティングに役立つように、またバックアップ・サイズを減らすために、WebLogic ServerおよびNodeManagerのログを消去します。
    find ASERVER_HOME/servers/AdminServer/logs -type f ! -size 0c -print -exec rm -f {} \+ 
    find ASERVER_HOME/nodemanager -type f \( -name '*.log' -or -name '*.out' \) -print -exec rm -f {} \+  
    
    find MSERVER_HOME/servers/*/logs -type f ! -size 0c -print -exec rm -f {} \+ 
    find MSERVER_HOME/nodemanager -type f \( -name '*.log' -or -name '*.out' \) -print -exec rm -f {} \+
  4. 管理サーバーのドメイン・ディレクトリをバックアップします。
    tar -czf ASERVER_HOME/../backup_aserver_home_DOMAIN_NAME_WCPEDG_CH16_1.tgz ASERVER_HOME &
  5. アプリケーション・ディレクトリをクリーンアップしてバックアップします。
    find APPLICATION_HOME -type f -name "*.bak*" -print -exec rm -f {} \;  
    tar -czf APPLICATION_HOME/../backup_app_home_DOMAIN_NAME_ch16_1.tgz APPLICATION_HOME &
  6. 他の共有構成およびランタイム・フォルダをバックアップします。
    tar -czf KEYSTORE_HOME/../backup_keystore_home_DOMAIN_NAME_ch16_1}.tgz KEYSTORE_HOME &  
    tar -czf DEPLOY_PLAN_HOME/../backup_dp_home_DOMAIN_NAME_ch16_1.tgz DEPLOY_PLAN_HOME &  
    tar -czf ORACLE_RUNTIME/backup_runtime_DOMAIN_NAME_ch16_1.tgz ORACLE_RUNTIME/DOMAIN_NAME &
  7. WCCHOST1およびWCCHOST2で、ORACLE_HOMEの共有製品バイナリおよびOracleインベントリをバックアップします。
    tar -czf ORACLE_HOME/../backup_fmw_ch16_1.tgz ORACLE_HOME &  
    tar -czf /u01/oracle/products/backup_oraInv_ch16_1.tgz /u01/oracle/products/oraInventory &
  8. WCCHOST1AdminServerのノード・マネージャを再起動します。
    nohup ASERVER_HOME/bin/startNodeManager.sh > ASERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.out 2>&1 & 
    sleep 5 && grep "started on port" ASERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.log

    注意:

    この時点ではAdminServerまたはその他のドメイン・サービスを起動しないでください。後の項で追加の製品インストールおよびドメイン拡張を行います。
  9. アプリケーション層の各ホストでMSERVER_HOMEのノード・マネージャを再起動します。
    nohup MSERVER_HOME/bin/startNodeManager.sh > MSERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.out 2>&1 & 
    sleep 5 && grep "started on port" MSERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.log

Oracle SOA Suiteのインストール

ワークフローをサポートする場合、WebCenter PortalはBPELサーバー(Oracle SOA Suiteに付属)を必要とします。Oracle SOA Suiteをこのドメインの一部としてインストールする方法の詳細は、「Oracle SOA Suiteを含めるドメインの拡張」を参照してください。

Oracle WebCenter Portal SOAコンポジットのインストール

WebCenter Portalでワークフローを使用するには、SOA Suiteのインストール後にポータル・インストーラを使用してWebCenter Portal SOAコンポジットをインストールする必要があります。

WebCenter Portal SOAコンポジットのインストール手順:

  1. 共有ORACLE_HOMEごとに再度WebCenter Portalインストーラを実行し、「インストール・タイプ」に「WebCenter Portal SOAコンポジット」を選択します。
  2. WebCenter Portalコンポジット・アーカイブがインストールされたことを確認します。

WCCHOST1でのOracle WebCenter Portalインストーラの起動

インストール・プログラムを起動する手順は次のとおりです。

  1. WCCHOST1にログインします。
  2. インストール・プログラムがダウンロードされたディレクトリに移動します。
  3. 次の例に示すとおり、ご使用のシステムのJDKディレクトリからjava実行可能ファイルを実行し、インストール・プログラムを起動します。
    JAVA_HOME/bin/java -d64 -jar fmw_12.2.1.3.0_wcportal.jar

    これらの例にあるJDKの場所は、ご使用のシステムの実際のJDKの場所に読み替えてください。

    ソフトウェアをダウンロードして製品の実際のインストーラ・ファイル名を見つける方法の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェア・ディストリビューションの特定と取得」を参照してください。

インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。

インストール画面への移動

インストール・プログラムでは次の表に記載された順番で一連の画面が表示されます。

インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面名をクリックしてください。

画面 説明

ようこそ

製品のインストーラの紹介画面です。

自動更新

この画面を使用して、使用可能なパッチをMy Oracle Supportで自動的に検索するか、組織のためにすでにダウンロードしたパッチをローカル・ディレクトリで自動的に検索します。

インストール場所

この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。

Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングインストールと構成のディレクトリの選択に関する項を参照してください。

インストール・タイプ

この画面を使用してインストールのタイプと、それに従ってインストールされる製品および機能を選択します。

WebCenter PortalのSOAコンポジットをインストールするには、次を選択します。

  • WebCenter Portal SOAコンポジット

前提条件のチェック

この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。

警告メッセージまたはエラー・メッセージが表示された場合は、次のいずれかのドキュメントのOracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール計画システム環境の検証ロードマップに関する項を参照してください。

セキュリティ更新

Oracle Supportアカウントをすでに所持している場合は、この画面を使用して、セキュリティ・アップデートの受取り方法を指定します。

アカウントを所持していないときに、このステップを省略してもかまわない場合は、チェック・ボックスの選択を解除して、その選択を後続のダイアログ・ボックスで確認します。

インストール・サマリー

この画面を使用して、選択したインストール・オプションを確認します。

「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールの進行状況

この画面では、インストールの進行状況を参照できます。

進捗バーが100%完了になった後で、「次へ」をクリックします。

インストール完了

この画面の情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。

インストールしたファイルの確認

インストールが完了したら、WebCenter Portal SOAコンポジットおよびワークリスト詳細アプリケーションのアーカイブが、次のようにORACLE_HOME内の正しいディレクトリ構造に書き込まれていることを確認します。

ls ORACLE_HOME/wcportal/common/soa-composite/wcp/sca_CommunityWorkflows.jar
ls ORACLE_HOME/wcportal/webcenter/applications/WebCenterWorklistDetailApp.ear

WCCHOST2でのインストールの実行

固有のORACLE_HOMEが格納されている共有ファイル・システムごとにもう一度インストールを繰り返す必要があります。「エンタープライズ・デプロイメントにおける共有記憶域ボリュームのサマリー」を参照してください。

WebCenter Portalワークフローをデプロイするためのドメインの拡張

WebCenter Portalワークフローは、Oracle SOAクラスタにデプロイされます。Oracle SOAがインストールされているドメインをテンプレートoracle.wc_composite_template.jarで拡張する必要があります。

構成ウィザードを実行する際に、ドメインのAdminServerと、選択したコンポーネント/テンプレートによって変更される管理対象サーバーを停止する必要があります。その他の影響を受けない管理対象サーバーはすべて実行中のままでもかまいません。

この項では、WSM-PM_Cluster内の管理対象サーバーを含め、すべての管理対象サーバーを停止することをお薦めします。これにより、後で停止して再起動する必要がなくなります。

ドメインを拡張する手順は次のとおりです。

  1. EM、WLSコンソールまたはWLSTから、すべての管理対象サーバーを停止します。
  2. 拡張するドメインのAdminServerを停止します。
  3. 次のコマンドを実行して構成ウィザードを起動します。
    ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/config.sh
  4. 「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。

    「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、「エンタープライズ・デプロイメント用の初期インフラストラクチャ・ドメインの作成」で作成した管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。

    /u01/oracle/config/domains/domain_name/
  5. 「テンプレート」画面で、次のいずれかの方法でテンプレートを選択します。
    • 「製品テンプレートを使用してドメインを更新」を選択し、次を選択します。

      Oracle WebCenter Portal Composites - 12.2.1.3.0 [wcportal]

    • 「カスタム・テンプレートを使用してドメインを更新」を選択して次のパスを「テンプレートの場所」フィールドに指定します。

      ORACLE_HOME/wcportal/common/templates/wls/oracle.wc_composite_template.jar

    oracle.wc_composite_template.jarテンプレートにより、次のものが自動的にデプロイされます。

    • 招待やメッセージを表示するADFアプリケーション、WebCenterWorklistDetailApp.ear

    • WebCenter Portalのメンバーシップ・メカニズムを管理するBPELコンポジット、sca_CommunityWorkflows.jar

  6. 確認して「次へ」をクリックし、「拡張構成」ビューが表示されるまで次のいくつかの画面を進みます。
  7. 「拡張構成」画面で、「デプロイメントとサービス」を選択し、「次へ」をクリックします。
  8. デプロイメント・ターゲット指定。

    WebCenterWorklistDetailAppアプリケーション・デプロイメントはSOA_Clusterのみをターゲットとする必要があります。

    各クラスタにターゲット指定されたアプリケーション・デプロイメントを確認し、WebCenterWorklistDetailAppがターゲット指定されているSOA_Cluster以外のすべてのクラスタからこれを削除します。SOA_Clusterに対するターゲット指定はそのまま残します。

  9. サービス・ターゲット指定。

    Oracle Web Services Manager Policy Managerが別のクラスタにデプロイされている場合、ポータル、ポートレット、Inbound Refinery、コンテンツおよびSOAクラスタに対するWSM-PMサービス・リソースのデフォルトのターゲット指定を削除する必要があります。

    「ターゲット」パネルのPortal_ClusterPortlet_ClusterSOA_ClusterWCC_ClusterおよびIBR_Serversのそれぞれについて、次のリソースを選択してターゲット・リストから削除します。
    • mds-owsm

  10. 構成の指定内容の確認とドメインの構成

    「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。

    変更する必要がある場合、「戻る」をクリックするか、目的の画面をナビゲーション・ペインで選択して、前の画面に戻ることができます。

    「更新」をクリックして、ドメインの拡張を実行します。

    ヒント:

    この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成サマリーに関する項を参照してください。

  11. 管理サーバーを起動します。

    管理サーバーを起動してログインし、クラスタ・ビューとサーバー・ビューを確認して、ドメインに対する変更が適用されていることを確認します。

ドメイン・ディレクトリおよびマシンへの拡張済ドメインの伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。

ドメイン構成を伝播するには、次のステップを実行します。
  1. 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリと管理対象サーバーのapplicationsディレクトリのコピーを作成します。
  2. 次のpackコマンドをWCCHOST1で実行し、テンプレート・パックを作成します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./pack.sh -managed=true 
              -domain=ASERVER_HOME 
              -template=/full_path/wcpdomaintemplateExtComposites.jar 
              -template_name=wcp_domain_template_extension_composites

    この例では、次のようになります。

    • ASERVER_HOMEを、共有記憶域デバイスに作成したドメイン・ディレクトリの実際のパスに置き換えます。

    • full_pathを、ドメイン・テンプレートjarファイルを作成する場所の完全なパスに置き換えます。ドメイン・テンプレートjarファイルをコピーまたは解凍する場合は、この場所を参照する必要があります。ORACLE_HOME以外の共有ボリュームを選択するか、/tmp/に書き込み、そのファイルをサーバー間で手動でコピーすることをお薦めします。

      テンプレートJARファイルの完全なパスを、packコマンドの-template引数の一部として指定する必要があります。

      SHARED_CONFIG_DIR/domains/template_filename.jar
    • wcpdomaintemplateExtComposites.jarは、作成するJARファイルのサンプル名です。これには、Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルなどのドメイン構成ファイルが含まれます。

    • wcp_domain_template_extension_compositesは、ドメイン・テンプレート・ファイルに割り当てられる名前です。

  3. 次のunpackコマンドをWCCHOST1で実行して、前のステップで作成したテンプレートをMSERVER_HOMEディレクトリに伝播します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME 
                -template=/full_path/wcpdomaintemplateExtComposites.jar 
                -app_dir=APPLICATION_HOME 
                -overwrite_domain=true
    

    この例では、次のようになります。

    • MSERVER_HOMEを、ローカル記憶域ディスクに作成するドメイン・ホームの完全なパスに置き換えます。これは、ドメインのコピーの解凍先となる場所です。

    • wcpdomaintemplateExtComposites.jarは、packコマンドを実行して共有記憶域デバイス上のドメインを圧縮したときに作成したテンプレートのディレクトリ・パスおよび名前です。

    • 管理対象サーバーのテンプレートを、既存のドメインおよび既存のアプリケーション・ディレクトリに解凍する場合は、-overwrite_domain=true引数が必要です。

      上書きされるファイルがあれば、上書き前のファイルのバックアップ・コピーが作成されます。管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリにある起動スクリプトおよびearファイルになんらかの変更が適用されていた場合には、この解凍処理の後に起動スクリプトおよびearファイルをリストアする必要があります。

    • APPLICATION_HOMEを、ローカル記憶域上のそのドメインのアプリケーション・ディレクトリの完全なパスに置き換えます。

    ヒント:

    packおよびunpackコマンドの詳細は、PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成PackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。

  4. パック済のJARファイルへのフルパスが他のサーバーで使用可能な共有ボリューム上にある場合は、このステップをスキップし、それ以外の場合は、次のコマンドをWCCHOST1で実行し、ステップ1で作成したテンプレート・パックをWCCHOST2WCPHOST1およびWCPHOST2にコピーします。
    scp /full_path/wcpdomaintemplateExtComposites.jar oracle@WCCHOST2:/full_path/
    scp /full_path/wcpdomaintemplateExtComposites.jar oracle@WCPHOST1:/full_path/
    scp /full_path/wcpdomaintemplateExtComposites.jar oracle@WCPHOST2:/full_path/
  5. 次のunpackコマンドを各リモート・ホストで実行して、前のステップでコピーしたドメイン・テンプレートをMSERVER_HOMEディレクトリにデプロイします。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME 
                -template=/full_path/wcpdomaintemplateExtComposites.jar 
                -app_dir=APPLICATION_HOME 
                -overwrite_domain=true
    

    この例では、次のようになります。

    • MSERVER_HOMEを、ローカル記憶域ディスクに作成するドメイン・ホームの完全なパスに置き換えます。これは、ドメインのコピーの解凍先となる場所です。

    • wcpdomaintemplateExtComposites.jarは、packコマンドを実行して共有記憶域デバイス上のドメインを圧縮したときに作成したテンプレートのディレクトリ・パスおよび名前です。

    • 管理対象サーバーのテンプレートを、既存のドメインおよび既存のアプリケーション・ディレクトリに解凍する場合は、-overwrite_domain=true引数が必要です。

      上書きされるファイルがあれば、上書き前のファイルのバックアップ・コピーが作成されます。管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリにある起動スクリプトおよびearファイルになんらかの変更が適用されていた場合には、この解凍処理の後に起動スクリプトおよびearファイルをリストアする必要があります。

    • APPLICATION_HOMEを、ローカル記憶域上のそのドメインのアプリケーション・ディレクトリの完全なパスに置き換えます。

    ヒント:

    packおよびunpackコマンドの詳細は、PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成PackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。

ドメイン解凍後のsetDomainEnv.shへのカスタマイズのリストア

すでにASERVER_HOMEおよびMSERVER_HOME内のsetDomainEnv.shファイルにカスタマイズを加えていた場合、このようなカスタマイズはドメイン拡張後に再度行う必要があります。

注意:

setDomainEnvスクリプトを変更することはお薦めできません。詳細は、Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理ドメイン全体のサーバー・パラメータのカスタマイズに関する項を参照してください。

WebCenterエンタープライズ・デプロイメントについては、「setUserOverridesLateスクリプトを使用したサーバー・パラメータのカスタマイズ」を参照してください。

NodeManagerまたはWebLogic Serverインスタンスの起動前に、カスタマイズがすべてリストアされていることを確認します。

WCCHOST1で次の手順を実行します。

  1. ASERVER_HOME/bin/setDomainEnv.shを確認して更新します。
  2. MSERVER_HOME/bin/setDomainEnv.shを確認して更新します。
  3. MSERVER_HOME/bin/setDomainEnv.shを他のホスト(WCCHOST2WCPHOST1WCPHOST2など)にコピーします。

    注意:

    ASERVER_HOMEおよびMSERVER_HOMEsetDomainEnv.sh構成ファイルに格納されているパラメータ値には、固有差があります。同じファイルを両方の場所にコピーすることはできないため、別々に編集する必要があります。MSERVER_HOME/bin/setDomainEnv.shは、環境全体で変らずコピーできます。

ドメイン解凍後のNodeManager構成の更新

ドメインの拡張時に、MSERVER_HOMEnodemanager.propertiesファイルがASERVER_HOMEnodemanager.propertiesファイルの一部の値で上書きされることがあります。具体的には、ListenAddressまたはCustomIdentityAlias (あるいはその両方)の値がリセットされる場合があります。

注意:

各ホストのMSERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.propertiesファイルについて、次のことを実行します。
  1. 正しいListenAddressパラメータ値を確認して、必要な場合は値を再設定します。
    grep ListenAddress MSERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.properties
  2. 次のコマンドの参照として、ドメイン構成ファイルから構成済アイデンティティ別名のリストを確認します。
    grep server-private-key-alias ASERVER_HOME/config/config.xml | sort | uniq

    注意:

    動的クラスタの使用時には、このリストにADMINVHNとワイルドカードの証明書アイデンティティ別名のみが表示されます。

    次の手順でnodemanger.properties CustomIdentityAliasプロパティを更新するときには、適切なホスト固有の証明書アイデンティティ別名を使用してください。

  3. 現在のnodemanager.properties CustomIdentityAliasパラメータの値がホストの別名と一致していることを確認します。
    grep CustomIdentityAlias MSERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.properties
  4. 必要に応じて、CustomIdentityAliasパラメータ値を、現在のホストに適した正しい別名文字列に再設定します。
  5. nodemanagerプロセスを再起動します。
    kill `ps -eaf | grep weblogic.NodeManager | grep MSERVER_HOME | grep -v grep | awk '{print $2}' `
    nohup MSERVER_HOME/bin/startNodeManager.sh > MSERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.out 2>&1 &

注意:

CustomIdentityAliasパラメータの詳細は、「カスタム・キーストアを使用するためのノード・マネージャの構成」を参照してください。

ドメインの起動およびWebCenter Portal SOAコンポジットのためのドメイン拡張の検証

ドメイン全体を起動し、Enterprise Managerを使用してPortal SOAコンポジットおよびWebCenterワークリスト詳細アプリケーションのデプロイメントを検証します。

ノード・マネージャを使用した管理サーバーの起動

ドメインを構成し、ノード・マネージャを構成したら、ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動できます。エンタープライズ・デプロイメントでは、ドメイン内の管理サーバーおよびすべての管理対象サーバーの起動および停止にノード・マネージャが使用されます。

ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する手順は次のとおりです。

  1. WebLogic Scripting Tool(WLST)を起動します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./wlst.sh
  2. ノード・マネージャ資格証明を使用してノード・マネージャに接続します。
    wls:/offline>nmConnect('nodemanager_username','nodemanager_password',
                'ADMINVHN','5556','domain_name',
                'ASERVER_HOME')

    注意:

    このユーザー名とパスワードは、ノード・マネージャとクライアントの間の接続の認証にのみ使用されます。これらは、サーバー管理者IDおよびパスワードとは無関係であり、次のディレクトリにあるnm_password.propertiesファイルに格納されます。

    ASERVER_HOME/config/nodemanager
  3. 管理サーバーを起動します。
    nmStart('AdminServer')
    

    注意:

    管理サーバーを起動すると、WebServicesポリシーのためにOracle Web Services Managerに接続しようとします。WSM-PM管理対象サーバーはまだ起動されていないと予想されるため、管理サーバー・ログには次のメッセージが表示されます。

    <Warning><oracle.wsm.resources.policymanager>
    <WSM-02141><Unable to connect to the policy access service due to Oracle WSM policy manager host server being down.>
  4. WLSTを終了します。
    exit()

すべての管理対象サーバーの起動と稼働の確認

直近のドメイン拡張で作成または変更した管理対象サーバーを今度は起動する必要があります。ドメイン拡張時に稼働したままだった管理対象サーバーが稼働していることを確認する必要があります。

表16-1 管理対象サーバー

クラスタ 管理対象サーバー 初期状態 操作

WSM-PM_Cluster

WLS_WSMn

SHUTDOWN

すべての管理対象サーバーを起動して確認します。

SOA_Cluster

WLS_SOAn

SHUTDOWN

すべての管理対象サーバーを起動して確認します。

IBR_Servers

WLS_IBRn

SHUTDOWN

すべての管理対象サーバーを起動して確認します。

WCC_Cluster

WLS_WCCn

SHUTDOWN

すべての管理対象サーバーを起動して確認します。

Portlet_Cluster

WC_Portletn

SHUTDOWN

すべての管理対象サーバーを起動して確認します。

Portal_Cluster

WC_Portaln

SHUTDOWN

すべての管理対象サーバーを起動して確認します。

WebCenter Portal SOAコンポジットのデプロイメントの確認

WebCenter Portal SOAコンポジットを含めてドメインを拡張すると、2つのデプロイメントが追加されます。これらには、エンタープライズ・アプリケーション・アーカイブとSOAコンポジット・アーカイブが1つずつ含まれます。これらのリソースは、このドメイン拡張を続行する前に、正常にデプロイして検証する必要があります。SOAコンポジットは、ワークフローに含まれるヒューマン・タスクのアプリケーションに依存します。それらは、異なるプロセスを使用して別々にデプロイされます。

  • WebCenterWorklistDetailApp.ear - ORACLE_HOME/wcportal/webcenter/applicationsにある標準のJava EE Webアプリケーション

  • sca_CommunityWorkflows.jar - ORACLE_HOME/wcportal/common/soa-composite/wcpにあるSOAコンポジット

この項では、検証プロセスとデプロイメント・プロセスの両方について説明します。

WebCenter Portal SOAコンポジットおよびアプリケーションのデプロイメントの確認

WebCenterWorklistDetailApp.earアプリケーション・デプロイメントを検証する手順は次のとおりです。

  1. weblogic_wcp管理ユーザーとしてEnterprise Managerに接続します。

  2. WebCenterWorklistDetailAppアプリケーションが「ターゲット・ナビゲーション」「アプリケーション・デプロイメント」に表示されていることを確認します。アプリケーション・リンクが表示されていない場合は、「SOA_ClusterへのWebCenterWorklistDetailAppアプリケーションのデプロイ」を参照してください。

  3. WebCenterWorklistDetailAppアプリケーションが表示されている場合は、リンクをクリックして「サマリー」ビューで「状態」に「アクティブ」と表示され、「状態」が「OK」であることを確認します。また、SOA_Clusterが「デプロイメント」ビューの「ターゲット」列に表示されていることを確認します。

    WebCenterWorklistDetailAppで「ターゲット」列にSOA_Clusterが表示されていない場合は、次のステップを実行します。

    1. 「ドメイン・アプリケーション・デプロイメント」ドロップダウン・メニューから、「管理」「ターゲット」の順に選択します。

    2. 右上隅のロック・アイコンから、「ロックして編集」を選択します。

    3. 「WebCenterWorklistDetailApp EAR」を選択して、「ターゲットの変更」をクリックします。

    4. ポップアップ・ウィンドウで、「SOA_Cluster」を選択してから「このクラスタ内のすべての構成済サーバー」オプションを選択します。

    5. 「OK」をクリックします。変更が完了したら、確認メッセージが表示されます。

    6. 情報パネルに次のメッセージが表示された場合は、「新規デプロイメント・プランの作成」をクリックします。

      情報: 構成変更はデプロイメント・プランに保存されます。このアプリケーションには現在デプロイメント・プランがありません。構成変更を保存するために、まずこのアプリケーションの新規デプロイメント・プランを作成する必要があります。

    7. 別のコマンド・シェルで、DEPLOY_PLAN_HOMEフォルダにWebCenterWorklistDetailAppの共有デプロイメント・プラン・フォルダを作成します。「エンタープライズ・デプロイメント用の推奨ディレクトリ構造の理解」を参照してください。

      mkdir -p DEPLOY_PLAN_HOME/WebCenterWorklistDetailApp

    8. 「デプロイ・プランの保存」ダイアログで、新しいアプリケーション固有のデプロイメント・プラン・フォルダのフルパスとファイル名plan.xmlを入力するか、参照します。

       /u01/oracle/config/dp/WebCenterWorklistDetailApp/plan.xml

    9. 「デプロイ・プランの保存」ボタンをクリックします。

    10. 右上隅のロック・アイコンから、「変更のアクティブ化」を選択します。

      注意:

      「変更のアクティブ化」が選択できない場合、ロック・アイコンの真下にある日付の横のリロード・アイコンをクリックします。
    11. SOA_Cluster内の管理対象サーバーを再起動します。

  4. 「ターゲット・ナビゲーション」パネルを開き、「WebLogicドメイン」「domain-name」「SOA_Cluster」に移動します。

  5. 「WebLogicクラスタ」ドロップダウン・メニューから「デプロイメント」を選択します。

  6. WebCenterWorklistDetailAppが緑の上向き矢印ステータスと「アクティブ」状態とともに表示されていることを確認します。

    WebCenterWorklistDetailAppがSOA_Clusterにデプロイされていない場合、すべての検証ステップの完了後にデプロイメントを実行します。「SOA_ClusterへのWebCenterWorklistDetailAppアプリケーションのデプロイ」を参照してください。

sca_CommunityWorkflows.jar SOAコンポジット・デプロイメントを検証する手順は次のとおりです。

  1. 「ターゲット・ナビゲーション」パネルを開き、「SOA」「soa-infra (WLS_SOA1)」サービスに移動します。

  2. 「デプロイ済コンポジット」タブをクリックします。

  3. CommunitWorkflows [12.2.1.3.0]コンポジットが緑の上向き矢印のステータスとともに表示されていることを確認します。

    「SOAサービスへのCommunityWorkflows SOAコンポジットのデプロイ」を参照してください。

SOA_ClusterへのWebCenterWorklistDetailAppアプリケーションのデプロイ
WebCenterWorklistDetailAppアプリケーションをデプロイする必要がある場合は、次のステップを実行します。
  1. weblogic_wcp管理ユーザーとしてEnterprise Managerに接続します。
  2. 「ターゲット・ナビゲーション」パネルを開き、「WebLogicドメイン」「domain-name」「SOA_Cluster」に移動します。
  3. 「WebLogicクラスタ」ドロップダウン・メニューから「デプロイメント」を選択します。
  4. WebCenterWorklistDetailAppが表示されていないことを確認します。
  5. 「デプロイメント」ドロップダウン・メニューから「デプロイ」を選択します。
  6. 適切なデプロイメント・スコープを選択します。追加設定なしの構成の場合、適切なスコープはglobalです。
  7. 「Enterprise Managerが稼働しているサーバーのアーカイブ。」を選択します。
  8. ORACLE_HOME/wcportal/webcenter/applications/WebCenterWorklistDetailApp.earと入力します。
  9. 「デプロイ構成が行われるとき、新規デプロイ・プランを作成します。」を選択します。
  10. 「このアーカイブまたは展開済ディレクトリをアプリケーションとしてデプロイします」を選択します。
  11. 「次へ」をクリックします。
  12. 「ターゲットの選択」ビューで、「SOA_Cluster」のみが選択され、「このクラスタ内のすべての構成済サーバー」オプションが選択されていることを確認します。
  13. 「アプリケーション属性」ビューで、配布オプションのみを「アプリケーションのインストールと起動(すべてのリクエストの処理)」に変更します。その他のアプリケーション属性は変更しないでください。
  14. 「デプロイ」をクリックします。残りのアプリケーション・デプロイメント構成を変更する必要はありません。
  15. 表示される「処理中: デプロイ」モーダル・ダイアログ・ボックスに示される進行状況のメッセージを監視し、完了するまで待ちます。
  16. ダイアログ・ボックスが「正常にデプロイされました」メッセージで更新されるのを監視します。
  17. ダイアログ・ボックスを閉じます。
  18. 新しいアプリケーション・デプロイメントが緑の上向き矢印ステータスと「アクティブ」状態とともに表示されていることを確認します。

エンタープライズ・アプリケーション・アーカイブのデプロイ方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』Fusion Middleware Controlを使用したJava EEアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

SOAサービスへのCommunityWorkflows SOAコンポジットのデプロイ
CommunityWorkflows SOAコンポジットをデプロイする必要がある場合は、次のステップを実行します。
  1. weblogic_wcp管理ユーザーとしてEnterprise Managerに接続します。
  2. 「ターゲット・ナビゲーション」パネルを開き、「SOA」「soa-infra (WLS_SOA1)」サービスに移動します。
  3. 「デプロイ済コンポジット」タブをクリックします。
  4. CommunityWorkflowsコンポジットが「稼働中」および「アクティブ」と表示されていることを確認します。表示されていない場合やリストに「コンポジットが見つかりません」と表示される場合は、このデプロイメント・ステップを続行します。ステータスが「停止中」の場合は、CommunityWorkflowsコンポジットを起動します。
  5. 「デプロイ」をクリックします。
  6. 「Enterprise Managerが稼働しているサーバーのアーカイブ。」を選択します。
  7. ORACLE_HOME/wcportal/common/soa-composite/wcp/sca_CommunityWorkflows.jarと入力します。
  8. 「外部構成プランは必要ありません。」を選択します。
  9. 「次へ」をクリックします。
  10. デプロイメント・ターゲットが/Domain_< domain_name >/< domain_name >/SOA_Clusterであることを確認します。
  11. 適切なSOAフォルダを選択します。追加設定なしの構成の場合、選択する適切なフォルダはdefaultです。
  12. 「次へ」をクリックします。
  13. 今回初めてコンポジットをデプロイするため、「デフォルト・リビジョンとしてデプロイ」が選択されていることを確認します。
  14. 「デプロイ」をクリックします。
  15. 表示される「処理中: デプロイ」モーダル・ダイアログ・ボックスに示される進行状況のメッセージを監視し、完了するまで待ちます。
  16. ダイアログ・ボックスが「正常にデプロイされました」メッセージで更新されるのを監視します。
  17. ダイアログ・ボックスを閉じます。
  18. 今度は、Enterprise ManagerにCommunityWorkflows[12.2.1.3.0] SOAコンポジットのダッシュボード・ビューがいくつかのコンポーネントおよびサービスとともに表示されていることを確認します。

Oracle SOAおよびWebCenter PortalのためのWS-Securityの構成

Oracle WebCenter PortalにデプロイされるWebCenter Portal Webサービスにより、WebCenter PortalとSOAサーバー間の通信が容易になります。このWebサービスのコールを保護する必要があります。

注意:

この構成で使用される主要な別名およびその他のプロパティ値の一部は、特にデプロイされる製品で必要となります。このプロセスは、同一ドメイン内のOracle SOAおよびWebCenter Portalと組み合せたトポロジ専用に調整されています。記載されている説明を超えてこのプロセスをカスタマイズしないでください。

2ドメイン・トポロジの構成の詳細は、『Oracle WebCenter Portalのインストールと構成』Oracle SOAとWebCenter Portal - WS-Security構成に関する項を参照してください。

使用するWebCenter PortalおよびSOA Suite BPEL Server用のセキュリティ・アプリケーション・ストライプとキーストアを作成して、WS-Securityを設定します。Oracle Fusion Middleware 12cでは、Enterprise ManagerまたはWLSTコマンドによって構成されたキーストア・セキュリティ・サービス(KSS)を使用してこのようなキーストアを実装します。

『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』メッセージ保護のためのキーストアの構成に関する項を参照してください。

KSSコマンドの構文情報および参照情報は、『Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・セキュリティWLSTコマンド・リファレンス』OPSSキーストア・サービス・コマンドに関する項を参照してください。

WLSTによるWebCenter Portalキーストアの作成

新しいWebCenter Portalキーストアを作成するには、次のステップを実行します。

  1. WLSTを起動し、管理サーバーに管理LDAPユーザーとして接続します。
    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/wlst.sh
    connect("weblogic_wcp", "weblogic_admin_pwd", "t3://ADMINVHN:7001")
  2. 次のWLSTコマンドを使用して、OPSSサービス・コマンド・オブジェクトを取得します。
    svc = getOpssService(name='KeyStoreService')
  3. 次のWLSTコマンドを使用して、キーストアを作成します。
    svc.createKeyStore(appStripe='WCPortalStripe', name='producer', password='password', permission=true)

    説明:

    • appstripe - キーストア・ストライプ名。キーストア内に作成されたキーおよび証明書はアプリケーション・ストライプまたは製品内に存在し、ドメイン内の各ストライプには一意の名前が付けられます

    • keystore_name - 作成しているキーストアの名前。通常、保護するコンポーネントまたはエンドポイントを特定しやすい名前を使用します。

    • password - このキーストアに使用するパスワードを入力します。

    • permission — 権限とパスワードの両方によって保護する場合はfalse (キーストアを権限のみで保護する場合はtrue)

  4. 適切なパスワードを指定し、ドメイン名、組織、場所(市区町村)、都道府県および国を適切に設定して、この新規作成したキーストアのキー・ペアを生成します。
    svc.generateKeyPair(appStripe='WCPortalStripe', name='producer', password='password', dn='CN=Producer, OU=WCPortalServices, OU=domain_name, O=MyOrganization, L=MyTown, ST=MyState, C=US', keysize='2048', alias='producer', keypassword='keypassword')

    説明:

    • appstripe - キーストア・ストライプ名。キーストア内に作成されたキーおよび証明書はアプリケーション・ストライプまたは製品内に存在し、ドメイン内の各ストライプには一意の名前が付けられます

    • keystore_name - 作成しているキーストアの名前。通常、保護するコンポーネントまたはエンドポイントを特定しやすい名前を使用します。

    • password - キーストアを作成したときに定義したパスワード。

    • dn - 識別名。階層ネーミング構造内でキー・ペアを一意に識別したり、編成するのに使用されます。DNのOU=domain_nameO=MyOrgL=MyTownST=MyStateC=USの各部分を更新し、環境および組織と適切に一致させます。

    • keysize - 暗号化キーのビット数。2048以上にする必要があります。

    • alias - 公開キーの別名

    • keypassword - 作成している新しい公開キーのパスワードを入力します。

  5. プロデューサ証明書(コンシューマによって使用される)をエクスポートします。
    svc.exportKeyStoreCertificate(appStripe='WCPortalStripe', name='producer', password='password', alias='producer', type='TrustedCertificate',filepath='KEYSTORE_HOME/ksscert_wcportalproducer.crt')

    説明:

    • appstripe - キーストア・ストライプ名。キーストア内に作成されたキーおよび証明書はアプリケーション・ストライプまたは製品内に存在し、ドメイン内の各ストライプには一意の名前が付けられます

    • name - キーストア名

    • password - キーストア・パスワード

    • alias - 公開キーの別名

    • keypassword - 新しい公開キーのパスワード

    • filepath - 証明書パス

  6. コンシューマWebサービスで使用するためにプロデューサによってエクスポートされた証明書をインポートします。
    svc.importKeyStoreCertificate(appStripe='WCPortalStripe', name='producer', password='password', alias='webcenter_spaces_ws', keypassword='keypassword', type='TrustedCertificate', filepath='KEYSTORE_HOME/ksscert_wcportalproducer.crt')

    説明:

    • password - キーストア・パスワード

    • keypassword - 新しい公開キーのパスワード

    • filepath - 証明書パス

    注意:

    importKeyStoreCertificateコマンドの別名は、常にwebcenter_spaces_wsに設定する必要があります。この別名を変更しないでください。変更すると、Webサービスの通信は失敗します。この別名は、Webサービスのポリシー・セキュリティのデフォルト構成で使用されます。

  7. プロデューサ・ストライプを登録します。
    configureWSMKeystore('/WLS/domain_name','KSS', 'kss://WCPortalStripe/producer', signAlias='producer', cryptAlias='producer', signAliasPassword='password', cryptAliasPassword='password')

    説明:

    • domain_name - WebCenter Portalドメインの名前。Web Services Managerのコンテキストを指定する場合、接頭辞"/WLS/"が必要です。

    • KSS - キーストア・タイプ

    • kss://WCPortalStripe/producer - キーストアの場所。キーストアで作成されたキーおよび証明書はアプリケーション・ストライプまたは製品にあり、ドメイン内の各ストライプには固有の名前が付けられています。

    • signAlias - 署名キーの別名。この値は、キーストアの値(この場合は'producer')に一致する必要があります。

    • cryptAlias - 暗号化キーの別名。ここで指定する値は、キーストアの値(この場合は'producer')に一致する必要があります。

    • signAliasPassword - 前に構成したsignAliasに指定した証明書のパスワード

    • cryptAliasPassword - 前に構成したcryptAliasに指定した証明書のパスワード

    注意:

    KSSキーストア・タイプを使用する場合、configureWSMKeystore()コマンドが、パスワードを必要としないことを示す警告を発行することがあります。この特殊なケースでは、サービスでメッセージ保護を要求するポリシーを使用している場合、パスワードは必須です。そうでないと、サービスでは証明書を使用して暗号化および復号化が適切にできません。例で示すように、必ずパスワードのパラメータを挿入してください。

    『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』WLSTを使用したOWSMキーストアの構成に関する項を参照してください。

  8. WCPortalStripeストライプで新規作成されたproducerキーストアにキーストア権限を付与します。
    grantPermission(permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission", permTarget="stripeName=WCPortalStripe,keystoreName=producer,alias=*", permActions="read")

    注意:

    permTarget値のStripeName値およびkeystoreName値は、これまでのステップで使用した値に一致する必要があります。このコマンドに、その他の変更は必要ありません。

アプリケーション・ロールの確認

SOA Suiteを含めてWebCenter Portalを構成する前に、SOAAdminおよびBPMWorkflowAdminのアプリケーション・ロールを理解して確認します。

次のように、SOAAdminおよびBPMWorkflowAdminアプリケーション・ロールのメンバーシップをリストできます。

ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/wlst.sh 
connect('weblogic_wcp','password', 't3://ADMINVHN:7001')
listAppRoleMembers(appStripe="soa-infra", appRoleName="SOAAdmin")
listAppRoleMembers(appStripe="soa-infra", appRoleName="BPMWorkflowAdmin")

アプリケーション・ロールからユーザーまたはグループのメンバーシップを取り消すには、次のWLSTの例を検討してください。

revokeAppRole(appStripe="soa-infra", appRoleName="BPMWorkflowAdmin", principalClass="weblogic.security.principal.WLSUserImpl", principalName="weblogic")
revokeAppRole(appStripe="soa-infra", appRoleName="BPMWorkflowAdmin", principalClass="weblogic.security.principal.WLSGroupImpl", principalName="Administrators")

特にユーザー・メンバーシップをアプリケーション・ロールに付与するには、次の例に従います。

grantAppRole(appStripe="soa-infra", appRoleName="BPMWorkflowAdmin", principalClass="weblogic.security.principal.WLSUserImpl", principalName="weblogic_wcp")

エンタープライズ・デプロイメント環境でのLDAPグループの構成では、weblogic_wcpユーザー固有のアクセス権を付与する必要はありません。WCPAdministratorsグループは、すでにSOAAdminアプリケーション・ロールの一部であり、メンバーシップをBPMWorkflowAdminアプリケーション・ロールに継承しています。

エンタープライズ・デプロイメント用にリモートLDAPサーバーを構成する方法の詳細は、「新しいLDAPオーセンティケータの作成とエンタープライズ・デプロイメント・ユーザーおよびグループのプロビジョニング」を参照してください。

SOAアプリケーション・ロールの構成の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントの管理用のロールの構成」を参照してください。

BPELサーバーへの接続の作成

WebCenter Portalでは、BPELサーバーを使用して内部ワークフロー(ワークリスト、メンバーシップ通知、サブスクリプション・リクエストなど)をホストします。BPELサービスは、SOA管理対象サーバーで構成されます。WebCenter Portalのワークフロー機能を有効にするには、BPELサービスへの接続が必要です。

注意:

WebCenter Portalワークフローは、WebCenter Portalを使用するように構成されたSOA管理対象サーバーにデプロイする必要があります。『Oracle WebCenter Portalのインストールおよび構成』WebCenter Portalワークフローのバックエンド要件に関する項も参照してください。

ワークリストの通知用接続を構成する手順は次のとおりです。

  1. 管理者のアカウント(例: weblogic_wcp)を使用してFusion Middleware Controlにサインインして、アプリケーションのホーム・ページに移動します。

    『Oracle WebCenter Portalの管理』WebCenter Portalのホームページへの移動に関する項を参照してください。

  2. 「WebCenterポータル」メニューで、「設定」「アプリケーション構成」の順に選択します。
  3. BPEL SOAP URLフィールドで、ロード・バランシングされた内部URLを指定します。

    次に例を示します。

    http://wcp-internal.example.com:80
  4. 「リンクURL」フィールドで、環境のロード・バランシングされたパブリック・フロントエンドURLを指定します。

    次に例を示します。

    https://wcp.example.com:443
  5. 「WebCenterポータル・ワークフローの有効化」を選択します。
  6. 「適用」をクリックします。
  7. Portal_Clusterを再起動して、この変更を有効にします。

BPELサーバーへの接続の検証

BPELサーバーへの接続を作成したら、その接続を検証して正しく機能していることを確認します。

WLSTコマンドlistWorklistConnectionsを使用して、構成した接続を表示して接続の詳細を検証してください。

getSpacesWorkflowConnectionName()を使用してアクティブなワークフロー接続の名前を確認します。

次に例を示します。

listWorklistConnections(appName='webcenter', server='WC_Portal1', verbose=1) 
getSpacesWorkflowConnectionName(appName='webcenter', server='WC_Portal1')

表示されたURLプロパティ値を使用して有効なワークリスト・アプリケーションURLを構築し、ブラウザを使用してアクセスを検証します。表示されたURLプロパティ値の末尾にパス/integration/worklistappを追加し、テストに適したURLを生成します。

電子メールで送信するためのWebCenter Portalワークフロー通知の構成

WebCenter Portalでは、SOAワークフローと統合されるヒューマン・ワークフロー(人間による操作が必要)を使用できます。SOAサーバーは電子メールを構成し、通知をユーザーの受信箱に配信できます。ユーザーは通知を承認または却下できます。

このトピックでは、電子メール通知を有効にし、メール・サーバー詳細を設定することで、WebCenter Portalワークフロー通知を電子メールによって送信する方法について簡単に説明します。フル機能には、発信と着信の両方の電子メール・アドレスまたはポータル・ワークフロー通知専用で処理に応じるメールボックスが必要です。説明の詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』ヒューマン・ワークフロー通知プロパティの構成に関する項を参照してください。

  1. 管理者のアカウントを使用してFusion Middleware Controlにサインインします。例: weblogic_wcp
  2. 「ターゲット・ナビゲーション」パネルを開き、「SOA」「soa-infra (WLS_SOA1)」サービスに移動します。
  3. 「SOAインフラストラクチャ」ドロップダウン・メニューから、「SOA管理」「ワークフロー・プロパティ」の順に選択します。
  4. 「通知モード」を「電子メール」に設定します。
  5. 「通知サービス」に正しい電子メール・アドレスを指定します。
  6. 「適用」をクリックし、求められたら確認します。変更が適用されたことを確認する戻りメッセージを確認します。
  7. 「「メッセージング・ドライバ」ページに移動」リンクをクリックします。
  8. 「関連ドライバ」セクションで、「ユーザー・メッセージング電子メール・ドライバ」「ドライバの構成」アイコンをクリックします。
  9. 電子メール・ドライバがまだ存在しない場合は、「作成」をクリックして構成します。

    通知用の電子メール・ドライバを構成する方法の詳細は、『Oracle Managed File Transferの使用』通知のための電子メール・ドライバの構成に関する項を参照してください。

  10. 必要な電子メール・ドライバの構成がすべて完了したら、「テスト」をクリックして、「成功」テスト・ステータスを確認します。
  11. 「OK」をクリックして電子メール・ドライバ構成を保存します。
  12. 新しいUMSドライバ構成が「電子メール・ドライバ・プロパティ」表ビューに表示されていることを確認します。
  13. SOAクラスタを再起動します。WebCenter Portalの場合、構成または再起動は不要です。

WebCenter PortalでのOracle BPM Worklistアプリケーションのテスト

WebCenter Portalの招待およびメンバーシップのワークフローと電子メール通知のテストは、エンドユーザー・アカウントを使用して実行でき、テスト・ケースを設定するために特定のポータル・ランタイム構成が必要です。

追加のログイン・プロンプトが表示されないようにWebCenter PortalからBPELワークリスト・タスクの詳細にアクセスするには、WebCenter PortalサーバーとOracle SOA SuiteサーバーでOracle Single Sign-Onサーバーを共有するように構成する必要があります。このテストは、「エンタープライズ・デプロイメント用のシングル・サインオンの構成」の手順を完了すると、さらに簡単に検証できます。

『Oracle WebCenter Portalの管理』WebCenter Portalワークフローの構成ロードマップに関する項(タスク7)を参照してください。

構成のバックアップ

ベスト・プラクティスとして、ドメインの拡張が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。ここまでのインストールが正常に行われたことを確認したら、バックアップを作成します。これは、後のステップで問題が発生した場合に即座にリストアするための迅速なバックアップになります。

バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。

構成をバックアップする方法の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントのバックアップとリカバリの実行」を参照してください。