4 WebLogic ServerドメインにおけるOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP Serverをインストールした後、既存のInfrastructureドメインをOracle HTTP Serverで拡張できます。

ノート:

「インストール・タイプ」画面で「同じ場所に配置されたHTTPサーバー(WebLogic Server経由で管理)」を選択した場合にのみ、この項の構成ステップを実行します。「スタンドアロンHTTPサーバー(WebLogic Serverとは切り離して管理)」を選択した場合、スタンドアロン・ドメインにおけるOracle HTTP Serverの構成を参照してください。

Oracle HTTP Serverのドメイン構成オプションの詳細は、Oracle HTTP Serverについてを参照してください。

Oracle Fusion Middleware Infrastructureドメインをまだ作成していない場合、Oracle HTTP Serverと同時に作成できます。手順については、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』Oracle Fusion Middleware Infrastructureドメインの構成に関する項を参照してください。ただし、「拡張構成の選択」において、システム・コンポーネントも選択していることを確認してください。

管理サーバーの停止

構成ウィザードを起動する前に、管理サーバーを停止する必要があります。これにより、ドメインの構成時に、構成のロック、保存、アクティブ化が発生しなくなります。

管理サーバーを停止するには、DOMAIN_HOME/binディレクトリに移動します。

  • UNIXオペレーティング・システムの場合:

    ./stopWebLogic.sh
    
  • Windowsオペレーティング・システムの場合:

    stopWebLogic.cmd
    

Oracle Fusion Middleware Infrastructureドメインを構成した際に入力した、管理ユーザーのログイン接続情報の入力を要求されます。

構成ウィザードの起動

構成ウィザードを起動して、ドメインの構成を開始します。

構成ウィザードを起動するには:

  1. 次のディレクトリに変更します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

    (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\common\bin

    ここでORACLE_HOMEは、12c (12.2.1.3.0) Oracleホームになります。

  2. 次のコマンドを入力します。

    (UNIX) ./config.sh

    (Windows) config.cmd

ドメインを拡張するために構成ウィザード画面へ移動

構成ウィザードを使用して、Oracle HTTP Serverインスタンスで既存のInfrastructureドメインを拡張します。

ノート:

Oracle HTTP Serverインスタンスを既存のドメインに追加する際に、任意の新規コンポーネントに割り当てているポートが利用可能であることを確認してください。構成ウィザードでは、ポートの自動的な割当ては実行されません。

次の各項では、構成ウィザードの各ステップを説明します。

ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

Oracle HTTP Serverで更新するドメインを指定する必要があります。

ドメイン・タイプおよびドメインのホーム・ディレクトリを指定するには:

  1. 「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。
  2. 「ドメインの場所」フィールドで、Infrastructureドメインを構成する際に指定したドメイン・ホームを選択します。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成構成タイプを参照してください。

Oracle HTTP Serverの構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面を使用して、必要なテンプレートを選択します。

「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートのいずれかを選択します。

  • 完全JRF構成の場合、Oracle HTTP Server (同じ場所に配置) - 12.2.1.3.0 [ohs]を選択します。

  • 制限付きJRF構成の場合は、Oracle HTTP Server (制限付きJRF) - 12.2.1.3.0 [ohs]を選択します。

    このテンプレートを選択すると、次の項目が依存関係として自動的に選択されます。
    • Oracle Enterprise Manager-Restricted JRF

    • Oracle Restricted JRF

    • WebLogic Coherenceクラスタ拡張

必要な操作モードが不明な場合は、両方のモード概要について「完全JRFモードおよび制限付きJRFモードについて」を参照してください。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成テンプレートを参照してください

高可用性オプションの構成

この画面を使用して、高可用性に影響するサービス移行および永続性設定を構成します。この画面は、自動サービス移行、永続ストアまたはその両方を使用するクラスタを初めて作成するときに表示され、「構成ウィザード」を使用することでドメインに追加される後続のすべてのクラスタは選択したHAオプションを自動的に適用します。

自動サービス移行の有効化

「自動サービス移行の有効化」を選択して、固定されたサービスがフェイルオーバー用の正常な管理対象サーバーに自動的に移行できるようにします。自動サービス移行およびクラスタ・リースに必要な移行可能なターゲット定義を構成します。次に示すクラスタ・リース・オプションを1つ選択します。

  • データベース・リーシング - 管理対象サーバーは、リーシングに有効なJDBCシステム・リソースの表を使用します。自動移行データ・ソースに有効なJDBCシステム・リソースが必要です。このオプションを選択すると、データベースに対して「移行基準」が構成され、「自動移行に使用するデータ・ソース」も構成ウィザードによって自動的に構成されます。Oracle RACなどの高可用性データベースでリース情報を管理する場合は、「高可用性データベース・リース」のステップに従って、サーバーの移行に使用するデータベースを構成します。

  • コンセンサス・リーシング - 管理対象サーバーはインメモリーでリース情報を保持します。ノード・マネージャを使用して、クラスタの管理対象サーバーを制御します。(移行可能な、または移行可能対象をホストできるすべてのサーバーにノード・マネージャを関連付けます。)このオプションを選択すると、「構成ウィザード」によりコンセンサスに対して「移行基準」が構成されます。

リースの詳細は、「リース」を参照してください。

自動サービス移行の詳細は、「サービス移行」を参照してください。

JTAトランザクション・ログ永続性

この項には、「デフォルトの永続ストア」および「JDBC TLogストア」の2つのオプションがあります。
  • デフォルトの永続ストア - デフォルト・ファイル・ストアにサーバーのJTAトランザクション・ログ・ストアを構成します。

  • JDBC TLogストア - JDBCストアにサーバーのJTAトランザクション・ログ・ストアを構成します。

「JDBC TLogストア」を選択することをお薦めします。構成を完了すると、トランザクション・ログにJDBC永続ストアが設定されたクラスタが作成されます。

永続ストアおよびTLOGストアの詳細は、『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』の次のトピックを参照してください。

JMSサービス永続性

永続的なJMSストアは、永続メッセージ・データと恒久サブスクライバを格納するための物理的なリポジトリです。ディスクベースのファイル・ストアにも、JDBC対応データベースにもなります。メモリーが消耗された際、ディスクへのメッセージのページングに「JMSファイル・ストア」を使用できます。

  • JMSファイル・ストア - JMSファイル・ストアを使用するコンポーネントを構成します。このオプションを選択すると、必要に応じて「拡張構成」画面で「ファイル・ストア」オプションを選択して設定を変更することができます。「ファイル・ストア」画面で、ファイル・ストア名、ディレクトリおよび同期書込みポリシーを設定できます。

  • JMS JDBCストア - すべてのJMSサーバーに対してJDBCストアを使用するためにコンポーネントを構成します。構成を完了すると、クラスタおよびJDBC永続ストアがJMSサーバー用に構成されます。

データベース構成タイプの指定

「データベース構成タイプ」画面を使用して、データベースとデータベース・スキーマの詳細を指定します。

「データベース構成タイプ」画面では、Infrastructureドメインに必要なFusion Middlewareスキーマを参照するためのドメインをすでに構成済であるため、すべてのフィールドが事前移入されています。すべてのフィールドにおける資格証明が、Oracle Fusion Middleware Infrastructureの構成中に指定したものと同じであることを確認します。

データベース接続情報を確認してから、「RCU構成の取得」を選択します。「接続結果ログ」の次の出力は、操作が成功したことを示しています。

Connecting to the database server...OK
Retrieving schema data from database server...OK
Binding local schema components with retrieved data...OK

Successfully Done.

RCUの実行時にインストールされるスキーマの詳細は、リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成サービス表スキーマの理解を参照してください。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成データベース構成タイプを参照してください。

JDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定

「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面を使用して、データベース・スキーマの詳細を確認または指定します。

「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面の値が、すべてのスキーマについて適切であることを確認します。前の画面で「RCUデータ」を選択した場合、スキーマ表はすでに適切に移入されている必要があります。

高可用性環境の場合は、Oracle RACデータベースのデータ・ソース構成に関する追加情報について、『高可用性ガイド』の次の項を参照してください。

この画面の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』JDBCコンポーネント・スキーマに関する項を参照してください。

JDBC接続のテスト

「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面を使用してデータ・ソース接続をテストします。

「ステータス」列に示される緑色のチェック・マークは、テストが成功したことを表します。問題が発生した場合は、この画面の「接続結果ログ」セクションに示されるエラー・メッセージを確認し、問題を修正してから接続テストを再試行してください。

デフォルトでは、スキーマの作成時に指定したパスワードが、各スキーマ・コンポーネントのスキーマ・パスワードです。スキーマ・コンポーネントに応じて異なるパスワードを使用する場合は、各行の「スキーマ・パスワード」列に使用するパスワードを入力して前の画面(「JDBCコンポーネント・スキーマ」)で手動で編集します。パスワードを指定した後、パスワードを変更したスキーマに対応するチェック・ボックスを選択し、再度接続をテストします。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成JDBCコンポーネント・スキーマ・テストを参照してください。

拡張構成の選択

「拡張構成」画面を使用して、ドメイン構成を完了します。

「拡張構成」画面で、次を選択します。

  • システム・コンポーネント

Oracle HTTP Serverの詳細の指定

「OHSサーバー」画面を使用して、ドメイン内のOracle HTTP Serverインスタンスを構成します。

「リスニング・アドレス」フィールドで、Oracle HTTP Serverインスタンスが常駐するホストのIPアドレスを指定します。localhostを使用しないでください。『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』リスニング・アドレスの指定に関する項を参照してください。

残りのすべてのフィールドは事前移入されますが、必要に応じて値を変更できます。たとえば、デフォルトのポート番号が他のサービスによって使用されていないことを確認してください。

この画面の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』OHSサーバーに関する項を参照してください。

システム・コンポーネントのマシンへの割当

「マシンへのシステム・コンポーネントの割当」画面を使用して、Oracle HTTP Serverシステム・コンポーネントを、初期状態のFusion Middleware Infrastructureドメインを構成した際に定義したマシンに割り当てます。

「マシンへのシステム・コンポーネントの割当」画面で、次の操作を実行します。

  1. 「マシン」リスト・ボックスで、Oracle HTTP Serverインスタンスを割り当てるマシン(たとえば、infra_machine_1)を選択します。

  2. 次のいずれかの方法で、選択したマシンにOracle HTTP Serverインスタンスを割り当てます。

    • 「システム・コンポーネント」リスト・ボックスのohs1をダブルクリックします。

    • 「システム・コンポーネント」リスト・ボックスでohs_1を選択し、右矢印をクリックします。

Oracle HTTP Serverマシンを既存のマシンに関連付けしたり、新規マシンを作成したりすることができます。多くの場合、複数のホスト・コンピュータにトポロジをスケールアウトする際に、追加のマシンを作成します。詳細は、高可用性ガイドトポロジのスケールアウト(マシンのスケールアウト)を参照してください。

構成の指定内容の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面に、拡張しているドメインの詳細な構成情報が表示されます。

画面上の各項目を検討し、情報が正しいことを確認します。変更するには、「戻る」ボタンをクリックするか、ナビゲーション・ペインの画面を選択していずれかの画面に戻ります。ドメインの更新は、「更新」をクリックするまで開始されません。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成構成サマリーを参照してください。

ドメイン・ホームと管理サーバーURLの記録

「構成の終了」画面には、構成したばかりのドメインについての情報が表示されます。

後で必要になるので、次の項目をノートにとります。

  • ドメインの場所

  • 管理サーバーURL

ドメインの場所はノード・マネージャおよび管理サーバーを起動するスクリプトにアクセスするため、URLは管理サーバーにアクセスするために必要です。

「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。

サーバーの起動

構成が完了したら、ノード・マネージャ、WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバーを順に起動します。

ドメイン管理に使用する追加のツールの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』Oracle Fusion Middlewareの管理ツールの概要に関する項を参照してください。

ノード・マネージャの起動

ドメインごとにノード・マネージャを起動するには:
  1. 次のディレクトリを変更します。

    • (UNIX) setenv JAVA_HOME /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_131

    • (Windows) set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_131

  2. 次のコマンドを入力します。

    • (UNIX) nohupnm.outをサンプル出力ファイルとして使用します。

      nohup ./startNodeManager.sh > LOG_DIR/nm.out&
      

      ここで、LOG_DIRは、ログ・ファイルを格納するディレクトリの場所です。

    • (Windows) startNodeManager.cmd

      ノート:

      Windowsオペレーティング・システムでは、ノード・マネージャをスタートアップ・サービスとして、ノード・マネージャを構成することをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。

      Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理起動サービスとしてのノード・マネージャの実行を参照してください。

管理サーバーの起動に関する項

管理サーバーを起動するには:

  1. DOMAIN_HOME/binに移動します

  2. 次のように入力します。
    • (UNIX) ./startWebLogic.sh

    • (Windows) startWebLogic.cmd

ドメインの作成時に「ドメイン・モードおよびJDK」画面で「本番モード」を選択した場合、「管理者アカウント」画面に表示されたように、管理者ユーザーのログイン資格証明のプロンプトが表示されます。

管理サーバーの起動の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』管理サーバーの起動と停止に関する項を参照してください。

ヒント:

本番モードでは、起動アイデンティティ・ファイルを作成することで、管理サーバーの起動時に必要なユーザー名とパスワードの指定を省略できます。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』管理サーバーの起動IDファイルの作成に関する項を参照してください。

管理サーバー・コンソールにアクセスすることで、管理サーバーが稼働中であることを確認できます。URLは、ドメインを構成するための「構成ウィザード」画面のナビゲートの「ドメイン・ホームと管理サーバーURLの記録」に記載されているように、「構成に成功しました」画面に表示されます(http://administration_server_host:administration_server_port/console)。デフォルトの管理サーバーのポート番号は7001です。

ノート:

製品スキーマをホストしているデータベースが稼働中であり、管理サーバーからアクセスできることを確認してください。

管理コンソールの使用方法については、『Oracle Fusion Middlewareの管理』Oracle WebLogic Server管理コンソールの使用のスタート・ガイドを参照してください。

Oracle HTTP Serverインスタンスの起動

Oracle HTTP Serverインスタンスを起動するには:

  1. Fusion Middleware Controlにサインインします。

    http://administration_server_host:administration_server_port/em
    

    管理サーバーのホストおよびポート番号は、「構成に成功しました」画面のURLに表示されたものです。デフォルトの管理サーバーのポート番号は7001です。

    インストール中に、ログイン接続情報が「管理者アカウント」画面に表示されます。

  2. ナビゲーション・パネルの左側にある「WebTier」をクリックします。

  3. 起動するOracle HTTP Serverインスタンス(ohs1など)を選択し、トップ・パネルから「起動」をクリックします。

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用したOracle HTTP Serverの管理の詳細は、『Fusion Middleware ControlによるOracle Fusion Middlewareの管理』Oracle HTTP Serverの管理に関する項を参照してください。

他のツールおよび手順については、Oracle HTTP Serverの管理Oracle HTTP Serverインスタンスの起動を参照してください