A.2 OIDCTLを使用したOracle Internet Directoryインスタンスの管理
この付録の内容は次のとおりです。
A.2.1 OIDCTLを使用したOracle Internet Directoryの管理について
一部の顧客は、WebLogicドメインやOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用せずに、スタンドアロン・モードでOracle Internet Directoryを実行する必要があります。Oracle Internet Directoryをスタンドアロン・モードで実行している場合は、oidctl addを使用して、既存のOracle Internet Directoryコンポーネント内にOracle Internet Directoryインスタンスを追加作成できます。oidctlを使用してOracle Internet Directoryインスタンスを作成すると、新規インスタンスはWebLogicサーバーから認識されず、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して管理できません。
oidctlのinst引数は整数です。つまり、最初のサーバー・インスタンスは1(inst=1)、2番目は2となります。
図A-1に、2つのOracle Internet Directoryインスタンスで構成される1つのOracle Internet Directoryコンポーネントを示します。各インスタンスは、非SSLポートおよびSSLポートを使用する独自のディスパッチャを備えています。どちらのディスパッチャも同じOIDMONで制御されます。
図A-1 2つのインスタンスで構成されるコンポーネント

この方法で新規インスタンスを作成すると、コンポーネント名に新規インスタンス番号を追加したインスタンス固有の構成エントリも新規に作成されます。たとえば、最初のインスタンス固有の構成エントリを次のように仮定します。
cn=oid1,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
2番目のインスタンス固有の構成エントリは、次のようになります。
cn=oid1_2,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
これらの2つのインスタンスは、LDAPツールまたはOracle Directory Services Managerを使用して別々に管理できます。この新規インスタンスはWebLogicドメインに登録できないため、この管理にはOracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlやWLSTを使用できません。
この方法でOracle Internet Directoryインスタンスを作成した場合、ファイル・システムの新規パス名は生成されません。同じOracle Internet Directoryコンポーネントに属するインスタンスは、同じ構成ファイルから読み取られ、同じログ・ディレクトリのログ・ファイルに書き込まれます。
下位互換性のために、Oracle Internet Directory 11g リリース1(11.1.1.0.0)でoidctl addを使用してデフォルト属性値でインスタンスを作成することもできます。
A.2.2 OIDCTLを使用したOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスの作成と起動
oidctl addを使用して既存のコンポーネント内に別のOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスを作成し、サーバーを起動できます。このコマンドによってサーバーの起動も行われます。
ノート:
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oidctlコマンドを実行する前に、環境変数DOMAIN_HOMEおよびORACLE_HOMEを設定する必要があります。 -
oidctlでOracle Internet Directoryのインスタンス名とコンポーネント名を指定しないと、それぞれデフォルト値のinst1およびoid1がコマンドで使用されます。別の値を指定する必要がある場合、環境変数INSTANCE_NAMEおよびCOMPONENT_NAMEを設定するか、コマンド行でname=instanceNameおよびcomponentname=componentNameとしてインスタンス名とコンポーネント名を渡します。 -
ベスト・プラクティスは、「Oracle Internet Directoryインスタンスの管理」の説明にあるように、Oracle Internet Directoryコンポーネントを新規作成して新しいOracle Internet Directoryインスタンスを作成することです。Oracle Internet Directoryをスタンドアロン・モードで実行し、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用しない場合にのみ、
oidctlを使用してインスタンスを作成してください。
oidctl addを使用してサーバーを作成し、起動するには、次のように入力します。
oidctl connect=connect_string server=oidldapd inst=new_instance_number \ name=instanceName componentname=componentName \ flags="port=non_ssl_port sport=ssl_port" add
oidctl addで次の構成エントリが新たに作成されます。
cn=componentName_new_instance_number,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
通常、元のインスタンスのinst値は1、作成した2番目のインスタンスは2となります。たとえば:
oidctl connect=oiddb server=oidldapd inst=2 flags="port=3322 sport=3323" add
A.2.3 OIDCTLを使用したOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスの停止について
コンポーネント内にoidctlを使用して作成したOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスがあり、インスタンスが起動している場合、次のコマンドを実行して停止できます。
サーバー・インスタンスを停止するには、次のコマンドを実行します。
oidctl connect=connect_string server=oidldapd inst=new_instance_number stop
たとえば:
oidctl connect=oiddb server=oidldapd inst=2 stop
A.2.4 OIDCTLを使用したOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスの起動について
コンポーネント内にoidctlを使用して作成したOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスがあり、インスタンスが停止している場合、次のコマンドを実行して起動できます。
サーバー・インスタンスを起動するには、次のコマンドを実行します。
oidctl connect=connect_string server=oidldapd inst=new_instance_number start
たとえば:
oidctl connect=oiddb server=oidldapd inst=2 start
サーバーは、インスタンスの作成時に指定したportフラグとsportフラグを使用して起動されます。
A.2.5 OIDCTLを使用したステータス情報の表示
oidctlを使用してステータスを表示できます。
次のように入力します。
oidctl connect=connect_string status
コマンドoidctl statusでは、ホストで稼働しているすべてのOracle Internet Directoryインスタンス(別のOracleインスタンスの場合も)のステータスが表示されます。
A.2.6 OIDCTLを使用したOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスの削除
次に指定するコマンドを実行して、コンポーネント内の1つのOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスを停止して削除できます。
コンポーネント内の1つのOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスを停止して削除するには、次のように入力します
oidctl connect=connect_string server=oidldapd inst=new_instance_number \ name=instanceName componentname=componentName delete
connect、serverおよびinst引数のみが必須です。oidctl deleteで構成エントリが削除されます。
cn=componentName_new_instance_number,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
通常、元のインスタンスのinst値は1、作成した2番目のインスタンスは2となります。たとえば:
oidctl connect=oiddb server=oidldapd inst=2 delete