3 バンドル・パッチの適用

バンドル・パッチ・ファイルを準備してインストールする場合(または、元のインストールに戻す必要があり、バンドル・パッチを削除する場合)は、次のトピックを参照してください。

注:

常に最新のバンドル・パッチをインストールすることをお薦めします。

3.1 Oracleパッチ・メカニズム(Opatch)の使用

Oracleパッチ・メカニズム(Opatch)は、サポートされているすべてのオペレーティング・システムで動作するJavaベースのユーティリティです。OPatchを使用するには、Oracle Universal Installerをインストールする必要があります。

注:

My Oracle SupportからOPatchの最新バージョン(バージョン13.9.2.0.0以上)を入手することをお薦めします。OPatchでパッチを適用するには、有効なOracle Universal Installer (OUI)インベントリへのアクセス権が必要です。

パッチ適用プロセスでは、unzipとOPatchの両方の実行可能ファイルが使用されます。ORACLE_HOME環境をソースにした後、パッチ適用前にこれらの両方が存在していることを確認することをお薦めします。OPatchには、$ORACLE_HOME/OPatch/opatchでアクセスできます。

OPatchが起動すると、パッチを検証して、$ORACLE_HOMEにすでにインストールされているソフトウェアとの競合がないことを確認します。

  • $ORACLE_HOMEにすでに適用されているパッチとの競合が見つかった場合、パッチのインストールを停止して、Oracleサポート・サービスまで連絡してください。

  • $ORACLE_HOMEにすでに適用されているサブセット・パッチとの競合が見つかった場合は、バンドル・パッチの適用を続行します。新しいパッチのインストールが開始される前に、サブセット・パッチが自動的にロールバックされます。最新のバンドル・パッチには、$ORACLE_HOME内の以前のバンドル・パッチのすべてのフィックスが含まれます。

このバンドル・パッチでは、-autoフラグは有効化されていません。-autoフラグなしの場合、サーバーが実行中である必要はありません。デフォルトのインストールでは、マシン名とリスニング・アドレスは空白でかまいません。

次の手順を実行して環境を準備し、OPatchをダウンロードします。

  • My Oracle Support: https://support.oracle.com/にログインします。

  • 必要なOPatchのバージョンをダウンロードします。

  • opatch -helpを使用して、OPatchのバージョンが13.9.2.0.0より前かどうかをチェックします。前の場合、最新の13.9.2.0.0バージョンをダウンロードします。

  • 次のコマンドを実行して、必要な実行可能ファイルopatchおよびunzipがシステムにあるかどうかを確認します。

    Run which opatch — opatchのパスの取得

    Run which unzip— unzipのパスの取得

    実行可能ファイルのパスが環境変数"PATH"内にあるかどうかをチェックし、ない場合、システムPATHにパスを追加します。

  • 次のコマンドを使用して、OUIインベントリを確認します。

    opatch lsinventory

    Windows 64ビット: opatch lsinventory -jdk c:\jdk180

    エラーが発生した場合は、続行する前にOracleサポートに連絡してインベントリ設定を検証および確認します。ORACLE_HOMEが表示されない場合は、中央インベントリから欠落している可能性があります。または、中央インベントリ自体が欠落または破損している可能性があります。

  • 次のトピックOAMバンドル・パッチの適用の情報を参照してください。

3.2 OAMバンドル・パッチの適用

ここに記載されている情報および手順を使用し、Oracleパッチ(OPatch)を使用して任意のプラットフォームからバンドル・パッチを適用します。個々のコマンド構文はご使用のプラットフォームに応じて異なる場合がありますが、全体的な手順はどのプラットフォームでも同じです。

各バンドル・パッチ内のファイルは、宛先$ORACLE_HOMEにインストールされます。これにより、作成した一時ディレクトリから元のバンドル・パッチ・ファイルを削除した場合でも、バンドル・パッチを削除(ロールバック)できます。

注:

パッチ操作を実行する前に、適切な方法を使用して$ORACLE_HOMEをバックアップすることをお薦めします。任意の方法(zip、cp -r、tar、およびcpio)を使用して$ORACLE_HOMEを圧縮できます。

このドキュメントでは、書式の制約により、サンプル・テキストの行が強制的に折り返される場合があります。これらの行の折り返しは無視する必要があります。

OAMバンドル・パッチを適用するには

OPatchには、$ORACLE_HOME/OPatch/opatchでアクセスできます。バンドル・パッチを適用する手順を開始する前、次の操作を行う必要があります。

  • ORACLE_HOMEを設定する。

    次に例を示します。

    export ORACLE_HOME=/opt/oracle/mwhome
  • export PATH=<<OPatchディレクトリのパス>>:$PATHを実行して、OPatch実行可能ファイルがシステムPATHに表示されることを確認する。次に例を示します。

    export PATH=$Oracle_HOME/OPatch:$PATH
  1. OAMパッチp27863715_122130_Generic.zipをダウンロードします。
  2. パッチのZIPファイルをPATCH_TOPに解凍します。

    $ unzip -d PATCH_TOP p27863715_122130_Generic.zip

    注:

    Windowsのunzipコマンドには、パス名に256文字しか使用できないという制限があります。これが発生した場合、7-Zipなどの代替ZIPユーティリティを使用して、パッチを解凍します。

    例: 7-Zipを使用して解凍するには、次のコマンドを実行します。

    "c:\Program Files\7-Zip\7z.exe" x p27863715_122130_Generic.zip

  3. 現行ディレクトリを、パッチがあるディレクトリに設定します。

    $ cd PATCH_TOP/27863715

  4. 基本製品をインストールした同じユーザーとしてログインします。
    • AdminServerおよびこのバンドル・パッチを適用するすべてのOAMサーバーを停止します。

      このOAMサーバーおよびOAMで保護されたサーバーを使用するアプリケーションには、この期間中アクセスできません。

    • $ORACLE_HOME: MW_HOMEをバックアップします。

    • バックアップ・ディレクトリを別の場所に移動し、必要に応じて後でその場所を特定できるように記録しておきます。

  5. 適切なOPatchコマンドを管理者として実行して、中央インベントリを更新してORACLE_HOMEにパッチを適用するために必要な権限が付与されていることを確認します。次に例を示します。
    opatch apply

    Windows 64ビット: opatch apply -jdk c:\path\to\jdk180

    注:

    OPatchは、一度に1つのインスタンスで動作します。複数のインスタンスがある場合は、インスタンスごとにこれらの手順を繰り返す必要があります。
  6. すべてのサーバー(AdminServerとすべてのOAMサーバー)を起動します。

3.3 バンドル・パッチ適用の失敗からのリカバリ

AdminServerが正常に起動しない場合は、バンドル・パッチの適用が失敗しています。

バンドル・パッチ適用の失敗からのリカバリ手順
  1. パッチ適用で構成の問題がないことを確認します。
  2. AdminServerを正常に起動できることを確認します。
  3. AdminServerを停止し、「バンドル・パッチの削除」の説明に従ってパッチをロールバックし、パッチ適用を再実行します。