34 テスト環境から本番環境への移行
トピック
ノート:
Oracle Unified Directoryの「テストから本番へ」プラグインは、Oracle Fusion Middlewareの「テストから本番へ」フレームワークが提供する機能のサブセットを提供します。
この章の情報は、Oracle Unified Directoryに固有です。環境間での他のFusion Middlewareコンポーネントの移動の包括的な説明は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のテスト環境から本番環境への移動に関する項を参照してください。
34.1 環境間の移動の概要
Oracle Unified Directoryをソース環境からターゲット環境に移動できます。Oracle Unified Directoryインストールを移動することによって、元の環境で行ったすべてのカスタマイズおよび構成変更を別の環境に再適用するために必要な作業量が最小化されます。
テスト環境で、Oracle Unified Directoryのインストール、構成、カスタマイズおよび検証を実行できます。システムが安定し、必要なパフォーマンスを達成できるようになったら、本番環境を作成しますが、この場合、テスト環境に組み込んだすべての変更を再適用しなくても、サーバーとその構成のコピーをテスト環境から移動することによって本番環境を作成できます。既存の本番環境が存在する場合は、テスト環境で行ったカスタマイズなどのあらゆる変更を本番環境に移動できます。
テスト環境から本番環境へのOracle Unified Directoryインストールの移動では、本番環境がテスト環境と同じオペレーティング・システム上で動作することを前提としています。また、オペレーティング・システムのアーキテクチャが両方の環境で同じである必要があります。たとえば、両方の環境で32ビットのオペレーティング・システムまたは64ビットのオペレーティング・システムを実行している必要があります。
34.2 テストから本番への移行の制限事項
環境間でのOracle Unified Directoryインストールの移動には特定の制限事項が適用されます。
次の制限事項に注意してください。
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テスト環境から本番環境への移動のサポートは、ディレクトリ・サーバー・インスタンスのみを対象としています。環境間でのプロキシ・サーバー・インスタンスまたはレプリケーション・ゲートウェイ・サーバー・インスタンスの移動は行えません。
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レプリケート・トポロジは移動できません。レプリケート・トポロジ全体を移動するには、まずトポロジ内の各サーバー・インスタンスを移動した後に、サーバー・インスタンス間のレプリケーションを手動で構成する必要があります。レプリケート・トポロジの一部であるサーバーを移動すると、移動先環境内の構成からレプリケーション構成が削除されます。
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セキュリティ・データはテストから本番へのプロセスでは移動されません。これには次の要素が含まれます:
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SSL構成(デフォルトで
config
ディレクトリに配置されるキーストア、トラストストアおよびその他のセキュリティ構成) -
SNMP V3セキュリティ・ファイル(デフォルトで
config/snmp
ディレクトリに配置)
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34.3 テスト環境から本番環境へ移動
テスト環境から本番環境への移動では、最初にOracle Unified Directoryバイナリを本番システムにインストールしてから、既存の構成およびデータを移動します。
テスト環境から本番環境に移動するには、次の3つのステップを実行します。
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本番システムへのOracle Unified Directoryバイナリの移動。「バイナリの移動」を参照してください。
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本番システムへのOracle Unified Directory構成の移動。「環境間での構成の移動」を参照してください。
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本番システムへのデータの移動「データの移動」を参照してください。
これらの手順では、Oracle Unified Directoryテスト・システムを新しい本番デプロイメントに移動する(既存の本番システムは存在しない)ことを前提としています。
34.3.1 バイナリの移動
Oracleホーム・ディレクトリでOracle Unified Directoryをホストするために、Oracle Unified Directoryバイナリを本番システムにインストールする必要があります。
新しい本番システム上にOracle Unified Directoryバイナリのコピーを取得するには、『Oracle Unified Directoryのインストール』のOracle Unified Directoryのインストールに関する項の説明に従ってバイナリをインストールします。
34.3.2 環境間での構成の移動
oudCopyConfig
コマンドを使用してソース環境から既存の構成をコピーし、oudPasteConfig
コマンドを使用してコピーした構成をターゲット環境に貼り付けます。
次のステップに従って、環境間で構成を移動します。
34.3.2.1 構成のコピー
既存の構成のコピーを取得するには、ソース環境でoudCopyConfig
コマンドを実行します。
UNIXシステムでは、次のようにコマンドを実行します:
$ OUD_ORACLE_HOME/bin/oudCopyConfig -javaHome java_home \ -sourceInstanceHomeLoc instance_dir -archiveLoc archive_location \ -logDirLoc log_directory
たとえば:
$ OUD_ORACLE_HOME/bin/oudCopyConfig -javaHome /usr/jdk \ -sourceInstanceHomeLoc /local/asinst_1 -archiveLoc /tmp/oud.jar \ -logDirLoc /tmp/logs
Windowsシステムでは、次のようにコマンドを実行します:
$ OUD_ORACLE_HOME\bat\oudCopyConfig.bat -javaHome java_home \ -sourceInstanceHomeLoc instance_dir -archiveLoc archive_location \ -logDirLoc log_directory
oudCopyConfig
コマンドの完全な形式は、「oudCopyConfig」を参照してください。
oudCopyConfig
コマンドは、次のアクションを実行します:
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テスト・インスタンス(instance_dir)を本番環境に移動するために必要な構成データを格納するアーカイブ(archive_location)を作成します。この場合、
-archiveLoc
にアーカイブのフルパスを指定します。 -
アーカイブで移動計画を作成します。
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メッセージをlog_directoryに記録します。指定されない場合、記録されたメッセージのデフォルト場所はシステムの一時ディレクトリになります。
34.3.2.2 構成の編集
移動計画を編集することによって、特定の構成パラメータを変更できます。移動計画とは、環境にまたがっての移動中にカスタマイズ可能なパラメータを公開するXMLファイルです。
移動計画は、oudCopyConfig
コマンドを実行するときに生成され、構成を複製するためにoudPasteConfig
コマンドによって使用されます。
構成のコピー後、次の手順でその構成を編集します:
34.3.2.3 構成の貼付け
移動計画の編集が完了したら、次の手順で構成をターゲット環境に貼り付けます:
oudPasteConfig
コマンドの完全な形式は、「oudPasteConfig」を参照してください。
oudPasteConfig
コマンドは、アーカイブおよび修正済移動計画(存在する場合)から取得した構成とともに新しいサーバー・インスタンスを作成します。
34.3.3 データの移動
テスト・システムから本番システムにデータを移動する最も簡単な方法は、テスト・システムからデータをエクスポートし、本番システムにインポートすることです。
この手順の詳細は、「データのインポートとエクスポート」を参照してください。