5 Oracle Coherenceを使用したマルチサーバー・ドメイン

Oracle Coherenceに基づいたマルチサーバー・ドメインを作成、構成および管理できます。Oracle Coherenceを使用して、信頼のおけるスケーラビリティの高いピア・ツー・ピアのクラスタリング・プロトコル上で、ドメインは複製および配布した(パーティション化した)データの管理サービスを受信します。

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Stream Analytics高可用性アプリケーションをデプロイし、スケーラビリティが必要な場合、Oracle Stream Analytics高可用性通知グループを作成する必要もあります。

5.1 マルチサーバー・ドメインの作成

マルチサーバー・ドメインを作成するには、構成ウィザードを使用して1つのサーバーのある1つのドメインを作成することから開始します。これはスタンドアロンサーバー・ドメインです。

スタンドアロンサーバー・ドメインをマルチサーバー・ドメインに変換するには、次のいずれかを実行します。

  • 作成したサーバーをコピーして名前を変更し、各サーバーのconfig.xmlファイルを編集して、それらのすべてが同じマルチキャスト名、マルチキャスト・ポートおよびドメイン名を持つようにします。

  • 構成ウィザードを使用して追加のスタンドアロン・サーバーを生成し、各サーバーのconfig.xmlファイルを編集して、それらのすべてが同じマルチキャスト名、マルチキャスト・ポートおよびドメイン名を持つようにします。

この章の手順では、最初の方法を使用します。

5.2 デフォルト・グループでのマルチサーバー・ドメインの作成

2つの事前定義済のデプロイメント・グループ、シングルトンおよびドメインのみを使用するマルチサーバー・ドメインを作成できます。これらのグループについては、「シングルトン・サーバー・デプロイメント・グループ」で説明しています。デフォルト・グループを使用するドメインでは、すべてのサーバーが完全に同一である必要があります。

ドメインが完全に同一ではないサーバーをサポートする必要がある場合、カスタム・サーバー・グループを作成して構成します。「カスタム・グループでのマルチサーバー・ドメインの作成」を参照してください。

デフォルト・サーバー・グループでのマルチサーバー・ドメインの作成

  1. 構成ウィザードを使用して、スタンドアロンサーバー・ドメインを作成します。
  2. 新しいスタンドアロンサーバー・ドメインを作成したら、それを置くディレクトリに変更します。

    デフォルトの場所は次のとおりです

    Oracle/Middleware/my_oep/user_projects/domains/<domainname>/

  3. ドメインの下のサーバーが必要な数になるまで、サーバー・ディレクトリをコピーして名前を変更します。
  4. ルートconfig要素のcluster子要素を追加して、各メンバー・サーバーのconfig.xmlファイルを更新します。次の例は、myDomainというドメインの一部であるサーバーを示します。
    <config>
      <domain>
         <name>myDomain</name>
      </domain>
      <cluster>
         <server-name>myServer1</server-name>
         <multicast-address>239.255.0.1</multicast-address>
         <enabled>true</enabled>
      </cluster>
    ...
    </config>
    

    clusterの次の子要素を使用できます。

    • server-name: clusterserver-name子要素は、サーバーの一意の名前を指定します。Oracle Stream Analyticsのビジュアライザは、この要素の値を使用して、コンソールにサーバーを表示します。デフォルトは、設定している場合はOracle Coherenceメンバー名、またはWLEvServer-MEMBERIDです。

    • server-host-name: ポイント・ツー・ポイントHTTPマルチサーバー通信に使用するホスト・アドレス/IPを指定します。デフォルト値はlocalhostです。マルチサーバー・ドメイン内の1つ以上のOracle Stream Analyticsサーバーが異なるホストにあり、Oracle Stream Analytics Visualizerを使用してマルチサーバー・ドメインを管理する場合は、この要素が必須です。また、(マルチサーバー環境かスタンドアロン・サーバー環境かにかかわらず、)複数のIPアドレスが構成されているホスト・マシンにサーバーをデプロイする場合も、この要素が必須です。

    • multicast-address: マルチサーバー・ドメインのすべてのサーバーが同じコンピュータ上でホストされている場合を除いて、multicast-address要素は必要であり、その場合は、multicast-address要素を省略でき、コンピュータのIPアドレスに基づいてOracle Stream Analyticsによりマルチサーバー・ドメインにマルチキャスト・アドレスが自動的に割り当てられます。サーバーが異なるコンピュータ上でホストされる場合は、適切なドメイン・ローカル・アドレスを提供する必要があります。アドレスは、239.255.X.X形式を使用することをお薦めします。これは、自動割当てのマルチキャスト・アドレスの基本です。このmulticast-addressを使用するOracle Stream Analyticsサーバーは、すべて同じサブネット上に存在している必要があります。Oracle Coherenceを使用して、ここでユニキャスト・アドレスを指定でき、Oracle CoherenceはWKA (Well Known Addressing)を使用します。

    • enabled: デフォルトでは、Oracle Coherenceでマルチサーバー・ドメイン内のサーバーのクラスタリングは無効です。Oracle Coherenceを有効にする場合は、要素<enabled>true</enabled>が必要です。

    マルチサーバー・ドメインの各サーバーに対して、multicast-address要素には同じ値が含まれている必要があります。server-name要素は、マルチサーバー・ドメインの各サーバーで異なる必要があります。次の例は、myDomainマルチサーバー・ドメイン内のmyServer2という2番目のサーバーのconfig.xmlファイルを示します。

    <config>
      <domain>
         <name>myDomain</name>
      </domain>
      <cluster>
         <server-name>MyServer2</server-name>
         <multicast-address>239.255.0.1</multicast-address>
         <enabled>true</enabled>
      </cluster> 
    ...
    </config>
    

    追加のマルチサーバーの関連する構成要素と子要素の必要な順序の説明は、「サーバー間で送信されるメッセージの保護」を参照してください。

  5. オプションで、必要に応じて、マルチサーバー・ドメイン内のすべてのサーバーのデフォルトのOracle Coherenceクラスタリング構成をオーバーライドできます。

    「Oracle Coherenceクラスタの構成」を参照してください。

  6. オプションで、暗号化とデジタル署名を構成して、マルチサーバー・ドメイン内のすべてのサーバー間で共有されるメッセージを保護します。
  7. 障害が発生したときにまだ動作しているマシンからビジュアライザを使用してトラブルシューティングできるように、マルチサーバー・ドメイン内のマシンのサブセット上にあるOracle Stream Analytics Visualizerを有効にすることを検討します。

    注意:

    特定のOracle Stream AnalyticsサーバーでOracle Stream Analytics Visualizerを有効にすると、Oracle Stream Analytics Visualizerの負荷によっては、サーバーのパフォーマンスに影響する場合があります。

  8. マルチサーバー・ドメイン内のすべてのサーバーを起動します。

5.3 カスタム・グループでのマルチサーバー・ドメインの作成

同一ではないアプリケーションをデプロイする予定であり、カスタム構成が必要な場合は、この手順を使用します。

ドメインにあるすべてのサーバーが完全に同一である場合、カスタム・サーバー・グループを作成する必要はありません。かわりに、事前定義済のデフォルト・サーバー・グループ(シングルトン・グループとドメイン・グループ)を使用します。「デフォルト・グループでのマルチサーバー・ドメインの作成」を参照してください。

この手順では、myServer1myServer2、およびmyServer3と3つのサーバーを作成していることを想定します。myServer1は、selectorサーバー・グループのメンバーであり、myServer2myServer3は、strategyサーバー・グループのメンバーであるとしています。

カスタム・サーバー・グループでのマルチサーバー・ドメインの作成

  1. 構成ウィザードを使用して、スタンドアロンサーバー・ドメインを作成します。
  2. ドメインの下のサーバーが必要な数になるまで、サーバー・ディレクトリをコピーして名前を変更します。ルートconfig要素のcluster子要素を追加して、各メンバー・サーバーのconfig.xmlファイルを更新します。cluster子要素内で、group要素を追加してサーバー・グループを指定します。

    注意:

    cluster要素の子要素を追加するとき、「cluster要素の子要素の順序」に示すとおり要素の正しい順序に従います。

    サーバーが複数のサーバー・グループのメンバーである場合、groups要素には複数のサーバー・グループ名が含まれます。複数のサーバー・グループ名はカンマで区切ります。

    groups要素はオプションです。サーバー構成にgroups要素がない場合、そのサーバーはデフォルト・サーバー・グループ(ドメインおよびシングルトン)のメンバーです。ドメインとシングルトン・グループの詳細は、「サーバー・グループ」を参照してください。

    次の例は、myServer1myServer2およびmyServer3config.xmlファイルからの関連するスニペットを示します。myServer1groupsエントリによって、これはselectorグループに入ります。myServer2およびmyServer3groupsエントリによって、これらはstrategyグループに入ります。

    myServer1:

    <config>
      <domain>
         <name>myDomain</name>
      </domain>
      <cluster>
         <server-name>myServer1</server-name>
         <multicast-address>239.255.0.1</multicast-address>
         <enabled>true</enabled>
         <groups>selector</groups>
      </cluster> 
    ...
    </config>
    

    myServer2:

    <config>
      <domain>
         <name>myDomain</name>
      </domain>
      <cluster>
         <server-name>myServer2</server-name>
         <multicast-address>239.255.0.1</multicast-address>
         <enabled>true</enabled>
         <groups>strategy</groups>
      </cluster> 
    ...
    </config>
    

    myServer3:

    <config>
      <domain>
         <name>myDomain</name>
      </domain>
      <cluster>
         <server-name>myServer3</server-name>
         <multicast-address>239.255.0.1</multicast-address>
         <enabled>true</enabled>
         <groups>strategy</groups>
      </cluster> 
    ...
    </config>
    
  3. オプションで、必要に応じて、マルチサーバー・ドメイン内のすべてのサーバーのデフォルトのOracle Coherenceクラスタリング構成をオーバーライドできます。

    「Oracle Coherenceクラスタの構成」を参照してください。

  4. オプションで、暗号化とデジタル署名を構成して、マルチサーバー・ドメイン内のすべてのサーバー間で共有されるメッセージを保護します。
  5. 障害が発生したときにまだ動作しているマシンからビジュアライザを使用してトラブルシューティングできるように、マルチサーバー・ドメイン内のマシンのサブセット上にあるOracle Stream Analytics Visualizerを有効にすることを検討します。

    注意:

    特定のOracle Stream AnalyticsサーバーでOracle Stream Analytics Visualizerを有効にすると、Oracle Stream Analytics Visualizerの負荷によっては、サーバーのパフォーマンスに影響する場合があります。

  6. マルチサーバー・ドメイン内のすべてのサーバーを起動します。

5.4 Oracle Coherenceクラスタの構成

Oracle Coherenceクラスタ構成のために、Oracle Stream AnalyticsによってOracle Coherenceのtangosol-coherence-override.xml構成ファイルが使用されます。

tangosol-coherence-override.xmlファイルはサーバー単位でグローバルな構成ファイルです。Oracle Coherenceドキュメントで操作構成として記述されています。このファイルを、Oracle Stream Analyticsサーバーのconfigディレクトリにあるconfig.xmlサーバー構成ファイルとともに置きます。

キャッシュ・システムがOracle Coherenceプロバイダを使用することを宣言するとき、キャッシュ・システムのすべてのキャッシュが、Oracle Stream Analyticsのローカル構成ではなくOracle Coherence構成にマップされることを必ず確認してください。これを行わず、1つ以上のキャッシュがOracle Stream Analyticsのローカル構成にマップされている場合、Oracle Stream Analyticsで例外がスローされます。

マルチサーバー・ドメイン内のサーバーは、同じマルチキャスト・アドレスとポート番号、および同じドメイン名で構成する必要があります。たとえば、マルチキャスト・アドレスとポート番号が同じであるが、異なるドメイン名でサーバーを構成した場合は、Oracle Stream Analyticsによってエラーがスローされます。

tangosol-coherence-override.xmlファイルでは、<cluster-config><management-config>および<logging-config>の要素がサポートされます。Oracle Stream Analyticsでは、常にクラスタ名をドメイン名に設定するため、クラスタ名をオーバーライドできません。異なるドメイン間で誤ってクラスタを検出してしまわないように、各Oracle Stream Analyticsドメインに一意の名前を選択します。

次の例は、パケットが移動できるホップの最大数が決定される、time-to-live設定を指定する単純な構成を示しています。ホップは、ルーター経由でネットワーク・セグメントから別のネットワーク・セグメントへのトラバースとして測定されます。

<?xml version='1.0'?>
<coherence xml-override="/tangosol-coherence-override.xml">
  <cluster-config>
    <multicast-listener>
       <time-to-live>3</time-to-live>
    </multicast-listener>
    ...
</coherence>

5.5 マルチサーバー・ドメインの更新

マルチサーバー・ドメイン内のサーバーの更新は、スタンドアロンサーバー・ドメインで1つのサーバーを更新する場合と同様であり、構成ウィザードを起動するか、XMLプロパティ・ファイルを編集してサイレント・モードを使用します。

1つのサーバーの更新と複数のサーバーの更新の唯一の違いは、マルチサーバー・ドメインでの場合は各サーバーで個別に更新を実行することです。サイレント・モードでのXMLプロパティ・ファイルの使用が、マルチサーバー・ドメインでの最善の方法です。

構成ウィザードを使用してサーバーを更新する場合、リスニング・ポートおよびJDBCデータ・ソース構成のみを更新できます。サイレント・モードでは、サーバーを追加して、データ値が存在するものすべてを更新できます。

XMLプロパティ・ファイルの次のデータ値について値を指定した既存のサーバーの既存の構成を更新するには、次の手順を実行します。

  • CONFIGURATION_OPTIONupdateDomainに設定します。

  • DOMAIN_NAMEおよびDOMAIN_LOCATIONオプションには既存のドメインの名前と場所を設定します。例では、値はそれぞれmyDomainC:\Oracle\Middleware\my_oep\user_projects\domainsです。

  • SERVER_NAMEオプションには、既存のドメインに追加する新しいサーバーの名前を設定します。例では、この値はmyServer2です。

  • このサーバーをマルチサーバー・ドメインの他のサーバーと同じコンピュータで実行する場合は、NETIO_PORTなどの新しいサーバー構成オプションが、ドメインの既存サーバーのオプションと重複しないようにする必要があります。新しいサーバーから既存のサーバーと同じデータベースに接続する場合は、データ・ベース・オプションを同じにすることができます。

    マルチサーバー・ドメインの他のサーバーとは異なるマシンにサーバーがある場合は、ポートを別にする必要はありません。

次の例は、マルチサーバー・ドメイン内の既存のサーバーを更新するXMLプロパティ・ファイルです。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<bea-installer xmlns="http://www.bea.com/plateng/wlevs/config/silent">
  <input-fields>
    <data-value name="CONFIGURATION_OPTION" value="updateDomain" />
    <data-value name="USERNAME" value="wlevs" />
    <data-value name="PASSWORD" value="wlevs" />
    <data-value name="SERVER_NAME" value="myServer2" />
    <data-value name="DOMAIN_NAME" value="myDomain" />
    <data-value name="DOMAIN_LOCATION" value="C:\Oracle\Middleware\my_oep\user_projects\domains" />
    <data-value name="NETIO_PORT" value="9102" />
    <data-value name="KEYSTORE_PASSWORD" value="my_keystore_password" /> 
    <data-value name="PRIVATEKEY_PASSWORD" value="my_privatekey_password" /> 
    <data-value name="DB_URL" value="jdbc:bea:oracle://localhost:1521:XE" />
    <data-value name="DB_USERNAME" value="db_user" />
    <data-value name="DB_PASSWORD" value="db_password" />
  </input-fields>
</bea-installer>

注意:

サーブレットを作成した後、同じマシンに2つのサーブレットがある場合、新しいサーブレットを認識するためにSSLポートを変更します。

5.6 サーバー間で送信されるメッセージの保護

マルチサーバーに関係するメッセージを変換することで、マルチサーバー・ドメインのサーバーはその状態を更新します。これらのメッセージは整合性をチェックする必要があります。

整合性を確実にするために秘密鍵を使用できます。秘密鍵はドメイン内のすべてのサーバーで共有する必要があります。

Oracle Coherenceクラスタリングの実装を使用する場合、マルチサーバー・ドメイン内のサーバー間で送信されるメッセージを保護できます。

サーバー間で送信されるメッセージの保護

  1. サーバーが現在実行中の場合、マルチサーバー・ドメインのすべてのサーバーを停止します。
  2. security子要素をcluster要素に追加し、マルチサーバー・ドメインの各サーバーのconfig.xmlファイルを編集します。
    <config>
      <domain>
         <name>myDomain</name>
      </domain>
      <cluster>
         <server-name>myServer1</server-name>
         <multicast-address>239.255.0.1</multicast-address>
         <identity>1</identity>
         <enabled>coherence</enabled>
         <security>encrypt</security>
      </cluster> 
    ...
    </config>
    

    デフォルトでは、 config.xmlファイルはOracle/Middleware/my_oep/user_projects/domains/<domainname>/<servername>/configにあります。

    security子要素に対して次のいずれかの値を指定する必要があります。

    • none: マルチサーバー・ドメインにセキュリティが構成されません。これはデフォルト値です。

    • encrypt: マルチサーバー・メッセージを暗号化します。

    cluster要素の子要素の正しい順序に従います。「cluster要素の子要素の順序」を参照してください。

  3. 次に示すとおり、configルート要素にencryption-service子要素を追加し、マルチサーバー・ドメインの各サーバーのOracle security-config.xmlファイルを編集します。

    デフォルトでは、security-config.xmlファイルはOracle/Middleware/my_oep/user_projects/domains/<domainname>/<servername>/config/にあります

    <config>
      <encryption-service>
         <signature-enabled>true</signature-enabled>
      </encryption-service>
      <css-realm>
       ...
    </config>
    
  4. マルチサーバー・ドメインの各サーバーの<domainname/<servername>/.aesinternal.datファイルは、サーバーから他のサーバーにコピーすることによって、まったく同じになるようにします。

    このファイルは、最初にサーバーを作成したときに構成ウィザードによって作成されます。Oracle Stream Analyticsはこのファイルを使用してメッセージを暗号化します。

  5. ドメイン内の1つのサーバーを起動します。

    「マルチサーバー・ドメインでのサーバーの起動と停止」を参照してください。

    encryption-service要素をsecurity-config.xmlファイルに追加しているため、Oracle Stream Analyticsではメイン・サーバー・ディレクトリに*.msasig.datファイルが作成されます。Oracle Stream Analyticsはメッセージのデジタル署名のためにこのファイルを使用します。

  6. 起動したサーバーを停止します。
  7. *.msasig.datファイルを他のサーバーにコピーします。
  8. クラスタの各サーバーで次のステップを実行します:
    • ドメインのサーバー・ディレクトリに変更します。

    • JDK keytoolユーティリティおよび次のコマンド・ラインを使用して、ブート・ユーザーを含むキーストアcoherence-identity.jksを作成します(読みやすくするために分割してありますが、実際には完全なコマンドは1行にする必要があります)。

      keytool -genkey -v -keystore config/coherence-identity.jks 
      -storepass PASSWORD -alias BOOT-USER -keypass BOOT-USER-PASSWORD 
      -dname CN=BOOT-USER
      

      説明:

      • PASSWORDは、キーストアを保護するために使用するパスワードです。

      • BOOT-USERは、Oracle Stream Analyticsサーバー・ホストにログインするために使用するユーザー名です。

      • BOOT-USER-PASSWORDは、Oracle Stream Analyticsサーバー・ホストにログインするときに使用するパスワードです。

    • permissions.xmlファイルを作成します。

      デフォルトでは、permissions.xmlファイルはOracle/Middleware/my_oep/user_projects/domains/<domainname>/<servername>/configに入ります。

    • ブート・ユーザーに対して次の権限を追加するために、permissions.xmlファイルを編集します。

      <permissions>
          <grant>
              <principal>
                  <class>javax.security.auth.x500.X500Principal</class>
                  <name>CN=BOOT-USER</name>
              </principal>
      
              <permission>
                  <target>*</target>
                  <action>all</action>
              </permission>
          </grant>
      </permissions>
      

      ここで、BOOT-USERは、Oracle Stream Analyticsサーバー・ホストにログインするために使用するユーザー名です。

    • permissions.xmlファイルを保存して閉じます。

    • login.configファイルを作成します。

      デフォルトでは、login.configファイルはOracle/Middleware/my_oep/ user_projects/domains/<domainname>/<servername>/config/に入ります。

    • 次の行を追加するために、login.configファイルを編集します。

      Coherence {
          com.tangosol.security.KeystoreLogin required
              keyStorePath=".${/}config${/}coherence-identity.jks";
      }; 
      
    • login.configファイルを保存して閉じます。

    • サーバーを実際に起動するjavaコマンドに次のプロパティを追加し、startwlevs.cmd(Windows)またはstartwlevs.sh(UNIX)の使用しているプラットフォーム向けのサーバーの起動スクリプトを更新します。

      -Djava.security.auth.login.config=./login.config
      

      たとえば、次のようにします(コマンド全体を1行にする必要があります)。

      "%JAVA_HOME%/bin/java" %DGC% %DEBUG% 
      -Djava.security.auth.login.config=./login.config 
      -Dwlevs.home="%USER_INSTALL_DIR%" -Dbea.hoe="%BEA_HOME%" 
      -jar "%USER_INSTALL_DIR%/bin/wlevs.jar" %1 %2 %3 %4 %5 %6
      
  9. このドメインのサーバーでOracle Stream Analytics Visualizerを使用する場合は、「マルチサーバー・ドメインでのビジュアライザ用SSLの構成」を参照してください。
  10. マルチサーバー・ドメインのすべてのサーバーを起動します。

5.7 マルチサーバー・ドメインAPIを使用したグループ・メンバーシップの管理

アクティブ/アクティブ・システムでは、アクティブに実行されているアプリケーションを複数のサーバーに均一にデプロイします。均一にデプロイされたこれらのアプリケーションから、リードするコーディネータ・アプリケーションを選択する必要が生じる場合があります。

この場合、コーディネータ・アプリケーションから発生したイベントは保持され、EPNの次のコンポーネントに渡されます。セカンダリ・サーバーの結果は削除されます。コーディネータにエラーが発生した場合は、いずれかのセカンダリ・サーバーが新しいコーディネータとして選択される必要があります。

アプリケーションでこの動作を有効にするには、通常はイベント・シンクのロールにあるアダプタまたはイベントBeanが次のインタフェースを実装する必要があります。

com.bea.wlevs.ede.api.cluster.GroupMembershipListener

このインタフェースにより、マルチサーバー・ドメイン・グループのメンバーシップの変更をイベント・シンクでリスニングできるようになります。実行時には、メンバーシップに変更が発生するたびに、Oracle Stream AnalyticsonMembershipChangeコールバック・メソッドを呼び出します。

コールバック・メソッドのシグネチャは次のとおりです。

onMembershipChange(Server localIdentity, Configuration groupConfiguration); 

onMembershipChangeコールバック・メソッドの実装では、イベント・シンクがServerオブジェクト(localIdentity)を使用してリーダーかどうかを検証します。この検証は、localIdentityと、第2パラメータgroupConfigurationでのConfiguration.getCoordinator()の実行結果を比較して行うことができます。また、このパラメータを使用すると、Configuration.getMembers()を実行して、現在のグループのメンバーをサーバーに知らせることもできます。

注意:

通知グループに新しいAPIがあります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Stream Analyticsビジュアライザの使用』を参照してください。

メンバーがコーディネータである場合にのみイベントを保持するために、イベント・シンクはグループのメンバーシップに変更があるたびに新しいServerIDを取得する必要があります。グループ・メンバーシップに変更が発生するのは、たとえば、グループ内の他のサーバーでエラーが発生し、そのサーバーがコーディネータではなくなった場合です。

次のインタフェースは、サーバー・グループに対する変更ではなく、ドメイン全体としてのメンバーシップ変更をリスニングするためのものです。

com.bea.wlevs.ede.api.cluster.DomainMembershipListener

ホット-ホット構成には、失敗の通知にゼロ以外の遅延があります。クラスタリングの実装に通知APIを使用する場合、サーバー障害とマスター・サーバーに配信される通知の間の時間ウィンドウで発生するイベントを失って、処理できません。

5.8 マルチサーバー・ドメインでのサーバーの起動と停止

マルチサーバー・ドメインのサーバーを起動するには、起動スクリプトを実行して各サーバーを個別に起動します。これは、スタンドアロン・サーバー・ドメインのサーバーを起動する方法と同じです。

詳細は、「スタンドアロンサーバー・ドメインでのサーバーの起動と停止」を参照してください。

マルチサーバー・ドメインのカスタム・グループを構成しなかった場合、すべてのサーバーは事前定義されたドメイン・グループ(マルチサーバー・ドメイン内のすべてのサーバーが含まれる)とシングルトン・グループ(メンバーのサーバーごとに1つ)のメンバーになります。つまり、マルチサーバー・ドメインに3つのサーバーが存在する例では、シングルトン・グループも3つになります。

これに対し、マルチサーバー・ドメインにカスタム・グループを構成した場合、サーバーは事前定義されたグループおよび構成されたグループのメンバーになります。

注意:

Windowsの場合、起動したコマンド・プロンプトの「閉じる」ボタンをクリックしてOracle Stream Analyticsサーバーを停止しないでください。stopwlevs.cmdスクリプトまたはCtrl-Cを使用すると、Oracle Stream Analyticsサーバーはいつでも停止します。