3 Oracle Service Bus管理のスタート・ガイド
この章では、Fusion Middleware Controlのメニューにログインし、メニュー内を移動して、Oracle Service Busの構成、モニターおよび管理タスクを実行する方法について説明します。また、コンソール内で使用できるService Bus管理ページについても説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Fusion Middleware Controlの標準的な機能およびタスクの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理を参照してください。
3.1 管理およびモニター・ページについて
Fusion Middleware Controlで、Service Busアプリケーションとそのライフサイクルをモニターおよび管理できます。Oracle JDeveloperまたはOracle Service Busコンソールで設計されたService BusアプリケーションをService Busドメインにデプロイします。Fusion Middleware Controlは、デプロイされたアプリケーションについて収集された情報にアクセスします。
Service Busでは、ランタイム統計が集約され、「ダッシュボード」、「アラート履歴」および「サービス・ヘルス」ページで表示できます。ダッシュボードでは、システムの状態をモニターし、サービスでアラートが生成された場合に通知を受けることができます。この情報を使用すると、時間をかけずに簡単に、発生した問題を特定し、診断できます。
Service Busのモニターおよび管理機能は、サービス・レベル、プロジェクト・レベルおよびドメイン・レベルの情報とタスクに分類されます。Fusion Middleware ControlのService Busドメイン・ページでは、ドメイン・レベルの情報が表示され、サービス・レベルとグローバル・レベルの両方で操作設定を設定できます。Service Busプロジェクト・ページでは、プロジェクト内のすべてのサービスのヘルスが表示され、サービス・レベルで操作設定を設定できます。サービス・コンポーネント・ページでは、選択したサービスの状態に関する情報が表示され、そのサービスの操作設定を更新できます。また、ポリシーのアタッチとデタッチ、ビジネス・サービスとプロキシ・サービスのためのポリシー・オーバーライド値の定義、およびビジネス・サービスのためのエンドポイントURIの管理も行うことができます。
3.1.1 Service Busのドメイン・レベルのモニター・ページ
Service Busホーム・ページでは、パイプライン・アラートおよびSLAアラートのモニター、個別のサービスのヘルスのモニター、リシーケンス済メッセージのフォルトの表示、グローバル設定および操作設定の更新など、管理タスクを実行できます。フォルト・リカバリなどの修正処理も実行できます。Fusion Middleware Controlには、プロキシ・サービス、ビジネス・サービス、パイプライン、分割-結合など、デプロイされているすべてのサービスに関する情報が表示されます。表示される情報のレベルは、各サービスに対して操作設定がどのように構成されているか、およびグローバル・レベルで構成されているかどうかによって異なります。
3.1.1.1 ダッシュボード(ドメイン・レベル)
Service Busダッシュボードには、SLA違反またはパイプライン・アラートの結果として、Service Busランタイムでトリガーされたすべてのアラートが表示されます。サービス・レベル・アグリーメント(SLA)は、Service Bus内のビジネス・サービスやプロキシ・サービスで予期されるサービス・レベルを定義します。パイプライン・アラートは、メッセージ・パイプラインを通過するメッセージの数を記録するなど、特定のビジネス・イベントの発生の追跡や(システムの状態ではなく)エラーの報告のために、ビジネス目的のメッセージ・フローに定義されます。
アラート履歴表の各行には、重大度、タイムスタンプ、関連サービスなど、アラート・ルールに対して構成されている情報が表示されます。「アラート名」リンクをクリックすると、「アラート詳細」ダイアログが表示され、SLAアラートに関する詳細情報が示されます。「アラート・サマリー」リンクをクリックすると、パイプライン・アラートの「アラート詳細」ダイアログが表示されます。これは、SLAアラートまたはパイプライン・アラートの原因を分析する際に役立ちます。また、各アラートを生成したアラート・ルールの構成が読取り専用で表示されます。
ダッシュボードには、最も多くのアラートが発生したService Busサービスおよび最も多くのエラーがあるサービスがリストされます。アラートまたはエラーをクリックすると、アラートやエラーの原因の分析および修正に役立つ詳細情報が表示されます。エラーのあるサービスの場合、ダッシュボードには、サービスの平均レスポンス時間、処理されたメッセージの数、エラーの数などの詳細情報が表示されます。
次のイメージは、Service Busダッシュボードを示しています。詳細は、「Oracle Service Busのアラートのモニター」を参照してください。
図3-1 Fusion Middleware Controlの「Service Bus」の「ダッシュボード」ページ
![図3-1の説明が続きます 図3-1の説明が続きます](img/service-health.png)
「図3-1 Fusion Middleware Controlの「Service Bus」の「ダッシュボード」ページ」の説明
3.1.1.2 アラート履歴
「アラート履歴」ページには、検索機能が用意されており、アラート・タイプ、アラート・ルールまたはアラート重大度に基づいてアラートを検索することができます。特定のサービスまたは特定の日付範囲のアラートを検索することもできます。「アラート履歴」ページに表示される情報は、ダッシュボードで提供される情報と似ていますが、検索機能により、興味のあるアラートまたはサービスのみを表示することが可能になります。検索結果リストには追加のリンクがあります。それらを使用して、アラートに関する詳細情報を表示したり、アラートが生成されたサービスの「ダッシュボード」ページにナビゲートしたり、アラートを生成したアラート・ルールを表示したりすることができます。
「アラート履歴」ページのパージおよび削除機能を使用して、アラート・ストアのサイズを管理します。すべてのアラートをパージしたり、特定の期間内に生成されたアラートのみをパージしたりすることができます。
次の図は、「アラート履歴」ページを示しています。詳細は、「Oracle Service Busのアラートのモニター」を参照してください。
3.1.1.3 サービス・ヘルス
現在の集約間隔の統計を表示すると、Service Busの「サービス・ヘルス」ページに、デプロイ済の各サービスについて収集された統計データの動的ビューが表示されます。この表示は一定の間隔で更新されて、集約間隔のアラートのみが表示されます。たとえば、特定のサービスの集約間隔が20分である場合、このページには、直前20分間に収集されたそのサービスのデータが表示されます。
表示する特定のサービスまたはサービスのグループを検索できます。サービス表には、アラート、メッセージおよびエラーの数や平均レスポンス時間など、検索で返される各サービスの統計が表示されます。集約間隔はサービスに対して個別に構成できるので、表には各サービスの集約間隔も表示されます。
次の図はドメインレベルの「サービス・ヘルス」ページを示しています。詳細は、「Oracle Service Busのサービス・ヘルスのモニター」を参照してください。
3.1.1.4 リシーケンス・メッセージ
デプロイ済のパイプラインのいずれかで、メッセージを並べ替えるためにリシーケンサを使用している場合、リシーケンス・メッセージ・ページにそれらのメッセージの処理状態に関する情報が表示されます。これにより、リシーケンス・グループの現在の状態をモニターすることができます。グループは、実行中、フォルト、完了のいずれでもかまいせん。検索機能により、特定のリシーケンサ・グループ内のメッセージ、特定の状態のグループ、または特定のサービスに関連付けられているメッセージを検索できます。
リシーケンス・グループでメッセージ処理が中断した場合、リシーケンス・メッセージ・ページのステップを実行して、メッセージの処理を修正、再試行または中止することができます。修正処理はフォルトのタイプによって異なりますが、メッセージ処理のキャンセル、スタック・メッセージのスキップ、ペイロードの変更とメッセージの再試行などが含まれています。これらはすべて、リシーケンス・メッセージ・ページから実行できます。
次の図は「リシーケンス・メッセージ」ページを示しています。詳細は、「リシーケンス・グループの監視」を参照してください。
3.1.1.5 操作
Service Busの「操作」ページには、デプロイされているサービスの現在の操作設定が表示されます。リストされているサービスの設定を、個別にまたはまとめて更新できます。Service Busの「操作」ページには、使用可能な操作設定のサブセットのみが含まれ、設定の有効化と無効化しか実行できません。サービス固有の「操作」ページで、それらの設定の詳細を構成したり、追加の設定を構成したりすることができます。Service Busページから構成できる設定には、モニター、アラート、メッセージ・トレース、実行トレース、アラート、レポート、ロギング、ビジネス・サービスのパフォーマンス・チューニングなどがあります。操作設定には、サービス・レベルで設定されるものや、グローバル・レベルで設定されるものがあります。一部の操作設定は、有効にするためにサービス・レベルとグローバル・レベルの両方で設定される必要があります。「操作」ページでは、サービス・レベルの設定のみを構成します。
次の図は「操作」ページを示しています。詳細は、「操作設定とグローバル設定の構成」を参照してください。
3.1.1.6 グローバル設定
Service Busの「グローバル設定」ページでは、モニター、ロギング、アラートなどの操作設定をグローバルに有効化できます。ランタイムの特定のリシーケンス・プロパティも構成できます。
設定を効果的に有効または無効にするには、サービス・レベルの設定とともにグローバル・レベルの設定を有効または無効にする必要があります。特定のサービスに対して有効にするには、次の設定をグローバル・レベルで有効にする必要があります。
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監視
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SLAアラート
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パイプライン・アラート
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レポート
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ロギング
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結果のキャッシュ
次の図は「グローバル設定」ページを示しています。詳細は、「操作設定とグローバル設定の構成」を参照してください。
3.1.2 Service Busのプロジェクト・モニター・ページ
「Service Busプロジェクト」ページには、選択したプロジェクト内のサービスに関する情報が表示され、「サービス・ヘルス」ページと「操作」ページがあります。これらのページは、「Service Busのドメイン・レベルのモニター・ページ」で説明したドメイン・レベルのページに似ていますが、これらのページは、選択したプロジェクトに含まれているサービスに関する情報のみが表示されます。「サービス・ヘルス」ページには、選択したプロジェクト内のサービスのサービス・ヘルス・メトリックが表示されます。「操作」ページには、選択したプロジェクト内のサービスの操作設定が表示されます。これらの設定は、個別に更新することも、プロジェクト内のすべてのサービスに対して更新することもできます。
3.1.3 Service Busサービスのモニター・ページ
サービスのモニター・ページを使用して特定のサービスをモニターすることができます。サービス固有のページには、ダッシュボード、「ポリシー」ページおよび「プロパティ」ページなどがあります。
3.1.3.1 ダッシュボード(サービス・レベル)
ダッシュボードには、アラート数、メッセージ数、レスポンス時間、エラー数など、選択したサービスのサービス・ヘルス・メトリックが表示されます。さらに、該当する場合は、WSDL操作の統計も表示されます。(ビジネス・サービスの場合のみ)他の統計とともに、エンドポイントの状態に関する情報を表示できます。また、エンドポイントURIをオンラインまたはオフラインにすることによって、エンドポイントURIを管理します。(パイプラインおよび分割-結合の場合のみ)ダッシュボードには、追加の統計が、ブランチおよびアクティビティ・レベルに至るまで表示されます。
3.1.3.2 プロパティ
「プロパティ」ページには、サービスの現在の操作設定が表示されます。設定の有効化または無効化、モニターおよびロギング・レベルの指定、アラート重大度の指定、および集約間隔の定義を行うことによって、設定を更新できます。使用可能な設定は、モニターしているService Busサービスのタイプによって異なります。詳細は、「操作設定とグローバル設定の構成」を参照してください。
3.1.3.3 ポリシー
「ポリシー」ページには、グローバル・レベルでサービスにアタッチされているすべてのセキュリティ・ポリシーのリスト、およびサービスに直接アタッチされているセキュリティ・ポリシーのリストが表示されます。このページでは、ポリシーをアタッチおよびデタッチしたり、オーバーライドをサポートしているポリシーに対してオーバーライド値を指定したりすることができます。グローバル・ポリシーは、このページでは変更できません。Fusion Middleware Controlでは、ポリシー使用状況およびポリシー違反をモニターし、グローバル・ポリシー・セットを作成する機能が用意されています。詳細は、「セキュリティ・ポリシーのモニターと管理」を参照してください。
3.2 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlへのログイン
ブラウザのURLまたはOracle Service BusコンソールからFusion Middleware Controlにアクセスできます。
Oracle Service BusコンソールからFusion Middleware Controlにアクセスするには、「リンク」、「EMコンソール」の順にクリックします。この場合、ログイン・ステップはバイパスされます。
ブラウザからOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインするには:
3.3 Oracle Service Bus管理ページへのナビゲート
Service Busホーム・ページおよびメニューを使用して、Service Bus管理タスクにナビゲートできます。
Service Busホーム・ページでは、デプロイ済のService Busサービスおよびサービス・コンポーネントのすべてにアクセスできます。いくつかの異なる方法およびメニューを使用して、Service Busページをナビゲートできます。
3.3.1 Service Busホーム・ページおよびメニューを使用したナビゲート
Service Busホーム・ページおよびメニューによって、すべてのSLAアラートとパイプライン・アラート、ヘルス統計およびService Busサービスにアクセスできます。
Service Busホーム・ページおよびメニューを使用してナビゲートするには:
3.3.2 Service Busプロジェクト・ホーム・ページおよびメニューを使用したナビゲート
「Service Busプロジェクト」メニューを使用して、特定のService BusプロジェクトのService Busタスクに直接ナビゲートできます。このメニューは、Service Busのプロジェクトとサービスの両方で同じです。
Service Busプロジェクト・ホーム・ページおよびメニューを使用してナビゲートするには:
3.3.3 ホーム・ページからのOracle Service Busページへのナビゲート
Fusion Middleware Controlのホーム・ページは「WebLogicドメイン」ページで、コンソールに最初にログインしたときに表示されるページです。「WebLogicドメイン」ページから、Service Busのホーム・ページまたは特定のService Busプロジェクトのホーム・ページにアクセスできます。
Service BusまたはService Busプロジェクト・ホーム・ページにナビゲートするには:
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ホーム・ページの「デプロイメント」セクションで、デプロイ済のアプリケーションのリストをスクロールし、service-busまたは特定のService Busプロジェクトの名前を選択します。
選択内容に応じたホーム・ページが表示されます。
3.4 システムMBeanブラウザへのナビゲート
Oracle Service Busの一部の構成パラメータは、Fusion Middleware Controlのどのプロパティ・ページにも公開されません。それらのパラメータは、システムMBeanブラウザを使用して表示できます。
マネージドBean (MBean)は、アプリケーション、サービス、コンポーネント、デバイスなど、分散環境内のJava Management Extensions (JMX)管理可能リソースを表すJavaオブジェクトです。Fusion Middleware Controlでは、特定のモニターおよび構成タスクを実行するMBeanを管理するためのシステムMBeanブラウザが用意されています。システムMBeanブラウザに関する一般的な情報は、Oracle Fusion Middlewareの管理のFusion Middleware Control MBeanブラウザの使用のスタート・ガイドを参照してください。
ターゲット・ナビゲータから、メインの「システムMBeanブラウザ」ページに直接アクセスできます。メイン・ページでは、システムMBeanブラウザ内のすべてのプロパティにアクセスできます。管理対象のセクションまでナビゲーション・ツリーを移動する必要があります。
システムMBeanブラウザにアクセスするには:
3.5 アクセシビリティ・オプションの設定
Fusion Middleware Controlでは、Service Busサービスをモニターおよび管理するページのためのアクセシビリティ・オプションが用意されています。Fusion Middleware Controlは、スクリーン・リーダーをサポートしており、キーボード・ナビゲーションをサポートするための標準のショートカット・キーを提供しています。読みやすくするために、コンソール・ページを高コントラストで表示したり、大きなフォントで表示したりすることもできます。
Fusion Middleware Controlにおけるアクセシビリティの構成の詳細および手順は、Oracle Fusion Middlewareの管理の「Oracle Fusion Middlewareのアクセシビリティ・オプションの使用」を参照してください。
3.6 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlからのログアウト
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、どのページからでもログアウトできます。
ページの右上にある「ログアウト」」リンクを使用します。
3.7 Oracle Service Busサーバーの起動
Service Busサービスは、実行中のOracle WebLogic Serverにデプロイする必要があります。Oracle WebLogic Serverは様々な方法で起動できます。
コマンド行、起動スクリプトまたは管理コンソールを使用してサーバーを起動する方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』を参照してください。