I HIPAAドキュメントのエラーに関するTA1/999生成

この付録では、HIPAAドキュメントのエラー機能に関する交換確認(TA1)およびドキュメント・タイプ999機能確認(FA)の生成について説明します。

情報交換にはHIPAAメッセージが使用されます。これらのメッセージは、TA1および999を送信するために必要です。

この付録の内容は次のとおりです。

I.1 概要

HIPAAドキュメントには、支払人と受取人の間で交換される様々な種類の確認があります。

開始者がメッセージを送信すると、次の種類の確認が行われます(優先度の高い順に示します)。

  • TA1 - 交換レベル確認

  • 999 - 機能確認(バージョン5010以上の場合)

図I-1に示すように、インバウンド・ビジネス・メッセージに対するTA1または999が送信されると、メッセージ・フローが完了します。

I.2 TA1ドキュメントの作成

TA1メッセージを生成して処理するためには、TA1ドキュメント・タイプまたはドキュメント定義、および取引パートナ・アグリーメントを作成する必要があります。TA1ドキュメント・タイプまたは定義は、X12/HIPAAの交換バージョンに基づいて作成する必要があります。

たとえば、00501バージョンに対する交換の場合、次のようにしてTA1を作成する必要があります。

  1. 次の場所にアクセスして、Oracle B2Bコンソールを開きます。

    http://<hostname>:<port>/b2b

    ここで、<hostname>はOracle B2Bを実行しているコンピュータの名前で、<port>はOracle B2Bがリスニングしているポート番号(通常は8001)です。

  2. 右上隅の「管理」リンクをクリックし、「ドキュメント」タブをクリックします。
  3. ドキュメント・プロトコル・バージョンとして、EDI_X12交換バージョンの下にプロトコル・バージョン5010を作成します。
  4. プロトコル・ドキュメント・タイプTA15010バージョンの下に作成します。
  5. プロトコル・ドキュメント定義TA1Def (ユーザー定義の名前)を作成します。TA1ドキュメント定義を作成すると、Oracle B2BコンソールによってTA1.xsdおよびTA1.ecsが自動的に追加されます。

図I-2に、TA1ドキュメントの作成を示します。

図I-2 TA1ドキュメントの作成

図I-2の説明が続きます
「図I-2 TA1ドキュメントの作成」の説明

TA1ドキュメント・タイプおよび定義を作成した後は、TA1ドキュメント定義使用方法を必要な取引パートナに追加して、TA1のアグリーメントを作成する必要があります。

図I-3に、TA1アグリーメントの例を示します。

図I-3 TA1アグリーメントの例

図I-3の説明が続きます
「図I-3 TA1アグリーメントの例」の説明

I.3 TA1の構成

インバウンドHIPAAメッセージに対してTA1を生成する方法は、2通りあります。

プロトコル・バージョン・レベルでグローバルに設定する方法か、取引パートナ・レベルで設定する方法のいずれかです。ただし、取引パートナ・レベルで設定された値は、プロトコル・バージョン・レベルで設定された値をオーバーライドします。

TA1の値は次のとおりです。

  • 常に: TA1は常に生成されます。

  • OnError: 無効な交換メッセージが受信されると、否定TA1が生成されます。

  • なし: 交換の内容が有効か無効かにかかわらず、TA1は生成されません。

I.3.1 プロトコル・バージョン・レベルでのTA1の構成

TA1はプロトコル・バージョン・レベルで構成できます。TA1を構成するには、プロトコル・バージョン(EDI_X12-5010など)を開きます。図I-4に示すように、「交換」タブで、TA1のオプションを設定します。

図I-4 プロトコル・バージョン・レベルでのTA1の構成

図I-4の説明は次にあります。
「図I-4 プロトコル・バージョン・レベルでのTA1の構成」の説明

I.3.2 取引パートナ・レベルでのTA1の構成

TA1は取引パートナ・レベルで構成することもできます。このレベルで設定された値は、グローバル・レベルで設定された値をオーバーライドします。

TA1を構成するには、「取引パートナ」を選択し、「ドキュメント」タブをクリックして、HIPAAドキュメント(EDI_X12-5010-TA1など)をクリックします。図I-5に示すように、「バージョン」タブで「交換」タブをクリックし、TA1の値を設定します。

図I-5 取引パートナ・レベルでのTA1の構成

図I-5の説明は次にあります。
「図I-5 取引パートナ・レベルでのTA1の構成」の説明

I.3.3 アウトバウンドTA1とインバウンドTA1

インバウンドHIPAAメッセージの場合、次の条件に基づいてアウトバウンドTA1確認が送信されます。

  • HIPAAメッセージのISA14セグメントの値が0の場合、交換の内容が有効か無効かにかかわらず、あるいはTA1が「常に」または「OnError」に設定されていても、TA1は生成されません。

  • HIPAAメッセージのISA14セグメントの値が1であり、TA1が「常に」に設定されている場合、TA1 (肯定/否定)が生成されます。

  • HIPAAメッセージのISA14セグメントの値が1であり、TA1が「OnError」に設定されている場合、無効なインバウンド交換の内容に対してTA1が生成されます。

アウトバウンドHIPAAメッセージがISA14 = 1で送信された場合(図I-4または図I-5「交換」タブの「交換確認リクエスト済」フィールドが1に設定されている場合)、Oracle B2BがインバウンドTA1を受信するまで、アウトバウンド・メッセージはMSG_WAIT_TA1状態になります。ただし、999確認が受信されると、MSG_WAIT_TA1状態はオーバーライドされます。

I.4 エラーに関する999確認の構成

通常、バージョン5010以上のHIPAAメッセージが受信されると、999機能確認が送信されます。

このため、図I-6に示すように、アグリーメントの「アグリーメント・パラメータ」セクションの下の「機能確認」チェック・ボックスを選択する必要があります。

図I-6 アグリーメント・レベルでの機能確認の構成

図I-6の説明は次にあります。
「図I-6 アグリーメント・レベルでの機能確認の構成」の説明

図I-7に示すように、「取引パートナ」のドキュメント・ページの「ドキュメント・タイプ」タブで機能確認をさらに構成して、機能確認をエラーの場合にのみ送信するかどうかを選択できます。

図I-7 エラーに対してのみの機能確認の構成

図I-7の説明は次にあります。
「図I-7 エラーに対してのみの機能確認の構成」の説明

「エラーの機能確認のみ」チェック・ボックスの値は、アグリーメント・レベルで「機能確認」チェック・ボックスが選択されている場合にのみ評価されます。「エラーの機能確認のみ」を選択した場合、無効な着信メッセージに対して拒否レスポンスのみを含む機能確認が生成され、それ以外のものに対しては機能確認は生成されません。