Oracle Fusion Middleware Oracle E-Business Suite Adapterユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.4.0) 部品番号F23991-01 | ![]() 目次 | ![]() 前 | ![]() 次 |
Oracle E-Business Suiteは、すべてがインターネット上で動作する統合ビジネス・アプリケーションのセットです。Oracle E-Business Suiteは次のツールを提供しています。
コストの削減
経営から事務管理に至る全体の価値の増加
最新で正確かつ一貫したデータ・アクセス
Oracle E-Business Suiteは、Oracleアプリケーションと非Oracleアプリケーションのデータを統合し、企業全体で顧客、サプライヤ、パートナおよび従業員を一元的に定義できるようにする、統合情報アーキテクチャ上に構築されます。これにより、現在のパフォーマンス・メトリック、財務比率、損益要約などの情報を取得できるアプリケーションのスイートが提供されます。Oracle E-Business Suiteを非Oracleアプリケーションに接続するには、Oracle Fusion Middleware Oracle E-Business Suite Adapterを使用します。
Oracle E-Business Suite Adapter(旧称Adapter for Oracle Applications)では、Oracle E-Business Suiteに対して包括的、双方向、マルチモード、同期および非同期の接続が備えられているだけでなく、Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのカスタム統合インタフェースを含むOracle E-Business Suiteリリース12とリリース11.5.10のすべてのモジュールもサポートされています。
重要: Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのサポートには次の条件があります。
Oracle E-Business Suite Adapter 12cで必要なOracle E-Business Suiteデータベースのバージョンは次のとおりです。
Oracle Databaseのリリース | Oracle Database 11g リリース1 | Oracle Database 11g リリース2 | Oracle Database 12c リリース1 |
---|---|---|---|
必要最低限のデータベースのバージョン | 11.1.0.7以上 | 11.2.0.3以上 | 12.1.0.1以上 |
Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle E-Business Suiteリリース11.5.10 (OWF.G.Rollup 7が必要)およびリリース12.0以上をサポートしています。
J2EEデータ・ソースを使用したネイティブOracle E-Business Suite接続機能を使用可能にするための最小要件は、Oracle E-Business Suiteリリース11iでは11i.ATG_PF.H.Delta.6 (RUP6)、Oracle E-Business Suiteリリース12ではリリース12.0.4です。
詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント787637.1を参照してください。
Oracle E-Business Suite Adapterは次の機能を提供しています。
統合リポジトリを利用して、統合に関する真のソースからの情報を提供します。
非常に幅広い統合インタフェース・タイプをサポートします。このインタフェースには、PL/SQL API、ビジネス・イベント、オープン・インタフェース表、コンカレント・プログラム、XML Gatewayインタフェース、E-Commerce Gatewayインタフェースおよびインタフェース・ビューが含まれます。
JCA拡張子を持つWSDLファイル形式でアダプタ・メタデータを生成します。
注意: 詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタの理解』を参照してください。
Oracle E-Business SuiteとOracle Fusion Middleware間に安全に構成された接続に基づいて動作します(認証にはFNDユーザー名とパスワードのみを使用します)。
Oracleユーザー管理機能のセキュリティ機能を利用およびサポートすることにより、Webサービスとして公開されたAPIにアクセスおよび実行してOracle E-Business Suit Applicationsを更新することを認証ユーザーにのみ許可します。
アプリケーションのコンテキスト処理を明示的に開始して複雑にすることなく、暗黙的に処理します。
複数言語および複数組織アクセス制御(MOAC)設定をサポートしています。
Oracle E-Business Suiteアプリケーション・インタフェースの動的な参照およびアダプタ・メタデータの構成に、JDeveloperベースの設計時ツールを使用します。設計時のタスクはウィザード方式になっており、直感的でわかりやすく、ユーザー操作に優れています。
基礎となるJCA標準に準拠したフレームワークを利用し、2フェーズ・コミットを実装したグローバル・トランザクション制御サポートを提供します。
設計時および実行時に、同じアダプタのインスタンスから、複数バージョンのOracle E-Business Suiteを使用することがサポートされます。
設計時と実行時にフレックスフィールド情報が表示できるように、PL/SQL APIとオープン・インタフェース表にフレックスフィールド・サポートを提供します。
Oracle E-Business Suite AdapterはJCA 1.5標準に基づいており、Oracle WebLogic Serverコンテナ内のリソース・アダプタとしてデプロイされます。Oracle E-Business Suite Adapterのアーキテクチャは、テクノロジ・アダプタのアーキテクチャに類似しています。
Oracle E-Business Suite Adapterのアーキテクチャ
テクノロジ・アダプタの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタの理解』を参照してください。
Oracle E-Business Suite AdapterとOracle JCAアダプタは、Oracle Fusion Middlewareとともにインストールされます。また、これらのアダプタは、Oracle WebLogic Serverと中間層の両方のデプロイをサポートします。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールと構成』を参照してください。
Oracle E-Business Suite AdapterはOracle Fusion MiddlewareプラットフォームのJCAバインディング・コンポーネントと統合されます。したがって、Oracle BPEL Process Manager(Oracle BPEL PM)やOracle Mediatorなどのサービス・エンジンと統合されます。
Oracle E-Business Suite Adapterでは、Oracle E-Business Suite内に標準Webサービスとしてパブリック統合インタフェースを簡単に公開できます。これらのサービスは、Oracle BPEL PMおよびOracle Mediatorと統合すると同時に、設計時にOracle JDeveloperで作成および構成できます。実行時には、サービスの実行のためにOracle E-Business Suiteの統合フローがOracle WebLogic Serverにデプロイされ、統合が完了します。
Oracle BPEL Process Manager
Oracle BPEL Process Manager(BPEL PM)は、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づき、Oracle BPEL Process Managerのビジネス・プロセスを作成、デプロイおよび管理する包括的なソリューションを提供します。
Oracle Mediator
Oracle Mediatorは、サービス・プロバイダから外部パートナへのデータをルーティングするための軽量なフレームワークを提供します。さらに、ビジネス・イベントのサブスクライブと公開や、XSL Transformationsを使用したデータの変換も可能です。
たとえば、メディエータはアプリケーションやサービスからテキスト・ファイルに含まれたデータを受け入れ、顧客リポジトリとして機能するデータベースの更新に適したフォーマットに変換し、そのデータベースにルーティングして配信できます。
設計時
Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle BPEL PMおよびOracle Mediatorと統合すると同時に、Oracle JDeveloperを設計時ツールに使用してSOAコンポジット・アプリケーションを作成し、Webサービス用のWSDLおよびJCAファイルを生成できます。
Oracle JDeveloper BPEL Designerでパートナ・リンクを作成すると、「アダプタ構成ウィザード」が起動し、Oracle E-Business Suite Adapterまたはその他のアダプタを選択および構成できるようになります。データベースとサービス接続を正しく設定すると、Oracle E-Business Suiteインスタンスで利用可能なインバウンドおよびアウトバウンド・インタフェースのリストが機能別に整理されて表示されるため、要件を満たすものを選択します。構成が完了すると、ウィザードはパートナ・リンクのXMLスキーマに対応するWSDLファイルを生成します。
パラメータを割り当ててサービスを起動する必要がある場合は、追加のプロセス・アクティビティがBPELプロセスに追加されます。
実行時
Oracle E-Business Suite AdapterはJCA 1.5仕様に基づいています。BPELプロセス、Mediatorサービスおよびパートナ・リンク定義を含むコンポジット・アプリケーションが、Oracle WebLogic Serverにデプロイされます。JCAバインディング・コンポーネントは、実行時にJCA 1.5標準リソース・アダプタとOracle BPEL Process Managerをシームレスに統合するレイヤーです。JCAバインディング・コンポーネントは、疑似JCA 1.5コンテナとして動作します。
注意: BPEL PMが(EISからJ2EE/BPEL PMへの)インバウンド・イベントを受信できるのは、JCA 1.5統合でのみです。Oracle BPEL Process Managerは、疑似JCA 1.5コンテナとして動作し、JCA 1.5固有のシステム規定を実装します。JCA 1.5リソース・アダプタとBPEL PMインスタンスは、同じOracle WebLogic Serverコンテナにデプロイする必要があります。
SOAコンポジットに含まれているBPELのinvokeアクティビティによって起動されたWebサービス呼出しはJCA CCI(共通クライアント・インタフェース)アウトバウンド相互作用に変換され、JCAレスポンスはWebサービス・レスポンスに変換されます。このエンドツーエンドの呼出しは同期されています。
SOAコンポジット・アプリケーションの実行時テスト
SOAコンポジット・アプリケーションをデプロイしたら、デプロイされたSOAコンポジット・アプリケーションに含まれるBPELプロセスをテストしてインタフェース統合をテストすることで、設計を検証する必要があります。
各統合インタフェースの設計時および実行時の詳細なタスクは、このマニュアルの個別のインタフェースの章の説明を参照してください。
Oracle WebLogic Serverは、スケーラブルなエンタープライズ対応のJavaプラットフォームであり、Enterprise Edition(Java EE)のアプリケーション・サーバーです。そのインフラストラクチャは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づいてアプリケーションを構築するための最適な基盤となり、企業は、堅牢かつ安全で、可用性が高く、スケーラブルな環境にミッション・クリティカルなアプリケーションをデプロイできます。SOAは、アプリケーション・サービスを最大限再利用することを目的とした設計方法論です。
また、Oracle WebLogic ServerはJCAリソース・アダプタをホストするJCAコンテナで構成されます。J2EEサーバーと様々なバックエンド・アプリケーションの統合を簡略化するために、JCAは標準Javaインタフェースを定義しています。すべてのクライアント・アプリケーションは、Oracle WebLogic Server環境内で実行されます。
設計時
Oracle JDeveloperは、アダプタのリクエスト/レスポンス・サービスのWSDLファイルとXMLスキーマ定義(XSD)ファイルを表すWebサービスを作成するために使用されます。
Oracle WebLogic Serverクライアントは、実行時にJCAアウトバウンド相互作用を呼び出すためにこれらのXSDファイルを使用します。
実行時
Oracle E-Business Suite AdapterはJCA 1.5仕様に基づいており、Oracle WebLogic Serverコンテナ内のリソース・アダプタとしてデプロイされます。JCA 1.5仕様は、ライフサイクル管理、メッセージ・インフロー(アダプタ・イベントのパブリッシュ用)および作業管理の規定に対処しています。
Oracle JDeveloperでのOracle WebLogic Serverの使用方法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperのインストール』のOracle JDeveloperでのWebLogic Serverの使用に関する項を参照してください。
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