45 ドメイン値マップでのOracle SOAコンポーザの使用

この章では、Oracle SOAコンポーザを使用して実行時にOracle SOA Suiteプロジェクトのドメイン値マップを変更する方法について説明します。ドメイン値マップを使用すると、特定のドメインで使用されているある用語を、異なるドメインで使用されている別の用語にマップできます。

以前のリリースでは、実行時のドメイン値マップを編集するには、最初にOracle JDeveloperで変更を加えた後に、そのドメイン値マップをアプリケーション・サーバーに再デプロイする必要がありました。現在は、Oracle SOAコンポーザによって、実行時のドメイン値マップを編集するためのサポートが提供されています。

この章の内容は次のとおりです。

ドメイン値マップの詳細は、「ドメイン値マップの使用」を参照してください。

45.1 Oracle SOAコンポーザの概要

Oracle SOAコンポーザは、Oracle SOA Suiteインストールの一部としてインストールされるEARファイルです。Oracle SOAコンポーザを使用すると、ドメイン値マップを使用するプロジェクトを再デプロイすることなく、実行時にデプロイされたドメイン値マップを管理できます。ドメイン値マップのメタデータは、1つのSOAコンポジット・アプリケーションに関連付けたり、複数のコンポジット・アプリケーション間で共有することもできます。図45-1は、Oracle SOAコンポーザを使用してメタデータ・サービス(MDS)リポジトリからドメイン値マップにアクセスする方法を示しています。

図45-1 Oracle SOAコンポーザの高レベルなデプロイメント・トポロジ

図45-1の説明が続きます
「図45-1 Oracle SOAコンポーザの高レベルなデプロイメント・トポロジ」の説明

45.1.1 Oracle SOAコンポーザへのサインイン方法

Oracle SOAコンポーザにサインインするには:

  1. Webブラウザに次のURLを入力します。
    http://hostname:port/soa/composer
    

    Oracle SOAコンポーザのサインイン・ページが表示されます。

    図45-2 Oracle SOAコンポーザのサインイン・ページ

    図45-2の説明が続きます
    「図45-2 Oracle SOAコンポーザのサインイン・ページ」の説明
  2. 「ユーザー名」および「パスワード」フィールドに資格証明を入力し、「サインイン」をクリックします。

Oracle SOAコンポーザにサインインすると、Oracle SOAコンポーザのホームページが表示されます。

図45-3 Oracle SOAコンポーザのホームページ

図45-3の説明が続きます
「図45-3 Oracle SOAコンポーザのホームページ」の説明

Oracle SOAコンポーザのメタデータにアクセスするには、SOADesignerアプリケーション・ロールが必要です。このロールは、デフォルトで、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの管理者権限があるすべてのユーザーに付与されます。このロールが付与されていないユーザーがOracle SOAコンポーザにログインすると、次のメッセージが表示されます。

Currently logged in user is not authorized to modify SOA metadata.

管理者権限を持たないユーザーにSOADesignerアプリケーション・ロールを追加する方法の詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』を参照してください。

45.2 実行時のドメイン値マップの表示

実行時のドメイン値マップを表示できます。ドメイン値マップを開いて表示するには、次のステップを実行します。

45.2.1 実行時のドメイン値マップの表示方法

実行時のドメイン値マップを表示するには:

  1. 左側の「アプリケーション」ウィンドウ・パネルで「タイプ・ビュー」を選択します。
  2. 「ドメイン値マップ」フォルダの前にある右矢印のアイコンをクリックして、このフォルダを展開します。
  3. 表示または編集するドメイン値マップ・ファイル(.dvm)を選択します。
  4. 「開く」アイコンをクリックしてドメイン値マップを開きます。
  5. 「開く」メニューから「DVMを開く」を選択します。DVMの詳細がビュー・モードで表示されます。

    図45-4は、SOAコンポーザのドメイン値マップのサンプルを示しています。

    図45-4 SOAコンポーザでのドメイン値マップ

    図45-4の説明が続きます
    「図45-4 SOAコンポーザでのドメイン値マップ」の説明

ノート:

選択したドメイン値マップへの直接リンクを取得するには、「ブックマーク」をクリックします。

45.3 実行時のドメイン値マップの編集

ドメイン値マップを使用するアプリケーションの実行中に、ドメイン値マップを編集できます。

ノート:

SOAコンポーザを使用してDVMを更新する場合は、更新されたDVMを使用してDVMキャッシュも更新されます。

45.3.1 実行時のドメイン値マップの編集方法

デフォルトでは、ドメイン値マップはビュー・モードで開きます。編集モードに変更すると、行の情報を変更できるようになります。変更を終了したときは、「実行時の変更内容のパブリッシュ」で説明されているように、変更内容を必ず保存し、コミットしてください。

45.3.1.1 編集モードへの変更

編集モードに変更するには:

  1. 「実行時のドメイン値マップの表示方法」の説明に従って、表示するドメイン値マップを開きます。
  2. 「SOAコンポーザ」ウィンドウの右上のセクションにある「セッションの作成」をクリックします。以前にアクティブだったセッションがある場合は、「セッションの編集」をクリックする必要があります。

    ドメイン値マップが編集モードで開きます。

45.3.1.2 行の追加

現在のドメイン値マップに行を追加するには:

  1. 「ドメイン値の追加」をクリックします。
  2. ダイアログで、値を入力して「OK」をクリックします。

    入力した値がドメイン値マップに追加されます。

  3. 「保存」アイコンをクリックします。
45.3.1.3 行の編集

現在のドメイン値マップの行を編集するには:

  1. 編集する行を選択します。
  2. 「ドメイン値の編集」をクリックします。
  3. ダイアログで、必要に応じて値を編集し、「OK」をクリックします。
  4. 「保存」アイコンをクリックします。
45.3.1.4 行の削除

現在のドメイン値マップから行を削除するには:

  1. 削除する行を選択します。
  2. 「ドメイン値の削除」をクリックします。
  3. 「保存」アイコンをクリックします。

45.4 実行時の変更内容のパブリッシュ

編集セッションでドメイン値マップを開くたびに、各ユーザーのドメイン値マップごとにサンドボックスが1つ作成されます。変更内容を保存すると、そのサンドボックスに変更内容が保存されます。

変更内容をランタイムに反映してMDSリポジトリに永続的に保存するには、変更内容をパブリッシュする必要があります。セッションでは、変更内容をパブリッシュせずに保存することもできます。その場合、ドメイン値マップは保存済の状態のままです。後でドメイン値マップを再度開いて変更内容をパブリッシュできます。

45.4.1 実行時に変更内容をパブリッシュする方法

実行時に変更内容をパブリッシュするには:

  1. SOAコンポーザの右上のセクションにある「パブリッシュ」をクリックします。確認のダイアログが表示されます。
  2. セッション内で行った変更に関するオプションの説明を入力します。「OK」をクリックします。

45.4.2 実行時に変更内容を破棄する方法

セッション中にDVMに対して行った変更を破棄することもできます。

実行時に変更内容を破棄するには:

  1. SOAコンポーザの右上のセクションにある「破棄」をクリックします。確認のダイアログが表示されます。
  2. セッション中に行った変更内容を破棄するには、「OK」をクリックします。これには、サンドボックスに保存した変更内容も含まれます。

45.5 競合の検出

Oracle SOAコンポーザは、同時ユーザー間で発生する可能性のある競合を検出します。別のユーザーが編集しているドメイン値マップを開くと、編集を続行するかどうか確認するダイアログが表示されます。

ドメイン値マップの編集を続行する場合は、「はい」をクリックして変更を加えることができます。

他のユーザーがそのドメイン値マップを変更してコミットした場合は、自分の変更内容をコミットしようとすると通知メッセージが表示されます。

「はい」をクリックして変更内容をコミットすると、他のユーザーが加えた変更が上書きされます。