8 WebCenter Content Serverとの連携

Content Serverのドキュメント・プロファイルと、ImagingドキュメントをContent Serverのリポジトリに保管する方法について学習します。

Imagingでは、データベースの機能を使用して、アップロードされたドキュメントを保存および取得します。ドキュメントは、格納されたアプリケーションで指定されている条件に基づいて保存されます。

8.1 Content Serverのドキュメント・プロファイル

Imagingでアプリケーションが作成されると、対応するプロファイルおよびプロファイル・ルール・セットがContent Serverリポジトリに作成されます。プロファイル・トリガー・フィールドが構成されている必要があります。

ノート:

Imagingでアプリケーションが作成されたときに自動的に生成されるプロファイルは、デフォルトでAdministratorsセキュリティ・グループに割り当てられます。これらのプロファイルは、標準的なContent Serverのプロファイル・ルールを変更することで、他のユーザー・グループに提供できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの管理』を参照してください。その後、Imagingでアプリケーションが変更された場合、Content Serverのプロファイル・ルールはリセットされます。他のユーザー・グループを追加するには、プロファイル・ルールを再度変更する必要があります。

8.1.1 グローバル・プロファイル・ルール

アプリケーション・プロファイルが作成されるときに、IpmRepositoryコンポーネントによって、システム・フィールドをグループ化したり、システム・フィールドが表示されるようにするためのグローバル・プロファイル・ルールが設定されます。これらのプロファイルは、Content Serverが起動するたびに作成または更新されます。

ノート:

Content Serverの構成設定IpmUpdateProfileRulesを0(ゼロ)に設定すると、グローバル・プロファイル・ルールの自動更新を無効にすることができます。Content Serverの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの管理』を参照してください。

IpmRepositoryコンポーネントによって作成されるルールは次のとおりです。

名前 説明 グローバル・ルール

IpmSystemFields

Imagingのシステム・フィールドをグループ化します。Imagingのシステム・フィールドをプロファイルに含める場合に使用できます。

いいえ

IpmSystemFields_Hide

Imagingのシステム・フィールドをデフォルトで非表示にします。フィールドを表示するには、フィールドを表示するルールを追加します(IpmSystemFieldsルールを参照)。

はい

IpmSystemFields_Restricted

セキュリティ・グループおよびドキュメント・タイプでのImaging固有の値の選択を制限します。

はい

グローバル・ルールをアクティブにするために、特定のプロファイルで参照する必要はありません。

8.1.2 アプリケーション・プロファイルおよびプロファイル・ルール

アプリケーションが作成されると、アプリケーション・フィールドの表示を処理するためのプロファイルおよびルールが作成されます。プロファイル・ルールによって、アプリケーション・フィールドをグループ化する方法が決定され、それらのフィールドのデフォルト値が指定されます。次の表では、これらのルールについて説明します。

名前 説明 グローバル・ルール

IpmApp_<X>_Fields

アプリケーション・フィールドをグループ化します。

いいえ

IpmApp_<X>_Fields_Hide

アプリケーション・フィールドを非表示にします。

はい

IpmApp_<X>_Defaults

Imagingのシステム・フィールド(「セキュリティ・グループ」、「IPMアプリケーション識別子」 )およびアプリケーション固有のフィールドのデフォルトを設定します。

いいえ

前述のルール名の<X>は、内部アプリケーション識別子に置き換えられます。グローバル・ルールでないルールをアクティブにするには、プロファイルで参照する必要があります。

プロファイルはアプリケーションについて作成され、プロファイル名としてIpmApp_<X>が指定されます。<X>は、内部アプリケーション識別子です。ルールのラベルはアプリケーション名です。

8.1.3 Foldersとの連携

Imagingでは、アプリケーション・ドキュメントがフォルダに自動的に割り当てられるわけではありません。ただし、アプリケーション・プロファイルおよびプロファイル・ルールを変更することで、ドキュメントを特定のフォルダに自動的に割り当てることができます。ドキュメントを特定のフォルダに自動的に割り当てるようにアプリケーション・ルールを変更する手順は、次のとおりです。

  1. アプリケーション・コンテンツを格納する新しいコントリビューション・フォルダを作成します。932000007など、フォルダの識別子をノートにとります。
  2. 新しいプロファイル・ルールを追加し、名前をノートにとります。たとえば、App_<X>_Folderなどを使用できます。
  3. フォルダ・フィールド(xCollectionID)を選択し、タイプを「情報のみ」に設定します。
  4. 「デフォルト値を使用」を有効にし、デフォルト値を、前述の手順で取得したフォルダ識別子に設定します。これによって、Content Serverのチェックイン・フォームを使用してコンテンツをチェックインする際に、割り当てられたフォルダが表示されるようになります。
  5. 「派生フィールド」を有効にし、デフォルト値を、前述の手順で取得したフォルダ識別子に設定します。これによって、Imagingアップロードなど、任意のソースからのチェックイン時にその値が設定されます。

    この方法でルールを設定しても、ユーザーは、ごみ箱フォルダを含め、フォルダ間でコンテンツを移動することはできません。ドキュメントを削除したり、フォルダ間でファイルを移動できるようにするには、カスタム・スクリプトを使用するように派生値を変更し、次のような行を追加します。

    <$if not (IDC_SERVICE like "COLLECTION_DELETE_LOT|COLLECTION_RESTORE_ITEM")$>
    					   <$dprDerivedValue="932000007"$>
    <$endif$>
    
  6. 変更するImagingアプリケーションのアプリケーション・プロファイルを編集し、前述の手順で定義したルールを「ルール」タブに追加します。

ノート:

Imagingでアプリケーションが変更され、その際にアプリケーション名も変更された場合、アプリケーション・プロファイルに追加したルールを再度追加する必要があります。

8.1.4 Oracle WebCenter Content Records Managerとの連携

Imagingでは、ドキュメントが保存カテゴリやライフ・サイクルに自動的に割り当てられるわけではありません。ただし、アプリケーションのプロファイルおよびプロファイル・ルールを変更することで、ドキュメントを保存カテゴリまたはライフ・サイクルに自動的に割り当てることができます。次のステップでは、保存カテゴリ値を割り当てます。ライフ・サイクルを割り当てる場合は、xCategoryIDのかわりにxLifeCycleIDを使用してください。

  1. 新しい保存カテゴリを作成し、保存カテゴリ識別子をノートにとります。たとえば、App <X> Categoryなどを使用できます。
  2. 新しいプロファイル・ルールを追加し、名前をノートにとります。たとえば、App_X_Category_ruleなどを使用できます。
  3. 保存カテゴリ・フィールド(xCategoryID)を選択し、タイプを「情報のみ」に設定します。
  4. 「デフォルト値を使用」を有効にし、デフォルト値を、前述の手順で取得した保存カテゴリ識別子に設定します。たとえば、App X Categoryに設定します。これによって、Content Serverのチェックイン・フォームを使用する際に、割り当てられたカテゴリが表示されるようになります。
  5. 「派生フィールド」を有効にし、デフォルト値を、前述の手順で取得した保存カテゴリ識別子(App X Category)に設定します。これによって、Imagingアップロードなど、任意のソースからのチェックイン時にその値が設定されます。

    ノート:

    ドキュメントをマップするカテゴリがレコード専用のカテゴリである場合は、さらにxIsRecordのフィールドを追加し、デフォルト値および派生値を1に設定する必要があります。

  6. 変更するImagingアプリケーションのアプリケーション・プロファイルを編集し、前述の手順で定義したルールを「ルール」タブに追加します。

ノート:

Imagingでアプリケーションが変更され、その際にアプリケーション名も変更された場合、アプリケーション・プロファイルに追加したルールを再度追加する必要があります。

8.1.4.1 Oracle Universal Records ManagementとImagingコンテンツ

ImagingコンテンツがOracle WebCenter Content RMシステムで正しく構成されている場合、いくつかの制限がImagingコンテンツに適用されます。

ImagingドキュメントがOracle WebCenter Content RMで凍結されている場合、Imagingからドキュメントを削除しようとすると、「ドキュメントはリポジトリで法的保留にあるため削除できません。」というエラーが表示されます。Imagingでドキュメントを更新したり、ドキュメントを別のアプリケーションに移動またはコピーすることはできません。凍結されたドキュメントを削除できるのは、Imaging管理者またはWebCenter Content管理者のみです。凍結が解除されると、Imaging内の制限も解除されます。

8.1.4.1.1 Oracle WebCenter Content Records Managementの使用

ImagingがOracle WebCenter Content RMを使用するシステムに接続されていて、コンテンツの制御にWebCenter ContentのRM機能を使用している場合、Imagingに関連付けられたコンテンツには同じレベルの制御が適用されます。

警告:

コンテンツをOracle WebCenter Content RMのカテゴリと関連付けるために使用するルールは、Oracle WebCenter Content RMと統合する際の手順に従って慎重に作成する必要があります。このルールを正しく作成しなかった場合、Imagingコンテンツがレコード・カテゴリに割り当てられたり、凍結できるようになることがあります。その場合、Imagingのユーザーが必要に応じてドキュメントを変更できなくなります。

8.1.4.2 WebCenter Content Adapter for Content Serverとの同期

Oracle Universal Records Managerで複数のContent Serverリポジトリを使用できるようにWebCenter Content Adapter for Content Serverを使用している場合、Content ServerとOracle URM間でセキュリティ・グループが一貫していることを確認する必要があります。WebCenter Content Adapterは、Imagingによって作成されたセキュリティ・グループをOracle URMと同期しません。

Content Serverリポジトリにセキュリティ・グループを追加するアプリケーションがImagingで作成された場合、Imagingで作成されたものと同じセキュリティ・グループをOracle URMで手動で構成する必要があります。これは、コンテンツをImagingアプリケーションにアップロードする前に行う必要があります。さらに、Imagingアプリケーションまたはアプリケーション内のドキュメント・セキュリティが変更された場合、Oracle URMでセキュリティ・グループを手動で更新する必要があります。

ノート:

Imagingのメタデータ・フィールドがOracle URMに伝播されることはないため、Oracle URM内のドキュメントには、Imagingで指定された値が表示されません。

8.1.5 Information Rights Managerとの連携

Imagingでは、アプリケーション・ドキュメントがIRM分類に自動的に割り当てられるわけではありません。ただし、アプリケーション・プロファイルおよびプロファイル・ルールを変更することで、ドキュメントをIRM分類に自動的に割り当てることができます。

  1. 新しいプロファイル・ルールを追加し、名前をノートにとります。たとえば、App_X_IRMなどを使用できます。
  2. IRMProtectionフィールド(xIRMProtection)を選択し、タイプを「情報のみ」に設定します。
  3. 「デフォルト値を使用」を有効にし、デフォルト値を設定します。この値は、Oracle IRMのコンテキストと一致している必要があります。これによって、Content Serverのチェックイン・フォームを使用する際に、割り当てられたIRM分類が表示されるようになります。
  4. 「派生フィールド」を有効にし、デフォルト値を設定します。この値は、Oracle IRMのコンテキストと一致している必要があります。これによって、Imagingアップロードなど、任意のソースからのチェックイン時にその値が設定されます。

    ノート:

    IRMが正しく構成されていない場合や、値が有効なコンテキストと一致していない場合、IRMの検証に失敗するため、コンテンツをContent Serverにチェックインできません。

  5. 変更するImagingアプリケーションのアプリケーション・プロファイルを編集し、前述の手順で定義したルールを「ルール」タブに追加します。

ノート:

Imagingでアプリケーションが変更され、その際にアプリケーション名も変更された場合、アプリケーション・プロファイルに追加したルールを再度追加する必要があります。

8.1.6 WebCenter Spacesとの連携

WebCenter Spaces内でImagingドキュメントに自動的にアクセスできるようになるわけではありません。ただし、WebCenter Spaces内で表示可能なフォルダにドキュメントを自動的に割り当てることができます。Imagingドキュメントにアクセスできるようにするには、アプリケーション・プロファイルおよびプロファイル・ルールを手動で構成および変更する必要があります。

  1. Oracle WebCenterが使用するように構成されているものと同じLDAPベースのアイデンティティ・ストアを使用するようにContent ServerおよびImagingを構成します。

    LDAPアイデンティティ・ストアを使用するようにWebCenterとコンテンツ・サーバーを構成する詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』を参照してください。

  2. ImagingでサポートされているバージョンのJavaを使用して、ImagingとWebCenterドキュメント・サービス間のブリッジとしてContent Serverを構成します。
  3. WebCenter Spacesのドキュメント・サービスはFoldersコンポーネントを使用するため、チェックインされたコンテンツのフォルダを自動的に指定するようにImagingを構成する必要があります。FoldersでImagingを構成する方法の詳細は、「Foldersとの連携」を参照してください。

WebCenter Spacesのコンテンツ・サーバーとの統合に関する詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』を参照してください。

8.2 ドキュメント記憶域について

概念的には、アプリケーションは、アプリケーションによって定義および適用される共通の特性を持つドキュメントのコンテナです。Content Serverの1つのインスタンスでは、組織に必要な複数のアプリケーションを処理できない場合があります。必要な複数のアプリケーションを処理するようにソリューションを拡張するために、複数のContent Serverインスタンスを使用できます。ただし、1つのアプリケーションを複数のContent Serverインスタンスに分割することはできません。複数のContent Serverインスタンスをサポートするには、各アプリケーションをターゲットのContent Serverインスタンスと関連付ける必要があります。Imagingレベルでこれを表すために、リポジトリと呼ばれる新しいオブジェクトがパブリックAPIに追加されています。リポジトリ・オブジェクトは、各Content Serverインスタンスへの接続情報を追跡します。各アプリケーションは、特定のリポジトリと関連付けられます。リポジトリへの接続を作成する方法の詳細は、「接続の管理」を参照してください。

8.2.1 Content Serverのドキュメント・プロパティ

次の表に、Imagingのドキュメント・プロパティとContent Serverのドキュメント・プロパティのマッピングを示します。

Imagingのドキュメント・プロパティ Content Serverのプロパティ 説明

Id

dDocName

名前

dOriginalName

dDocTitleに基づいている場合もありますが、dDocTitleは、Content Serverユーザー・インタフェースで変更可能です。

Properties.ApplicationId

なし

カスタム・メタデータ・フィールド

Properties.ApplicationName

なし

Content Serverからではなく、アプリケーション定義から読み取られます。

Properties.BatchId

xIPMSYS_BATCH_ID

カスタム・メタデータ・フィールド

Properties.CreateDate

dDocCreatedDate

dDocCreatedDateは、ドキュメントが最初に作成された日付です。追加のリビジョンがチェックインされた場合、このプロパティの値によって最初のドキュメント作成日が追跡されます。

Properties.Creator

dDocCreator

dDocCreatorは、最初にドキュメントを作成したユーザーです。追加のリビジョンがチェックインされたときに、このプロパティの値によって最初の作成者が追跡されます。

Properties.DocUrl

なし

Imagingコードで計算されます。weblayoutディレクトリでURLを計算するためのContent Server IdocScript関数があります。

Properties.LastModifiedBy

dDocLastModifier

dDocLastModifierは、最後のリビジョンの作成者です。追加のリビジョンがチェックインされた場合、このプロパティの値によってリビジョンが追跡されます。

Properties.LastModifiedDate

dDocLastModifiedDate

dDocLastModifiedDateは、最後のリビジョンがチェックインされた日付です。追加のリビジョンがチェックインされた場合、このプロパティの値によってリビジョンが追跡されます。

Properties.LockedBy

dCheckoutUser

Content Serverには、ドキュメントをチェックアウトして他のユーザーがチェックアウトできないようにする以外に、ロックの概念はありません。

Properties.LockedDate

なし

Properties.MimeType

dFormat

Properties.Size

dFileSize

Properties.Version

dRevisionID

これは、ユーザーによる変更が可能なdRefLabelとは異なります。

Properties.VolumeName

なし

ファイル・ストア・プロバイダが構成され、使用されている場合、これはルールに基づく場合があります。

FieldValues

アプリケーションによって定義されたカスタム・メタデータ・フィールド

Permissions.Delete

削除

IdocScript userHasGroupPrivilege(dSecurityGroup, "D")関数(またはこの関数を実装するコード)から設定できます。

Permissions.Grant

Admin

IdocScript userHasGroupPrivilege(dSecurityGroup, "A")関数(またはこの関数を実装するコード)から設定できます。

Permissions.Modify Fields

書込み

IdocScript userHasGroupPrivilege(dSecurityGroup, "W")関数(またはこの関数を実装するコード)から設定できます。

Permissions.Update

書込み

IdocScript userHasGroupPrivilege(dSecurityGroup, "W")関数(またはこの関数を実装するコード)から設定できます。

Permissions.View

Read

IdocScript userHasGroupPrivilege(dSecurityGroup, "R")関数(またはこの関数を実装するコード)から設定できます。

AnnotationPermissions

該当なし

注釈権限は、ImagingエンティティBeanによって管理されます。

リビジョン履歴

監査履歴

<Versions>

<Content Tracker>

リビジョン履歴は、DOC_INFOサービスの一部として提供されます。

監査履歴は、Content Tracker APIを使用して適切な監査データを読み取ることによって取得する必要があります。