A コンテンツ・サーバー用Oracle Fusion Middleware BPELコンポーネントの管理

この付録では、Oracle WebCenter Content用にBpelIntegrationコンポーネントをインストールして構成する方法と、Business Process Execution Language (BPEL)サーバー上でデプロイされたプロセスを開始するようにOracle WebCenter Content Serverのワークフローを構成する方法について説明します。

ここで説明する項目は、次のとおりです。

A.1 概要

BpelIntegrationコンポーネントは、コンテンツ・サーバー・ワークフロー内からBusiness Process Execution Language (BPEL)プロセス・マネージャと対話する機能を追加します。管理者として、BPELサーバー上にデプロイされたプロセスを開始するようにコンテンツ・サーバー・ワークフローを構成できます。

この項の内容は、次のとおりです。

A.1.1 12cの新機能

  • バージョン固有のコンポジットとバージョンに依存しないデフォルトのコンポジットの両方に対して接続を確立できます。

  • コンポジットによって公開されるサービスをオプションとして利用できます。プロセスの開始に使用されるサービスおよび操作を確認してください。これは非同期プロセスです。

  • プロセス構成を作成する際のオプションとして「SOAへ直接」と「Web」が追加されました。「プロセスのプロパティ」を参照してください

  • ペイロード・マッピングの一部としてサポート・コンテンツが追加されました。「ペイロード・マッピング」を参照してください

  • プロセス・フォルトについて説明する項が新しく追加されました。「プロセス・フォルト」を参照してください

A.1.2 ハードウェア要件

BpelIntegrationコンポーネントの最低限のハードウェア要件は、コンテンツ・サーバーおよびOracle BPEL Process Managerの要件と同じです。

A.1.3 ソフトウェア要件

この項では、コンテンツ・サーバーおよびBPEL Process Managerの要件を指定します。

Oracle Content Server: コンテンツ・サーバーのリリース12c以上が、ターゲット・コンピュータで正しくインストールされて実行されている必要があります。

Oracle BPEL Process Manager: Oracle Service-Oriented Architecture (SOA) Suiteのリリース12c以上が、ターゲット・コンピュータで正しくインストールされて実行されている必要があります。

A.1.4 ソフトウェアの配布

BpelIntegrationコンポーネントは、WebCenter Contentリリース12cに付属しています。

A.2 インストール

次の手順では、リリース・バージョンのOracle SOA Suiteがすでにインストールされていることを前提としています。

この項では、次のステップについて説明します。

A.2.1 統合手順

Oracle SOA Suiteとの統合を有効化するようコンテンツ・サーバーを設定するには、現在次の2つの方法があります。

  • シナリオ1では、Oracle SOA Suiteによって拡張されたドメインにWebCenter Contentをインストールします。この場合、すべての部分を1つのドメインに特定の順序でインストールします。Oracle SOA Suiteライブラリはすべてに対して使用可能で、クラス・パスはOracle SOA Suiteライブラリを含むよう拡張されています。

  • シナリオ2では、Oracle SOA Suiteで使用される必要なライブラリを手動でコピーして、Oracle WebLogic Server内部のWebCenter Contentを起動するために使用するクラスパスを追加します。

2つのシナリオの相違点は、Oracle SOA Suiteのインストールによってクラスパスが自動的に追加されますが、シナリオ2ではこの処理を手動で行う点です。将来、WebCenter Contentには適切なOracle SOA Suiteライブラリが同梱される予定です。

A.2.1.1 シナリオ1

シナリオ1では、Oracle SOA Suiteによって拡張されたドメインにWebCenter Contentをインストールします。

Oracle SOA Suiteによって拡張されたドメインにWebCenter Contentをインストールするには:

  1. Oracle SOA Suiteの新しいドメインを作成します。

  2. Oracle Business Activity Monitoring (BAM)およびOracle Enterprise Management (EM)で、Oracle SOA Suiteドメインを拡張します。

  3. WebCenter ContentでOracle SOA Suiteを拡張します。

setDomainEnv変数にOracle SOA Suite固有のライブラリが移入されていることを確認できます。特に、クラスパスにsoa-infra-mgmt.jarが指定されていることを確認します。

A.2.1.2 シナリオ2

シナリオ2では、手動でOracle SOA Suiteが使用する必要なライブラリをコピーします。

Oracle SOA Suiteによって拡張されていないWebCenter Contentドメインを更新するには:

  1. /soaディレクトリを、Oracle SOA SuiteのOracleホームからWebCenter ContentのOracleホームにコピーします。

    WebCenter Contentを介して接続しているOracle SOA SuiteサーバーのOracle SOA Suite 12cホーム・ディレクトリを見つけます。soaという名前のディレクトリがあります。このディレクトリをWebCenter Contentホーム・ディレクトリにコピーして、最上位ディレクトリに配置します(つまり、SOA_ORACLE_HOME/soaWC_CONTENT_ORACLE_HOME/soaにコピーします)。

  2. オペレーティング・システムに応じて、setDomanEnv.cmdファイルまたはsetDomainEnv.shファイルを編集し、WebCenter Contentドメインのクラスパスを追加します。

    set POST_CLASSPATH=%ORACLE_HOME%\soa\soa\modules\oracle.soa.mgmt_11.1.1\soa-infra-mgmt.jar;%POST_CLASSPATH%
A.2.1.3 最終ステップ

両方のシナリオの最終ステップは、BpelIntegrationコンポーネントを有効化してサーバーを起動することです。

Oracle SOA SuiteインスタンスがWebCenter Content以外の別のサーバーで実行中の場合は、次のセキュリティ・エラーが表示されることがあります。

vax.xml.ws.WebServiceException: java.lang.SecurityException: [Security:090398]Invalid Subject: principals=[weblogic, Administrators]
   at com.sun.xml.ws.client.dispatch.DispatchImpl.doInvoke(DispatchImpl.java:209)
   at com.sun.xml.ws.client.dispatch.DispatchImpl.invoke(DispatchImpl.java:216)

このエラーが発生した場合は、両方のサーバーに対するドメイン間のセキュリティを有効にする必要があります。次の手順に従います:

User will need to setup Trusted Domain on both WLS domain.
Goto WLS Console->Respected Domainssoainfra or bam ->Security
1. Make sure "Cross Domain Security Enabled"
2. Click on Save 
3. Expand Advanced part of setting 
4. Make sure you supplement the Credential and Confirm Credential fields. 
5. Click on Save 
Repeat for the same for the other WLS domain.
Finally, Restart both WLS Servers.

A.2.2 統合コンポーネントの有効化

統合コンポーネントを有効化するには:

  1. コンテンツ・サーバー・インスタンスにシステム管理者としてログインします。
  2. 「管理」「管理サーバー」「コンポーネント・マネージャ」を選択します。
  3. ページ上部の段落で、「拡張コンポーネント・マネージャ」リンクをクリックします。
  4. 「有効なコンポーネント」と「無効なコンポーネント」の2つのリストが表示されます。「無効なコンポーネント」リストの下位にある「BpelIntegration」を選択します。
  5. 「有効化」をクリックして、リスト下位から上位にこの項目を移動します。
  6. ページの下部で、「更新」をクリックします。
  7. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
  8. コンソールの左側で、「ドメイン構造」「環境」「サーバー」の順にクリックします。「サーバーのサマリー」ページが表示されます。
  9. 「制御」タブからサーバーを選択して、「SSLの再起動」をクリックします。

A.3 統合コンポーネントの構成

この項の内容は、次のとおりです。

A.3.1 アーキテクチャ

統合では、BPELクライアント・ライブラリを使用してOracle BPEL Process Managerと通信します。プロセス構成では、接続パラメータ、BPELプロセスおよびBPEL操作を識別する必要があります。また、プロセス構成では、ドキュメント・メタデータ・フィールド、およびBPEL操作に渡されるパラメータに割り当てられたリテラル値も識別されます。

A.3.1.1 接続構成

プロセス構成は、data/orabpelディレクトリに配置されるファイル内に存在しています。これらのファイルは手動で編集できます。ただし、BpelIntegrationコンポーネントでは、この作業を簡単に行うためのページが提供されています。最初のページは「接続の構成」ページです。「接続の構成」ページから、定義済の接続構成を表示したり、接続構成を追加または削除できます。

図A-1 「接続の構成」ページ

図A-1の説明が続きます
「図A-1 「接続の構成」ページ」の説明

「管理」「Oracle BPEL管理」「接続の構成」から「接続の構成」ページにアクセスします。

このページの右上には「接続」メニューがあります。このメニューを使用して新規接続を追加します。各接続には「アクション」メニューがあり、次の選択肢が示されます。

要素 説明

構成情報

接続情報の詳細を表示できます。

構成のテスト

接続構成のJNDIプロパティをテストできます。

構成の削除

接続構成を削除できます。

A.3.1.1.1 接続構成の追加

接続構成を追加するには、「接続の構成」ページの右上にある「接続」メニューから「接続の追加」を選択します。「構成の追加」ページが開きます。

次の表では、このページのフィールドが定義されています。

要素 説明

構成ID

接続構成を識別するために使用します。一意である必要があります。

説明

接続構成について説明するために使用します。

ドメイン

BPELプロセス・ドメイン識別子。

初期コンテキスト・ファクトリ

BPEL Process Managerに接続するために使用する初期コンテキスト・ファクトリ。この値は、初期コンテキストを作成するファクトリ・クラスの完全修飾クラス名である必要があります(たとえば、BPELを実行中のOracle Application Serverに接続する場合は、com.evermind.server.ApplicationClientInitialContextFactory)。

プロバイダURL

BPEL Process Managerの場所。この値にはURL文字列が含まれている必要があります(たとえば、BPELを実行中のOracle Application Serverに接続する場合は、t3://servername:7003/soa-infra)。

セキュリティ・プリンシパル

BPEL Process Managerの呼出し側を認証するためのプリンシパルの識別情報。この値には、BPEL Process Managerで登録されているユーザーのユーザー識別子が含まれている必要があります。

セキュリティ資格証明

BPEL Process Managerの呼出し側を認証するためのプリンシパルの資格証明。この値には、セキュリティ・プリンシパルとして入力されているユーザー識別子のパスワードが含まれている必要があります。

セキュリティ資格証明の確認

セキュリティ資格証明パスワードを確認するために使用されます。

CSFキー

資格証明を安全に管理するために使用します。

A.3.1.1.2 接続構成情報

特定の接続構成に関する詳細情報を表示するには、構成ページ内の特定のアダプタの「アクション」メニューから「構成情報」を選択します。「構成情報」ページが開きます。

ページの上部にある「アクション」メニューから、次のアクションを選択できます。

要素 説明

接続の更新

接続構成を編集できます。

接続の削除

接続構成を削除できます。

接続のテスト

接続構成のJNDIプロパティをテストできます。

A.3.2 プロセスの構成

接続の構成を完了すると、「プロセスの構成」ページでプロセスを定義して構成できます。プロセス構成を変更するには、「アクション」メニューを使用します。

ノート:

Oracle WebCenter Contentは、BPELプロセスと統合したWebCenter Contentに対するSOAPリクエストで単一のネームスペースのみをサポートします。

図A-2 「プロセスの構成」ページ

図A-2の説明が続きます
「図A-2 「プロセスの構成」ページ」の説明

「管理」「Oracle BPEL管理」「プロセスの構成」から「プロセスの構成」ページにアクセスします。

要素 説明

プロセスの追加

さらにプロセス構成を追加できます。

構成情報

プロセス構成の「構成情報」ページを開きます。

プロセスの更新

BPELプロセスおよび操作を編集できます。

ペイロードの更新

コンテンツ・アイテム・フィールドからペイロード・プロパティへのマッピングを編集できます。

構成の削除

プロセス構成を削除できます。

接続のテスト

接続構成のJNDIプロパティをテストできます。

プロセス構成を作成した後、プロセスのプロパティとペイロード・マッピングを定義する必要があります。プロセス・プロパティの編集方法の詳細は、「プロセスのプロパティ」を参照してください。フィールド・マッピングの編集方法の詳細は、「ペイロード・マッピング」を参照してください。

A.3.2.1 プロセスのプロパティ

プロセスのプロパティでは、新規プロセスを開始するために使用されるBPELプロセスとBPEL操作が識別されます。これらのプロパティは「プロセスの更新」ページで編集できます。

図A-3 「プロセスの更新」ページ

図A-3の説明が続きます
「図A-3 「プロセスの更新」ページ」の説明

プロセスのプロパティを編集するには、「アクション」メニューから「プロセスの更新…」を選択します。

要素 説明

構成ID

接続構成を識別するために使用します。これは一意です。

説明

接続構成について説明するために使用します。

接続ID

接続を識別するために使用します。

BPELプロセス

デプロイされたアクティブなBPELプロセスのプロセス識別子。各アクティブ・プロセスは、プロセス名とプロセス・リビジョンとともにリストされます。各プロセスのデフォルトのリビジョンは、アスタリスク(*)で識別されます。

BPELサービス

デプロイされたアクティブなBPELサービスのサービス識別子。

BPEL操作

プロセスを開始する操作の名前。

プロファイル

ドキュメントがチェック・インされるプロファイルの名前。

SOAへ直接

選択したプロファイルで新規ドキュメントがチェック・インされるたびに、SOAプロセスを自動的に呼び出します。

Web

JAX/WSプロトコルを使用して、SOAプロセスを呼び出します。

A.3.2.2 ペイロード・マッピング

ペイロード・マッピングでは、プロセスを開始するためにコンテンツ・サーバーのフィールドとリテラル値をペイロード・プロパティにマッピングする方法を定義します。

ペイロード・マッピングを編集するには、「アクション」メニューから「ペイロードの更新」をクリックします。

「ペイロード・マッピングの更新」ページに3つの列を持つフォームが表示されます。次の表では、各列が定義されています。

要素 説明

フィールド

値がマップされるペイロード要素の名前。

タイプ

ペイロード要素のタイプ。これは、値オプションのリストに表示されるオプションをフィルタするために使用されます。複合タイプには他のタイプが含まれます。タイプが要素の配列である場合、値マッピングはコンポーネントによって解析されるカンマ区切りリストである可能性があります。

マッピング

コンテンツ・サーバー・フィールドの名前を識別するために使用します。これらのフィールドは、標準のコンテンツ・アイテム・フィールド(dID、dDocName、dDocTitleなど)、カスタム情報フィールドおよび一部の特別なシステム・フィールドです。考えられる特別なフィールドは、次のとおりです。

  • HttpAbsoluteCgiPath: コンテンツ・サーバーへの絶対CGIパス。

  • HttpAbsoluteWebRoot: コンテンツ・サーバーのWebルートへの絶対パス。

  • idcReference: socket:<HttpServerAddress>:<HttpServerPort>の値を含む文字列を作成します。

  • ドキュメントURL: Web表示可能ファイルへの計算されたURL。

  • ContentViewLink: コンテンツ表示ページへの計算されたURLであり、コンテンツのビューやコンテンツ情報へのリンクを表示します。

  • @Literal: リテラル値を割り当てることができます。このオプションを選択すると、値を指定する追加のテキスト入力フィールドが表示されます。カンマ区切り表記法を使用して、配列値を入力できます。

  • FormatValue: フォーマット値という名前の特殊なマッピング関数もあり、任意の値をマップできます。このフォーマットは、定数値および他のマッピング関数からの値のカスタム連結です。「フォーマット値」マッピング関数は、任意のペイロード要素にマップできます。ただし、厳密に言うと、フォーマット値の戻り型は文字列なので、戻り値がペイロードのスキーマ・タイプの有効な文字列表現であることを慎重に確認する必要があります。

  • WCCビューアURL: ドキュメントを表示するWCC ADFUIビューア・リンクへのURL。

図A-4に、フィールド・マッピングの例を示します。

図A-4 「ペイロード・マッピング」ページ - フィールド・マッピングの例

図A-4の説明が続きます
「図A-4 「ペイロード・マッピング」ページ - フィールド・マッピングの例」の説明

このページでは、次のマッピングを行うことができます。

  • 入力ペイロード・フィールドには、コンテンツのタイトルの値が割り当てられています。

A.3.2.2.1 サポート・コンテンツ機能

サポートするコンテンツ関数は、ドキュメントに関連付けられているサポートするコンテンツ・データをワークフロー・プロセスのペイロード要素にマップします。サポートするコンテンツは、プロセス・ペイロード内の任意のcomplexノードにマップできます。サポートするコンテンツ関数をマップする場合、サポートするコンテンツ・キーとXPathパラメータの両方が必要です。サポート・コンテンツ・キーは、XMLコンテンツをドキュメントに関連付けるために使用します。XPath式は、ペイロード・エレメントにマップされるXMLコンテンツ内のノードを識別します。BPELペイロードには複合タイプがあるため、サポート・コンテンツに対応して、.xmlファイルを読み取り、xmlファイルからの値をペイロードに代入できます。サポート・コンテンツ・マッピング値は、:Support:NAME_OF_RENDITION:XPATH_NAME / SystemSupport:NAME_OF_RENDITION:XPATH_NAMEとして指定できます(サポート・コンテンツがシステム・レンディションの場合)。

A.3.2.3 WebCenter Contentの統合のためのBPELコンポジットの準備

WebCenter ContentとBPELを統合するには、BPELコンポジットのサービスにbinding.adfエントリが存在している必要があります。このバインディングを使用すると、WebCenter ContentでBPELをサービスとして起動し、後からOracle SOA Suiteにステータスを問い合せるための対話IDをBPELに設定できます。

したがって、BPELコンポジットを作成してWebCenter Contentで使用できるようにする場合、次の手順を実行する必要があります。

  1. JDeveloperでコンポジットを開きます。
  2. composite.xmlファイルをソース・モードで開きます。
  3. サービス定義とコールバック定義を検索します。
  4. サービス定義とコールバック定義に次の行を追加します。次の行で、serviceNameは、意味のわかる名前にします。registryNameは必ず空にしてください。
    <binding.adf serviceName="YourUniqueServiceName" registryName=""/>
    
  5. 非同期プロセスに加えて、非同期コールバックの新規プロセスをOracle BPEL構成リストに作成します。
  6. 終了条件を次のように変更します。
    wfGet("conversationId")
    および
    obIsInstanceClosed("YourUniqueAsyncProcessCallback", wfGet("conversationId"))

考えられるコンポジット例は次のようになります。

<service name="receive" ui:wsdlLocation="receive.wsdl">
<interface.wsdl interface="http://example.com/sca/soapservice/aug11_app_2/myThirdComposite/receive#wsdl.interface(execute_ptt)"/>
   <binding.ws port="http://example.com/sca/soapservice/aug11_app_2/myThirdComposite/receive#wsdl.endpoint(receive/execute_pt)"/>
   <binding.adf serviceName="my3rdBPELService" registryName=""/>
 </service>

これは、JDeveloperウィジェットを使用して行うこともできますが、この場合、空でないregistryNameが必要になります。ADFを含まないコンポジットのregistryNameは空であり、ここで指定されているコンポジット例では、レジストリ名は空である必要があります。空でない場合は、標準のOracle SOA Suiteを使用してコンポジットを起動した後、APIコールが正しく機能しません。

A.3.3 プロセス・フォルト

プロセスを定義して構成したら、「プロセス・フォルト」ページで失敗したプロセスを表示して検証します。「アクション」メニューを使用して、失敗したプロセスを表示します。

図A-5 「プロセス・フォルト」ページ

図A-5の説明が続きます
「図A-5 「プロセス・フォルト」ページ」の説明

「管理」「Oracle BPEL管理」「プロセス・フォルト」から「プロセス・フォルト」ページにアクセスします。

「プロセス・フォルト」ページには、5つの列があるフォームが表示されます。次の表では、各列が定義されています。

要素 説明

ドキュメントID

チェック・インに失敗したドキュメントのID。

プロセス

プロセスの名前。

日付

プロセスが失敗した日付と時刻。

メッセージ

プロセスの失敗を示すメッセージ。

「アクション」メニューを使用して、フォルトをクリアまたは修復します。

A.4 コンテンツ・サーバーでのワークフローの構成

この項の内容は、次のとおりです。

A.4.1 ワークフローの構成

BPEL Process Managerと統合するには、最初に、コンテンツ・サーバー・ワークフローを構成する必要があります。ワークフローを構成するには、数多くの方法が考えられます。次のタスクを実行して、BPEL Process Managerと統合する最も基本的なタイプのワークフローを構成します。

ノート:

Oracle WebCenter Contentは、BPELプロセスと統合したWebCenter Contentに対するSOAPリクエストで単一のネームスペースのみをサポートします。

  1. ワークフロー管理アプレットを開始します。
  2. 新しい基準ワークフローを追加します。この例では、ワークフロー名はorabpeltestです。
  3. ワークフローにステップを追加します。この例では、ステップ名としてinitiateprocessを使用します。
  4. ステップ・ユーザーを追加します。

    図A-6 「新しいステップの追加」ダイアログ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  5. 「終了条件」タブを選択して、少なくとも1人のレビューアを選択します。(この設定は任意ですが、このインスタンスでは、BPELプロセスの開始後、この設定によりコンテンツ・アイテムはこのワークフロー・ステップ内に残されます。)

    図A-7 「新しいステップの追加」ダイアログ、「終了条件」タブ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  6. 終了条件を追加するには、「追加終了条件を使用」チェック・ボックスを選択して、「編集…」をクリックします。
  7. 「追加終了条件の編集」ダイアログで、「カスタム条件の式」を選択して、次のスクリプトを追加します。
    wfGet("conversationId") and 
    obIsInstanceClosed("process_3", wfGet("conversationId"))

    図A-8 「追加終了条件」ダイアログ

    この図については周囲のテキストで説明しています。

    ノート:

    Idocスクリプト関数obIsInstanceClosedにより、指定された対話IDを含むBPELインスタンスがまだ開いているかどうかがテストされます。対話IDは、プロセスが起動されるとワークフローのコンパニオン・データに格納されます。

  8. 「イベント」タブで、「開始時」イベントに対する「編集…」をクリックします。

    図A-9 「新規ステップの追加」ダイアログ、「イベント」タブ

    「新しいステップの追加」ダイアログ、「イベント」タブ
  9. 「スクリプトの編集」ダイアログで、「カスタム」タブをクリックします。
  10. 「カスタム・スクリプトの式」チェック・ボックスをクリックして、スクリプト・ウィンドウを有効にします。
  11. スクリプト・ウィンドウに次の行を入力します。
    <$if not conversationId$>
    <$obConfigID="process_3"$>
    <$obInvokeProcess(obConfigID)$>
    <$endif$>

    図A-10 「スクリプトの編集」ダイアログ

    「スクリプトの編集」ダイアログ。

    ノート:

    コンポーネントにより、起動されたプロセスの状態を開始および判別するために使用できるIdocスクリプト関数が定義されます。obInvokeProcess Idoc関数では、プロセス構成IDの名前がその引数の1つとして使用されます。また、ORABPEL_INVOKE_BPELサービスを使用することもできます。このサービスでは、obConfigID変数がプロセス構成の名前に設定されている必要があります。このサービスによりプロセス構成が読み取られ、このプロセス構成を使用してBPEL Process Managerへの接続方法が決定されます。

  12. 「OK」をクリックして、スクリプトの編集を終了します。
  13. 「OK」をクリックして、ワークフロー・ステップの編集を終了します。
  14. ワークフローを有効化します。

A.4.2 BPELプロセスの情報

コンテンツ・アイテムによりワークフローが入力され、BPELプロセスが開始されると、関連するBPELプロセスを識別するために識別子が作成されてコンパニオン・データ・ファイルに格納されます。この識別子はキーconversationIdとともに格納され、ワークフロー・ステップのイベントのカスタムIdocスクリプトを使用してコンパニオン・データから取得できます。

Idocスクリプト関数

obInvokeProcess[obConfigID]: この関数は、プロセス構成での定義に従ってプロセスを起動します。

obIsInstanceClosed[obConfigID, conversationId]: この関数は、指定された対話IDのプロセスが指定された構成に従ってクローズすると、trueを返します。クローズには、完了と取消しが含まれます。

obIsInstanceOpen[obConfigID, conversationId]: この関数は、指定された対話IDのプロセスが指定された構成に従ってオープンすると、trueを返します。

obRetrieveStatus[obConfigID, conversationId]: この関数は、プロセスに関する情報が正常に取得されるとtrueを返します。データ・バインダにはインスタンス・タイトル、監査証跡、トレースおよびメタデータに加えて、プロセス・インスタンスIDやリビジョン・タグに関する情報が含まれます。

A.4.3 ワークフローのトラブルシューティング

BPELIntegrationコンポーネントを使用するWebCenter Contentでワークフローをトラブルシューティングするには、まずロギングを有効にする必要があります。ロギングを有効化するには:

  1. WebCenter Contentの「管理」メニューから、「システム監査情報」を選択します。
  2. requestaudit、idocscript、bpelintegrationの各トレース・セクションを有効にします。
  3. 「詳細」チェック・ボックスおよび「保存」チェック・ボックスを選択します。
  4. 「更新」をクリックします。
システム監査情報を表示するには、「システム監査情報」ページで、「サーバー出力の表示」をクリックします。WebCenter ContentワークフローからBPELプロセスを呼び出すときにエラーが発生した場合、出力にはスタック・トレースが含まれています。