34 複数言語ポータルの管理
ノート:
Oracle WebCenter Portalでは、Jive機能(お知らせおよびディスカッション)のサポートが非推奨となりました。リリース12c (12.2.1.4.0)より前のリリースからアップグレードした場合、アップグレードしたインスタンスでJive機能は使用可能なままですが、これらの機能にOracleサポートは提供されません。次のリリースでは、アップグレードしたインスタンスでもJive機能は使用できなくなります。
権限:
この章のタスクを実行するには、次のロールが付与されている必要があります。
-
WebLogic Server: Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して付与される、
Admin
ロールまたはMonitor
ロール。 -
WebCenter Portal: WebCenter Portal管理を使用して付与される
Administrator
ロール、または次の権限を付与されているカスタム・ロール。Basic Services: Edit Page Access, Structure, and Content permission
。
「管理操作、ロールおよびツールの理解」も参照してください。
WebCenter Portalの言語について
ポータルで異なる言語をサポートする必要がある場合、ローカライズされたコンテンツをユーザーが選択した言語とロケールに基づいて表示するように、ポータルを構成できます。
たとえば、イタリア語を話すユーザーがページを表示することがわかっている場合、イタリア語が(ブラウザ、ユーザー・プリファレンス、ポータルまたはアプリケーション設定で)選択されたときにページ内のテキスト文字列をイタリア語で表示するように、ページをローカライズできます。
また、ロケールを選択する際は、選択したロケールに適用される、特殊な書式について考慮する必要があります。たとえば、通常の情報の表示方向が左から右、右から左のどちらであるか、数字をどのように表記するか(通貨情報など)などを考慮します。
WebCenter Portal内に表示される主な情報のタイプは、次の3つです。
-
ユーザー・インタフェース(UI)要素。フィールドとボタンのラベル、シードされたボイラープレート・テキストなどがあります。
-
ユーザー入力メタデータ。ページ名、ポータル名、ポータルの説明などがあります
-
ユーザーが追加したコンテンツ。公開済テキストおよびイメージ、ドキュメント、お知らせ、ディスカッション・フォーラム・コンテンツなどがあります
変更に関する処理は、情報のタイプごとに異なります。
-
UI要素:
ノート:
UI要素には、28の言語と100の異なるロケールに対応した、デフォルトの翻訳が含まれています。デフォルトのUIテキストが会社の要件に合っていない場合や、会社で追加の言語をサポートする必要がある場合にのみ、このテキストを変更する必要があります。
-
WebCenter Portalアプリケーション全体(1つのポータルだけでなく)のテキストを変更するには、オーバーライド・バンドル(
SpacesSeedDataOverrideBundle.xlf
)の文字列を編集します。 -
特定のポータルのUIテキストを変更するには、ポータル固有のリソース・バンドル(
scope-resource-bundle.xlf
)に含まれる文字列を編集します。
-
-
ユーザー入力メタデータ(ページ名、ポータル名、ポータルの説明など)は、文字列としてポータルのリソース・バンドルに保存されます。ポータルごとに、独自のリソース・バンドルがあります。ユーザー入力メタデータを変更するには、ポータル固有のリソース・バンドルに含まれる文字列を編集します。
ノート:
一般的に、複数の言語で表示する必要があるユーザー入力メタデータは、会社全体向けのコンテンツまたはカスタマに表示されるコンテンツであり、多くの場合、なんらかの形式で翻訳が提供されます。より特殊なコンテンツ(特定の部門や地域に固有のコンテンツなど)に必要な言語は1つのみである可能性が高く、したがって翻訳を必要としません。
-
コンテンツ公開コンポーネントで追加されたコンテンツは翻訳でき、システム管理者がコンテンツ・プレゼンタを使用して翻訳済WebCenterコンテンツ・アイテムを表示できます。お知らせおよびディスカッション・フォーラムで追加されたコンテンツは、通常、そのユーザーが使用する言語で表示されます。
ローカライズされたコンテンツの提供の詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ポータルの他の言語への翻訳」を参照してください。
WebCenter Portalによってデフォルトでサポートされる言語
WebCenter Portalでは、28の言語と100の異なるロケールに対応した翻訳が実行時に提供されます。
表34-1のリストには、追加設定なしでWebCenter Portalからすぐに利用できるすべての言語が含まれています。ユーザーは、特定の言語に関連付けられたロケールを選択することもできます。たとえば、ユーザーは言語をアラビア語に変更し、その言語グループの中で、アルジェリア、バーレーン、ジブチなど、20の異なるロケールを選択できます。
表34-1 WebCenter Portalで提供される言語
AからGe | GrからRo | RuからT |
---|---|---|
アラビア語 |
ギリシャ語 |
ロシア語 |
ポルトガル語(ブラジル) |
ヘブライ語 |
中国語(簡体字) |
チェコ語 |
ハンガリー語 |
スロバキア語 |
デンマーク語 |
イタリア語 |
スペイン語 |
オランダ語 |
日本語 |
スウェーデン語 |
英語 |
韓国語 |
タイ語 |
フィンランド語 |
ノルウェー語 |
中国語(繁体字) |
フランス語 |
ポーランド語 |
トルコ語 |
フランス語(カナダ) |
ポルトガル語 |
|
ドイツ語 |
ルーマニア語 |
ノート:
Oracle Enterprise Managerなど、WebCenter Portalにサービスを提供する管理層では、WebCenter Portalで使用可能な言語サブセットが提供されます。これには次のものがあります。
-
英語
-
ポルトガル語(ブラジル)
-
中国語(簡体字)
-
中国語(繁体字)
-
フランス語
-
ドイツ語
-
イタリア語
-
日本語
-
韓国語
-
スペイン語
ディスカッションには、WebCenter Portalのディスカッション・サーバーが使用されます。初期設定では、ディスカッション・サーバー・アプリケーションでは、英語とスペイン語がサポートされています。これは表34-1にリストされている他の言語をサポートしません。ただし、アプリケーションはユーザー独自の翻訳ファイルを受け入れます。詳細は、Jiveのドキュメント・サイトを参照してください。この情報は、ディスカッション・サーバー・アプリケーションのユーザー・インタフェースに明示的に示されます。
ポータルの文字列の翻訳
特定のポータルの文字列を翻訳するには、ポータル固有のリソース・バンドル(scope-resource-bundle.xlf
)を編集します。翻訳できる文字列は、ポータルの表示名、説明およびページ・タイトルです。
ポータルの文字列を翻訳するには:
ページ・コンテンツの文字列の翻訳
ビジネス要件に合わせるために、ポータルの特定文字列のみを翻訳する場合があります。たとえば、ポータル・ページのタスク・フローのタイトルのみを翻訳する必要がある場合があります。
ポータル・ページに追加されたタスク・フローのタスク・フロー・ヘッダーを翻訳するには:
-
ポータルの内部IDを取得します。
-
Oracle WebCenter Portalで、翻訳を実装するポータルに移動します。
-
「ページおよびポータルのアクション」メニューから、「管理」→「すべての設定」を選択します。
-
「一般」ページで、「内部ID」フィールドからポータルの内部IDをノートにとります。たとえば、
sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94
などです。
-
-
翻訳するタスク・フローのオブジェクトGUIDをノートにとります。
-
タスク・フローを含むポータル・ページを編集モードで開きます。
-
タスク・フローを選択して、「アクション」メニューから「表示オプション」を選択します。
-
「テキスト」フィールドから値をノートにとります。
たとえば、「メッセージ・ボード」タスク・フローの場合、値は次のようになります。
#{uib_o_w_s_r_DefaultGroupSpaceCatalog['WALL_MAINVIEW.TITLE']}
EL式でタスク・フローのオブジェクトGUIDが示されます。そのため、メッセージ・ボードのオブジェクトGUIDは
WALL_MAINVIEW.TITLE
です。
-
-
WLSTコマンドの
exportMetadata
を使用して、scope-resource-bundle.xlf
ファイルをステージの場所にエクスポートします。exportMetadata(application='webcenter',server='WC_Portal',toLocation='Stage-Folder',docs='/oracle/webcenter/translations/scopedMD/Portal-Internal-ID/**')
たとえば:
exportMetadata(application='webcenter',server='WC_Portal',toLocation='/home/oracle/testcases/translations/metadata',docs='/oracle/webcenter/translations/scopedMD/sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94/**')
ノート:
変更のたびに翻訳ファイルをエクスポートすることが重要です。
-
元の
scope-resource-bundle.xlf
ファイルをバックアップします。たとえば:cd /home/oracle/testcases/translations/metadata/oracle/webcenter/translations/scopedMD/sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94 cp scope-resource-bundle.xlf scope-resource-bundle.xlf_ori
-
scope-resource-bundle.xlf
ファイルを編集して、カスタマイズするタスク・フローに対して次の形式のtrans-unit
ブロックを追加します。<trans-unit id="SCOPEGUID:<Portal-Internal-ID>:OBJECTGUID:object_GUID_taskflow"> <source>task_flow_title</source> </trans-unit>
たとえば、「メッセージ・ボード」タスク・フローの場合は、次の
trans-unit
ブロックを追加できます。<trans-unit id="SCOPEGUID:sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94:OBJECTGUID:WALL_MAINVIEW.TITLE"> <source>Message Board</source> </trans-unit>
-
目的の言語の
scope-resource-bundle.xlf
ファイルの言語またはロケール固有のバージョンを作成します。たとえば、アラビア語の場合は次のとおりです。
cp scope-resource-bundle.xlf scope-resource-bundle_ar.xlf
-
scope-resource-bundle.xlf
ファイルの言語またはロケール固有のバージョン(たとえば、scope-resource-bundle_ar.xlf
ファイル)を編集して、適切な翻訳を作成します。たとえば、「メッセージ・ボード」タスク・フローの場合は次のエントリがあり、これを対応する言語に翻訳する必要があります。<trans-unit id="SCOPEGUID:<Portal-Internal-ID>:OBJECTGUID:WALL_MAINVIEW.TITLE"> <source>translated text for message board</source> </trans-unit>
-
WLSTコマンド
importMetadata
を使用して、変更済ファイルをインポートします。importMetadata(application='webcenter',server='WC_Portal',fromLocation='Stage-Folder',docs='/oracle/webcenter/translations/scopedMD/Portal-Internal-ID/scope-resource-bundle_lanugage_specific.xlf') importMetadata(application='webcenter',server='WC_Portal',fromLocation='Stage-Folder',docs='/oracle/webcenter/translations/scopedMD/Portal-Internal-ID/scope-resource-bundle.xlf')
たとえば:
importMetadata(application='webcenter',server='WC_Portal',fromLocation='/home/oracle/testcases/translations/metadata',docs='/oracle/webcenter/translations/scopedMD/sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94/scope-resource-bundle_ar.xlf') importMetadata(application='webcenter',server='WC_Portal',fromLocation='/home/oracle/testcases/translations/metadata',docs='/oracle/webcenter/translations/scopedMD/sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94/scope-resource-bundle.xlf')
-
「テキスト」フィールドに新しい値を指定して、タスク・フローを更新します。
-
WebCenter Portalで、タスク・フローを含むポータル・ページを編集モードで開きます。
-
タスク・フローを選択して、「アクション」メニューから「表示オプション」を選択します。
-
「表示オプション」ダイアログで、「テキスト」フィールドの値を更新します。
たとえば、「メッセージ・ボード」タスク・フローの場合、値は次のようになります。
#{uib_o_w_s_r_DefaultGroupSpaceCatalog['WALL_MAINVIEW.TITLE']}
この値を、次の形式の値に置換します。
#{composerContext.inEditMode ? uib_o_w_s_r_DefaultGroupSpaceCatalog[‘OBJECTGUID'] : o_w_f_t_TranslationsRBBean['task-flow trans-unit id']}
たとえば:
#{composerContext.inEditMode ? uib_o_w_s_r_DefaultGroupSpaceCatalog[' WALL_MAINVIEW.TITLE '] : o_w_f_t_TranslationsRBBean['SCOPEGUID:sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94:OBJECTGUID:WALL_MAINVIEW.TITLE']}
-
「OK」をクリックします。
-
-
ポータル・ページを保存します。
-
ポータルを表示し、アラビア語と英語で言語を切り替えて、翻訳をテストします。
対応する言語に翻訳されたタスク・フローのタイトルを表示できる必要があります。
ノート:
RSSタスク・フローなどのタスク・フローで、同じタイプの複数のタスク・フローが必要な場合は、タスク・フローごとに異なる翻訳になるように番号を追加できます。たとえば:
<trans-unit id="SCOPEGUID:sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94:OBJECTGUID:RSS_VIEWER.TITLE_1"> <source>Oracle - Critical Patch Updates</source> </trans-unit> <trans-unit id="SCOPEGUID:sc8f0a967_de9a_4f8e_aeaa_f10e5a100c94:OBJECTGUID:RSS_VIEWER.TITLE_2"> <source>OTN - Headlines</source> </trans-unit>
WebCenter Portalへの新規言語のサポートの追加
WebCenter Portalではデフォルトでサポートされていない新規言語のサポートを追加できます。WebCenter Portalを有効化して追加言語をサポートするには、ポータルの文字列をリソース・バンドル内で新規言語に翻訳し、2つの言語の構成ファイル(supported-languages.xml
およびfaces-config.xml
)を更新し、該当する言語更新をカスタム共有ライブラリにデプロイします。
新規言語のサポート追加に関する情報は、Oracle Technology NetworkのOracle WebCenter Portalホワイト・ペーパーおよびテクニカル・ノートのページにあるホワイト・ペーパーSpacesのサンプル拡張機能を参照してください。
検索ファセットの文字列の翻訳
ビジネスが複数言語をサポートしている場合、新規に作成した、または既存の検索ファセット文字列を翻訳できます。displayName
属性には、カスタム・ファセットの翻訳文字列のキーが含まれ、search-service-custom-facets.xml
ファイルで指定されます。
次に、search-service-custom-facets.xml
ファイルの例を示します。
<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?> <search-service-custom-facets xmlns="http://xmlns.oracle.com/webcenter/search/customfacets"> ............................. <custom-facet name="CustomFacet" dataType="keyword" displayNameKey="WC_CustomFacet" displayName="Custom Facet" mappedSearchAttribute="custom_metadata_field"/> </search-service-custom-facets>
各要素の意味は次のとおりです。
-
name
は、カスタム・ファセットの名前です。この例では、名前はCustomFacetです。 -
displayNameKey
は、カスタム・ファセットの値です。この例では、文字列はWC_CustomFacetです。 -
displayName
は、ポータルの「検索設定」ページに表示されるカスタム・ファセットの表示名です。 -
Type
は、データ型です。
displayName
文字列を翻訳するには、目的の言語に対応する言語固有バージョンのscope-resource-bundle.xlf
ファイルを作成、およびファイルをインポートする必要があります。
カスタム検索属性の文字列の翻訳
ビジネスが複数言語をサポートしている場合、新規に作成した、または既存の検索属性文字列を翻訳できます。displayName
属性には、検索属性の翻訳文字列のキーが含まれ、search-service-attributes.xml
メタデータ・ファイルで指定されます。
次に、search-service-attributes.xml
メタデータ・ファイルの例を示します。
<service id="oracle.webcenter.doclib">
.........................
......................
<attribute name="custom_metadata_field" displayNameKey="WC_CustomMetadataField"
displayName="Custom Metadata Field" type="keyword" backendAttribute="xCustomMetadataField"/>
</service
各要素の意味は次のとおりです。
-
name
は、カスタム属性フィールドの名前です。この例では、名前はcustom_metadata_fieldです。 -
displayNameKey
は、カスタム属性フィールドの値です。この例では、文字列はWC_CustomMetadataFieldです。 -
displayName
カスタム属性の表示名で、ポータルの「検索設定」ページに表示され、翻訳の文字列が含まれます。 -
Type
は、データ型です。
displayName
文字列を翻訳するには、目的の言語に対応する言語固有バージョンのscope-resource-bundle.xlf
ファイルを作成、およびファイルをインポートする必要があります。