76 Developer Toolsのワークスペースの使用

Developer Toolsには、統合されたWebCenter Sitesインスタンスからエクスポートされたリソースが格納されます。アセット、コード・ベースのリソース、属性エディタ、アセット・タイプなどリソースの各タイプの記憶域構造は、それぞれ異なります。さらに読み進めると、各記憶域構造がどのように設計されているかを理解できるようになります。

Developer Toolsのワークスペースを使用したリソースの格納の詳細は、次の項を参照してください。

ワークスペースの概要

ワークスペースとは、シリアライズされたWebCenter Sitesデータのディスクベースのリポジトリです。このデータは、ワークスペースのWebCenter Sitesインスタンスからのリソース、または別のインスタンスのワークスペースからのリソースを表します。ワークスペースには、アセット、フレックス・ファミリ、サイトなどのあらゆるタイプのWebCenter Sitesリソースを格納できます。各ワークスペースは、1つのWebCenter Sitesインスタンスに関連付けられています。

デフォルトでは、Eclipseは、WebCenter Sitesインスタンスごとに1つのメインDeveloper Toolsワークスペース(Eclipseプロジェクト・フォルダ内に配置される)を提供します。これは、Eclipse IDEで作業する際の継続的な開発に使用されます。上級開発者は、Developer Toolsのコマンドライン・インタフェースを使用してカスタム・ワークスペースを作成できます。Developer Toolsのコマンドライン・インタフェース(CLI)の使用を参照してください。カスタム・ワークスペースは、モジュールの作成などの特殊なプロジェクトに使用できます。

バージョン・コントロール・システム(Subversionなど)や共有ファイル・システムと併用することで、あるワークスペースに格納されたリソースを別のワークスペースと交換できるようになります。あるWebCenter Sitesインスタンスから関連ワークスペースにエクスポートされたリソースは、別のWebCenter Sitesインスタンスのワークスペースにコピーできます。これにより、そのリソースは、2番目のワークスペースの関連WebCenter Sitesインスタンスにインポートできるようになります。異なるワークスペース間でのリソース共有の詳細は、「Developer Toolのワークスペースとバージョン・コントロール・システムとの統合」を参照してください。

ワークスペースの構造

ワークスペースの構造は、どれも同じです。メインDeveloper Toolsワークスペースは、Eclipseのプロジェクト・フォルダで表示可能な唯一のワークスペースです。

ワークスペースは、WebCenter Sitesのインストール・ディレクトリ内にあるexport/envisionフォルダに作成されます。メインDeveloper Toolsワークスペースは、export/envision/cs_workspaceフォルダ内に配置されます。

ワークスペースに含まれる各リソースは、単一のファイルまたは相関する複数のファイルとして格納されます。各リソースのメイン・ファイルの末尾には、.main.xmlが付きます。このファイルには、リソース固有のメタデータが含まれます。また、メイン・ファイルには、そのリソースに関連付けられた他のファイル(添付されたドキュメント、JSPファイル、BLOBなど)へのリンクも含まれます。これにより、各リソースは、リソースの関連ファイルがすべてワークスペース内に格納されている場合、完全な自己完結型リソースになります。それ以外の場合、リソースは不完全になります。

リソースの複数のファイルは、.main.xmlファイルの最後のセクションに、storable0storable1などの形でリストされます。どのリソースの関連ファイルにも、同様の名前が付けられます。このようにすることで、リソースに関連するすべてのファイルが、まとめて表示されるようになります。ただし、元のルート・パスを保持するために個別に格納されるElementCatalogのエントリを除きます。

ワークスペースに含まれるリソースのファイルの場所は、リソースのタイプに応じて異なります。ワークスペースは、次の各セクションに分割されています。

  • src/_metadata: アセット、アセット・タイプ、サイト、ロールなどを含む特定のリソースのメタデータ・セクション。また、レガシーXMLコードは、ELEMENTS/サブフォルダ内に格納されます。

  • src/jsp/cs_deployed: このセクションには、リソースのJSPファイルが適切なパスの下に格納されます。

ワークスペースの構造は高度に一貫性が保たれているため、あるワークスペースから別のワークスペースにリソースをコピーできます。どのファイル・システムのコピー操作にも当てはまることですが、同じ名前のファイルを上書きしないように注意してください。

アセット記憶域の構造

アセットは、src/_metadata/ASSET/asset typeという名前のフォルダ内に格納されます。

この構造には、アセット・データを含む2レベルのハッシュベースの階層があります。アセット・ファイルの名前は、アセット名と、そのアセットのfw_uid値に応じて決まります。アセットに添付やBLOBが含まれている場合、そのファイル名は、アセット名、属性名、fw_uid値、およびドキュメントまたはBLOB (存在する場合)の名前に基づいて決定されます。

たとえば、FSII IES_Manual.pdfという名前のDocument_Cアセットには、IES_MDPlayer_Manual.pdfという添付ドキュメントが含まれているとします。その場合、このアセットは、次に示す2つの個別のファイルに格納されることになります。

  • 最初のファイルは、.main.xmlファイルです。このファイルには、アセットのメタデータと、アセットに関連付けられたファイルへのリンクが含まれます。

    .src/_metadata/ASSET/Document_C/8/0/FSII IES_MDPlayer_
        Manual.pdf(aa0b47b5-f558-49d4-a6ac2ee012d1b75).main.xml
  • 2番目のファイルは、実際のドキュメントです。この例では、PDFファイルになります。

    .src/_metadata/ASSET/Document_C/8/0/FSII IES_MDPlayer_
        Manual.pdf.FSIIDocumentFile(aa0b47b5-f558-49d4-8a6a-
        c2ee012d1b75).IES_MDPlayer_Manual.pdf

ノート:

アセットに関連するすべてのファイルは、アセットの名前に基づいているため、アセット名の変更がファイル名の変更につながります。アセットをVCSで追跡している場合は、古い名前のファイルを削除してください。

コード・ベースのリソース記憶域の構造

テンプレート、CSElement、およびElementCatalogのエントリは、それらのコード・エレメントで必要になるストレージ・パスの下に格納されます。

コード・ベースのリソースに関連付けられたJSPファイルは、src/jsp/cs_deployed,の下のワークスペースに格納され、XMLエレメントはsrc/_metadata/ELEMENTSの下に格納されます。コード・ベースのリソースのメタデータ・ファイルは、そのリソースのJSPと同じ名前に拡張子.main.xmlが追加されたファイル名で格納されます。これにより、コード・ベースのリソースのメタデータ・ファイル、JSPファイル、およびXMLファイルは、ワークスペース内でグループ化されます。

属性エディタ記憶域の構造

属性エディタはアセットとして追跡されますが、ElementCatalogエントリのセットに対する暗黙の参照も含まれています。属性エディタのElementCatalogエントリは、個別に追跡されます。

たとえば、TextAreaエディタは、OpenMarket/Gator/AttributeTypes/TEXTAREA ElementCatalogエントリを使用します(このエントリは、依存性として登録されています)。Developer Toolsは、TextAreaエディタ用に次のファイルを維持します。

  • .main.xmlファイル:

    src/_metadata/ASSET/AttrTypes/9/10/TextArea(e64f983d-9c7c-489baedb-
        476d56f8121e).main.xml
    
  • urlxmlメタデータ・ファイル:

    src/_metadata/ASSET/AttrTypes/9/10/TextArea.urlxml(e64f983d-9c7c-
        489b-aedb-476d56f8121e).1095346398911.txt
    
  • ElementCatalogエントリ(個別のリソースとして追跡されます):

    • ElementCatalogエントリの.main.xmlファイル:

    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Gator/AttributeTypes/TEXTAREA
           .xml.main.xml
    
    • 属性エディタのエレメント・コード:

       src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Gator/AttributeTypes/
           TEXTAREA.xml
    

アセット・タイプ記憶域の構造

アセット・タイプには、メイン・メタデータの部分とエレメントのセットが含まれます。

たとえば、Pageアセット・タイプの構造は、次のようになります。

  • ページのメイン・メタデータは、.main.xmlファイルに格納されます。

    src/_metadata/Asset_Type/Page(b8d8ae9-14cc-4554-b80e-0c22e39a3ec8).main.xml
    
  • 関連エレメントは個別に追跡されます(各エレメントに独自の.main.xmlファイルが存在します)。

    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        SearchForm.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        CheckDelete.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        ContentForm.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        ContentDetails.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        LoadSiteTree.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        IndexReplace.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        LoadTree.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        IndexAdd.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        SearchForm.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        IndexReplace.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        PreviewPage.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        LoadTree.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        PreUpdate.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        Tile.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        SimpleSearch.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        SimpleSearch.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        ContentForm.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        AppendSelectDetailsSE.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        LoadSiteTree.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        AppendSelectDetails.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        ManageSchVars.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        PreviewPage.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        CheckDelete.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        ManageSchVars.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/
        Page/PreUpdate.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        AppendSelectDetails.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        IndexCreateVerity.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        ContentDetails.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        PostUpdate.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        IndexAdd.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        IndexCreateVerity.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        Tile.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        AppendSelectDetailsSE.xml.main.xml
    src/_metadata/ELEMENTS/OpenMarket/Xcelerate/AssetType/Page/
        PostUpdate.xml.main.xml