26 WebCenter SitesでのEloqua Cloud Marketing Serviceの管理

WebCenter Sitesでは、Webサイトでナビゲートするすべてのページへの訪問をパーソナライズすることで、Eloqua訪問者プロファイル・データを使用して訪問者に固有のコンテンツをターゲット設定できます。EloquaとWebCenter Sitesとの間でコンテンツと訪問者プロファイル・データの両方を共有することで、パーソナライズされた一貫性のある体験を訪問者に提供して、コンバージョンを高めることができます。さらに読み進めると、Eloqua Cloud Marketing Service (Eloqua)をOracle WebCenter Sitesとどのように統合できるかを理解できるようになります。

26.1 Eloqua統合の概要

EloquaとWebCenter Sitesの統合により、マーケティング担当者は訪問者のオンラインの操作性とマーケティング・キャンペーンをまとめて、訪問者の旅をより効果的に管理できます。統合により、コンテンツの再利用を促進し、チャネル間のコンテンツのターゲット設定を効率化します。

これは、統合により有効化される次の機能によって実現します。
  • Eloquaフォームおよびランディング・ページにWebCenter Sitesコンテンツを埋め込みます。既存のWebCenter Sitesコンテンツのドラッグ・アンド・ドロップによる配置により、チャネル間のマーケティング・メッセージおよびシームレスな訪問者の操作の一貫性が確保されます。特定のコンテンツを特定の訪問者またはキャンペーンの問合せ先にターゲット設定できます。

  • EloquaフォームをWebCenter Sitesページに埋め込みます。WebCenter SitesページへのEloquaフォームのドラッグ・アンド・ドロップの配置により、リード生成プロセスでのサイト管理者またはサイト開発者の関与がなくなります。

ターゲット設定されたコンテンツ配信に対して既存の訪問者セグメントおよび問合せ先データをEloquaからWebCenter Sitesに自動的に渡すことができます。

26.2 WebCenter SitesでのEloquaインスタンスの構成

WebCenter Sitesを使用して複数のEloquaインスタンスを構成できます。組織の様々なビジネス・ユニットを対象としてこれらのインスタンスを使用できます。組織の様々なビジネス・ユニットは、WebCenter Sites内で所有するサイトで使用できる独自のEloquaのサブスクリプションを持つことができます。WebCenter Sitesで複数のEloquaインスタンスを構成する機能により、ビジネス・ユニットはそのサイトのみでEloquaサブスクリプションを使用できます。

Eloquaインスタンスを追加するには:
  1. 「一般的な管理」ツリーで、「外部統合」ノードを展開し、「構成」ノードを展開し、「新規追加」をダブルクリックします。
  2. 「新規構成」フォームで、構成する新しいEloquaインスタンスの「名前」を入力し、「タイプ」として「ELOQUA」を選択し、「続行」をクリックします。
  3. 「構成」フォームで、「eloqua.companyname」「eloqua.username」「eloqua.password」「eloqua.loginurl」「eloqua.baseurl」および「eloqua.apiprefix」を入力します。

    ノート:

    • ログイン・パラメータ「eloqua.companyname」「eloqua.username」および「eloqua.password」は、EloquaのWebサイトにログインするために使用するパラメータです。

    • フィールド「eloqua.loginurl」で、EloquaのWebサイトのログインURLを入力します。フィールド「eloqua.baseurl」では、EloquaのWebサイトにログインした後に取得するURLを入力します。

    • 「eloqua.apiprefix」フィールドの値は常に「/API/REST/2.0」である必要があります。

  4. 「保存」をクリックします。
EloquaインスタンスWebCenter Sitesを使用して構成され、Contributorインタフェースの「コンテンツ・ツリー」タブの「EloquaForm」ノードの下にリストされています。

26.3 EloquaでのWebCenter Sitesコンテンツのアクセス

Eloqua電子メールとランディング・ページにWebCenter Sitesコンテンツを埋め込むには、WebCenter Sitesコンテンツ・サービスでEloquaインスタンスを構成し、認可されたEloquaインスタンスのみがターゲットWebCenter Sitesインスタンス内のコンテンツにアクセスできるようにし、Eloquaマーケティング担当者がどのWebCenter Sitesアセット・タイプおよび関連するテンプレートを使用できるようにするかを決定する必要があります。

次のトピックを参照してください:

26.3.1 WebCenter Sitesコンテンツ・サービスにアクセスするためのEloquaの構成

マーケティング担当者が既存のWebCenter SitesコンテンツをEloqua電子メールおよびランディング・ページに埋め込む前に、WebCenter Sitesコンテンツ・サービスと通信するためにEloquaインスタンスを構成する必要があります。下記のURLの例は、/cs/ContentServerのデフォルトのサーブレットのパスを想定しています。環境に応じて適切なURLに変更してください。また、まだ実行していない場合、他のサービスおよびアプリケーションとWebCenter Sitesコンテンツ・サービスを区別するためにEloquaで新しいプロバイダを作成します。

ノート:

WebCenter Sitesインスタンスを構成してHTTPS接続を受け入れる必要があります。ポート443および8443のみがサポートされます。すべてのURL、プロパティ名および値は、大文字と小文字が区別されます。

WebCenter Sitesコンテンツ・サービスにアクセスするためにEloquaを構成するには、次の操作を実行する必要があります。
  1. 管理者として目的のEloquaサイトにログインします。
  2. トップ・バーで、「設定」をクリックして、AppCloud Developerを選択します。
  3. 「新規アプリケーションの作成」をクリックして、表示されたフォームに次のように入力します。

    ノート:

    My_Eloquaという名前でWebCenter SitesにEloquaインスタンスを作成した場合、eloquanameパラメータの値はMy_Eloquaになります。

    表26-1 新規アプリケーションの作成フィールド

    フィールド
    アイコンURL https://wcs-instance.company.com/cs/images/eloqua/AppIcon.png
    有効化URL https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Enable&eloquaname=My_Eloqua&installId={InstallId}&appId={AppId}& callbackUrl={CallbackUrl}
    ステータスURL https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/SitesStatus
    コールバックURL https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Enable&eloquaname=My_Eloqua
  4. 「アプリケーションの保存」をクリックして変更を保存します。
  5. 表示された「アプリケーション詳細」ページで、「OAuth」セクションの「シークレットの表示」をクリックし、ポップアップに表示されるクライアント・シークレット値をコピーし、テキスト・ファイルに保存します。アプリケーションのクライアント・シークレット値は、WebCenter SitesのEloquaインスタンスにマップする必要があります(このガイドの後で、WebCenter Sites内にEloquaリクエストの認証を構成するには、この値が必要です)。
  6. 「サービス」セクションで、「サービスの追加」をクリックし、表示されたポップアップで「コンテンツ」をクリックします。
  7. 次のようにコンテンツ・サービス詳細フォームのフィールドに入力します。

    表26-2 コンテンツ・サービス詳細フィールド

    フィールド
    アイコンURL https://wcs-instance.company.com/cs/images/eloqua/ ContentServiceIcon.png
    作成URL https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Instances/Add&eloquaname=My_Eloqua&instanceId={InstanceId}
    構成URL https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/ContentSearch&eloquaname=My_Eloqua&instanceId={InstanceId}& installId={InstallId}
    削除URL https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Instances/Delete&eloquaname=My_Eloqua&instanceId={InstanceId}
    コピーURL https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Instances/Copy&eloquaname=My_Eloqua&instanceId={InstanceId}& originalInstanceId={OriginalInstanceId}
    レイアウト

    フロー

    「フロー」レイアウト・モードでは、埋込みコンテンツを動的にサイズ変更できます。

    Max-records

    単一のコールでWebCenter SitesからEloquaに渡されるレンダリングされたアセットの最大数。5000より小さい値をお薦めします。ただし、非常に大きいコンテンツを渡す際に問題が発生した場合、この値を小さくしてください。詳細は、Eloquaのドキュメントを参照してください。

    Content-type

    application/json

    ランディング・ページ

    通知URL

    (オプション) Eloquaランディング・ページでWebCenter Sitesコンテンツを使用可能にするには:

    https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Processor/LandingPageNotification&eloquaname=My_Eloqua&instanceId= {InstanceId}&installId={InstallId}&executionId={ExecutionId}

    電子メール・ページ

    通知URL

    (オプション) Eloqua電子メール・ページでWebCenter Sitesコンテンツを使用可能にするには:

    https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Processor/EmailNotification&eloquaname=My_Eloqua&instanceId= {InstanceId}

    環境に応じて残りのフィールドを入力し、「保存」をクリックして変更をコミットします。
  8. 変更を保存して、WebCenter Sitesコンテンツ・サービスのプロパティ・ページに戻ります。
  9. 「カタログ」セクションのリンクをクリックして、WebCenter Sitesコンテンツ・サービスをクラウド・サービス・カタログに追加します。メッセージが表示されたら、「確定」をクリックします。
  10. EloquaインスタンスにWebCenter Sitesクラウド・サービスをインストールします。
    これにより、ターゲットEloquaインスタンスのみに対してEloquaマーケティング担当者インタフェース内で使用可能になります。
    1. Eloquaインタフェースで、「設定」をクリックして、「設定」を選択します。
    2. AppCloudカタログをクリックします。
    3. 「カタログ」タブを選択して、使用可能な(ただし、インストールされていない)サービスのリストを表示します。
    4. ターゲット・アプリケーションを特定して、「インストール」をクリックします。

    ノート:

    Eloquaインスタンス内のセキュリティを維持するために、WebCenter Sitesコンテンツ・サービスを公開しないでください。

26.3.2 OAuth認証の構成

EloquaからWebCenter Sitesコンテンツ・サービスへのセキュアなHTTPコールがOAuth 1.0を介して認証され、認可されたEloquaインスタンスのみがターゲットWebCenter Sitesインスタンス内のコンテンツにアクセスできます。

この認証プロセスを円滑化するには、次に示すようにEloquaクライアント・シークレット値をWebCenter Sitesコンテンツ・サービスに提供する必要があります。
  1. プロパティ管理ツールを開いて、「検索条件」セクションで、次のいずれかを行います。
    • 「名前」フィールドに、変更するリソースの名前を入力します。
    • 「カテゴリ」ドロップダウン・メニューで、EloquaIntegrationを選択します。
  2. 「検索」をクリックします。
  3. 「キー」列で、プロパティの名前を選択します。
  4. 「値」フィールドで、新しい値を入力します。
  5. 「保存」をクリックします。
  6. 変更するすべてのプロパティに対して、ステップ2から6を繰り返します。
  7. アプリケーション・サーバーを停止してから再起動して、変更内容を適用します。

26.3.3 Eloqua内でのWebCenter Sitesアセットの使用

Eloquaマーケティング担当者がどのWebCenter Sitesアセット・タイプおよび関連するテンプレートを使用できるようにするかを決める必要があります。次の項に示されているベスト・プラクティスに従って、特にEloqua電子メールおよびランディング・ページ内のWebCenter Sitesコンテンツをレンダリングするためにレンダリング・テンプレートを作成する必要があります。

26.4 Eloqua Firehoseサービスの登録

Eloqua Firehoseサービスは、WebCenter Sitesページに埋め込まれたフォームがEloquaから削除されるときは常に通知します。これにより、コンテンツが見つからないページの配信の機会が最小限になります。

  1. 管理者としてターゲットEloquaインスタンスにログインします。
  2. トップ・バーで、「設定」をクリックして、AppCloud Developerを選択します。
  3. サービスのリストで、作成したWebCenter Sitesコンテンツ・サービスをクリックします。
  4. 「サービス」セクションで、「サービスの追加」をクリックして、ポップアップ・ダイアログからFirehoseを選択します。
  5. 表示されたフォームで、フィールドに次のように入力します。
    フィールド

    アイコンURL

    https://wcs-instance.company.com/cs/images/eloqua/AppIcon.png

    名前

    WebCenter Sites Firehose

    説明

    WebCenter Sites Firehose通知サービス

    パターン

    Form.Deleted

    通知URL

    https://wcs-instance.company.com/cs/ContentServer?pagename= EloquaIntegration/Processor/FirehoseNotification

  6. 「保存」をクリックし、変更内容を保存します。
  7. WebCenter Sitesインスタンスのweb.xmlファイルのprotectedPagesリストに次の行を追加します。
    EloquaIntegration/Processor/FirehoseNotification
EloquaフォームがWebCenter Sitesページに埋め込まれたら、Eloquaフォームを含むそのページのレンダリングされたコピーがWebCenter Sitesキャッシュに格納されます。Eloquaマーケティング担当者がEloqua内の埋込みフォームを削除する場合、キャッシュされたページのコピーが無効になります。

Firehoseサービスから通知された場合、影響を受けるページを管理するWebCenter Sitesコントリビュータがページから削除されたEloquaフォームを手動で除去し、再パブリッシュする必要があります。そうしないと、ページが訪問者のブラウザに不完全に配信されます。

26.5 EloquaFormアセットのレンダリング・テンプレートの作成

WebCenter Sitesページ内のEloquaFormプロキシ・アセットをレンダリングするテンプレートを作成するには、次の操作を実行します。

  1. 管理者としてターゲットWebCenter SitesサイトのAdminインタフェースにログインします。
  2. 次のパラメータを使用して新しいテンプレートを作成します。
    フィールド

    名前

    Detail

    対象アセット・タイプ

    EloquaForm

    使用

    エレメントをHTMLページ内で使用

    テンプレート・エレメントの作成

    JSP

    エレメント・ロジック

    EloquaForm/Detail.jspエレメントのコンテンツの貼付け

    ノート:

    12.2.1.3.0リリースからバンドル・パッチ2にアップグレードする場合は、既存のEloquaFormアセットのエレメント・ロジックをEloquaForm/Detail.jspエレメント・ファイルの更新済コードで更新します。これにより、Webモードでのテンプレートの正確なレンダリングを実現できます。
  3. 新しいテンプレートを保存します。