1. Oracle WebCenter Sitesでの開発
  2. Webエクスペリエンス管理(WEM)フレームワークを使用したアプリケーションの開発
  3. Webエクスペリエンス管理(WEM)フレームワークについて

45 Webエクスペリエンス管理(WEM)フレームワークについて

Webエクスペリエンス管理(WEM)フレームワークでは、アプリケーションを開発し、そのアプリケーションをOracle WebCenter Sitesと統合できます。その単一の管理インタフェースであるWEM Adminを介して、アプリケーションおよびユーザー認可を一元的に管理できます。WEMを使用すると、シングル・サインオンを実装して、ユーザーは1回のログインのみで、セッション中に許可されているすべてのアプリケーションにアクセスできるようになります。

トピック:

45.1 WEMフレームワークについて

WEMフレームワークは、アプリケーションを開発し、そのアプリケーションをOracle WebCenter Sitesと統合するテクノロジを備えています。WEMフレームワークはWebCenter Sitesを利用してコンテンツ管理を行い、WebCenter Sites Representational State Transfer (REST) APIを備えています。

サイト、ユーザーおよびデータ・モデルなど、WebCenter Sitesデータベース内のオブジェクトは、WEMフレームワークでRESTリソースにマッピングされます。

図45-1 WEMフレームワーク

図45-1の説明が続きます
「図45-1 WEMフレームワーク」の説明

WEMフレームワーク上に実装されたアプリケーションは、RESTサービスを介してWebCenter Sitesデータベースと通信します。このアプリケーションは、WEM Adminで「アプリケーション」ページのリスト項目として表示されます。管理者はユーザーの認可を行う際に、アプリケーションおよびそのリソースへのアクセスも構成します。そのため、WEM Adminインタフェースでは、メニュー・バー上のリンクを介してから認可アイテムが(アプリケーションとともに)公開されます。

図45-2 WEM Adminの「アプリケーション」ページ

図45-2の説明が続きます
「図45-2 WEM Adminの「アプリケーション」ページ」の説明

アイテムを結合すると、ユーザーに対してアプリケーションが有効になります。

図45-3 認可モデル

図45-3の説明が続きます
「図45-3 認可モデル」の説明

結合処理が完了すると、ユーザーはデータベース・レベル、RESTレベルおよびアプリケーション・レベルで認可されます。

図45-4 ロール、グループおよびACL

図45-4の説明が続きます
「図45-4 ロール、グループおよびACL」の説明

習熟したWebCenter Sites開発者であれば、WEMフレームワークによって、アプリケーションへのアクセスを制御するためのサイトおよびロールの用途が拡張されることがわかります。ただし、WebCenter Sitesとは異なり、WEM Adminインタフェースはデータ・モデルを公開しません。REST APIが公開します。この点においてWEM Adminは厳密な意味での認可インタフェースとみなすことができ、(ACLおよびグループの構成用に) Adminインタフェースでサポートされます。

開発者がWEM Adminを使用することはほとんどありませんが、ユーザー認可の背後にある概念を理解しておくことにより、アプリケーション開発に役立つ場合があります。以降の各章では、アプリケーション開発に関係するWEMフレームワークについて説明し、アプリケーション・コードの例を示します。

45.2 アプリケーション開発の前提条件

WEMでアプリケーションを開発するとき、アプリケーションのロジックをコーディングし、アプリケーションをデプロイし、アプリケーションを登録してWEM Adminインタフェースで公開します。管理者は、このインタフェースからアプリケーションを管理して、他のユーザーが使用できるようにすることができます。熟練したWebCenter Sites開発者である必要があり、ここで参照用に説明されるテクノロジの実践的な知識を持っている必要があります。

トピック:

45.2.1 テクノロジ

  • Representational State Transfer (REST)。WebCenter Sitesプラットフォームとの通信に使用されます

  • Central Authentication Service (CAS)。WebCenter Sitesのインストール時にデプロイされ、WEMのシングル・サインオンをサポートします

  • Java Server Pages Standard Tag Library (JSTL)、Java、JavaScript、JerseyおよびSpring MVCフレームワーク。WEMに付属のArticlesサンプル・アプリケーションのコードを実行します

45.2.2 WebCenter Sitesインタフェース、オブジェクトおよびAPI

開発者は次に関する実践的な知識を持っている必要があります。

  • WebCenter Sites Admin (管理インタフェース)

  • WebCenter Sitesのベーシック・アセット・モデルおよびフレックス・アセット・モデル

  • アセットAPI

  • ACL。データベース表を保護し、表に対して実行可能な操作のタイプを定義します。

  • サイトおよびロールの概念

45.2.3 ドキュメント

この項では、次のドキュメントについて説明します。

ACL、サイト、ロールの詳細およびこれらのWebCenter Sitesでの使用方法については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesの管理』のACLおよびロールの使用に関する項を参照してください。

45.2.4 サンプル・アプリケーションおよびファイル

  • このガイドのこの部分では、次のサンプル・アプリケーションを使用します。

    • Articles。軽量なコンテンツ管理アプリケーションです。

    • SSOサンプル・アプリケーション。本番サイト用のサイズの小さい認証アプリケーション。アプリケーションは、wem-sso-api-cas-sample.warとしてパッケージ化されます。

    • Recommendations。RESTリソースの作成プロセスを示します。

  • このガイドでは、ログイン動作のカスタマイズについて説明する際に、Customizable Single Sign-Onファシリティを使用します。

  • WEMフレームワークには、弊社のAPIを使用したクロスドメインの実装方法およびRESTを介したアセットの管理方法を示すサンプル・ファイルが同梱されています。

すべてのサンプル・アプリケーションおよびファイルは、WebCenter Sitesインストール・ディレクトリ内のMisc/Samples/WEM Samplesフォルダにあります。

45.2.5 アプリケーション・アクセス

このガイドのこの部分の情報を使用する場合、または開発およびテストを行う場合は、次のように、WEM Adminインタフェースにアクセスし、アプリケーション登録プロセスの結果をテストします。

  1. Webブラウザで、次のURLにアクセスします。

    http://wcs-server:wcs-port/wcs-context-root/

  2. fwadmin(または同等のユーザー)でログインします。

  3. 表示されたページで、AdminSite、「管理」 (最初のアイコン)の順に選択します。

  4. The

    WEM Adminの「サイト」ページが表示されます。登録済アプリケーションが「アプリケーション」ページに一覧表示されます。

    図45-5 「サイト」ページ

    図45-5の説明が続きます
    「図45-5 「サイト」ページ」の説明

45.3 開始

Articlesというサンプル・アプリケーションを使用して、WEMでアプリケーションを作成する方法を理解します。RESTリソースの作成、シングル・サインオンおよびシステム・セキュリティについて学習します。