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203 DBMS_XDBT

DBMS_XDBTパッケージは、管理者に対して、Oracle XML DB階層にCONTEXT索引を設定するための便利なメカニズムを提供します。

このパッケージには、デフォルトのプリファレンスの作成、索引の作成、およびCONTEXT索引の自動同期化の設定を行うためのプロシージャが含まれています。

また、DBMS_XDBTパッケージには、索引の構成設定を指定する一連のパッケージ変数も含まれています。これらのパッケージ変数は、インストールに必要な基本カスタマイズで使用されますが、完全なセットではありません。

この章のトピックは、次のとおりです:

203.1 DBMS_XDBTの概要

また、DBMS_XDBTパッケージには、索引の構成設定を指定する一連のパッケージ変数も含まれています。

DBMS_XDBTパッケージは、次のように使用できます。

203.2 DBMS_XDBTのセキュリティ・モデル

DBMS_XDBTパッケージは、XDBが所有しているため、SYSまたはXDBによって作成される必要があります。EXECUTE権限は、SYSまたはXDBに付与されます。このパッケージ内のサブプログラムは、現行のユーザーの権限を使用して実行されます。

203.3 DBMS_XDBTの操作上のノート

構成設定(パッケージ変数)は、DBMS_XDBTパッケージのカスタマイズに使用できます。

DBMS_XDBTパッケージは、PL/SQLプロシージャまたは無名ブロックを使用してカスタマイズし、関連するパッケージ変数、構成設定を設定してから、プロシージャを実行できます。より一般的な方法として、このパッケージを設定環境に応じて、またはコピーとして変更し、適切なカスタマイズを導入します。システムは、ジョブ・キューを使用するように構成されている必要があり、USER_JOBSカタログ・ビューを使用してジョブを表示できます。

表203-1 DBMS_XDBTのカスタマイズのための一般的な索引付け設定

パラメータ デフォルト値 説明

IndexName

XDB$CI

CONTEXT索引の名前。

IndexTablespace

XDB$RESINFO

CONTEXT索引を構成する表と索引で使用する表領域。

IndexMemory

128M

索引作成および同期化で使用されるメモリー。MAX_INDEX_MEMORYシステム・パラメータ以下になります(CTX_ADMINパッケージを参照してください)。

LogFile

'XdbCtxLog'

索引付けでROWIDに使用されるログ・ファイル。LOG_DIRECTORYシステム・パラメータは設定済であることが必要です。NULLに設定すると、ROWIDロギングはオフになります。

表203-2 DBMS_XDBTのカスタマイズのためのフィルタ設定

パラメータ デフォルト値 説明

SkipFilter_Types

image/%、audio/%、video/%、model/%

索引付けが必要なMIMEタイプのリスト。

NullFilter_Types

text/plain、text/html、text/xml

INSOフィルタを使用する必要がないMIMEタイプのリスト。このパラメータは、テキストベースのドキュメントで使用します。

FilterPref

XDB$CI_FILTER

フィルタ・プリファレンスの名前。

表203-3 DBMS_XDBTのカスタマイズのためのストップリスト設定

パラメータ デフォルト値 説明

StoplistPref

XDB$CI_STOPLIST

ストップリストの名前。

StopWords

0..9; 'a'..'z'; 'A'..'Z'

CTXSYS.DEFAULT_STOPLISTを超えるストップワードのリスト。

表203-4 DBMS_XDBTのカスタマイズのためのセクションおよびセクション・グループ設定

パラメータ デフォルト値 説明

SectionGroup

HTML_SECTION_GROUP

デフォルトのセクショナ。リポジトリに格納されているのが主にXML文書の場合は、PATH_SECTION_GROUPまたはAUTO_SECTION_GROUPを使用します。

SectiongroupPref

XDB$CI_SECTIONGROUP

セクション・グループの名前。

表203-5 DBMS_XDBTのカスタマイズのためのその他の索引付けプリファレンス設定

パラメータ デフォルト値 説明

DatastorePref

XDB$CI_DATASTORE

データストア・プリファレンスの名前。

StoragePref

XDB$CI_STORAGE

記憶域プリファレンスの名前。

WordlistPref

XDB$CI_WORDLIST

ワードリスト・プリファレンスの名前。

DefaultLexerPref

XDB$CI_DEFAULT_LEXER

デフォルトのレクサー・プリファレンスの名前。

表203-6 DBMS_XDBTのカスタマイズのための同期化(CONTEXT同期)設定

パラメータ デフォルト値 説明

AutoSyncPolicy

SYNC_BY_PENDING_COUNT

索引を同期化する時期を指定します。SYNC_BY_PENDING_COUNTSYNC_BY_TIMEまたはSYNC_BY_PENDING_COUNT_AND_TIMEのいずれかです。

MaxPendingCount

2

索引の同期化がトリガーされる前に、この索引のCTX_USER_PENDINGキューに含まれるドキュメントの最大数。AutoSyncPolicySYNC_BY_PENDING_COUNTまたはSYNC_BY_PENDING_COUNT_AND_TIMEの場合のみ。

CheckPendingCountInterval

10 minutes

ペンディング・キューのチェック頻度を分単位で指定します。AutoSyncPolicySYNC_BY_PENDING_COUNTまたはSYNC_BY_PENDING_COUNT_AND_TIMEの場合のみ。

SyncInterval

60 minutes

索引を同期化する頻度を分単位で指定します。AutoSyncPolicyがSYNC_BY_TIMEまたはSYNC_BY_PENDING_COUNT_AND_TIMEの場合のみ。

203.4 DBMS_XDBTサブプログラムの要約

この表は、DBMS_XDBTサブプログラムをアルファベット順に示し、簡単に説明しています。

表203-7 DBMS_XDBTパッケージのサブプログラム

サブプログラム 説明

CONFIGUREAUTOSYNCプロシージャ

自動メンテナンス(同期化)用のCONTEXT索引を構成します。

CREATEDATASTOREPREFプロシージャ

CONTEXT索引用のUSERデータストア・プリファレンスを作成します。

CREATEFILTERPREFプロシージャ

CONTEXT索引用のフィルタ・プリファレンスを作成します。

CREATEINDEXプロシージャ

XML DB階層のCONTEXT索引を作成します。

CREATELEXERPREFプロシージャ

CONTEXT索引用のレクサー・プリファレンスを作成します。

CREATEPREFERENCESプロシージャ

XML DB階層のCONTEXT索引に必要なプリファレンスを作成します。

CREATESECTIONGROUPPREFプロシージャ

CONTEXT索引用の記憶域プリファレンスを作成します。

CREATESTOPLISTPREFプロシージャ

CONTEXT索引用のセクション・グループを作成します。

CREATESTORAGEPREFプロシージャ

CONTEXT索引用のワードリスト・プリファレンスを作成します。

CREATEWORLDLISTPREFプロシージャ

CONTEXT索引用のストップリストを作成します。

DROPPREFERENCESプロシージャ

既存のプリファレンスを削除します。

203.4.1 CONFIGUREAUTOSYNCプロシージャ

このプロシージャは、CONTEXT索引の自動同期化を行うためのジョブを設定します。

構文

DBMS_XDBT.CONFIGUREAUTOSYNC;

使用上のノート

  • システムは、自動同期化のジョブ・キュー用に構成する必要があります。ジョブは、USER_JOBSカタログ・ビューを使用して表示できます。

  • AutoSyncPolicy構成パラメータを設定して、適切な同期ポリシーを選択できます。

同期化は、次のいずれかを基準にして実行できます。

同期化の基準 説明

SYNC_BY_PENDING_COUNT

同期化は、ペンディング・キュー内のドキュメント数がしきい値を超えるとトリガーされます(「MaxPendingCount」の構成設定を参照)。ペンディング・キューは定期的にポーリングされ(CheckPendingCountInterval構成パラメータを参照)、ドキュメント数がしきい値を超えているかどうかが判別されます。

SYNC_BY_TIME

同期化は定期的にトリガーされます(SyncInterval構成パラメータを参照してください)。

SYNC_BY_PENDING_COUNT_AND_TIME

前述の2つのオプションの組合せ。

203.4.2 CREATEDATASTOREPREFプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のユーザー・データストア・プリファレンスを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATEDATASTOREPREF;

使用上のノート

  • データストア・プリファレンスの名前は変更できます(DatastorePref構成設定を参照してください)。

  • デフォルトのUSERデータストア・プロシージャは、渡されたドキュメントのフィルタ処理も行います。DBMS_XDBTパッケージは、フィルタ処理を制御する一連の構成設定を提供します。

  • SkipFilter_Types配列には、正規表現のリストが含まれています。いずれかの式と一致するMIMEタイプのドキュメントは、索引付けされません。ドキュメント・メタデータの一部のプロパティ(作成者など)も索引付けされません。

    • NullFilter_Types配列には、正規表現のリストが含まれています。いずれかの式と一致するMIMEタイプのドキュメントは、フィルタ処理は行われませんが、索引付けは行われます。これは、HTML、XML、プレーン・テキストなど、テキストベースのドキュメントで使用するためです。

    • 他のすべてのドキュメントでは、IFILTER APIを経由してINSOフィルタが使用されます。

203.4.3 CREATEFILTERPREFプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のNULLフィルタ・プリファレンスを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATEFILTERPREF;

使用上のノート

  • フィルタ・プリファレンスの名前は変更できます。FilterPref構成設定を参照してください。

  • USERデータストア・プロシージャは、渡されるドキュメントをフィルタします。詳細は、「CREATEDATASTOREPREFプロシージャ」を参照してください。

203.4.4 CREATEINDEXプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引を作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATEINDEX;

使用上のノート

  • 索引の名前は変更できます。IndexName構成設定を参照してください。

  • LogFile構成パラメータを設定すると、索引作成時にROWIDロギングが使用可能になります。

  • IndexMemory構成パラメータを設定すると、索引作成および後の同期化で使用するメモリー量を判断できます。

203.4.5 CREATELEXERPREFプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用の基本lexerプリファレンスを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATELEXERPREF;

使用上のノート

  • lexerプリファレンスの名前は変更できます。LexerPref構成設定を参照してください。これ以外の構成設定はありません。

  • MultiLexerプリファレンスはサポートされていません。

  • デフォルトでは、ベース文字変換はオンになっています。

203.4.6 CREATEPREFERENCESプロシージャ

このプロシージャは、構成設定に基づいて、一連のデフォルトのプリファレンスを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATEPREFERENCES;

203.4.7 CREATESECTIONGROUPPREFプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のセクション・グループを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATESECTIONGROUPPREF;

使用上のノート

  • セクション・グループの名前は変更できます。SectiongroupPref構成設定を参照してください。

  • デフォルトでは、HTMLセクショナが使用されます。デフォルトでは、ゾーン・セクションは作成されません。大部分のドキュメントがXMLの場合は、AUTO_SECTION_GROUPまたはPATH_SECTION_GROUPの使用を検討してください。SectionGroup構成設定を参照してください。

203.4.8 CREATESTOPLISTPREFプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のストップリストを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATESTOPLISTPREF;

使用上のノート

  • ストップリストの名前は変更できます。StoplistPref構成設定を参照してください。

  • 数値は索引付けされません。

  • StopWords配列は、ストップワードの構成可能なリストです。このリストには、CTXSYS.DEFAULT_STOPLISTの一連のストップワード以外のストップワードが含まれます。

203.4.9 CREATESTORAGEPREFプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のBASIC_STORAGEプリファレンスを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATESTORAGEPREF;

使用上のノート

  • 記憶域プリファレンスの名前は変更できます。StoragePref構成設定を参照してください。

  • CONTEXT索引を構成する表と索引用の表領域を指定できます。IndexTablespace構成設定を参照してください。

  • デフォルトでは、接頭辞とサブストリングの索引付けはオンになっていません。

  • I_INDEX_CLAUSEでは、キー圧縮が使用されます。

203.4.10 CREATEWORLDLISTPREFプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のワールドリスト・プリファレンスを作成します。

構文

DBMS_XDBT.CREATEWORDLISTPREF;

使用上のノート

  • ワードリスト・プリファレンスの名前は変更できます。WordlistPref構成設定を参照してください。これ以外の構成設定はありません。

  • FUZZY_MATCH属性とSTEMMER属性は、AUTO(自動言語検出)に設定されます。

203.4.11 DROPPREFERENCESプロシージャ

このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用に以前に作成されたプリファレンスを削除します。

構文

DBMS_XDBT.DROPPREFERENCES;