このリリースでの『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』の変更内容

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.1における変更点

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.1におけるOracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンスの変更内容は次のとおりです。

このリリースにおける新機能の完全なリストについては、Oracle Database新機能ガイドを参照してください。

新機能

この項では、Oracle Databaseリリース19cの『PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』における主な新機能を示します。

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.1では、次の機能が新しく追加されています。

  • ANYTYPEタイプ

    GETANYTYPEFROMPERSISTENTファンクションは、GETPERISTENT静的ファンクションに置き換わりました。

    GETANYTYPEFROMPERSISTENTファンクション」を参照してください。

  • DBMS_ADDM

    プラガブル・データベース(PDB)に対する自動データベース診断モニター(ADDM)のサポート。ADDMを使用してPDBのAWRデータを分析し、パフォーマンスに関連する問題の特定と解決ができます。DBMS_ADDMパッケージの次のサブプログラムに、2つの新しいパラメータ(CDB_TYPE_OVERRIDEおよびREAD_ONLY_TYPE_OVERRIDE)が追加されました。
    • ANALYZE_DBプロシージャ
    • ANALYZE_INSTプロシージャ
    • ANALYZE_PARTIALプロシージャ
    • COMPARE_CAPTURE_REPL AY_REPORTファンクション
    • COMPARE_DATABASESファンクション
    • COMPARE_INSTANCESファンクション
    • COMPARE_REPLAY_REPLA Y_REPORTファンクション
    • REAL_TIME_ADDM_REPORTファンクション
  • DBMS_AUTO_INDEX

    新しいパッケージのDBMS_AUTO_INDEXは、自動索引付けの構成と、データベースで実行した自動索引付け操作の詳細が含まれているレポートの生成のためのインタフェースを提供します。

    DBMS_AUTO_INDEXを参照してください

  • DBMS_CREDENTIAL

    DBMS_CREDENTIAL.CREATE_CREDENTIALプロシージャを使用して、クラウド・オブジェクト記憶域の資格証明を管理することもできます。impdbのcredentialパラメータに、オブジェクト・ストア・バケットへのアクセスに必要なユーザー名とパスワードを含む資格証明オブジェクトの名前を指定します。データベース・プロパティDEFAULT_CREDENTIALを使用して、デフォルトの資格証明を指定することもできます。

  • DBMS_HADOOP

    Oracle Databaseでは、ハイブリッド・パーティション表がサポートされるようになりました。ハイブリッド・パーティション表は、一部のパーティションがデータベース内にあり一部のパーティションがデータベース外部の外部ファイル(オペレーティング・システム・ファイルやHadoop Distributed File System (HDFS)ファイルなど)内にあるパーティション表です。

    新しいプロシージャCREATE_HYBRID_PARTNED_TABLEDBMS_HADOOPパッケージに追加されます。

  • DBMS_INMEMORY_ADMIN

    新しいファンクションPOPULATE_WAITDBMS_INMEMORY_ADMINパッケージに追加されます。このファンクションにより、アプリケーション・アクセスを許可する前に、指定されたインメモリー・オブジェクトが移入されるようになりました。

  • DBMS_MEMOPTIMIZE

    次の新しいサブプログラムは、Memoptimized Rowstoreの高速収集機能の一部としてDBMS_MEMOPTIMIZEパッケージに追加されています。

    • GET_APPLY_HWM_SEQID

    • GET_WRITE_HWM_SEQID

    • WRITE_END

    DBMS_MEMOPTIMIZEを参照してください

  • DBMS_MEMOPTIMIZE_ADMIN

    新しいパッケージのDBMS_MEMOPTIMIZE_ADMINは、ラージ・プールにバッファリングされたMemoptimized Rowstoreデータをディスクにフラッシュするためのインタフェースを提供します。

    DBMS_MEMOPTIMIZE_ADMINを参照してください

  • DBMS_METADATA

    データポンプのメタデータ・レイヤーで使用される次の新しい変換パラメータが、DBMS_METADATA.SET_TRANSFORM_PARAMプロシージャに追加されます。
    • OMIT_ENCRYPTION_CLAUSE
    • DWCS_CVT_IOTS
    • DWCS_CVT_CONSTRAINTS
    • CONSTRAINT_USE_DEFAULT_INDEXES
    • CONSTRAINT_NAME_FROM_INDEXES
  • DBMS_MVIEW

    Oracle Databaseでは、ハイブリッド・パーティション表がサポートされるようになりました。ハイブリッド・パーティション表は、一部のパーティションがデータベース内にあり一部のパーティションがデータベース外部の外部ファイル(オペレーティング・システム・ファイルやHadoop Distributed File System (HDFS)ファイルなど)内にあるパーティション表です。

    新しいパラメータSKIP_EXT_DATADBMS_MVIEW.REFRESHプロシージャに追加されます。

  • DBMS_SQLQ

    新しいパッケージのDBMS_SQLQは、SQL文とその実行計画に対する隔離しきい値を構成するためのインタフェースを提供します。隔離しきい値を超えたSQL文は隔離され、データベースで再実行できなくなります。

    DBMS_SQLQを参照してください

  • DBMS_SQLDIAGSQL修復アドバイザの新しいファンクションDBMS_SQLDIAG.SQL_DIAGNOSE_AND_REPAIR

    新しいSQL修復アドバイザのファンクションDBMS_SQLDIAG.SQL_DIAGNOSE_AND_REPAIRでは、診断タスクを作成して、そのタスクを実行し、クリティカル・エラーが発生するSQL文に対する推奨SQLパッチを受け入れます。このファンクションは、ユーザーが問題を診断および修正する際に役立ちます。

  • DBMS_SODA

    DBMS_SODAは、Oracle DatabaseをNoSQLドキュメント・ストアとして使用できるようにする、Simple Oracle Document Access (SODA)を実装するPL/SQLパッケージです。このリリースでは、追加のファンクションと機能が追加されています。

  • DBMS_STATS

    新しいブール・パラメータREALTIME_STATSGET_TABLE_STATSプロシージャとGET_COLUMN_STATSプロシージャに追加されます。

  • DBMS_XPLAN

    新しいCOMPARE_PLANSファンクションがDBMS_XPLANパッケージに追加されました。このファンクションは、リスト内の各計画と参照プランを比較してレポートを返します。

  • キーベースのメッセージング

    キーベースのメッセージング機能の一部として、次の新しいパラメータがDBMS_AQADMパッケージのGET_QUEUE_PARAMETERSET_QUEUE_PARAMETERUNSET_QUEUE_PARAMETERプロシージャに追加されます。

    • シャード・キューのパラメータ
      • SHARD_NUM
      • KEY_BASED_ENQUEUE
      • STICKY_DEQUEUE
    • キーベースのパラメータ
      • AQ$KEY_TO_SHARD_MAP
      • AQ$GET_KEY_SHARD_INST

    DBMS_AQADM」を参照してください

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.9における変更点

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.9では、次の機能が新しく追加されています。

  • DBMS_CRYPTO非対称キー操作のサポート

    このリリース以降、DBMS_CRYPTO PL/SQLパッケージでは、対称キー操作に対する既存のサポートに加えて、非対称キー操作がサポートされています。非対称キー操作のサポートを実装するために、次のプロシージャがDBMS_CRYPTOパッケージに追加されました。

    • PKENCRYPT
    • PKDECRYPT
    • SIGN
    • VERIFY

    DBMS_CRYPTOを参照してください。

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.10における変更点

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.10では、次の機能が新しく追加されています。

  • DBMS_CLOUD

    DBMS_CLOUDパッケージでは、オブジェクト・ストレージのデータを操作するための包括的なサポートを提供します。

  • ブロックチェーン表は、挿入操作のみできる追加専用の表です。行の削除は、禁止または時間に基づいて制限されます。ブロックチェーン表内の行は、特殊なシーケンシングおよび連鎖アルゴリズムによって改ざん防止状態になっています。ユーザーは、行が改ざんされていないことを確認できます。行メタデータの一部であるハッシュ値は、行の連鎖および検証に使用されます。ブロックチェーン表を使用すると、ブロックチェーン・ネットワーク内のすべての参加者が同じ改ざん防止レジャーにアクセスできる集中型レジャー・モデルを実装できるようになります。このリリースでは、次の新しいパッケージが使用できます。
    • DBMS_BLOCKCHAIN_TABLE
    • DBMS_USER_CERTS
  • DBMS_LOGMNRのサブプログラムADD_LOGFILEプロシージャおよびSTART_LOGMNRプロシージャは、Oracle Autonomous Databaseに対してPDB単位の取得をサポートするように変更されました。

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.11における変更点

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.11では、次の機能が新しく追加されています。

  • DBMS_IMMUTABLE_TABLE

    不変表は、不正な変更からデータを保護するread-only表です。また、人為的エラーによって発生する可能性のある偶発的なデータ変更も防止します。DBMS_IMMUTABLE_TABLEパッケージを使用すると、不変表内の期限切れの行を削除できます。

  • 新しいサブプログラムがDBMS_SODAおよびSODAタイプに追加されました。
  • 新しいプロシージャACCHK_VIEWSDBMS_APP_CONT_ADMINパッケージに追加されました。このプロシージャは、19cリリースでのみ使用可能です。

非推奨となった機能

Oracle Databaseリリース19cバージョン19.1の『PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』で非推奨となった機能を示します。

  • DBMS_SESSION.IS_ROLE_ENABLEDファンクションは非推奨になりました。

    かわりに、DBMS_SESSION.CURRENT_IS_ROLE_ENABLEDファンクションまたはDBMS_SESSION.SESSION_IS_ROLE_ENABLEDファンクションを使用してください。

  • Oracle Database 19c以降、SERVICE_NAMESパラメータをお客様が使用することは非推奨になりました。今後のリリースでサポートが終了する可能性があります。

    SERVICE_NAMESパラメータの使用は、積極的にはサポートされなくなりました。高可用性(HA)デプロイメントでは使用しないでください。HA操作ではサービス名パラメータの使用はサポートされません。この制限には、FAN、ロード・バランシング、FAILOVER_TYPEFAILOVER_RESTORESESSION_STATE_CONSISTENCYなどの用途が含まれます。

    サービスを管理するには、SRVCTLまたはGDSCTLコマンドライン・ユーティリティ、またはDBMS_SERVICEパッケージを使用することをお薦めします。

サポート対象外機能

この項では、Oracle Databaseリリース19cバージョン19.1の『PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』でサポートされなくなった機能を示します。

このリリースでサポートされなくなった機能は次のとおりです。

  • プラガブル・データベース(PDB)のフラット・ファイル・ディクショナリ・ダンプを作成する機能は、Oracle Database 19cでサポートが終了しました。

    以前のリリースでは、データ・ディクショナリがフラット・ファイル内に含まれている特定のPDBに関連付けられた変更のREDOログをマイニングする手段として、フラット・ファイル・ディクショナリを使用できました。この機能はサポートされなくなりました。Oracle Database 19c以降では、DBMS_LOGMNR.START_LOGMNRをコールして、マイニングするシステム変更番号(SCN)または時間範囲を指定することをお薦めします。START_LOGMNRのSCNまたは時間範囲のオプションは、個々のPDBのマイニングをサポートするように拡張されています。

  • CONTINUOUS_MINEオプションの非推奨

    DBMS_LOGMNR.START_LOGMNRパッケージのcontinuous_mineオプションはOracle Database 19cでサポートが終了し、使用できなくなりました。LogMinerパッケージのCONTINUOUS_MINE機能は廃止されました。これは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で非推奨になっていました。かわりとなる機能はありません。

    Oracle Streamsのサポート終了

    Oracle Database 19c以降、Oracle Streams機能はサポートされなくなりました。Oracle GoldenGateを使用して、Oracle Streamsのすべてのレプリケーション機能を置き換えます。

  • Oracle Multimedia

    Oracle Database 19c以降、Oracle Multimedia機能はサポートされなくなりました。メタデータの抽出やイメージの処理と変換には、Oracle Multimediaのかわりに、オープン・ソースまたはサードパーティの製品とOracle SecureFilesを併用してください。

    参照:

    詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください

  • LOG_ARCHIVE_DEST_nのMAX_CONNECTIONS属性のサポート終了

    Oracle Data GuardのREDO転送に対するLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータのMAX_CONNECTIONS属性は使用中止になっています。Oracle Database 19cではサポートされなくなりました。

    MAX_CONNECTIONS属性は、Oracle Database 11gで導入された新しいREDO転送ストリーミング・メカニズムに干渉することがあり、ギャップの解決のためにかかる時間が長くなる可能性があります。このようなタイプのエラーを防止するために、この属性のサポートを終了して削除しました。

  • 拡張データ型サポート(EDS)のサポート終了

    拡張データ型サポート(EDS)機能は、Oracle Database 19cでサポート終了になりました。EDS機能でサポートされていたすべてのデータ型は、ロジカル・スタンバイとOracle GoldenGateの両方でネイティブにサポートされるようになりました。

    拡張データ型サポート(EDS)機能では、ネイティブなREDOベースのサポートが欠如した特定のOracleデータ型をサポートするためのロジカル・スタンバイ用のメカニズムが提供されます。たとえば、EDSは、SDO_GEOMETRY列を持つ表のレプリケートに使用されていました。ただし、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降では、EDSでサポートされているOracleデータ型のうち、ロジカル・スタンバイまたはGoldenGateのどちらかでネイティブにサポートされていないものはありません。この機能は、Oracle Database 19c (19.1)でサポートが終了しています。

  • 初期化パラメータO7_DICTIONARY_ACCESSIBILITYは、Oracle Database 19cでサポートされなくなりました。

    SYSが所有するオブジェクトにシステム権限でアクセスする場合の制限は、O7_DICTIONARY_ACCESSIBILITYパラメータによって制御されていました。これは、以前のリリースのアプリケーションの特定の下位互換性を保つために維持されています。廃止された機能のサポートを終了することにより、オラクル社では、すべての機能におけるセキュリティに注力できます。標準のセキュリティのベスト・プラクティスに従って、システム権限を管理することをお薦めします。