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ゼロ・ダウンタイムのOracle Grid Infrastructureのパッチ適用について

ゼロ・ダウンタイムのOracle Grid Infrastructureパッチ方法を使用して、パッチ適用時にOracle RACデータベース・インスタンスを実行し、クライアント接続をアクティブに保ちます。

ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用は、Oracle DatabaseストレージのI/Oには影響しません。Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)のすべてのインスタンスは、パッチ適用中もマウントされ、アクセス可能です。Oracle Databaseホームから実行されているデータベース・リスナーは影響を受けませんが、Oracle Grid Infrastructureホームから実行されているリスナーは、Oracle Grid Infrastructureへのパッチ適用中に再起動されます。

ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用は、19cまたは最新リリースのOracle RACまたはOracle RAC One Nodeのデータベースで、Oracle Grid Infrastructure 19cリリース更新(RU) 19.16以降のリリースのホーム外パッチ適用にのみ使用できます。Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeのデータベースのリリースが19cより古い場合、ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用中にデータベース・インスタンスが停止します。

ノート:

ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用が成功するかどうかは、システム・リソースの可用性に依存します。十分なシステム・リソースが使用できず、Oracle Grid Infrastructureが20秒を超えて停止したままであるとパッチ適用ソフトウェアが推定した場合、パッチ適用ソフトウェアはパッチ適用プロセスを停止します。この場合、十分なシステム・リソースが使用可能なときに、Oracle Grid Infrastructureにパッチを適用する必要があります。

ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用およびオペレーティング・システム・ドライバ

ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用では、オペレーティング・システム・ドライバは自動的に更新されません。ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用プロセス中に、更新されたオペレーティング・システム・ドライバがGridホームにコピーされますが、これらのドライバはオペレーティング・システムにインストールされません。クラスタは、更新されたドライバがオペレーティング・システムにインストールされるまで、古いバージョンのオペレーティング・システムのドライバを引き続き使用します。

データベース記憶域にOracle ASM Filter Driver (Oracle ASMFD)またはOracle ACFSを使用している場合、オペレーティング・システム・ドライバは次のいずれかのシナリオで更新されます。

  1. オペレーティング・システム・カーネルを更新し、クラスタ・ノードを再起動します。
  2. オペレーティング・システム・ドライバのインストールに失敗した場合は、各クラスタ・ノードでrootcrs.sh -updateosfilesコマンドを実行し、クラスタ・ノードを再起動します。

crsctl query driver activeversion [-all]コマンドを使用してクラスタ・ノードのアクティブなオペレーティング・システム・ドライバのバージョンを確認し、crsctl query driver softwareversion [-all] [-f]コマンドを使用して使用可能なオペレーティング・システム・ドライバのバージョンを確認できます。

インストールするパッチにオペレーティング・システム・ドライバの更新が含まれている場合は、ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用時に-skipDriverUpdateオプションを使用する必要があります。使用しないと、パッチ適用プロセスが失敗します。-skipDriverUpdateオプションは、リリース更新(RU)にドライバの更新が含まれている場合でも、既存のオペレーティング・システム・ドライバには影響しません。

ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用を使用してパッチを適用した後は、前述の2つのシナリオのいずれかが当てはまるまで、アクティブなオペレーティング・システム・ドライバのバージョンと使用可能なオペレーティング・システム・ドライバのバージョンは異なります。