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Oracleメンバー・クラスタのインストール

Oracle Database用のOracleメンバー・クラスタおよびアプリケーション用のOracleメンバー・クラスタのためにOracle Grid Infrastructureをインストールするには、この手順を実行します。

インストールを実行する前に、このガイドの説明に従ってメンバー・クラスタmanifestファイルを作成する必要があります。
  1. gridユーザーとして、Oracle Grid Infrastructureのイメージ・ファイルをダウンロードし、そのファイルをGridホームに展開します。たとえば:
    $ mkdir -p /u01/app/19.0.0/grid
    $ chown grid:oinstall /u01/app/19.0.0/grid
    $ cd /u01/app/19.0.0/grid
    $ unzip -q download_location/grid.zip

    grid.zipはOracle Grid Infrastructureイメージのzipファイルの名前です。

    ノート:

    • このzipイメージ・ソフトウェアは、Gridホームを配置するディレクトリに展開する必要があります。

    • Oracle Grid Infrastructureのイメージ・ファイルをダウンロードし、ローカル・ノードにのみコピーします。インストール中に、ソフトウェアはクラスタの他のすべてのノードにコピーおよびインストールされます。

    • OracleホームまたはOracleベースをsymlinksにすることも、その親ディレクトリをrootディレクトリまで作成することもできません。

  2. gridユーザーとしてログインし、次のコマンドを実行して、Oracle Grid Infrastructureインストーラを起動します。
    $ /u01/app/19.0.0/grid/gridSetup.sh
    インストーラが起動し、構成オプションの選択ウィンドウが表示されます。
  3. 「新規クラスタ用のOracle Grid Infrastructureの構成」オプションを選択して、「次へ」をクリックします。
    「クラスタ構成の選択」ウィンドウが表示されます。
  4. 「Oracleデータベース用のOracleメンバー・クラスタの構成」または「アプリケーション用のOracleメンバー・クラスタの構成」オプションを選択し、「次へ」をクリックします。
    「クラスタ・ドメイン・サービス」ウィンドウが表示されます。
  5. 管理リポジトリ、およびOracleメンバー・クラスタの他のサービスに関する構成詳細が含まれるマニフェスト・ファイルを選択します。

    Oracleデータベース用のOracleメンバー・クラスタの場合、メンバー・クラスタ・マニフェスト・ファイルを使用して、グリッド・ネーミング・サービスおよびOracle ASM記憶域サーバーの詳細を指定することもできます。

    「次へ」をクリックします。

  6. アプリケーション用のOracleメンバー・クラスタを構成するよう選択した場合、仮想アクセスの構成ウィンドウが表示されます。クラスタ名、およびオプションで「仮想ホスト名」を指定します。
    仮想ホスト名はOracleメンバー・クラスタの接続アドレスとして機能し、Oracleメンバー・クラスタにインストールして実行するソフトウェア・アプリケーションへのサービス・アクセスを提供します。
    「次へ」をクリックします。
    「クラスタ・ノード情報」ウィンドウが表示されます。
  7. クラスタ・ノードの表の「パブリック・ホスト名」列に、node1.example.comなどのローカル・ノードが表示されます。

    次に、ノードIPアドレスに関する追加情報を示します。

    • ローカル・ノードの場合のみ、Oracle Universal Installer (OUI)により自動的にパブリックおよびVIPフィールドの値が指定されます。システムでベンダーのクラスタウェアが使用されている場合は、OUIにより追加のフィールドが書き込まれることがあります。

    • ホスト名および仮想ホスト名は、ドメイン修飾されません。インストール中にアドレス・フィールドにドメインを入力すると、そのドメインは、OUIによってアドレスから削除されます。

    • プライベートIPアドレス用にプライベートとして指定したインタフェースは、パブリック・インタフェースとしてアクセスできないようにする必要があります。キャッシュ・フュージョンにパブリック・インタフェースを使用すると、パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。

    • パブリック・ノード名の入力には、各ノードのプライマリ・ホスト名を使用します。この名前は、/bin/hostnameコマンドによって表示される名前です。

    1. 「追加」をクリックして、他のノードをクラスタに追加します。
    2. 2番目のノードのパブリック名(node2)および仮想IP名(node2-vip)を入力して、「OK」をクリックします。すべてのクラスタ・ノードに対して仮想IP (VIP)ホスト名を指定するか、何も指定しないようにします。
      クラスタ・ノード情報ウィンドウに戻ります。クラスタ・ノードの表にすべてのノードが表示されます。
    3. すべてのノードが選択されていることを確認して、ウィンドウ下部にある「SSH接続」ボタンをクリックします。
      ウィンドウの下部パネルに、「SSH接続」情報が表示されます。
    4. Oracleソフトウェア所有者(grid)に対するオペレーティング・システムのユーザー名およびパスワードを入力します。ノード間のSSH接続が構成されている場合は、「ユーザー・ホームに存在するプライベートおよびパブリック・キーを再使用します」オプションを選択します。「設定」をクリックします。
      ノード間のSSH接続の構成に数分かかる可能性があること示すメッセージ・ウィンドウが表示されます。しばらくすると、クラスタ・ノード間にパスワード不要のSSH接続が確立したことを示す別のメッセージ・ウィンドウが表示されます。「OK」をクリックして続行します。
    5. クラスタ・ノード情報ウィンドウに戻ったら、「次へ」をクリックして続行します。
    ネットワーク・インタフェースの使用方法の指定ウィンドウが表示されます。
  8. 表示される各ネットワーク・インタフェースの使用方法を選択し、「次へ」を選択します。
    各インタフェースに正しいインタフェース・タイプが関連付けられていることを確認します。Oracle Clusterwareで使用しないネットワーク・インタフェースがある場合、ネットワーク・インタフェース・タイプを「使用しない」に設定します。たとえば、2つのネットワーク・インタフェースのみがある場合、パブリック・インタフェースの「用途」値を「パブリック」に設定し、プライベート・ネットワーク・インタフェースの「用途」値を「ASMおよびプライベート」に設定します。
    ノート: アプリケーション用のOracleメンバー・クラスタの構成では、2つのネットワーク・インタフェース、1つのプライベートまたはASM、およびその他のパブリックではなく、1つのパブリック・ネットワーク・インタフェースを選択できます。
    「次へ」をクリックします。ASMクライアント・ストレージ・ウィンドウが表示されます。
  9. Oracleドメイン・サービス・クラスタ上のクラスタのOracle Cluster Registry (OCR)および投票ファイルを格納するディスク・グループを選択します。
    「次へ」をクリックします。
    オペレーティング・システム・グループ・ウィンドウが表示されます。
  10. Oracle ASM管理用のデフォルトのオペレーティング・システム・グループ名を受け入れ、「次へ」をクリックします。
    インストール先の指定ウィンドウが表示されます。
  11. Oracle Grid InfrastructureインストールのOracleベースに使用するディレクトリを指定し、「次へ」をクリックします。OracleベースのディレクトリはOracleホームのディレクトリとは別である必要があります。
    ステップ1で指示されたとおりにOracle Gridホーム・ディレクトリにOracle Grid Infrastructureインストール・ファイルをコピーしている場合、Oracleベース・ディレクトリのデフォルトの場所が/u01/app/gridとして表示されます。
    このコンピュータにOracleソフトウェアを一度もインストールしたことがない場合は、インベントリの作成ウィンドウが表示されます。
  12. 必要に応じて、インベントリ・ディレクトリのパスを変更します。その後、「次へ」をクリックします。
    このマニュアルの例と同じディレクトリ名を使用している場合は、値は/u01/app/oraInventoryとなります。oraInventoryディレクトリのグループ名は、oinstallとなります。
    「rootスクリプトの実行構成」ウィンドウが表示されます。
  13. 「構成スクリプトを自動的に実行」するオプションを選択します。rootユーザーまたはsudoアカウントの資格証明を入力し、「次へ」をクリックします。
    その他の方法として、インストール・プロセスの最後にインストーラで求められたときに、rootユーザーとしてスクリプトを手動で実行できます。
    「前提条件チェックの実行」ウィンドウが表示されます。
  14. ステータスが「失敗」のチェックがあり「修正可能」ではない場合は、この問題を手動で修正する必要があります。問題を修正した後、「再チェック」ボタンをクリックしてインストーラで要件を再確認し、ステータスを更新できます。すべてのチェックのステータスが「成功」になるまで必要な回数繰り返します。「次へ」をクリックします。

    「サマリー」ウィンドウが表示されます。

  15. サマリー・ウィンドウの内容を確認して「インストール」をクリックします。
    進捗インジケータが表示され、インストール・プロセスを監視できます。
  16. rootスクリプトの自動化を構成しなかった場合は、表示される構成スクリプトの実行ウィンドウで指定された適切なスクリプトをrootユーザーとして実行する必要があります。スクリプトを実行するまで、「OK」をクリックしないでください。そのスクリプトをすべてのノードで、表示された順序で指示どおりに実行します。

    たとえば、Oracle Linux上では次のステップを実行します(この例では、説明をわかりやすくするために、プロンプトの現在のユーザー、ノードおよびディレクトリを示しています)。

    1. node1gridユーザーとして端末ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します。

      [grid@node1 grid]$ cd /u01/app/oraInventory
      [grid@node1 oraInventory]$ su
      
    2. rootユーザーのパスワードを入力し、次のコマンドを入力して最初のスクリプトをnode1で実行します。

      [root@node1 oraInventory]# ./orainstRoot.sh
      
    3. node1orainstRoot.shスクリプトが終了した後、別の端末ウィンドウを開き、gridユーザーとして次のコマンドを入力します。

      [grid@node1 grid]$ ssh node2
      [grid@node2 grid]$ cd /u01/app/oraInventory
      [grid@node2 oraInventory]$ su
      
    4. rootユーザーのパスワードを入力し、次のコマンドを入力して最初のスクリプトをnode2で実行します。

      [root@node2 oraInventory]# ./orainstRoot.sh
      
    5. node2orainstRoot.shスクリプトが終了した後、このステップのパートaで開いた端末ウィンドウに移動します。node1rootユーザーとして次のコマンドを入力し、2番目のスクリプトであるroot.shを実行します。

      [root@node1 oraInventory]# cd /u01/app/19.0.0/grid
      [root@node1 grid]# ./root.sh
      

      プロンプトに対して[Enter]キーを押してデフォルト値のままにします。

      ノート:

      最初のノードでroot.shスクリプトを実行し、これが完了するまで待つ必要があります。クラスタに3つ以上のノードが存在する場合は、最初のノードを除くすべてのノードで同時にroot.shを実行できます。ノード番号は、root.shを実行した順序に従って割り当てられます。特定のノード番号割当てを作成する場合は、必要なノード割当ての順序でrootスクリプトを実行し、各ノードでスクリプトの実行が完了するまで待機してから、次のノードで引き続きスクリプトを実行します。ただし、Oracle RACデータベースのOracleシステム識別子つまりSIDはノード番号どおりにはなりません。

    6. node1root.shスクリプトが終了した後、このステップのパートcで開いた端末ウィンドウに移動します。node2rootユーザーとして、次のコマンドを入力します。

      [root@node2 oraInventory]# cd /u01/app/19.0.0/grid
      [root@node2 grid]# ./root.sh
      

      root.shスクリプトが終了した後、orainstRoot.shおよびroot.shスクリプトの実行を求められたOUIのウィンドウに戻ります。「OK」をクリックします。

      ソフトウェア・インストールの監視ウィンドウが表示されます。

    Oracle Grid Infrastructureのインストール時にroot.shを実行すると、ディレクトリ.grid_home/tfaに、トレース・ファイル・アナライザ(TFA)およびコレクタもインストールされます。

  17. すべてのノードでroot.shを実行すると、OUIによってNet Configuration Assistant (netca)およびクラスタ検証ユーティリティが起動されます。これらのプログラムはユーザーの介入なしに起動されます。
  18. Oracle Database用のOracleメンバー・クラスタのインストール時に、メンバー・クラスタmanifestファイルにOracle ASMの構成詳細が含まれていない場合、Oracle Automatic Storage Managementコンフィギュレーション・アシスタント(asmca)により、Oracle ASMが記憶域に構成されます。
  19. 「終了」ウィンドウが表示されるまで、インストールの監視を続けます。次に、「閉じる」をクリックし、インストール・プロセスを完了してインストーラを終了します。

注意:

インストールの完了後、Oracleソフトウェアがサーバーで動作している間は、/tmp/.oracleまたは/var/tmp/.oracleディレクトリ、またはそれらのディレクトにあるファイルを手動またはcronジョブの実行によって削除しないでください。これらのファイルを削除すると、Oracleソフトウェアが断続的に停止する場合があります。Oracle Clusterwareのインストールが失敗し、次のエラーが表示されることがあります。

CRS-0184: CRSデーモンと通信できません。

Oracle Grid Infrastructureのインストールが完了した後、高可用性のためにOracle Databaseや他のソフトウェアをクラスタ・ノード上にインストールするか、またはOracle RACをインストールできます。

関連項目:

Oracle Databaseのインストールの詳細は、ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』または『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』