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Oracle Grid Infrastructureのアップグレードのチェックリスト

既存のOracle Grid Infrastructureをアップグレードする前に、このチェックリストを確認します。クラスタは、すべてのクラスタ・メンバー・ノードで新しいインストールが実行されて、新しいクラスタウェアがアクティブなバージョンになるまでアップグレードされます。

表11-1 Oracle Grid Infrastructureインストールのアップグレードのチェックリスト

チェック内容 タスク
アップグレード・ガイドで、アップグレード計画に影響する可能性のある非推奨およびサポート対象外の情報を確認する

Oracle Databaseアップグレード・ガイド

パッチ・セット(推奨) 既存のインストールに最新のパッチ・セット・リリースをインストールします。Oracle Grid Infrastructureをアップグレードする前に、My Oracle SupportのNote 2180188.1で最新のパッチのリストを確認してください。
ユーザー・アカウントのインストール 使用する予定のインストール所有者が、アップグレードするインストールを所有するインストール所有者と同じであることを確認します。
Gridホームの作成 イメージ・ファイルを展開可能な場所に新規Oracle Grid Infrastructure Oracleホーム(Gridホーム)を作成します。Oracle Grid Infrastructureのアップグレード(Oracle ClusterwareおよびOracle ASMの既存のインストール環境のアップグレード)は、すべてアウトオブプレース・アップグレードです。
Oracle ASMのインスタンス名

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスでは標準のOracle ASMインスタンス名が使用されている必要があります。

単一インスタンス・データベースのデフォルトのASM SIDは+ASMです。

クラスタ名およびサイト名 クラスタ名は次の特性を持つ必要があります。
  • 長さは1文字以上、15文字以下。

  • ハイフン(-)およびシングルバイト英数字(AからZ、aからz、0から9)。

  • 最初を数字にすることはできません。

  • 最初や最後をハイフン(-)文字にすることはできません。

オペレーティング・システム サポート対象のオペレーティング・システム、カーネル・リリース、新しいOracle Grid Infrastructureインストールに必要なすべてのオペレーティング・システム・パッケージを使用していることを確認します。
標準Oracle Grid Infrastructureのネットワーク・アドレス

標準のOracle Grid Infrastructureインストールで、次のネットワーク構成を確認します。

  • プライベートIPアドレスおよびパブリックIPアドレスがそれぞれ関連性のない別々のサブネット内にある。プライベート・サブネットは、専用のプライベート・サブネットにある必要があります。

  • パブリックIPアドレスおよび仮想IPアドレス(SCANアドレスを含む)が同じサブネット内にある(サブネット・ネットワークのサブネット・マスクで許可されるアドレスの範囲)。

  • プライベートIPアドレスでもパブリックIPアドレスでもリンク・ローカル・サブネット(169.254.*.*)が使用されていない。

RAWデバイスまたはブロック・デバイスのOCR RAWデバイスまたはブロック・デバイスからOracle ASMまたはサポートされるファイル・システムにOCRファイルを移行します。RAWデバイスおよびブロック・デバイスを直接使用することはサポートされていません。

ocrcheckコマンドを実行してOracle Cluster Registry (OCR)ファイルの整合性を確認します。このチェックに失敗した場合は、続行する前にOCRを修復します。

GIMRの領域のチェック

Oracle Grid Infrastructure 19cにアップグレードする際には、ソース・グリッド・ホームにGIMRが構成されている場合にのみ、新しいGIMRが作成されます。Oracle Clusterwareの記憶領域要件の説明に従って、追加の記憶域を割り当てます。

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース2 (12.2)からアップグレードする場合、GIMRはその内容とともに保持されます。

Oracle ASMパスワード・ファイル

Oracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1)、Oracle Grid Infrastructure 12c リリース2 (12.2)またはOracle Grid Infrastructure 18cからOracle Grid Infrastructure 19cにアップグレードする場合は、次のASMCMDコマンドを使用して、アップグレードを進める前にOracle ASMパスワード・ファイルをファイル・システムからOracle ASMに移動します。

ASMCMD [+] > pwcopy --asm current_location_of_ASM_password_file_in_OS_directory +target_disk_group_name/orapwASM

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)からOracle Grid Infrastructure 19cにアップグレードする場合は、アップグレード後に、Oracle ASMパスワード・ファイルをファイル・システムからOracle ASMに移動します。

ノート:

パスワード・ファイルを移動する前に、compatible.asmを12.1.0.2以上に設定します。
CVUアップグレード検証 クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用すると、アップグレードを開始する前準備として、システムをチェックできます。
環境変数の設定解除

アップグレードを実行中のユーザーとして、環境変数$ORACLE_HOMEおよび$ORACLE_SIDの設定を解除します。

$ORA_CRS_HOME環境変数が設定されていないことを確認します。Oracleサポートから明示的に指示がないかぎり、$ORA_CRS_HOMEを環境変数として使用しないでください。

設定を解除する環境変数の完全なリストは、Oracle Grid Infrastructureをアップグレードする前に完了する必要のあるチェックを参照してください。

テスト実行アップグレードによるシステム・アップグレード準備状況の確認 Oracle Grid Infrastructureのアップグレードのためのシステム準備状況チェックを実行するには、Oracle Grid Infrastructureインストール・ウィザードgridSetup.shをテスト実行アップグレード・モードで実行します。
Oracle ORAchkアップグレード準備状況アセスメント Oracle ORAchkアップグレード準備状況アセスメントをダウンロードして実行し、Oracle Grid Infrastructureへのアップグレードのためのアップグレード固有の自動ヘルス・チェックを取得します。My Oracle Supportノート1457357.1(次のURLからアクセス可能)を参照してください。

https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=1457357.1

アップグレード前のOracleソフトウェアのバックアップ Oracleソフトウェアを変更する前に、Oracleソフトウェアおよびデータベースのバックアップを作成することをお薦めします。
HugePagesのメモリー割当て クラスタ上で実行する予定のすべてのデータベースのシステム・グローバル領域(SGA)にとって十分な大きさのメモリーをHugePagesに割り当てて、グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリのシステム・グローバル領域に対応します。
Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)からアップグレードする前に、Oracle ACFSファイル・システムの暗号化を削除します

データ破損を回避するために、Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.4)からアップグレードする前にOracle ACFSファイル・システムの暗号化が削除されていることを確認します。

Oracle ACFSファイル・システムの暗号化を削除しない場合は、My Oracle Supportノート2147979.1でかわりの方法を参照してください。

https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=2147979.1