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このリリースでのOracle Grid Infrastructureの変更点

Oracle Grid Infrastructure 19cのOracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドには、次の変更点があります。

新機能

Oracle Grid Infrastructure 19cで使用可能な新機能を確認します。

Oracle Clusterwareのアップグレードのテスト実行による検証のサポート

Oracle Grid Infrastructure 19c以上では、Oracle Grid Infrastructureインストール・ウィザード(gridSetup.sh)を使用して、システムのアップグレード準備状況を確認するために、テスト実行モードのアップグレードを実行できます。

予行演習アップグレード・モードでは、インストール・ウィザードが実際のアップグレードで実行するすべてのシステム準備状況チェックを実行し、アップグレードの開始前にシステムのアップグレード準備が完了しているかどうかを確認できます。このモードでは、実際のアップグレードは実行されません。これは、システム設定に関する潜在的な問題を予測し、アップグレードの失敗を回避するために役立ちます。

複数のASMB

+ASM1にdg1がマウントされ、dg2はマウントされず、+ASM2にdg2がマウントされ、dg1がマウントされていないとすると、複数のASMBプロジェクトを使用することで、データベースでは、両方のASMインスタンスに同時に接続することによって、dg1とdg2の両方を使用できます。ASMBだけでなく、ASMBnを使用できるようになりました。

この機能により、DBが複数のディスク・グループを使用できる(特定のASMインスタンスにすべてマウントされていない場合でも)ことで、Real Application Clusters (RAC)スタックの可用性が向上します。

パリティ保護されたファイル

REDUNDANCYファイル・タイプ・プロパティは、ファイル・グループの冗長性を指定します。PARITY値は、冗長性に対して1つのパリティを指定します。パリティ設定は、アーカイブ・ログやバックアップ・セットなどのライトワンス・ファイル用です。

データベース・バックアップ操作に関連付けられたファイルにASMミラー化を使用すると、大量の領域が消費されます。バックアップ・ファイルはライトワンス・ファイルで、この機能により、従来のミラー化ではなく、パリティ保護での保護が可能になります。これにより、かなりの領域を節約できます。

Oracle Fleet Patching and Provisioningを使用した停止時間0のOracle Grid Infrastructureパッチ適用

停止時間0のOracle Grid Infrastructureパッチ適用では、Oracle RACデータベース・インスタンスに影響を与えることなく、Oracle Grid Infrastructureの個別パッチを適用できます。クラスタ全体にローリング形式でパッチを適用するには、Oracle Fleet Patching and Provisioning(Oracle FPP)を使用します。この機能は、2つ以上のノードがあるすべてのOracle Real Application Clustersで使用できますが、現在は個別パッチのみに適用されます(RUおよびRURには適用されません)。

Oracle Fleet Patching and Provisioningを使用して、データベース・インスタンスの停止時間を0にしてOracle Grid Infrastructureの個別パッチを適用すると、ユーザーに対する影響と、Oracle RACデータベース・インスタンスからのサービスの中断がなくなります。以前のデータベース・リリースでは、Oracle Grid Infrastructureパッチを適用する前にデータベース・インスタンスを停止する必要があり、エンタープライズ操作に明らかに影響していました。

OCRおよび投票ディスクの直接ファイル配置の再サポート

Oracle Grid Infrastructure 19c以上では、共有ファイル・システム上の直接OCRおよび投票ディスク・ファイルの配置のサポート終了は、Oracleスタンドアロン・クラスタに対して廃棄されます。Oracleドメイン・サービス・クラスタの場合、共有ファイル・システムでホストされているファイルに加えて、OCRおよび投票ファイルをOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)に配置し、ASMディスクとして使用するという要件は変わりません。

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース2 (12.2)では、直接、共有ファイル・システム上でOracle Grid InfrastructureのOracle Cluster Registry (OCR)および投票ファイルの配置がサポートされなくなることが発表されました。このサポート終了は現在破棄されました。Oracle Grid Infrastructure 19c (19.3)以上では、Oracleスタンドアロン・クラスタとともに、OCRおよび投票ディスク・ファイルを共有ファイル・システムに直接配置できます。

グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリのオプションのインストール

Oracle Grid Infrastructure 19c以上では、グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)は、Oracleスタンドアロン・クラスタの新規インストールでオプションです。Oracleドメイン・サービス・クラスタでは、GIMRをサービス・コンポーネントとしてインストールする必要があります。

GIMRに含まれるデータは、適用されている機械学習に基づく予防診断の基礎となり、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースの可用性の向上に役立ちます。GIMRをオプションでインストールすると、特にテスト・システムや開発システムのインストール時に、ストレージ領域の管理および高速デプロイメントをより柔軟に行うことができます。

非推奨となった機能

Oracle Grid Infrastructure 19cから非推奨になった機能を確認します。

非推奨の機能、パラメータおよびビューの詳細は、Oracle Databaseアップグレード・ガイドを参照してください

  • Addnodeスクリプトの非推奨

    addnodeスクリプトは、Oracle Grid Infrastructure 19cでは非推奨です。クラスタにノードを追加する機能は、インストーラ・ウィザードで使用できます。

    addnodeスクリプトは、今後のリリースで削除できます。addnodeスクリプト(addnode.shまたはaddnode.bat)を使用するかわりに、インストーラ・ウィザードを使用してノードを追加します。インストーラ・ウィザードでは、addnodeスクリプトを超える機能が多数追加されています。インストーラ・ウィザードを使用すると、すべてのソフトウェア・ライフサイクル操作を1つのツールに統合して管理が簡素化されます。

  • Clone.plスクリプトの非推奨

    clone.plスクリプトは、Oracle Database 19cで非推奨となりました。ゴールド・イメージを使用してソフトウェアのみのインストールを実行する機能は、インストーラ・ウィザードで使用できます。

    clone.plスクリプトは、今後のリリースで削除できます。clone.plスクリプトを使用するかわりに、インストーラ・ウィザードを使用して、抽出したゴールド・イメージをホームとしてインストールすることをお薦めします。

サポート対象外となった機能

Grid Infrastructure 19cでサポート対象外となった機能を確認します。

サポート対象外となった機能、パラメータおよびビューの詳細は、Oracle Databaseアップグレード・ガイドを参照してください

  • フレックス・クラスタ・アーキテクチャでのリーフ・ノードのサポート終了

    リリーフ・ノードはOracle Grid Infrastructure 19cのOracle Flex Clusterアーキテクチャでサポートされなくなりました。

    Oracle Grid Infrastructure 19c (19.1)以上のリリースでは、Oracle Flex Clusterのすべてのノードはハブ・ノードとして機能します。Oracle Flex Clusterアーキテクチャの元の実装でリーフ・ノードによって提供された機能は、ハブ・ノードで容易に提供できます。このため、リーフ・ノードはサポートされなくなりました。

  • Standard Edition 2 (SE2)データベース・エディション用のOracle Real Application Clustersのサポート終了

    Oracle Database 19c以上では、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)はOracle Database Standard Edition 2 (SE2)でサポートされなくなりました。

    Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)機能を使用するOracle Database Standard Editionデータベースを以前のリリースからOracle Database 19cにアップグレードすることはできません。これらのデータベースをOracle Database 19cにアップグレードするには、アップグレードを開始する前にOracle RAC機能を削除するか、Oracle Database Standard EditionからOracle Database Enterprise Editionにアップグレードします。アップグレード後のシステムの再構成方法を含む各ステップの詳細は、My Oracle Supportノート2504078.1「Oracle Database Standard Edition 19cでのOracle Real Application Clusters(RAC)のサポート終了」を参照してください。

その他の変更

Oracle Grid Infrastructure 19cのその他の変更を確認します。

  • 高速ホーム・プロビジョニング(RHP)の名前の変更

    Oracle Database 19cおよびOracle Grid Infrastructure 19c以上では、以前は高速ホーム・プロビジョニングと呼ばれた機能の名前が、フリート・パッチ適用およびプロビジョニング(FPP)に変更されました。