ローリング方式を使用したOracle Grid Infrastructureへのパッチ適用

Oracle Grid Infrastructureへのパッチ適用のローリング方式は、デフォルトの方法です。

rhpctl move gihomeコマンド(アトミック操作)を使用し、これは、新しいホームで各ノードのOracle Grid Infrastructureスタックが再起動された後に戻されます。ノードは順次再起動されるため、一度に1つのみのノードがオフラインになり、クラスタのその他すべてのノードはオンラインのままになります。
  • 次のように、Oracle Grid Infrastructureホームを同じリリース・レベルの作業用コピーに移動します。
    $ rhpctl move gihome –sourcewc Grid_home_1 –destwc Grid_home_2

    前述のコマンドでは、実行中のOracle Grid Infrastructureホームが、現在の管理対象のホーム(sourcewc)から、特定のクライアント・クラスタのパッチが適用されたホーム(destwc)に移動します。パッチが適用されたホームは、クライアントでプロビジョニングする必要があります。

  • 移動操作が完了前にあるポイントで失敗した場合は、コマンドを再実行することで操作を再実行できます。これにより、操作が中断したポイントから再開されます。これにより、失敗の原因となったどのような問題でも修正でき、障害が発生したポイントから処理を再開できます。また、次のように、部分的に完了した操作を元に戻すこと、および構成を初期状態に戻すことができます。
    $ rhpctl move gihome -destwc destination_workingcopy_name -revert [authentication_option]

    管理対象外のホームを指定して-revertパラメータを使用できません。

ノート:

  • Gridホームは、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングで管理されていないホームには移動できません。このため、(元のホームへの)ロールバックは、2つの作業用コピー間での移動にのみ適用されます。この制限は、管理対象外のホームでのみ作用するため、独立オートマトンを使用している場合は適用されません。

  • Gridホームを移動した後、いつでもソースの作業用コピーを削除できます。ただし、作業用コピーを削除した後は、ロールバックを実行できません。また、rhpctl delete workingcopyコマンド(rmなどではなく)を使用してソースの作業用コピーを削除し、フリート・パッチ適用およびプロビジョニング・インベントリを正常な状態に保ちます。

  • -abortパラメータを使用してパッチ適用操作を終了する場合、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングでは、クリーン・アップは行われず、またパッチ適用ステップは元に戻されません。すべてのノードにパッチが適用されていないため、クラスタ、データベース、あるいはその両方が一貫性のない状態である可能性があります。