概要

これらの構成および運用のベスト・プラクティスを使用すると、データ損失ゼロまたはデータ損失ロール・トランジションの後もOracle Data Guardとシームレスに動作するように、Oracle GoldenGateを構成できます。

Oracle GoldenGate Microservicesデプロイメント・ファイルのファイル・システムとしてDatabase File System (DBFS)を使用することにより、Oracle GoldenGate Extract、分散パスおよびReplicatプロセスは、ロール・トランジション後も引き続きデータベースとの同期を維持します。

Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)、Oracle ClusterwareおよびOracle Database File System (DBFS)を使用して、Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D)またはOracle Exadata Database Service on Cloud@Customer (ExaDB-C@C)でOracle GoldenGate Microservices Architectureを構成するために、これらのベスト・プラクティスを実装することで、Oracle Data Guardとシームレスに連携できます。

これらのベスト・プラクティスにより、Data Guardスタンバイによって保護されているデータベースを使用したOracle GoldenGate Microservicesレプリケーションは、Data Guard保護モードの構成(最大パフォーマンス、最大可用性または最大保護)に関係なく、Oracle Data Guardロール・トランジションに従って透過的かつシームレスに機能するようになります。

主要なソフトウェア要件を次に示します。

  • Oracle Grid Infrastructure 19c以降

    Oracle Grid Infrastructureは、ビジネスクリティカルなアプリケーション高可用性を管理するために必要なコンポーネントを提供します。Oracle Clusterware (Oracle Grid Infrastructureのコンポーネント)ネットワーク、データベースおよびOracle GoldenGateリソースを使用すると、障害発生時の可用性を管理できます。

  • Oracle Grid Infrastructure Agentバージョン10.2以降

    Oracle Grid Infrastructure Agentは、Oracle Grid Infrastructureコンポーネントを活用して、Oracle GoldenGateとその依存リソース(データベース、ネットワーク、ファイル・システムなど)との統合を提供します。また、エージェントはOracle GoldenGateとOracle Data Guardを統合します。これにより、Oracle GoldenGateはロール・トランジション後に、新しいプライマリ・データベースで再起動されます。

  • Oracle Database 19c以上

    Oracle GoldenGateを使用する場合に推奨されるOracle Databaseパッチの完全なリストは、My Oracle Supportノート2193391.1を参照してください。

  • Oracle GoldenGate Microservicesバージョン21c以降

    Oracle GoldenGate 21cでは統合ビルド・サポートが導入されているため、単一のソフトウェア・インストールで、レプリケートされたデータの取得と複数の主要なOracle Databaseバージョン(11gリリース2から21c)への適用がサポートされます。これが可能になるのは、Oracle GoldenGateインストールに必要なOracle Databaseクライアント・ライブラリが含まれており、別途データベースORACLE_HOMEをインストールする必要がないためです。

  • 重要なOracle GoldenGateファイルを保護およびレプリケートするOracle DBFS

    Oracle Database File System (DBFS)は、MAAによって検証され、Oracle Data GuardおよびOracle GoldenGate構成に推奨される、唯一のファイル・システムです。これは、チェックポイント・ファイルや証跡ファイルなどの必要なOracle GoldenGateファイルの格納場所を、Oracle Data Guardで保護されている同じデータベース内に置くことができ、Oracle GoldenGateファイルとデータベース間の一貫性をシームレスに確保できるためです。