初期化パラメータ

初期化パラメータを使用してゲートウェイを構成します。

そのためには、初期化ファイルを作成し、このファイル内で必要なパラメータを設定します。

異機種間サービスの初期化パラメータは、Oracle Databaseの初期化パラメータとは異なります。異機種間サービスの初期化パラメータは、Oracleデータベースの初期化パラメータ・ファイル(init.oraファイル)ではなく、異機種間サービスの初期化ファイル内で設定します。ゲートウェイ・インスタンスごとに、異機種間サービスの初期化ファイルがあります。

初期化パラメータの暗号化

異機種間サービスに暗号化機能が追加され、パラメータ値の暗号化が可能になりました。

初期化パラメータには、IDやパスワードなどの機密情報が含まれている場合があります。初期化パラメータは、プレーン・テキストに格納され、セキュリティ上安全ではありません。異機種間サービスに暗号化機能が追加され、パラメータ値の暗号化が可能になりました。暗号化には、dg4pwdユーティリティが使用されます。この機能を使用する場合は、初期化ファイルのパラメータ値を、引用符なしのアスタリスク(*)に設定する必要があります。次に例を示します。

HD_FDS_CONNECT_INFO = *

値をこのセキュリティ・マーカーに設定することで、実際の値が関連する暗号化パスワード・ファイルに格納されることをすべての異機種間サービス・エージェントが認識します。このファイルの名前はinitsid.pwdです(sidはゲートウェイで使用されるOracleシステム識別子です)。このファイルはdg4pwdユーティリティによって、初期化ファイルを含む現在のディレクトリに作成されます。dg4pwdユーティリティを実行すると、パラメータの実際の値を入力するように求められます。この値がユーティリティによって暗号化されてパスワード・ファイルに格納されます。暗号化初期化パラメータは暗黙的にPRIVATEパラメータとして扱われ、サーバーにアップロードされません。

dg4pwdユーティリティの使用

dg4pwdユーティリティは、通常ならプレーン・テキストで初期化パラメータ・ファイルに格納される初期化パラメータを暗号化するために使用されます。

このユーティリティは、初期化パラメータ・ファイルを現在のディレクトリに読み込み、値にセキュリティ・マーカーが付いたパラメータを検索します。セキュリティ・マーカーは、引用符なしのアスタリスク(*)です。セキュリティ・マーカーにより、このパラメータの値を暗号化してパスワード・ファイルに格納するように指定されます。次に、この値に設定された初期化パラメータの例を示します。

HS_FDS_CONNECT_INFO = *

HS_FDS_CONNECT_INFO初期化パラメータを暗号化するには、次のステップに従います。

  1. 現在のディレクトリのHS_FDS_CONNECT_INFO初期化パラメータ・ファイルを編集して、値を引用符なしのアスタリスク(*)セキュリティ・マーカーに設定します。

  2. dg4pwdユーティリティを実行し、コマンドラインでゲートウェイSIDを、また暗号化情報に別の所有者を指定する場合はオプションでユーザーIDも指定します。

  3. dg4pwdユーティリティは、初期化パラメータ・ファイルを読み込み、暗号化する実際の値を入力するよう要求します。

コマンドの構文は、次のとおりです。

dg4pwd [sid] {userid}

前述の構文例では、[sid]はゲートウェイのSID{userid}は内容を暗号化する際に使用するオプションのユーザーIDです。ユーザーIDが指定されていない場合は、現行のユーザーIDが使用されます。値はこのIDを使用して暗号化されます。値を復号化する場合は、このユーザーとしてエージェントを実行する必要があります。次の例では、ゲートウェイのSIDをSYBASEと想定しています。

dg4pwd SYBASE
ORACLE Gateway Password Utility
Constructing password file for Gateway SID SYBASE
Enter the value for HS_FDS_CONNECT_INFO
SYBASE_password

前の例では、初期化パラメータ・ファイルinitSYBASE.oraが読み取られます。パラメータHS_FDS_CONNECT_INFOは暗号化が必要であると識別されます。値(SYBASE_passwordなど)を入力し、[Enter]を押します。暗号化が必要なパラメータがまだある場合は、ユーティリティによってそれらのパスワードが求められます。暗号化されたデータは初期化ファイルと同じディレクトリに格納されます。暗号化を必要とする初期化パラメータは、Oracle Database Gatewayを使用する前に暗号化する必要があります。

ゲートウェイ初期化パラメータ

すべてのゲートウェイに共通する汎用初期化パラメータ。

ゲートウェイ初期化パラメータは、2つのグループにわけることができます。一方はすべてのゲートウェイに共通する汎用初期化パラメータの集合で、他方は個々のゲートウェイに固有の初期化パラメータの集合です。次に、汎用初期化パラメータの中から、このマニュアルで説明する汎用初期化パラメータのみを示します。

  • HS_BULK
  • HS_CALL_NAME
  • HS_COMMIT_POINT_STRENGTH
  • HS_DB_DOMAIN
  • HS_DB_INTERNAL_NAME
  • HS_DB_NAME
  • HS_DESCRIBE_CACHE_HWM
  • HS_FDS_ARRAY_EXEC
  • HS_FDS_CONNECT_INFO
  • HS_FDS_DEFAULT_SCHEMA_NAME
  • HS_FDS_SHAREABLE_NAME
  • HS_FDS_TRACE_LEVEL
  • HS_LANGUAGE
  • HS_LONG_PIECE_TRANSFER_SIZE
  • HS_NLS_DATE_FORMAT
  • HS_NLS_DATE_LANGUAGE
  • HS_NLS_NCHAR
  • HS_NLS_NUMERIC_CHARACTERS
  • HS_NLS_TIMESTAMP_FORMAT
  • HS_NLS_TIMESTAMP_TZ_FORMAT
  • HS_OPEN_CURSORS
  • HS_ROWID_CACHE_SIZE
  • HS_RPC_FETCH_REBLOCKING
  • HS_RPC_FETCH_SIZE
  • HS_TIME_ZONE

前述のパラメータの設定時には、PRIVATEキーワードを使用しないでください。PRIVATEキーワードを使用すると、パラメータがサーバーにアップロードされず、SQL処理中にエラーが発生する可能性があります。これらのパラメータは、SETコマンドを使用して環境変数として設定しないでください。

関連項目:

ゲートウェイ固有の初期化パラメータのリストについては、各ゲートウェイのマニュアルを参照してください。