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パスワード・ファイルの作成および移入

パスワード・ファイルを作成するには、パスワード・ユーティリティを使用します。パスワード・ユーティリティは、Oracle Databaseユーティリティとともに自動的にインストールされます。

パスワード・ファイルは、ORACLE_HOME\databaseディレクトリにあり、PWDsid.oraという名前が付けられています。SIDはOracle Databaseインスタンスを示します。Oracle Databaseとのローカル接続またはリモート接続にパスワードを使用できます。

パスワード・ファイルを作成および移入するには、次のようにします。

  1. パスワード・ユーティリティを使用してパスワード・ファイルを作成します。
    C:\> orapwd FILE=PWDsid.ora ENTRIES=max_users
    
    • FILEは、パスワード・ファイル名を指定します。

    • SIDは、データベース・インスタンスを示します。

    • ENTRIESは、パスワード・ファイルのエントリの最大数を設定します。この数は、SYSDBAまたはSYSOPER DBA権限でデータベースに同時に接続できる個々のユーザーの最大数になります。

  2. 初期化パラメータ・ファイルのパラメータREMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEexclusivesharedまたはnoneに設定します。

    exclusiveは、1つのインスタンスのみがパスワード・ファイルを使用できること、およびパスワード・ファイルにSYS以外の名前が格納されることを示します。パスワード・ファイルを探すときに、Oracle Databaseはレジストリ内のパラメータORA_SID_PWFILEの値を参照します。値の指定がなければ、Oracle Databaseはレジストリ内のパラメータORA_PWFILEの値を参照します。このパラメータは、ユーザー名、パスワードおよび権限が格納されているファイルを指します。設定されていないと、Oracle Databaseはデフォルト値を使用します。

    ORACLE_HOME\DATABASE\PWDsid.ORA.
    

    デフォルト値はsharedです。これは、複数のインスタンス(Oracle RACの環境など)がパスワード・ファイルを使用できることを示します。しかし、パスワード・ファイルで認識されるユーザーはSYSのみです。その他のユーザーは、権限がパスワード・ファイルで付与されていても、SYSOPERおよびSYSDBAでログインすることはできません。このパラメータの値がsharedであると、旧バージョンのOracleリリースとの下位互換性が維持されます。値がexclusiveのときと同様に、Oracle Databaseは同じファイルを探します。

    noneは、Oracle Databaseでパスワード・ファイルが無視され、特権ユーザーはWindowsオペレーティング・システムで認証されることを指定します。

  3. SQL*Plusを起動します。
    C:\> sqlplus /NOLOG
    
  4. AS SYSDBAを使用して接続します。
    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    

    Oracle ASMインスタンスの場合、AS SYSASMに接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSASM
    
  5. Oracle Databaseを起動します。
    SQL> STARTUP
    
  6. 各ユーザーに適切な権限を付与します。たとえば、データベース管理を実行する必要のあるユーザーには、SYSDBA権限が付与されます。
    SQL> GRANT SYSDBA TO db_administrator;
    

    Oracle ASMインスタンスの場合:

    SQL> GRANT SYSASM TO SYS;
    

    権限付与が正常に実行された場合は、次のメッセージが表示されます。

    Statement Processed.
    

    これにより、パスワード・ファイルにsmithが追加され、smithSYSDBA権限でデータベースに接続できるようになります。パスワード・ファイルにユーザー名、ユーザー・パスワードおよびユーザー権限を追加または削除するには、SQL*Plusを使用します。

    注意:

    パスワード・ファイルをコピーしたり手動で移動したりすると、ORADIMで、インスタンスを起動するパスワードが検索できなくなる可能性があります。