タグ付け用のOracle ACFSコマンドライン・ツール
このトピックでは、Oracle ACFSタグ付けコマンドの概要を示します。
表16-26に、Oracle ACFSタグ付けコマンドと簡単な説明を示します。
Solarisでは、acfsutil
tag
コマンドはシンボリック・リンク・ファイルでタグ名を設定できますが、バックアップおよびリストア・ユーティリティは、シンボリック・リンク・ファイルで明示的に設定されるタグ名を保存しません。また、シンボリック・リンク・ファイルは、移動、コピー、tarの使用またはpaxの使用が行われると、明示的に設定されたタグ名が失われます。
表16-26 Oracle ACFSタグ付け用のコマンドの概要
コマンド | 説明 |
---|---|
Oracle ACFSファイル・システムのディレクトリまたはファイルのタグを表示します。 |
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Oracle ACFSファイル・システムのディレクトリまたはファイルにタグを追加します。 |
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Oracle ACFSファイル・システムのディレクトリまたはファイルからタグまたはすべてのタグ名を削除します。 |
関連項目:
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Oracle ACFSタグ付けの詳細は、「Oracle ACFSタグ付け」
-
Oracle ACFS
acfsutil
コマンドの実行の詳細は、「Oracle ACFSコマンドライン・ツールの使用について」 -
Oracle ACFSタグ付けのアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)の詳細は、「Oracle ACFSタグ付けの汎用アプリケーション・プログラミング・インタフェース」
acfsutil tag info
目的
Oracle ACFSファイル・システムのタグ付けされたディレクトリまたはファイルのタグ名を表示します。
構文および説明
acfsutil tag info -h acfsutil tag info [-r] [-c -t tagname] path [path ...] acfsutil tag info [-c -t tagname]
acfsutil
tag
info
-h
は、ヘルプ・テキストを表示して終了します。
表16-27に、acfsutil
tag
info
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-27 acfsutil tag infoコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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表示するタグ名の文字列を指定します。文字列に空白文字が含まれる場合は引用符で囲みます。 |
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1つまたは複数のファイルまたはディレクトリへのパス名を指定します。 |
|
指定したパスでの再帰的アクションを指定します。 |
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タグ名での大/小文字区別なしの部分一致を指定します。 |
acfsutil
tag
info
コマンドは、指定したディレクトリ・パス名に-r
オプションが含まれている場合に、すべての子ファイルおよびサブディレクトリに再帰的に操作を適用できます。
パス名を指定しないと、acfsutil
tag
info
コマンドはすべてのOracle ACFSマウント・ポイントでタグ付けされたファイルを検索します。
Oracle ACFSファイル・システムのタグ付けされたファイルのパスのみが表示されます。-t
tagname
オプションを指定すると、指定したtagname
と完全に一致するタグ名を含むファイルのパスのみが表示されます。-c
オプションを指定すると、tagname
は、正常に一致する大/小文字区別なしのタグ名のサブストリングを指定できます。たとえば、acfsutil
tag
info
-c
-t
AG
コマンドは、tag1
、ag
、AG
などのタグ名を含むファイルのパス名を表示します。
どのユーザーもこのコマンドを使用して、読取りアクセス権のあるディレクトリのタグ情報を表示できます。
セキュリティ・レルムで保護されたファイルまたはディレクトリで、acfsutil
tag
info
を実行すると失敗します。ユーザーがセキュリティ・レルムで保護されたディレクトリでacfsutil
tag
info
を-r
オプションとともに実行し、そのユーザーにディレクトリの参照権限がない場合、出力は表示されません。この問題を解決するには、ユーザーをセキュリティ・レルムに追加し、ユーザーにREADDIR
権限を付与する必要があります。Oracle ACFSセキュリティ・レルムへのオブジェクトの追加の詳細は、「acfsutil sec realm add」を参照してください。
例
次に、acfsutil
tag
info
コマンドの使用例を示します。
例16-24 acfsutil tag infoコマンドの使用方法
$ /sbin/acfsutil tag info -r /acfsmounts/acfs1/myrepfiles/
acfsutil tag set
目的
Oracle ACFSファイル・システムの指定したファイルまたはディレクトリに特定のタグを追加します。
構文および説明
acfsutil tag set -h acfsutil tag set [-v] [-r] tagname path [path ...]
acfsutil
tag
set
-h
は、ヘルプ・テキストを表示して終了します。
表16-28に、acfsutil
tag
set
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-28 acfsutil tag setコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
タグ名の文字列を指定します。文字列に空白文字が含まれる場合は引用符で囲みます。 タグ文字列は、a-b、A-Z、0-9、空白文字、ハイフンおよびアンダースコアを含むASCII文字で構成されます。タグ名の長さは最大32文字です。
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1つまたは複数のファイルまたはディレクトリへのパス文字列を指定します。 |
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指定したパスでの再帰的アクションを指定します。 |
|
操作の進行状況を表示します。 |
このコマンドは、指定したディレクトリ・パス名のすべての子ファイルおよびサブディレクトリに再帰的に操作を適用できます。
ファイルまたはディレクトリにタグ名を追加する場合、そのファイルまたはディレクトリの既存のタグは変更されません。ディレクトリにタグが割り当てられた後で作成された新しいファイルは、親ディレクトリからタグを暗黙的に継承します。ディレクトリ内の既存のファイルは新しいタグを継承しません。これらのファイルには明示的にタグを割り当てる必要があります。ファイルの名前変更または同じファイル・システム内でのファイルのサブディレクトリへの移動を行うと、そのファイルでは新しい親ディレクトリからタグ名が継承されません。ファイル・システム間のファイルの移動でコピー操作を使用して、新しく作成されたファイルは親ディレクトリのタグ名を継承しません。
Oracle ACFSファイル・システムまたは各ファイルおよびディレクトリのタグ名の固定した最大数はありません。ただし、タグ名の数は、各ファイルおよびディレクトリの64KBまでの特別なメタデータ・ストレージに格納できるタグ名に制限されます。このメタデータには、拡張属性を管理するための情報も含まれています。タグ名を長くすると、ファイルまたはディレクトリで設定できるタグ名の合計が減少します。たとえば、すべてのタグ名が4バイトの長さである場合、拡張属性の情報が他に存在しないと想定すると、約1730のタグ名を保持できます。
ターゲット・ファイルまたはディレクトリを変更する権限のあるユーザーはこのコマンドを実行できます。
ユーザーがセキュリティ・レルムで保護されたディレクトリでacfsutil
tag
set
を-r
オプションとともに実行し、そのディレクトリの参照権限がない場合、タグは適用されません。この問題を解決するには、ユーザーをセキュリティ・レルムに追加し、ユーザーにREADDIR
権限を付与する必要があります。Oracle ACFSセキュリティ・レルムへのオブジェクトの追加の詳細は、「acfsutil sec realm add」を参照してください。
例
次に、acfsutil
tag
set
コマンドの使用例を示します。
例16-25 acfsutil tag setコマンドの使用方法
$ /sbin/acfsutil tag set repl_grp1 -r /acfsmounts/acfs1/myrepfiles/*.dat
acfsutil tag unset
目的
指定したファイルまたはディレクトリから特定のタグ名またはすべてのタグ名を削除します。
構文および説明
acfsutil tag unset -h acfsutil tag unset [-v] [-r] {all | tagname} path [path ...]
acfsutil
tag
unset
-h
は、ヘルプ・テキストを表示して終了します。
表16-29に、acfsutil
tag
unset
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-29 acfsutil tag unsetコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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パス文字列のすべてのタグの削除を指定します。 |
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タグ名の文字列を指定します。文字列に空白文字が含まれる場合は引用符で囲みます。 |
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1つまたは複数のファイルまたはディレクトリへのパス文字列を指定します。 |
|
指定したパスでの再帰的アクションを指定します。 |
|
操作の進行状況を表示します。 |
このコマンドは、指定したディレクトリ・パス名のすべての子ファイルおよびサブディレクトリに再帰的に操作を適用できます。
ファイルまたはディレクトリからタグ名を削除する場合、そのファイルまたはディレクトリの既存のタグは変更されません。
ターゲット・ファイルまたはディレクトリを変更する権限のあるユーザーはこのコマンドを実行できます。
ユーザーがセキュリティ・レルムで保護されたディレクトリでacfsutil
tag
unset
を-r
オプションとともに実行し、そのディレクトリの参照権限がない場合、タグは削除されません。この問題を解決するには、ユーザーをセキュリティ・レルムに追加し、ユーザーにREADDIR
権限を付与する必要があります。Oracle ACFSセキュリティ・レルムへのオブジェクトの追加の詳細は、「acfsutil sec realm add」を参照してください。
例
次に、acfsutil
tag
unset
コマンドの使用例を示します。
例16-26 acfsutil tag unsetコマンドの使用方法
$ /sbin/acfsutil tag unset repl_grp1 -r /acfsmounts/acfs1/myrepfiles/*.log