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7.1 動的パフォーマンス・ビュー

Oracleには一連の基礎となるビューがあり、これらのビューは、データベース・サーバーによって管理され、データベース管理者のユーザーSYSがアクセスできます。これらのビューは、データベースがオープンされて使用されている間に継続的に更新され、内容が主にパフォーマンスに関係しているため、動的パフォーマンス・ビューと呼ばれます。

これらのビューは通常のデータベース表のように見えますが、そうではありません。これらのビューでは、内部ディスク構造およびメモリー構造のデータが表示されます。これらのビューを選択することはできますが、更新や変更はできません。

ノート:

  • 動的パフォーマンス・ビューに問い合せて、情報を抽出することができます。ただし、サポートされているのは、単純な問合せのみです。ソート、結合、GROUP BY句などが必要な場合は、情報を各V$ビューから表にコピー(たとえば、CREATE TABLE ... AS SELECT文を使用)して、その後、それらの表を問い合せてください。

  • V$ビュー内の情報は動的であるため、これらのビューのSELECT操作の読取り一貫性は保証されません。

catalog.sqlスクリプトには、動的パフォーマンス・ビューに関するビューおよびパブリック・シノニムが定義されています。これらのビューとシノニムを作成するには、catalog.sqlを実行する必要があります。インストール後、ユーザーSYSまたはSYSDBA権限が付与されているユーザーのみが動的パフォーマンス表にアクセスできます。catalog.sqlの実行の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

7.1.1 V$ビュー

実際の動的パフォーマンス・ビューは、接頭辞V_$によって識別されます。これらのビューのパブリック・シノニムには、接頭辞V$が付いています。データベース管理者および他のユーザーは、V_$オブジェクトではなく、V$オブジェクトのみにアクセスしてください。

動的パフォーマンス・ビューはOracle Enterprise Managerによって使用され、Oracle Enterprise Managerはシステム・パフォーマンスに関する情報にアクセスするための主要なインタフェースとなります。インスタンスが起動されると、メモリーから読み込まれるV$ビューがアクセス可能になります。ディスクから読み込まれるビューにアクセスするには、データベースがマウントされ、場合によってはオープンされている必要があります。

V$ビューはCONTAINER_DATAオブジェクトです。ルートに接続したユーザーがV$ビューを問い合せる場合、問合せ結果はそのビューに対するユーザーのCONTAINER_DATA属性によって異なります。ユーザーのCONTAINER_DATA属性を設定および変更するには、SQL文のALTER USERCONTAINER_DATA句を使用します。

V$ビューは、ルート・コンテナからの問合せに対し、CDB内の別のコンテナからデータを返すことができます。これらのオブジェクトでは、暗黙的にルート・コンテナ(AL32UTF8)の文字セットにデータが変換され、ユーザーに結果が返されます。一部の文字セットには文字拡張(文字を表すためにより多くのバイト数を必要とする)があるため、AL32UTF8への変換時、特定のPDBからのデータがそのビューの列幅で格納できない場合、データが切り捨てられる可能性があります。

関連項目:

7.1.2 GV$ビュー

この章で説明されているほとんどすべてのV$ビューには、対応するGV$(グローバルV$)ビューがあります。Oracle Real Application Clustersでは、GV$ビューに対して問合せを実行すると、該当するすべてのインスタンスからV$ビュー情報が取り出されます。V$情報に加えて、各GV$ビューには、NUMBERデータ型のINST_IDという追加の列が含まれています。INST_ID列にはインスタンス番号が表示され、この番号に基づいて関連するV$ビュー情報が取得されます。INST_ID列をフィルタとして使用することで、使用可能なインスタンスのサブセットからV$情報を取り出せます。たとえば、次の問合せを実行して、V$LOCKビューからインスタンス2および5の情報を取り出します。

SQL> SELECT * FROM GV$LOCK WHERE INST_ID = 2 OR INST_ID = 5;

関連項目:

ご使用のオペレーティング・システムのOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイド

GV$ビューはCONTAINER_DATAオブジェクトです。ルートに接続したユーザーがGV$ビューを問い合せる場合、問合せ結果はそのビューに対するユーザーのCONTAINER_DATA属性によって異なります。ユーザーのCONTAINER_DATA属性を設定および変更するには、SQL文のALTER USERCONTAINER_DATA句を使用します。

GV$ビューは、ルート・コンテナからの問合せに対し、CDB内の別のコンテナからデータを返すことができます。これらのオブジェクトでは、暗黙的にルート・コンテナ(AL32UTF8)の文字セットにデータが変換され、ユーザーに結果が返されます。一部の文字セットには文字拡張(文字を表すためにより多くのバイト数を必要とする)があるため、AL32UTF8への変換時、特定のPDBからのデータがそのビューの列幅で格納できない場合、データが切り捨てられる可能性があります。

関連項目: