『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』のこのリリースでの変更点

ここでは、次の内容について説明します。

Oracle Databaseリリース19cにおける変更点

このドキュメントおよび他のいくつかのドキュメントで扱うSpatial and Graphの中心的な機能について、リリース19cの主な新機能と変更点を次に示します。

  • GeoJSONに加えて、新しいJSONがサポートされます。SDO_GEOMETRY (fromファンクションとtoファンクションの両方)で表現可能なすべてのデータをサポートするために、新しいJSONサポートが導入されました。これは、リリース12.2.0.1で導入されたGeoJSONサポートに追加されるものです。
  • 空間索引を使用しない空間演算子のサポート:
    • 表に対して問合せを実行する場合は空間索引の使用をお薦めします。ただし、ジオメトリ・データが処理時に作成されるビューに対して問合せを記述する必要がある場合は、空間索引を使用せずに、データが表から取得される場合と同じ方法で問合せを記述できます。
    • データはNFSファイル、HDFSおよびオブジェクト・ストアに格納できます。
    • データはJOINビューまたは他の複合ビューから取得できます。
    • データはジオメトリのテキスト形式を使用して外部表に格納できます。
  • 分散トランザクションに対するサポート。リリース19cより前の分散トランザクションでは、Rツリー索引の更新はサポートされていませんでした。
  • データベースでのシャーディング: 空間表および索引がデータベース・シャーディングでサポートされるようになりました。
  • INSIDE/OUTSIDE/TRANSIT状態をサポートするように位置追跡サーバーが更新され、スケーラビリティが向上しています。
  • Webサービス:
    • OpenGISカタログ・サービス仕様(CSW) 2.0.2 ISOメタデータ・アプリケーション・プロファイルがサポートされます。
    • 複数のデータ・ソースのサポート: WFS/CS-W/WCSでは、同じWebLogic Serverインスタンスの複数のデータ・ソースからのデータ読取りをサポートできます。
  • マップ視覚化(Oracle Spatial and Graphマップ・ビジュアライゼーション開発者ガイドを参照):
    • タイル・レイヤーを(サーバーに事前に作成され、メタデータ・ビューに永続的に格納されるのではなく) V2 APIで動的に定義します。
    • 必要に応じて、レンダリング・スタイルを指定または変更します。
    • 通常のタイル・レイヤーと同様に、サーバーでタイル・イメージが生成されます。
    • 余計な記憶域や管理オーバーヘッドなしで、大規模で複雑な問合せがサポートされます。
    • 連結解除されたアプリケーションのオフライン・マップ・キャッシュ。
    • テーマ・データのベクター・タイル。
  • GeoRaster (Oracle Spatial and Graph GeoRaster開発者ガイドを参照):
    • ラスター代数のサポート: SDP_GEOR_RAパッケージのすべてのサブプログラムとJava APIでは一時BLOBへの結果データの格納がサポートされているため、ユーザーは、ラスター分析と地図製作モデリングを臨機応変に実行して様々なリアルタイム・アプリケーションをサポートできます。
    • GeoRasterは、スキーマ・レベルで有効にする必要があります。(以前のリリースでは、GeoRasterはデータベース全体に対して有効にされました。)この変更によって、クラウドのデータベース・セキュリティが強化されています。
  • Oracle Locatorに関する情報の削除:
    • 旧バージョンでは、Oracle Spatial and Graphのすべての機能を使用するためにはOracle Database Enterprise Editionが必要でしたが、Oracle Locatorという、それらの機能のサブセットではEnterprise Editionは必要ありませんでした。しかしながら、現在は、Enterprise EditionとStandard Edition 2の両方でOracle Spatial and Graphのすべての機能を使用できるようになっています。

      そのため、Oracle Locatorについての内容(それとOracle Spatial and Graphとの相違点など)は、このドキュメントのこのバージョンからは削除されました。