Oracle Databaseのアップグレード後の推奨作業およびベスト・プラクティス
Oracle Databaseを更新する場合、これらの適切なプラクティス・ガイドラインを完了することをお薦めします。特に明記されている場合を除き、これらの方法はすべてのタイプのアップグレードにお薦めします。
- Databaseのバックアップ
少なくともレベル1のバックアップを実行するか、時間が許せばレベル0のバックアップを実行することをお薦めします。 - Oracle Databaseのアップグレード後のDBMS_STATSパッケージで作成された統計表のアップグレード
DBMS_STATS.CREATE_STAT_TABLE
プロシージャを使用して統計表を作成した場合、DBMS_STATS.UPGRADE_STAT_TABLE
を実行してそれらの表をアップグレードします。 - DBMS_STATSを使用した固定オブジェクトの統計の再収集
アップグレードの後に、または他のデータベース構成の変更後に、Oracle Databaseに対して代表的なワークロードを実行してから固定オブジェクトの統計を再収集することをお薦めします。 - DBMS_SCHEDULERジョブの削除および再作成
以前のリリースからのアップグレード後にDBMS_SCHEDULERジョブが機能しなくなった場合は、ジョブを削除して再作成します。 - アップグレード後の統合監査レコードの転送
アップグレードし、統合監査に移行した後で高いパフォーマンスを得る方法を理解するためには、これらのトピックを確認します - アップグレードされたデータベースでの無効なリリース更新バグ修正の有効化
実行計画の変更の原因となる可能性があるリリース更新のバグ修正は無効になっているため、使用する無効なバグ修正を有効にすることをお薦めします。 - パスワードのリセットによる大/小文字区別の強制
アップグレードしたデータベースで、デフォルト・ユーザー・アカウントおよびユーザー・アカウントの大/小文字区別のあるパスワードを使用してセキュリティを強化します。 - Oracle XML DBに対するFTPとHTTPのポートおよびHTTP認証の構成
Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)では、Oracle Database 12c以降のリリースのOracle XML DBのポートは構成されません。アップグレードではダイジェスト認証が使用されます。 - 新機能の適宜追加
データベース・アップグレード計画の一環として新機能を確認します。 - 必要な新しい管理手順の作成
スクリプトおよびプロシージャの再確認を計画し、必要に応じて変更します。 - アップグレードしたOracle Databaseの統合監査の使用への移行
従来の監査は非推奨です。統合監査の全機能を使用するには、手動で統合監査に移行する必要があります。 - ロールバック・セグメントから自動UNDOモードへの移行
データベース・リリースがOracle Database 11gより前の場合は、ロールバック・セグメント(手動UNDO管理)を使用してアップグレードしているデータベースを自動UNDO管理に移行する必要があります。 - LONGデータ型からLOBデータ型への表の移行
ALTER TABLE
文を使用して、LONG
データ型の列をCLOB
に、LONG RAW
データ型の列をBLOB
に変更できます。 - 再構築対象のOracle Text索引の識別
新しいOracle Databaseリリースへのアップグレード後にトークン表の再構築が推奨されるOracle Text索引の識別に役立つスクリプトを実行できます。 - アップグレードした本番Oracle Databaseのテストについて
アプリケーションが期待どおり動作することを確認するため、テスト・データベースに実行したテストを本番データベースに対して繰り返します。 - Oracle Databaseのアップグレード後のタイムゾーン・ファイルのバージョンのアップグレード
データベースのアップグレードを完了した後にAutoUpgradeアップグレード前レポートによってタイムゾーン・ファイルのアップグレードを指示され、このタスクを完了するようにAutoUpgradeを設定しない場合は、DBMS_DST
PL/SQLパッケージを使用してタイムゾーン・ファイルをアップグレードします。
親トピック: Oracle Databaseのアップグレード後の作業
DBMS_SCHEDULERジョブの削除および再作成
以前のリリースからのアップグレード後にDBMS_SCHEDULERジョブが機能しなくなった場合は、ジョブを削除して再作成します。
アップグレード後にDBMS_SCHEDULERジョブが機能しないことに気づいたら、それらのジョブを削除して再作成してください。この問題は、アップグレード処理からの問題報告がなく、システム・オブジェクトが有効な場合でも発生する可能性があります。
アップグレードされたデータベースでの無効なリリース更新バグ修正の有効化
実行計画の変更の原因となる可能性があるリリース更新のバグ修正は無効になっているため、使用する無効なバグ修正を有効にすることをお薦めします。
データベースをアップグレードした後、リリース更新に含まれる実行計画の変更の原因となるバグ修正パッチがデフォルトで無効になっている状態でインストールされます。これらのバグ修正は、修正を有効にするまで有効になりません。これらの修正は、PFILE
コマンドまたはALTER SYSTEM
コマンドで手動で有効にすることも、DBMS_OPTIM_BUNDLE
パッケージを使用することもできます。AutoUpgrade 19.12以降、DBMS_OPTIM_BUNDLE
パッケージには58個の標準修正が含まれています。これで、DBMS_OPTIM_BUNDLE
を使用して修正を追加できるようになりました。修正を追加すると、追加した修正はデフォルトの修正に加えて実行されます。
本番システムで使用するこれらの無効になっているパッチを有効にし、アップグレード・テスト計画の一部としてこれらのパッチを使用して完全なワークロード・パフォーマンス・テストを実行することをお薦めします。
DBMS_OPTIM_BUNDLE
を使用して、実行計画を変更する可能性があるために無効にされたパッチを有効にする方法の詳細は、Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス、およびMy Oracle Supportノート2147007.1を参照してください。