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3 Oracle Databaseのアップグレード

AutoUpgradeユーティリティは、以前のリリースのOracle DatabaseをOracle Database 19cにアップグレードおよび変換するタスクを簡略化します。

同じシステムでの非CDBアップグレードのためのAutoUpgrade構成ファイル

この例を使用して、非CDBのOracle Databaseをアップグレードする方法を確認します

このシナリオでは、以前のリリースの非CDBデータベースを非CDBのOracle Database 19cリリースにアップグレードします。

次の構成ファイルでは、非CDBデータベースempがソース・データベースとして識別されています。ソース・データベースがアップグレードされ、アップグレードされたOracle Databaseは新しいOracleホーム/u01/app/oracle/product/19.1.0/dbhome_1に配置されます。

global.autoupg_log_dir=/u01/app/oracle/cfgtoollogs/autoupgrade
upg1.log_dir=/u01/app/oracle/cfgtoollogs/autoupgrade/employee
upg1.sid=emp
upg1.source_home=/u01/app/oracle/product/12.2.0/dbhome_1
upg1.target_home=/u01/app/oracle/product/19.1.0/dbhome_1

この例では、次のローカル・パラメータが指定されています。

  • upg1.log_dir (オプション)は、このデータベースのアップグレード・ディレクトリがグローバルAutoUpgradeログ・ディレクトリ・パスの下のemployeeフォルダに配置されることを指定します。
  • upg1.sid (必須)は、アップグレードするデータベースのOracleシステム識別子(SID)がempであることを示します。
  • upg1.source_home (必須)は、ソースのOracleホーム・パスを指定します。
  • upg1.target_home (必須)は、ターゲットのOracleホーム・パスを指定します。

この構成ファイルを使用してAutoUpgradeを実行すると、アップグレード・ジョブがただちに開始されます。Oracle Database Enterprise Editionでは、デフォルトで保証付きリストア・ポイントが自動的に作成されます。この機能によってアップグレードが保護され、エラーが発生した場合に以前のリリースにフォールバックできます。

この構成ファイルでは、最小限のユースケースの例が提供されます。追加のパラメータを追加して、必要に応じてアップグレードを変更できます。たとえば、アップグレードを実行する将来の開始時刻を指定する場合は、ローカル・パラメータのstart_timeを使用できます。さらに、デフォルトの動作を変更できます。たとえば、デフォルトでは、タイムゾーン設定はデータベースのアップグレードの一部としてアップグレードされます。アップグレードの一部としてタイムゾーン・ファイルをアップグレードすることをお薦めします。ただし、このアップグレードを後のメンテナンス・ウィンドウに延期する場合は、ローカル・パラメータのtimezone_upgを追加できます。

同じサーバー上にソースおよびターゲットのデータベース・ホームがあるAutoUpgrade(通常)

Oracle DatabaseのソースおよびターゲットのOracleホームが同じ物理サーバーにインストールされている場合、この例を使用します。

コンテキスト: ソース・ホームとターゲット・ホームが同じサーバー上にあります。

分析を開始するには、次のコマンドを入力します。

java -jar autoupgrade.jar -config config.txt -mode analyze

このコマンドは、レポートを生成し、コマンドが検出したエラー状態を示します。エラー状態を確認してください。

アップグレードのデプロイメントを開始するには、次のコマンドを入力します。

java -jar autoupgrade.jar -config config.txt -mode deploy