AutoUpgradeパッチ適用

AutoUpgradeには、パッチのダウンロード(オプション)を含め、データベース・パッチ適用プロセスに必要なすべてのステップを自動化できる拡張機能があります。

AutoUpgradeによるAutoUpgradeパッチ適用の実行方法

AutoUpgradeパッチ適用により、AutoUpgradeアップグレード・プロセスがパッチ適用まで拡張され、1つのコマンドを使用して複数のデータベースに対してアウトオブプレース・パッチ適用を実行できるようになります。

ノート:

Oracle Real Application Clusters環境にOracle Fleet Patching and Provisioningを使用することをお薦めします。

AutoUpgradeの最新リリースでは、AutoUpgradeパッチ適用プロシージャは、アウトオブプレース・パッチ適用を使用して、リリース更新(RU)、月次推奨パッチ(MRP)および個別パッチに対して実行できます。AutoUpgradeを使用して以前のRUまたはMRPからパッチを適用すると、AutoUpgradeの簡潔性、信頼性およびリカバリ性がパッチ適用プロセスにまで拡張されます。その結果、パッチ適用は実行しやすくなり、パッチのデプロイ中に発生する可能性のある問題からのリカバリも簡単になります。

パッチ適用を実行するためにAutoUpgradeの構成ファイルに設定する必要のある追加のパラメータまたはオプションはありません。ソースおよびターゲットのOracleホームを指定するだけで、AutoUpgradeはデータベースに変更を適用します。ソースとターゲットのOracleホームが同じOracle Databaseリリースである場合(19.11から19.13など)、AutoUpgradeは操作をRUまたはMRPパッチ操作として識別します。この機能は個別パッチにも適用されます。ターゲットOracleホームに適用されたRUまたはMRPがソースOracleホームのRUまたはMRPより新しい場合は、この方法を使用して、必要に応じてターゲットOracleホームに個別パッチを適用できます。

パッチ操作を実行するときに、AutoUpgradeはDatapatchを使用してデータベースにRUまたはMRPを適用します。パッチ適用のプロセスでは、完全なリリース・アップグレードと同様に、保証付きリストア・ポイントの作成など、既存のAutoUpgradeオプションおよび操作を利用します。パッチ適用プロセス中、データベースはソースOracleホームで停止され、ターゲットOracleホームで再起動されます。RUまたはMRPの更新は、Datapatchを使用してアップグレード・モードで実行されます。

ノート:

AutoUpgradeでは、Oracle Databaseリリースのローリング・アップグレードは実行されません。Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)環境のローリング・パッチ・メンテナンスを取得できるように、Oracle Fleet Patching and Provisioningを使用することをお薦めします。

AutoUpgradeパッチ適用の利点

  • AutoUpgradeを使用すると、構成ファイルに指定されたすべてのデータベースのパッチ適用が1回の操作でできるようになります。
  • 再開機能は、AutoUpgradeにすでに組み込まれています。
  • リストア機能は、旧リリースのOracleホームにロールバックできるように提供されています。
    • パッチ適用プロセス中に生成された保証付きリストア・ポイント(GRP)を使用してリストアします。
    • GRPが存在しない場合は、Datapatchのロールバック機能でもリストアを実行できます。AutoUpgradeは、GRPが存在しないことを検出すると、自動的にDatapatchを使用してリストアを実行します。Datapatchのロールバック・リストアを有効にするには、リストア構成オプションをnoに設定します。例: sales1.restoration=no
  • Oracle RAC管理は、AutoUpgradeで自動的に提供されます。
  • AutoUpgradeのエラー管理レポート機能は、パッチ適用にまで拡張されています。
  • AutoUpgradeのJSONステータスおよび進捗レポートは、パッチ適用にまで拡張されています。
  • AutoUpgradeは、Datapatch JSONステータス・ファイルを使用して各プロセスの成否を判断し、プロセスの完了時にその結果をレポートします。

AutoUpgradeパッチ適用でサポートされている機能

AutoUpgradeパッチ適用には、次の機能が用意されています。

  • Transparent Data Encryption (TDE)により暗号化されたデータベースのパッチ適用。
  • ホット・クローニング/再配置。非CDBから、またはリモート・ホスト上のPDBからPDBを作成できるようになります。
  • 事前修正。PDBにパッチが適用されるとすぐにPDBに対して事後修正を実行します。現在、Microsofts Windows上ではプロアクティブな修正はサポートされていません。
  • Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)を使用したマルチノード・パッチ適用およびアップグレード。AutoUpgradeは複数のノード間でワークロードを分散できるようになります。
  • ソースのOracleホーム構成ファイル(tnsnames.orasqlnet.oraおよびその他のファイル)をターゲットのOracleホームにコピーまたはマージすることによる構成管理。
  • パッチの準備が整っていることを確認するための、パッチ適用プロシージャを開始する前のデータベースの分析。
  • 停止時間を短縮するための、パッチ適用前の本番での修正の実行。その後、-mode upgradeを使用して修正の実行をバイパスし、データベースへのパッチ適用に直接進むことができます。
  • エンドツーエンドのパッチ適用を実現するための、すべてのパッチ適用タスクのデプロイ・モードでの実行。
  • パッチ適用プロセスの拡張レポート。これにより、datapatch_summary.logレポートを使用してエラーをより簡単に診断できるようになります。
  • DatapatchサマリーJSONファイルに含まれるDatapatchログ・ファイルは、次のような適用またはロールバックの操作ログの出力ファイルにコピーされます。
    • 適用ログの形式(dbnameはデータベースの名前): applydatapatchlogfiles#dbname.log
    • ロールバック・ログの形式(dbnameはデータベースの名前): rollbackdatapatchlogfiles#dbname.log
  • Datapatch出力は、次の操作ログに記録されます。
    • 適用ログの形式(dbnameはデータベースの名前): applyautoupgrade#dbname.log
    • ロールバック・ログの形式(dbnameはデータベースの名前): rollbackautoupgrade#dbname.log
  • Datapatch JSON出力は、次の操作ログに記録されます。
    • 適用ログの形式(dbnameはデータベースの名前): applydatapatchsummary#dbname.log
    • ロールバック・ログの形式(dbnameはデータベースの名前): rollbackdatapatchsummary#dbname.log
  • AutoUpgradeによって生成されたすべての関連パッチ適用ログ・ファイルのストレージは、dbupgradeディレクトリに格納されます。
  • 標準データパッチ・ログ・ファイルは、Oracle-base/cfgtoollogs/sqlpatchに格納されます。
  • AutoUpgrade 23.1以降、パッチ適用はMicrosoft Windowsの単一インスタンス・データベースでサポートされています。Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースではサポートされていません。

AutoUpgradeパッチ適用を使用するための要件および制限事項

  • AutoUpgradeパッチ適用を使用するには停止時間が必要です。
    • パッチ操作が完了すると、データベースは再起動されます。
    • 通常モードでのパッチ適用では、パッチ適用の進行中にターゲット・ホームでデータベースを使用できるようになります。
    • アップグレード・モードでのパッチ適用では、ターゲット・ホームでデータベースを再起動する前に、パッチ適用を完了する必要があります。
    • パッチ操作中、CDBおよびPDBはドレイン操作の完了後に通常モードでオープンされ、パッチ適用が続行されます。ただし、現時点ではOracle Real Application Clustersのローリング・パッチ適用はサポートされていません。
    • パッチが正常に適用されたらすぐにPDBを使用できるようにするには、必ず構成ファイルでtune_settingsのオプションmake_pdbs_avaliabletrueに設定します。例: sales3.tune_setting=proactive_fixups=true,make_pdbs_available=true
    • 停止時間が必要なため、現時点ではOracle RACのローリング・アップグレードはサポートされていません。
  • AutoUpgradeは、追加のパッチが適用されたターゲットRUまたはMRPをサポートできます。ただし、ソースOracle DatabaseのRUまたはMRPは、ターゲットのOracle DatabaseのRUまたはMRPよりも古い必要があります。
  • AutoUpgradeは、リスナーを新しいOracleホームに移動しません。必要に応じて、AutoUpgradeの起動前にリスナーを新しいOracleホームに手動で移動する必要があります。
  • AutoUpgradeパッチ適用を使用してRUおよびMRPをターゲット・ホームに対して実行する前に、ターゲットOracle Databaseホームのインストールおよび構成が完了している必要があります。データベースに適用された後にターゲットRUにパッチが適用された場合、AutoUpgradeパッチ適用を使用できなくなります。かわりに、Datapatchを使用して更新を適用する必要があります。
  • Oracle Database (単一インスタンスまたはOracle RAC)のローリング・パッチの実行はサポートされていません。単一インスタンスまたはOracle RAC Oracle DatabaseでAutoUpgradeパッチ適用を使用すると、AutoUpgradeのOracle RAC管理によって、すべてのノードでデータベースが停止されます。
  • ターゲットOracle Database RUは、少なくともOracle Database 19c, RU 19.3以降のリリースである必要があります。AutoUpgradeパッチ適用を使用して、Oracle Databaseの旧リリースに対してRUまたはMRPを実行することはできません。
  • Oracle Data Guardフィジカル・スタンバイまたはOracle Data Guardロジカル・スタンバイおよびローリング・アップグレードを使用したデータベースに対するAutoUpgradeパッチ適用の影響は、Datapatchを使用した場合と同じです。AutoUpgradeパッチ適用をプロシージャに含めることができます。

    ノート:

    Oracleでは、Oracle Data Guardとともにデプロイされたデータベースに対してOracle Fleet Patching and Provisioningを使用することをお薦めしています。
  • AutoUpgradeでは、データベースを別のハードウェアに物理的に移動することをサポートします。データベースを別のターゲット・システムに移動する場合、AutoUpgradeパッチ適用を-mode upgradeオプションとともに使用できます。ただし、データベースが別のシステムに移動されると、AutoUpgradeはデータベースのリストアを実行できません。その場合、パッチ適用のアップグレード・オプションは、データベースのアップグレードに適用されるのと同じルールに従います。
  • AutoUpgradeについて説明する場合、このドキュメントでは通常、アップグレードを実行しているAutoUpgradeを指します。AutoUpgradeがパッチ適用を実行する場合、機能的にはパッチ適用はアップグレードと似ています。したがって、このガイドまたは図でのアップグレードについての言及は、AutoUpgradeパッチ適用によるアップグレードとパッチ適用の両方に適用されます。
  • AutoUpgradeパッチ適用によるパッチ適用の実行では、アップグレードでのみサポートされているpreupgradeモードを除くすべてのAutoUpgrade -modeオプションがサポートされています。
  • 再配置可能なPDBへのパッチ適用またはアップグレードの場合、構成ファイルにはパッチ・クローンPDBとアップグレード済クローンPDBを混在させることはできません。クローンPDBの構成は、すべてアップグレード・クローンまたはすべてパッチ適用済クローンのいずれかである必要があります。
  • AutoUpgradeパッチ適用では、catctl_options設定の-n number (numberはパラレル操作に使用するプロセスの数)が1つのみサポートされます。catctl_options=-n設定を使用すると、パッチ適用プロセス中に同時に実行するPDBの合計数を制御できます。デフォルトは、CPU_COUNTを2で割った値です。たとえば、CPU_COUNTが24に設定されている場合、デフォルトでは、パッチ適用プロセス中に12個のPDB (Datapatchインスタンス)を同時に実行できます。

    デフォルトを上書きするには、prefix.catctl_optionsを構成ファイルに追加し、実行する同時Datapatchインスタンスの数の値を指定します。たとえば、デフォルトをオーバーライドして、接頭辞salesを付けて指定されたパッチ操作に対して6個のPDB (Datapatchインスタンス)を実行するようにAutoUpgradeを構成するには、次の行を構成ファイルに追加します。

    sales.catctl_options=-n 6 

    注意:

    19.13以前のリリース更新(RU)の場合、パッチ適用操作にcatctl_optionsパラメータを設定することをお薦めします。

    19.13以前のRUでは、各Datapatchインスタンスに割り当てられるSQL*Plusプロセッサのデフォルト値は、AutoUpgradeが起動するDatapatchインスタンスごとにCPU_COUNTに2を掛けた数(CPU_COUNT*2)のプロセッサです。このデフォルトのSQL*Plusプロセッサ割当てにより、すぐにシステムが過負荷状態になる可能性があります。パッチ操作に割り当てられるシステム・リソースを制限するには、同時に実行されるDatapatchインスタンスの数を制限することが唯一の選択肢です。RU 19.13以降では、Datapatchのインスタンスごとに1つのSQL*Plusプロセスのみが起動されます。この変更により、AutoUpgradeは大量のシステム・リソースを消費することなく、より多くのPDBをパラレルで実行できます。

AutoUpgradeパッチ適用のセキュリティ特性

  • AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーには、データベースにログインしてパッチ適用操作を実行するためにSYSDBAシステム権限が必要です。Oracle Real Application Clustersデータベースの場合、ユーザーはソースおよびターゲットOracle DatabaseのOracleホームの所有者である必要があります。
  • アップグレードに適用されるのと同じセキュリティ・ルールが、AutoUpgradeパッチ適用でも適用されます。

AutoUpgradeパッチ適用のパフォーマンス特性

  • RUまたはMRPのデプロイ速度は、CDB内のPDBの数およびリリース更新またはリリース更新リビジョンの変更内容によって左右されます。ソースRUまたはMRPパッチからの変更数が比較的少ない場合は、パッチのデプロイメントは速くなります。パッチに多数の変更がある場合は、パッチの適用にさらに時間が必要となります。
  • AutoUpgradeパッチ適用には多数の追加の自動化プロシージャが組み込まれているため、リリース更新のデプロイメントは、手動でDatapatchを実行する場合よりもわずかに遅くなります。たとえば、AutoUpgradeパッチ適用には、無効なオブジェクトの再コンパイルおよびターゲット・システムでのOracle RAC管理の構成が自動的に組み込まれています。

AutoUpgradeパッチ適用でリリース更新がロールバックされた場合の処理

  • AutoUpgradeは、パッチ適用プロセス中に生成された保証付きリストア・ポイント(GRP)を使用して、旧リリースのOracleホームにロールバックします。
  • GRPが作成されていない場合、AutoUpgradeは自動的にDatapatchをコールして変更をロールバックします。

AutoUpgradeパッチ適用ステージおよびワークフロー

AutoUpgradeパッチ適用では、3つのジョブ・モードがサポートされます。各モードは、異なるステージのセットを実行します。

AutoUpgradeパッチ適用では、4つの異なるジョブ・モードがサポートされています。各モードは、異なるステージのセットを実行します。AutoUpgradeパッチ適用操作では、4つのジョブ・モードがあります。それらのモードで実行されるAutoUpgradeステージは次のとおりです:

  • Analyze: このモードでは、PRECHECKSステージが実行されます。
  • Fixups: このモードでは、PRECHECKSおよびPREFIXUPSステージが実行されます。
  • Deploy: このモードでは、GRP、PREACTIONS、PRECHECKS、PREFIXUPS、EXTRACT、DBTOOLS、INSTALL、ROOH (オプション)、OH_PATCHING、OPTIONS、ROOTSH (オプション)、DB_PATCHING、POSTCHECKS、POSTFIXUPS、UPGRMAN (オプション)、POSTACTIONSおよびDROPGRPの各ステージが実行されます。
  • create_home: このモードでは、EXTRACT、DBTOOLS、INSTALL、ROOH (オプション)、OH_PATCHING、OPTIONS、ROOTSH (オプション)の各ステージが実行されます。

AutoUpgradeパッチ適用中に実行されるステージは他のAutoUpgrade操作で実行されるステージと一致しますが、パッチ適用のコンテキストでの説明を下記に示します。

AutoUpgradeパッチ適用ステージ中に実行されるプロセス

ノート:

実際のステップ・ラベルは、パッチ適用の選択内容およびAutoUpgradeのバージョンによって異なる場合があります。

  • GRP AutoUpgrade構成ファイルでrestoration=YESが設定されている場合、パッチを適用する前にデータベースに保証付きリストア・ポイント(GRP)を作成します。
  • PREACTIONS AutoUpgrade構成ファイルのbefore_actionパラメータで定義されたアクションを実行します。
  • PRECHECKS パッチ適用事前チェックを実行します。
  • PREFIXUPS 自動修正がある失敗した事前チェックに対して、修正を実行します。
  • EXTRACT 新しいターゲットOracleホームの作成に使用されるベース・イメージを抽出します。
  • DBTOOLS 必要に応じて、新しいバージョンのOPatchをターゲットOracleホームにインストールします。
  • INSTALL runInstallerをサイレント・モードで実行して、新しいターゲットOracleホームをインストールします。
  • ROOH (オプション)読取り専用Oracleホームをインストールします。
  • OH_PATCHING 必要な各パッチをOracleホームにインストールします。
  • OPTIONS ソースORACLE_HOMEのバイナリ・オプションを、新しく作成されたターゲットORACLE_HOMEと同期します。サポートされるオプションは次のとおりです:
    • ASM (Oracle Automatic Storage Management)
    • OLAP (オンライン分析処理)
    • PART (パーティション化)
    • RAT (Oracle Real Application Testing)
    • UNIAUD (統合監査)
  • ROOTSH (オプション) sudoを使用して、ターゲットORACLE_HOMEからorainstRoot.shスクリプトを実行し、必要に応じてroot.shスクリプトも実行します。sudoにパスワードが必要な場合、このスクリプトの実行は失敗し、パッチ適用の完了後にこれらのスクリプトを実行するようリマインダがユーザーに通知されます。
  • DB_PATCHING -patchオプションを指定せずにAutoUpgradeの2番目のコピーを実行して、データベースをソースOracleホームからターゲットOracleホームに移動します。
  • POSTCHECKS パッチ適用後チェックを実行します。
  • POSTFIXUPS 自動修正がある失敗した事後チェックに対して、修正を実行します
  • UPGRMAN (オプション): 手動アップグレードを実行します。
  • POSTACTIONS AutoUpgrade構成ファイルのafter_actionパラメータで定義されたアクションを実行します。
  • DROPGRP保証付きリストア・ポイント(GRP)がAutoUpgradeパッチ適用によって作成された場合、およびAutoUpgrade構成ファイルでdrop_grp_after_patching=YESが設定されている場合は、そのリストア・ポイント(GRP)を削除します。

AutoUpgradeパッチ適用のステータスおよび進行状況ファイル

ステータスおよび進行状況ファイルは、AutoUpgrade構成ファイルで構成パラメータglobal.global_log_dirを使用して指定したディレクトリ内にあります。これらのファイルの場所は次のように配置されます。global-logは、global.global_log_dirで指定されたディレクトリ・パスです。

global_log/cfgtoollogs/patch/auto/status/

-patchパラメータを使用したAutoUpgrade

ノート:

Oracle Real Application ClustersおよびOracle Data Guardによるデプロイメントには、Oracle Fleet Patching and Provisioning (FPP)を使用することをお薦めします。

-patchパラメータを使用したAutoUpgradeパッチ適用では、アウトオブプレース・パッチ・メンテナンスが実行されます。これは、オラクル社がお薦めするパッチ適用方法です。アウトオブプレース・パッチ適用では、AutoUpgradeはデータベースの初期リリースのベース・イメージを使用して新しいターゲットOracleホームを作成します。指定されたパッチをインストールし、ソース・データベースを新しいターゲットOracleホームに移動します。また、AutoUpgradeはFPPやDBCAを使用できないデータベース・リリースのパッチ・メンテナンスにも使用できます。

AutoUpgradeパッチ適用を使用するには、システムが次の要件に一致している必要があります。

  • 単一インスタンスのOracle Database
  • Oracleリリース19c (19.3)以降のリリース

PDB優先度とAutoUpgrade

AutoUpgradeのパッチ適用とアップグレードの両方において、AutoUpgradeでは、特定のPDBに優先度を設定することで、PDBの優先度がどのように付けられるかが考慮されます。

各PDBに設定された優先度は、最初にパッチ適用またはアップグレードするPDBを決定するために使用されます。パッチ適用とアップグレードの両方において、制御構造CDB$ROOTおよびテンプレート構造PDB$SEEDは常に最初に更新されます。他のPDBはすべて、CDB$ROOTの更新後に更新されます。PDB$SEEDは、常に最初のバッチで処理されます。PDBに優先度が設定されている場合、PDBは優先度順に更新されます。たとえば、優先度3のPDBは、優先度4のPDBより前に処理されます。優先度がないPDBは最後に処理されます。

このAutoUpgradeの機能は、Oracle Database 12cリリース2以降のリリースでサポートされています。

AutoUpradeパッチ適用の構成パラメータおよびコマンドライン・オプション

他の構成ファイル・パラメータおよびコマンドライン・オプションに加えて、AutoUpgradeパッチ適用のための特定のパラメータおよびオプションがあります。

AutoUpgradeパッチ適用プロセス・オプションを指定するには、パッチ適用専用の構成パラメータを使用します。

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用では、folder構成パラメータで指定されたディレクトリ内にOracle Database 19.3ベース・イメージが含まれている必要があります。ベース・イメージはAutoUpgradeパッチ適用によって自動的にダウンロードされませんが、このリンクから手動でダウンロードできます:

https://www.oracle.com/database/technologies/oracle19c-linux-downloads.html

Oracle Database 19.3ベース・イメージのダウンロードは1回かぎりの操作です。AutoUpgradeパッチ適用によって実行されるすべてのアウトオブプレース・パッチ適用オプションで、同じベース・イメージを再利用できます。

表3-1 AutoUpgradeパッチ適用の構成ファイルのパラメータ

パラメータ 説明

folder

パッチのzipファイルと必要なベース・イメージを含むディレクトリを指定します。デフォルト値はありません。ディレクトリ・パスを指定する必要があります。

download=YESの場合、これはパッチがダウンロードされるディレクトリです

download=NOの場合、手動でダウンロードしたパッチがこのディレクトリに含まれている必要があります。

folderパラメータで指定するディレクトリには、ソース・データベースのリリース(Oracle Databaseリリース19.3など)のベース・イメージが含まれている必要があります。

patch

インストールするパッチのカンマ区切りリスト。

ノート: method=outofplaceが設定されている場合、パッチ・リストにはRUOPATCHが含まれている必要があります

デフォルト値はRECOMMENDEDです。

サポートされている値:

RECOMMENDED: RUOPATCHOJVMDPBPオプションすべての別名。

RU: 最新のリリース更新

RU:x.y: 指定したリリース・バージョンのリリース更新(RU)。xはメジャー・リリース番号、yはRUです。例: RU:19:24

OPATCH: 最新バージョンのOPatchを使用します

OJVM: 指定したRUに適用されるOracle Java VMパッチを適用します。

OJVM:x.y: 指定されたリリース・バージョンのOracle Java VMパッチを適用します(ここでのxはメジャー・リリース番号、yはRU)。例: RU:19.24

DPBP: 指定したRUにOracle Data Pumpパッチを適用します

patch-number: 特定の個別パッチ番号を指定します。例: upg1.patch=p12345678

download

My Oracle Supportからパッチを自動的にダウンロードするかどうかを指定します。デフォルトは「はい」です。

YESに設定した場合、-load_passwordコマンドライン・オプションを使用して、My Oracle Support (MOS)資格証明をAutoUpgradeパッチ適用にロードする必要があります。

ダウンロードされるパッチは、folderパラメータで指定したディレクトリ・フォルダに配置されます。

My Oracle Supportへの接続にプロキシ情報が必要な場合は、Linuxオペレーティング・システムの環境変数https_proxyhttp_proxyおよびno_proxyを使用してプロキシ値を設定します。プロキシ定義のサポートされている形式は次のとおりです。user_infoはユーザー・アカウント、siteはURL、portはプロキシ・リスナーの指定ポートです:

[https|http|socks5|socks]://(user_info@)site:port

プロキシ定義にuser_info を追加することはオプションであり、プロキシの資格証明の形式はusername:passwordです。

method

新しいターゲットOracleホームを作成するかどうかを指定し、作成する場合はその方法を指定します。デフォルト値はOUTOFPLACEです。

OUTOFPLACE: folderパラメータで指定されたディレクトリ内にあるベース・イメージを使用して、新しいターゲットOracleホームを作成します。

AutoUpgradeパッチ適用の場合、次のコマンドライン・オプションを指定する必要があります:

表3-2 AutoUpgradeパッチ適用コマンドライン・オプション

コマンドライン・オプション 説明

target_home

新しいターゲットOracleホームの作成に使用されるディレクトリを指定します。

このディレクトリはAutoUpgradeパッチ適用によって作成されるため、存在しないか空である必要があります。ファイルシステムの指定した場所に、新しいOracleホームを作成するのに十分な空きディスク領域があることを確認します。

sid

ソース・データベースのORACLE_SID値を指定します。

-config_valuesを指定していて、ORACLE_SID Linux環境変数が定義されている場合、このパラメータはオプションになります。

source_home

ソース・データベースのOracleホームの値を指定します。

-config_valuesを指定していて、ORACLE_HOME Linux環境変数が定義されている場合、このパラメータはオプションになります。

keystore

キーストア・ファイルを格納するセキュア・ディレクトリ(キーストア)を指定します。

DOWNLOAD=NOを指定した場合、このパラメータはオプションになります。

AutoUpgradeパッチ適用の構成ファイルおよびログ・ファイル

AutoUpgradeパッチ適用の構成ファイルおよびログ・ファイルの例を見てみましょう。

AutoUpgradeパッチ適用の構成ファイルは、アップグレード用のAutoUpgrade構成ファイルと基本的に同じです。ただし、指定されたパラメータを使用してアップグレードを実行するかわりに、AutoUpgradeはソースOracle Databaseパッチ・リリースからターゲットOracle Databaseパッチ・リリースにパッチ操作を実行し、プロシージャの一部としてDatapatchを実行します。

例3-10 様々なパッチ適用シナリオのためのAutoUpgrade構成ファイル

次の構成ファイルの例では、次のOracle Databasesに、リリース更新(RU) 11から19c RU 13にパッチが適用されたOracle Database 19cからパッチが適用されます。

  • 19.11.0から19.13.0にパッチが適用され、接頭辞patch1が指定された非CDBデータベース
  • 19.11から19.13にパッチが適用され、接頭辞patch2が指定されたOracle Database 19c CDB
  • 切断/接続によってパッチが適用され、接頭辞patch3が指定された暗号化されたPDB
  • パッチが適用されてCDBに変換され、接頭辞patch4が指定された非CDB
  • パッチ適用操作中に再配置されるPDBが含まれる、接頭辞patch5が指定されたCDB
  • 接頭辞patch6が指定されたOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベース
  • 接頭辞patch7が指定された、分散クラスタ構成内のOracle RACデータベース
#
# Global log directory for patch logs
#
global.autoupg_log_dir=/databases/patchlogs
#
# Non-CDB patch to Non-CDB patch, source and target home
#
patch1.sid=db19
patch1.source_home=/databases/ee/product/1911/dbhome_1
patch1.target_home=/databases/ee/product/1913/dbhome_2
#
#
# CDB patch, Source and Target home
#
patch2.sid=cdb19
patch2.source_home=/databases/ee/product/1911/dbhome_1
patch2.target_home=/databases/ee/product/1913/dbhome_2
#
# Unplug-Plug with KeyStore
#
global.keystore=/databases/tde
patch3.sid=cdb19
patch3.source_home=/databases/ee/product/1911/dbhome_1
patch3.target_home=/databases/ee/product/1913/dbhome_2
patch3.target_cdb=cdb1913
patch3.target_pdb_name=sales
patch3.target_pdb_copy_option=file_name_convert=('/databases/ee/oradata/CDB19/sales', '/databases/ee/oradata/CDB1913/sales')
#
# Non-CDB to CDB, Source and Target home
#
patch4.sid=db19
patch4.source_home=/databases/ee/product/1911/dbhome_1
patch4.target_home=/databases/ee/product/1913/dbhome_2
patch4.target_cdb=cdb1913
patch4.target_pdb_name=emp
patch4.target_pdb_copy_option=file_name_convert=('/databases/ee/oradata/DB19', '/databases/ee/oradata/CDB1913/emp')
#
# Patch relocate DB
#
patch5.sid=cdb19
patch5.source_home=/databases/ee/product/1911/dbhome_1
patch5.target_home=/databases/ee/product/1913/dbhome_2
patch5.target_cdb=cdb1913
patch5.pdbs=cars
patch5.target_pdb_copy_option.cars=file_name_convert=('/databases/ee/oradata/CDB19/cars', '/databases/ee/oradata/CDB1913/cars')
patch5.source_dblink.cars=db19_link
#
# Oracle RAC
#
patch6.sid=rac1
patch6.source_home=/databases/ee/product/1911/dbhome_1
patch6.target_home=/databases/ee/product/1913/dbhome_2
#
# Distributed Oracle RAC with proactive fixups
#
patch7.sid=rac2
patch7.source_home=/databases/ee/product/1911/dbhome_1
patch7.target_home=/databases/ee/product/1913/dbhome_2
patch7.tune_setting=distributed_upgrade=true

例3-11 AutoUpgradeパッチ適用のサマリー・ログ・ファイル

このパッチ適用サマリー・レポート・ファイルでは、AutoUpgradeによってCDBおよびPDBにパッチがどのように適用されたかを確認できます。


********************************************************************************
		Datapatch Apply Summary Report for CDB$ROOT

	Return code        = 0 SUCCESS
	Failure reason     = null
	Total time         = 161.721805095673
	Install patches    = 1
	Database Open      = SUCCESS
	Invocation Log     = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/sqlpatch_17781_2022_05_18_10_57_58/sqlpatch_invocation.log
	Bootstrap Required = 1
	Bootstrap Status   = SUCCESS
	Bootstrap Log      = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/sqlpatch_17781_2022_05_18_10_57_58/bootstrap1_CDB19X_CDBROOT.log
	Total patches      = 1

	Patch Key          = 33192793-24462514
	Mode               = apply
	Status             = SUCCESS
	Patch Log File     = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/33192793/24462514/33192793_apply_CDB19X_CDBROOT_2022May18_10_58_06.log
	RU Log File        = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/33192793/24462514/33192793_ru_apply_CDB19X_CDBROOT_2022May18_10_58_05.log
	RU Errors          = N/A

********************************************************************************
		Datapatch Apply Summary Report for PDBX

	Return code        = 0 SUCCESS
	Failure reason     = null
	Total time         = 123.969398021698
	Install patches    = 1
	Database Open      = SUCCESS
	Invocation Log     = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/sqlpatch_18416_2022_05_18_11_01_40/sqlpatch_invocation.log
	Bootstrap Required = 1
	Bootstrap Status   = SUCCESS
	Bootstrap Log      = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/sqlpatch_18416_2022_05_18_11_01_40/bootstrap1_CDB19X_PDBX.log
	Total patches      = 1

	Patch Key          = 33192793-24462514
	Mode               = apply
	Status             = SUCCESS
	Patch Log File     = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/33192793/24462514/33192793_apply_CDB19X_PDBX_2022May18_11_01_55.log
	RU Log File        = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/33192793/24462514/33192793_ru_apply_CDB19X_PDBX_2022May18_11_01_55.log
	RU Errors          = N/A

********************************************************************************
		Datapatch Apply Summary Report for PDB$SEED

	Return code        = 0 SUCCESS
	Failure reason     = null
	Total time         = 124.234117984772
	Install patches    = 1
	Database Open      = SUCCESS
	Invocation Log     = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/sqlpatch_18406_2022_05_18_11_01_40/sqlpatch_invocation.log
	Bootstrap Required = 1
	Bootstrap Status   = SUCCESS
	Bootstrap Log      = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/sqlpatch_18406_2022_05_18_11_01_40/bootstrap1_CDB19X_PDBSEED.log
	Total patches      = 1

	Patch Key          = 33192793-24462514
	Mode               = apply
	Status             = SUCCESS
	Patch Log File     = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/33192793/24462514/33192793_apply_CDB19X_PDBSEED_2022May18_11_01_55.log
	RU Log File        = /databases/cfgtoollogs/sqlpatch/33192793/24462514/33192793_ru_apply_CDB19X_PDBSEED_2022May18_11_01_55.log
	RU Errors          = N/A

AutoUpgradeパッチ適用ワークフローの例

次のAutoUpgradeパッチ適用ワークフローの例を使用して、AutoUpgradeパッチ適用プロシージャについて説明します。

このシナリオでは、AutoUpgradeパッチ適用を使用してパッチをダウンロードし、パッチをデプロイして、パッチ適用操作を開始します。

例3-12 AutoUpgradeパッチ適用の構成ファイル

AutoUpgradeパッチ適用でパッチをダウンロードする、または、最初にパッチを手動でダウンロードしてから、AutoUpgradeパッチ適用を実行できます。

次の構成ファイル例では、ジョブupg1のdownloadオプションをYESに設定します:

global.global_log_dir=/logs/patching
global.keystore=/secure/keystore
upg1.sid=DB19X
upg1.source_home=/databases/19x/dbhome_1
upg1.target_home=/databases/19x/dbhome_2
upg1.folder=/storage/patches
upg1.download=YES

次の構成ファイル例では、ジョブupg1のdownloadオプションをNOに設定します:

global.global_log_dir=/logs/patching
upg1.sid=DB19X
upg1.source_home=/databases/19x/dbhome_1
upg1.target_home=/databases/19x/dbhome_2
upg1.folder=/storage/patches
upg1.patch=RU,OPATCH
upg1.download=NO

例3-13 AutoUpgradeパッチ適用のダウンロード・オプション

AutoUpgradeパッチ適用でパッチが自動的にダウンロードされるようにするには、構成ファイルでパッチを実行するジョブに対してダウンロード・パラメータを設定する必要があります。AutoUpgradeを実行すると、識別されたすべてのパッチが自動的にダウンロードおよび検証されます。folder構成パラメータを使用して構成ファイルで定義したディレクトリにパッチがすでに存在する場合、そのパッチのダウンロードはスキップされます。My Oracle Supportへの接続にプロキシが必要な場合は、AutoUpgradeがOracle Supportに接続できるように、Linux環境変数https_proxyhttp_proxyおよびno_proxyを設定できます。

次の手順を実行します:

  1. 構成ファイルでdownload=YESオプションが使用されていることを確認します。または、このオプションを指定しません。デフォルト値にはこのオプションが含まれます。グローバル・キーストア・パラメータも必要です。

    たとえば:

    global.global_log_dir=/logs/patching
    global.keystore=/secure/keystore
    . . .
    upg1.sid=DB19X
    upg1.source_home=/databases/19x/dbhome_1
    upg1.target_home=/databases/19x/dbhome_2
    upg1.folder=/patches
    upg1.patch=RECOMMENDED
    upg1.download=YES
  2. -load_passwordコマンドライン・オプションを使用して、My Oracle Support資格証明をキーストアにロードします:

    java -jar autoupgrade.jar -patch -config config.cfg -load_password

    パスワード・コンソールがロードされたら、addオプションを使用して必要なMy Oracle Support資格証明を追加します。

    たとえば:

    MOS> group MOS
    MOS> add -user user@company.com
        Enter your secret/Password:
        Re-enter your secret/Password:   
    MOS> list
        MOS Credentials Loaded - Connection Successful
  3. サポートされているモード(ANALYZE、FIXUPS、DEPLOY、DOWNLOAD、CREATE_HOME)のどれかでAutoUpgradeパッチ適用を実行します。

    たとえば、analyzeモードを実行します:

    java -jar autoupgrade.jar -patch -config config.cfg -mode analyze

例3-14 AutoUpgradeパッチ適用のデプロイ・オプション

My Oracle Support資格証明をキーストアにロードした後、DEPLOYオプションを使用してソース・データベースにパッチを適用できます。

次の例では、前の例で示した19Xデータベースに対して同じ構成ファイル(config.cfg)を使用して、AutoUpgradeでパッチをデプロイします:

java -jar autoupgrade.jar -patch -config config.cfg -mode deploy

この操作例のコンソール出力は次のとおりです:

   AutoUpgrade Patching 24.1.240816 launched with default internal options
   Processing config file ...
   Loading AutoUpgrade Patching keystore

   -----------------------------
   Downloading files to /patches
   -----------------------------
   DATABASE RELEASE UPDATE 19.24.0.0.0
       File: p36582781_190000_Linux-x86-64.zip - VALIDATED

   DATAPUMP BUNDLE PATCH 19.24.0.0.0
       File: p36682332_1924000DBRU_Generic.zip - VALIDATED

   OJVM RELEASE UPDATE 19.24.0.0.0
       File: p36414915_190000_Linux-x86-64.zip - VALIDATED

   OPatch 12.2.0.1.43 for DB 19.0.0.0.0 (Jul 2024)
       File: p6880880_190000_Linux-x86-64.zip - VALIDATED
   -----------------------------

   +-----------------------------------------+
   | Starting AutoUpgrade Patching execution |
   +-----------------------------------------+
   1 Non-CDB(s) will be processed
   Type 'help' to list console commands
   patch> Job 100 completed
   ------------------- Final Summary --------------------
   Number of databases            [ 1 ]

   Jobs finished                  [1]
   Jobs failed                    [0]
   Jobs restored                  [0]
   Jobs pending                   [0]

   ---- Drop GRP at your convenience once you consider it is no longer needed ----
   Drop GRP from DB19X: drop restore point AU_PATCHING_9212_DB19X1919000


   Please check the summary report at:
   /logs/patching/cfgtoollogs/patch/auto/status/status.html
   /logs/patching/cfgtoollogs/patch/auto/status/status.log