Oracle Data Guardを使用したデータベースのローリング・アップグレードの準備

Oracle Data Guardを使用してローリング・アップグレードを実行する場合、アップグレードを開始する前に、Data Guard Broker構成ファイルを移動する必要があります。

DB_BROKER_CONFIGファイルのデフォルトの場所は、以前のリリースのOracle Database Oracleホームのdbsディレクトリ内です。Oracle Data Guardを使用してデータベース・インスタンスのローリング・アップグレードを実行する場合、DG_BROKER_CONFIGファイルを前のリリースのOracleホーム外のマウント・ポイント場所に移動する必要があります。また、DG_BROKER_CONFIG_FILEnパラメータでは、必ずその場所を以前のリリースのOracleホーム内の場所のかわりに指定してください。データベースのアップグレード中にリスナーを移行しないでください。アップグレードが完了した後、リスナーを停止し、データベースを停止し、以前のソースのOracle Databaseリリース環境から新しいOracle Databaseリリース環境にlistener.oraおよびtnsnames.oraをコピーして、リスナーおよびデータベースを起動します。

アップグレード開始前の作業

ローリング・アップグレード中にDB_BROKER_CONFIGファイルにアクセスできるようにするには、アップグレードを開始する前に、次の作業を完了する必要があります

  1. アップグレードを開始する前に、ストレージにOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)を使用していない場合は、Oracle Data GuardファイルDG_BROKER_CONFIG_FILE1およびDG_BROKER_CONFIG_FILE2を、ソースまたはターゲットのOracle Database OracleホームのOracleホーム・パス以外の場所にあるサーバー上の別のマウント・ポイントに設定します。

    ノート:

    Oracle Database 21cより前のデフォルトのORACLE_HOMEレイアウトでは、ORACLE_HOME、ORACLE_BASE_HOMEおよびORACLE_BASE_CONFIGが1つの場所にまとめられていました。Oracle Database 21c以降、使用可能な構成は読取り専用のORACLE_HOMEであり、ORACLE_BASE_HOMEとORACLE_BASE_CONFIGはORACLE_HOMEとは別に配置されています。以前にフォルダdbsにあったOracle Data Guardファイルなどのファイルは、現在はORACLE_BASE_CONFIG/dbsにあります。

  2. 以前のリリースのOracleホームから新しいOracle Databaseリリースへのアップグレードを正常に完了します。

アップグレード中の作業

アップグレード中に、リスナーを移行しないでください。

AutoUpgradeを使用してアップグレードを完了することをお薦めします。次を参照してください。

AutoUpgradeとOracle Data Guard

アップグレード完了後の作業

  1. 新しいリリースのOracle Databaseのリスナーを停止します。
  2. 新しいリリースのOracle Databaseを停止します。
  3. 以前のリリースのOracle Databaseから新しいリリースのOracle Databaseにlistener.oraおよびtnsnames.oraファイルをコピーします。
  4. リスナーと新しいリリースのOracle Databaseを起動します

Data Guard Broker構成ファイルの移動の詳細は、『Oracle Data Guard Broker』を参照してください。