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はじめに

この章の項目は次のとおりです。

このマニュアルは、Oracle Pro*COBOLおよびPro*FORTRANプリコンパイラの総合的なユーザーズ・ガイドであり、参考資料です。SQLを使用してデータにアクセスし、操作するアプリケーションの開発方法を順を追って説明します。明快な例を使用して、先進のプログラミング・テクニックの基礎にある概念を解明します。

対象読者

新しいアプリケーションの開発、または既存のアプリケーションをOracleデータベースで実行できるように変換するユーザーにとっては、このマニュアルを読むことが大いに役立ちます。このOracleプリコンパイラの総合的なマニュアルは、特にプログラマ向けに書かれたものですが、システム・アナリスト、プロジェクト・マネージャ、埋込みSQLアプリケーションに興味のあるその他のユーザーにとっても有益です。

このマニュアルを効果的に使用するには、次の問題についての実用的な知識が必要です。

  • 高水準言語によるアプリケーション・プログラミング

  • SQLデータベース言語

  • Oracleの概念および専門用語

このマニュアルの構成

このマニュアルは、11の章と5つの付録で構成されています。第1章と第2章では、ユーザーにOracleプリコンパイラおよびSQLプログラムについての基礎知識を提供し、その後の第3、4、5および6章では、埋込みSQLプログラミングの要点を説明します。これらの章を読めば、実用的な埋込みSQLアプリケーションを作成し、実行できるようになります。第7、8、9、10および11章では、高度な問題を取り上げます。それぞれの章や付録で得られる知識について内容を要約すると、次のとおりです。

このサンプル・マニュアルには、1つのパート、2つの章、1つの付録が含まれます。(HTMLにリンクが表示されるように、この章、付録およびパートは、相互参照として挿入してください。)

概要

この章では、Oracleプリコンパイラについて説明します。Oracleデータを操作するアプリケーション・プログラムを開発する上でのプリコンパイラの役割と、プリコンパイラによりアプリケーションで実行できる処理について学習します。

基礎の学習

この章では、埋込みSQLプログラムがどのように機能するかを説明します。プログラムが動作する特殊な環境、アプリケーション設計に対するこの環境の影響、埋込みSQLプログラミングの基本概念、およびアプリケーション開発のステップについて調べます。

プログラム要件への対応

この章では、埋込みSQLプログラムの要件にどのように対応するかを説明します。変数の宣言、通信領域の宣言、およびOracleデータベースへの接続を行う埋込みSQLコマンドについて学習します。Oracleデータ型、グローバリゼーション・サポート、データ変換、データ型の同値化の利用方法についても学習します。さらに、この章では、プログラムにOracle Call Interface(OCI)のコールを埋め込む方法や、X/Openアプリケーションの開発方法についても説明しています。

埋込みSQLの使用方法

この章では、埋込みSQLプログラミングの基本について説明します。ホスト変数、インジケータ変数、カーソル、カーソル変数、およびOracleデータの挿入、更新、選択、削除を行う基本的なSQLコマンドの使用方法について学習します。

埋込みPL/SQLの使用方法

この章では、PL/SQLトランザクション処理ブロックをプログラムに埋め込むことにより、パフォーマンスを改善する方法について説明します。ホスト変数、インジケータ変数、カーソル、ストアド・サブプログラム、ホスト配列、動的SQLとともにPL/SQLを使用する方法について学習します。

Oracleプリコンパイラの実行

この章では、Oracleプリコンパイラを実行するための要件について詳しく説明します。プリコンパイル中に何が起こるか、プリコンパイラ・コマンドを発行する方法、多くの便利なプリコンパイラ・オプションを指定する方法、条件付きプリコンパイルと分割プリコンパイルの実行方法、ホスト・プログラムにOCIコールを埋め込む方法について学習します。

トランザクションの定義および制御

この章では、トランザクション処理について説明します。データベースの一貫性を保護する基本的なテクニックについて学習します。

エラー処理および診断

この章では、エラー・レポートおよびリカバリについて詳しく説明します。状態変数SQLSTATE、SQLCA構造体およびWHENEVER文を使用してエラーを検出し処理する方法について学習します。ORACAを使用してプログラムを診断する方法についても学習します。

ホスト配列の使用

この章では、プログラムのパフォーマンス改善のために配列を使用する方法について説明します。配列を使用したOracleデータの処理方法、1つのSQL文で配列のすべての要素を操作する方法、処理対象の配列要素の数を制限する方法について学習します。

動的SQLの使用方法

この章では、動的SQLの利用方法について説明します。柔軟性のあるプログラム、中でもユーザーが実行時に対話形式でSQL文を作成できるプログラムを作成する4つの方法を、簡単なものから順番に学習します。

ユーザー・イグジットの作成

この章では、SQL*FormsまたはOracle Formsアプリケーション用のユーザー・イグジットの作成方法を重点的に説明します。まず、Formsアプリケーションがユーザー・イグジットのインタフェースとなるようにするコマンドを学習します。その後、Formsユーザー・イグジットの作成およびリンクの方法について学習します。

新機能

この付録では、Oracleプリコンパイラのリリース1.8で導入された改善点および新機能について説明します。

Oracleの予約語、キーワードおよびネームスペース

この付録では、Oracleライブラリ用に予約されているOracleにとって特別な意味を持つ用語とネームスペースを一覧します。

パフォーマンス・チューニング

この付録では、アプリケーションのパフォーマンスを改善するための簡単で適用しやすい方法について説明します。

構文および意味検査

この付録では、埋込みSQL文およびPL/SQLブロックに対して行われる構文およびセマンティックのチェックの種類と範囲を制御するSQLCHECKオプションの使用方法について説明します。

埋込みSQLコマンドおよびディレクティブ

この付録では、プリコンパイラ・ディレクティブ、埋込みSQLコマンド、Oracle埋込みSQL拡張機能について説明します。ソース・コマンド内でこれらのコマンドは、先頭にキーワードEXEC SQLが付きます。

ドキュメントのアクセシビリティについて

Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイト(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc)を参照してください。

Oracle Supportへのアクセス

サポートを購入したオラクル社のお客様は、My Oracle Supportを介して電子的なサポートにアクセスできます。詳細情報は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info)か、聴覚に障害のあるお客様は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs)を参照してください。

関連ドキュメント

『Oracleプリコンパイラのためのプログラマーズ・ガイド』の詳細は、次の場所のOracle Technology Network(OTN)を参照してください。

http://otn.oracle.co.jp/document/

表記規則

このマニュアルでは次の表記規則を使用します。

規則 意味

. . .

例に含まれる垂直の省略記号は、直接関係のない情報が省略されていることを意味します。

. . .

文またはコマンド内の水平の省略記号は、例に直接関係のない文またはコマンドの一部が省略されていることを意味します。

太字テキスト

テキスト内の太字は、テキスト、用語集またはその両方で定義されている用語を表します。

< >

ユーザーが指定する名前は山カッコで囲みます。

[ ]

大カッコは、オプションの句を囲みます。そこから1つ選択しても、まったく選択しなくてもかまいません。