1 概要
このブックには、次の部が含まれています。
アプリケーション・アダプタの説明は別のガイドに含まれています。詳細は、『Oracle Data Integratorアプリケーション・アダプタ・ガイド』を参照してください。
この章では、Oracle Data Integratorのドキュメントで使用される用語の概要を提供し、Oracle Data Integratorのナレッジ・モジュールの基本的な使用ステップを説明します。
この章の構成は、次のとおりです。
用語
この項では、このドキュメントおよび「はじめに」に記載されている関連ドキュメントで使用されている共通用語の一部を定義します。
ナレッジ・モジュール
ナレッジ・モジュール(KM)は、Oracle Data Integratorのコンポーネントであり、特定のテクノロジに対して具体的なアクションを実行するためのコードの生成に使用されます。
JDBC、JMSまたはJCAなどの接続性レイヤーとナレッジ・モジュールを組み合せることで、テクノロジに対して定義済タスクを実行できます。たとえば、テクノロジへの接続、テクノロジからのデータの抽出、抽出したデータの変換、変換したデータのチェック、チェックしたデータの統合などです。
アプリケーション・アダプタ
Oracle Application Adapters for Data Integrationには、エンタープライズ・アプリケーションのデータを統合するための、固有のソフトウェア・コンポーネントが用意されています。Oracle Data Integratorでサポートされているエンタープライズ・アプリケーションには、Oracle E-Business Suite、Siebel、SAPなどがあります。
アダプタはナレッジ・モジュールのグループです。このグループには、添付されたOracle Data Integrator用テクノロジ定義も含まれる場合があります。
アプリケーション・アダプタの説明は別のガイドに含まれています。詳細は、『Oracle Data Integratorアプリケーション・アダプタ・ガイド』を参照してください。
このガイドの使用方法
このガイドでは、Oracle Data Integratorでサポートされているナレッジ・モジュールおよびテクノロジでの作業に関する概念情報および手順を提供します。
章ごとに、各テクノロジの構成方法、プロジェクトの設定方法、および統合操作を実行するためのテクノロジ固有のナレッジ・モジュールの使用方法について説明します。
一部のナレッジ・モジュールはテクノロジ固有のものではなく、業界標準をサポートしているテクノロジが必要になります。このようなナレッジ・モジュールは、汎用ナレッジ・モジュールと呼ばれます。たとえば、「汎用SQL」および「JMS」にリストされているナレッジ・モジュールは、それぞれ任意のANSI SQL-92準拠データベースおよび任意のJMS準拠メッセージ・プロバイダで動作するように設計されています。
これらの汎用ナレッジ・モジュールをどのような状況でテクノロジと併用できるかについては、テクノロジの章で説明します。ただし、パフォーマンスを向上させ、テクノロジ固有の機能の適用範囲を拡大するために、テクノロジ固有のナレッジ・モジュールを使用することをお薦めします。
ナレッジ・モジュールを使用する前に、Oracle Data Integrator Studioに含まれるナレッジ・モジュールの説明で、使用に関する詳細、制限事項および要件を確認することをお薦めします。また、ナレッジ・モジュールのオプションは、あらかじめデフォルト値で構成されているためすぐに使用できますが、これらのオプションおよびその説明についても確認しておくことをお薦めします。
このガイドの各章では、テクノロジおよびナレッジ・モジュールに付随する使用方法、オプション、制限事項および要件に関する重要な情報を提供します。
リレーショナル構造内のデータへのアクセス
リレーショナル内の表でのDML操作は、標準のSQL文で実行されます。
リレーショナル・データへの変更は、選択した記憶域に応じて、次のようにディレクトリに伝播されます。
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仮想マッピングを使用する場合は、挿入、更新および削除のすべての要求が自動的に元のLDAPサーバーに自動コミット・モードで伝播されます。明示的なCOMMITまたはROLLBACK文は、Oracle Data Integrator driver for LDAPにはまったく影響しません。
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外部データベースを使用してリレーショナル構造を格納する場合は、あらゆるタイプのDML文をドライバで使用できます。ただし、変更は元のLDAPサーバーに伝播されないため、注意が必要です。
スキーマ内のデータへのアクセス
スキーマ内のデータはSQL言語を使用して処理されます。
現在のスキーマとは別のスキーマ内の表にアクセスできます。別のスキーマの表にアクセスするには、表名の先頭にスキーマ名およびピリオド(.
)を付けます。次に例を示します。
SELECT col1, schema2.table2.col2, table1.col3 FROM table1, schema2.table2.
この問合せでは、現在のスキーマのtable1、およびschema2のtable2からデータが戻されます。
注意:
他方のスキーマも現在のスキーマと同じ記憶領域(組込みエンジンまたは外部データベース)に格納されている必要があります。