10 Microsoft Excel
この章の内容は次のとおりです。
概要
Oracle Data Integrator (ODI)では、保存されているデータがMicrosoft Excelのワークブックに統合されます。これにより、リバース・エンジニアリングと、スプレッドシートでの読取りおよび書込みの操作が可能になります。
概念
各Microsoft Excelデータ・サーバーは、ローカル・ネットワーク経由でアクセス可能な1つのMicrosoft Excelワークブック(.xls
ファイル)に対応します。このデータ・サーバーにの下に単一の物理スキーマが作成されます。
このスキーマ内で、1つのスプレッドシート、またはワークブックの特定の名前付き領域が、Oracle Data Integrator内の1つのデータストアとして表示されます。
ナレッジ・モジュール
Oracle Data Integratorには、Microsoft Excelテクノロジ固有のナレッジ・モジュール(KM)は用意されていません。汎用SQL KMを使用して、Microsoft Excelデータのデータ統合および変換の操作を実行できます。詳細は、汎用SQLを参照してください。
注意:
Excelテクノロジをステージング領域として使用することはできず、増分更新およびフロー/静的チェックはサポートされません。このため、Excelテクノロジでは次のKMは機能しません。
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RKM SQL (JYTHON)
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LKM File to SQL
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CKM SQL
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IKM SQL Incremental Update
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IKM SQL Control Append
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LKM SQL to SQL (JYTHON)
インストールおよび構成
Microsoft Excelナレッジ・モジュールの使用を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。
システム要件および動作要件
インストールを実行する前に、システム要件および動作要件のドキュメントを読んで、使用する環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たすことを確認する必要があります。
サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network (OTN)からアクセスできます。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/data-integrator/documentation/index.html。
固有の要件
Oracle Data IntegratorでMicrosoft Excelファイルを使用するための固有の要件はありません。
注意:
ODIには、Microsoft Excelにアクセスするための固有のドライバは付属していないため、サード・パーティ・ベンダーから取得する必要があります。サード・パーティ・ベンダーからドライバをインストールするには、次を参照してください。
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ODI Studioの場合 - ODI Studioへのライブラリの追加に関する項
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スタンドアロン・エージェントまたはコロケート・エージェントの場合 - スタンドアロン・エージェントまたはスタンドアロン・コロケート・エージェントへのライブラリの追加に関する項
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JEEエージェントの場合 - Java EEエージェントへのライブラリの追加に関する項
トポロジの設定
トポロジの設定には次が含まれます。
Microsoft Excelデータ・サーバーの作成
『Oracle Data Integratorの管理』のデータ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Microsoft Excelテクノロジ用データ・サーバーを作成します。
「JDBC」タブで、「JDBCドライバ」および「JDBC URL」のパラメータに対して、ドライバのプロバイダから提供された詳細を入力します。
Microsoft Excel物理スキーマの作成
『Oracle Data Integratorの管理』の物理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してMicrosoft Excel物理スキーマを作成します。Oracle Data Integratorでは、Microsoft Excelデータ・サーバーごとに必要な物理スキーマは1つのみです。
『Oracle Data Integratorの管理』の論理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してこの物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。
注意:
Excel物理スキーマには作業スキーマはなく、データ・スキーマのみがあります。Microsoft Excelは、マッピングのステージング領域としては使用できません。
統合プロジェクトの設定
Microsoft Excelを使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』の統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。
Microsoft Excelでの作業を開始するにあたり、使用するプロジェクトに次の汎用SQL KMをインポートします。
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LKM SQL to SQL
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IKM SQL to SQL Append
これらのKMの詳細は、汎用SQLを参照してください。
Microsoft Excelモデルの作成およびリバース・エンジニアリング
この項では、次の項目について説明します。
Microsoft Excelモデルの作成
Microsoft Excelモデルは、Microsoft Excelワークブック内の表に対応するデータストアのセットです。
『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』のモデルの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してMicrosoft Excelモデルを作成します
Microsoft Excelモデルのリバース・エンジニアリング
Microsoft Excelでは、標準のリバース・エンジニアリングのみがサポートされており、その機能全体は、使用されているドライバに依存します。
Microsoft Excelで標準のリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』のモデルのリバース・エンジニアリングに関する項の説明に従って、通常の手順を使用します。
マッピングの設計
Microsoft Excelファイルは、マッピングのソースまたはターゲットとして使用できますが、ステージング領域としては使用できません。
マッピングまたはチェック用に選択したKMによって、このマッピングまたはチェックの機能およびパフォーマンスが決まります。この項に示す推奨事項は、Microsoft Excelサーバーに関連する様々な状況でのKMの選択に役立ちます。
Microsoft Excelとの間でのデータのロード
マッピングのソースまたはターゲットとしてMicrosoft Excelを使用できます。マッピング・フロー・タブでの、Microsoft Excelと別のタイプのデータ・サーバー間でデータをロードするためのLKMの選択は、マッピングのパフォーマンスに関してきわめて重要です。
Microsoft Excelからのデータのロード
Oracle Data Integratorには、Microsoft Excel専用のナレッジ・モジュールは用意されていません。汎用SQL KMまたはステージング領域として使用するテクノロジ固有のKMを使用してください。次の表に、Microsoft Excelから任意のステージング領域へのデータのロードに使用できる汎用SQL KMの一部をリストします。
表10-1 Microsoft ExcelからロードするためのKM
ターゲットまたはステージング領域 | KM | 説明 |
---|---|---|
Oracle |
LKM SQL to Oracle |
任意のISO-92データベースからOracleターゲット・データベースへデータをロードします。統計を使用します。 |
SQL |
LKM SQL to SQL |
ISO-92データベースからISO-92準拠のターゲット・データベースにデータをロードします。 |
Microsoft Excelへのデータのロード
Microsoft Excelはステージング領域として使用できないため、LKMを使用してMicrosoft Excelにデータをロードすることはできません。Microsoft Excelへのデータの統合方法は、「Microsoft Excelでのデータの統合」を参照してください。
Microsoft Excelでのデータの統合
Oracle Data Integratorには、Microsoft Excel専用のナレッジ・モジュールは用意されていません。汎用SQL KMまたはステージング領域として使用するテクノロジ固有のKMを使用してください。ステージング領域からMicrosoft Excelへデータを統合するには、IKM SQL to SQL Appendなどを使用できます。