20 Oracle Business Intelligence Enterprise Edition
この章の内容は次のとおりです。
概要
Oracle Data Integrator (ODI)では、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition (Oracle BI)のデータがシームレスに統合されます。
Oracle Data Integratorには、マッピングを使用し、Oracle BI物理レイヤーを介してADFビュー・オブジェクト(ADF-VO)のデータをリバース・エンジニアリングおよび抽出するための方法が用意されています。
概念
Oracle Business Intelligence Enterprise Editionの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。1つのOracle BIサーバーは、Oracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、カタログ/所有者の1つのペアは、Oracle Data Integratorの1つの物理スキーマにマップされます。
Oracle Data Integratorは、バイパス接続プールを介してこのサーバーに接続し、ADFビュー・オブジェクトをサポートする物理ソースにアクセスします。
Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity (JDBC)を使用してOracle BIサーバーに接続します。
ナレッジ・モジュール
Oracle Data Integratorには、Oracle BIデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表20-1に示します。これらのKMでは、Oracle BI固有の機能が使用されます。
表20-1 Oracle BI KM
ナレッジ・モジュール | 説明 |
---|---|
RKM Oracle BI (Jython) |
Oracle BIの表構造(列および主キー)を取得します。 |
LKM Oracle BI to Oracle (DBLink) |
dblinkを使用して、Oracle BIソースからOracleデータベース領域へデータをロードします。 |
LKM Oracle BI to SQL |
Oracle BIソースから任意のANSI SQL-92準拠データベースへデータをロードします。 |
IKM Oracle BI to SQL Append |
Oracle BIソースからANSI-SQL92ターゲット・データベースへデータを統合します。 |
インストールおよび構成
Oracle BIナレッジ・モジュールの使用を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。
システム要件および動作要件
インストールを実行する前に、システム要件および動作要件のドキュメントを読んで、使用する環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たすことを確認する必要があります。
サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network (OTN)からアクセスできます。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/data-integrator/documentation/index.html。
接続性要件
この項では、Oracle BIサーバーに接続するための要件をリストします。
JDBCドライバ
Oracle Data Integratorでは、Oracle BIネイティブ・ドライバを使用して、Oracle BIサーバーに接続します。このドライバをOracle Data Integratorのdriversディレクトリにインストールする必要があります。
バイパス接続プール
Oracle BIでは、ADFレイヤーをバイパスして基礎となるデータベースから直接データをフェッチするために、SQLバイパス・データベース接続を設定する必要があります。この接続プールの名前は、Oracle Data IntegratorでOracle BIデータ・サーバーを作成するために必要です。
トポロジの設定
トポロジの設定には次が含まれます。
Oracle BIデータ・サーバーの作成
各データ・サーバーは1つのOracle BIサーバーに対応します。Oracle Data Integratorは、バイパス接続プールを介してこのサーバーに接続し、ADFビュー・オブジェクトをサポートする物理ソースにアクセスします。これらの物理オブジェクトは、このサーバーで公開されるビュー・オブジェクトの下に配置されます。このサーバーは、複数のカタログとスキーマにアクセス可能なユーザーに接続されます。カタログとスキーマのペアは、データ・サーバーの下に作成される物理スキーマに対応します。
データ・サーバーの作成
『Oracle Data Integratorの管理』のデータ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Oracle BIテクノロジ用データ・サーバーを作成します。この項では、Oracle BIデータ・サーバーの定義に関する必須または固有のフィールドのみについて説明します。
Oracle BI物理スキーマの作成
『Oracle Data Integratorの管理』の物理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してOracle BI物理スキーマを作成します。
物理スキーマ内で、データ・スキーマおよび作業スキーマは、それぞれOracle BIのカタログとスキーマの1つのペアに対応します。
『Oracle Data Integratorの管理』の論理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してこの物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。
統合プロジェクトの設定
Oracle BIサーバーを使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』の統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。
Oracle BIでの作業を開始するにあたり、使用するプロジェクトに次のナレッジ・モジュールをインポートすることをお薦めします。
-
RKM Oracle BI (Jython)、LKM Oracle BI to Oracle (DBLink)、LKM Oracle BI to SQL、IKM Oracle BI to SQL Append
使用するプロジェクトに、関係する他のテクノロジに必要なナレッジ・モジュール(IKM、CKM)もインポートします。
Oracle BIモデルの作成およびリバース・エンジニアリング
この項では、次の項目について説明します。
Oracle BIモデルの作成
『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』のモデルの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してOracle BIモデルを作成します。
Oracle BIモデルのリバース・エンジニアリング
Oracle BIでは、カスタマイズされたリバース・エンジニアリングがサポートされています。
RKMを使用してOracle BIでカスタマイズされたリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』のモデルのリバース・エンジニアリングに関する項の説明に従って、通常の手順を使用します。この項では、Oracle BIテクノロジ固有のフィールドのみについて説明します。
- Oracle BIモデルの「リバース・エンジニアリング」タブで
KM: RKM Oracle BI (Jython).<project name>
を選択します。
このKMは、リバース・エンジニアリング・プロセスをトレースするためのUSE_LOGロギング・オプションを実装します。
マッピングの設計
Oracle BIをマッピングのソースとして使用できます。
マッピング用に選択したKMによって、このマッピングの機能およびパフォーマンスが決まります。この項に示す推奨事項は、Oracle BIサーバーに関連する様々な状況でのKMの選択に役立ちます。
Oracle BIとの間でのデータのロード
「ロード・ナレッジ・モジュール」タブでの、Oracle BIと別のタイプのデータ・サーバー間でデータをロードするためのLKMの選択は、マッピングのパフォーマンスに関してきわめて重要です。
Oracle BIからのデータのロード
表20-2にリストされているナレッジ・モジュールを使用して、Oracle BIサーバーからターゲットまたはステージング領域のデータベースへデータをロードします。
表20-2 Oracle BIからデータをロードするためのKM
ステージング領域/ターゲット・テクノロジ | KM | 説明 |
---|---|---|
Oracle |
LKM Oracle BI to Oracle (Dblink) |
DBLinkを使用して、Oracle BIソースからOracleデータベース・ステージング領域へデータをロードします。 このナレッジ・モジュールを使用するには、ソースFusion Transaction DB(基礎となるデータ表を格納するデータベース)からOracleステージング領域へのDBLinkを、手動で作成する必要があります。このDBLinkの名前は、Oracleステージング領域のデータ・サーバー接続で指定したものと同じにする必要があります。 |
SQL |
LKM Oracle BI to SQL |
エージェントを介して、Oracle BIソースから任意のANSI SQL-92準拠ステージング領域データベースへデータをロードします。 |
SQL |
IKM Oracle BI to SQL Append |
エージェントを介して、Oracle BIソースから任意のANSI SQL-92準拠ステージング領域データベースへ、データをロードして統合します。 このKMを使用するには、ソースOracle BIサーバーのマッピングのステージング領域を設定する必要があります。 この構成では一時表は作成されず、データはソース表からターゲット表へ直接ロードされて統合されます。 |