18 Salesforce.com

Oracle Data IntegratorでのSalesforce.comの使用方法を理解することが重要です。

この章の内容は次のとおりです。

概要

Oracle Data Integrator (ODI)では、Salesforce.comがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(リバースエンジニアリングおよびマッピングなど)は、Salesforce.comを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。

概念

Salesforce.comデータベースの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。1つのSalesforce.comサーバーはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、1つのデータベースはOracle Data Integratorの1つの物理スキーマにマップされます。

Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity (JDBC)を使用してSalesforce.comデータ・サーバーに接続します。詳細は、接続性要件を参照してください。

ナレッジ・モジュール

Oracle Data Integratorには、Salesforce.comテクノロジ固有のナレッジ・モジュール(KM)は用意されていません。汎用SQL KMを使用して、Salesforce.comデータのデータ統合および変換の操作を実行できます。詳細は、汎用SQLを参照してください。

インストールおよび構成

Salesforce.comナレッジ・モジュールの使用を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。

システム要件および動作要件

インストールを実行する前に、システム要件および動作保証のドキュメントを読み、インストールする製品の最小インストール要件を環境が満たしていることを確認します。

サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network (OTN)からアクセスできます。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/data-integrator/documentation/index.html

テクノロジ固有の要件

Oracle Data IntegratorでSalesforce.comを使用するためのテクノロジ固有の要件はありません。

サポートされるデータ型の詳細は、Salesforce.comのドキュメントを参照してください。

接続性要件

この項では、Salesforce.comデータベースに接続するための要件をリストします。

JDBCドライバ

Oracle Data Integratorでは、Salesforce.com JDBCドライバを使用してSalesforce.comデータベースに接続します。

トポロジの設定

Salesforce.comデータ・サーバーの作成

『Oracle Data Integratorの管理』データ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Salesforce.comテクノロジ用データ・サーバーを作成します。この項では、Salesforce.comデータ・サーバーの定義に関する必須または固有のフィールドのみについて説明します。

  1. 「定義」タブ:
    • 名前: Oracle Data Integratorに表示されるデータ・サーバーの名前

    • インスタンス/dblink (データ・サーバー): Salesforce.comの場合、不要です。このフィールドを空白のままにします。

    • ユーザー/パスワード: データ・サーバーに接続するためのユーザー名およびパスワード

  2. 「JDBC」タブ:
    • JDBCドライバ: weblogic.jdbc.sforce.SForceDriver

    • JDBC URL: データ・サーバーに接続するためのURL。例: jdbc:weblogic:sforce://login.salesforce.com

  3. 「プロパティ」セクション
    • ConfigOptions: 使用する構成オプション。たとえば、(AuditColumns=all;MapSystemColumnNames=0;)

    • DatabaseName: データベースのインスタンス。使用するJDBC URLごとに変更する必要があります。

    注意:

    Salesforce.comドライバでサポートされる接続プロパティの詳細は、http://media.datadirect.com/download/docs/jdbc/alljdbc/help.html#page/jdbcconnect%2FConnection_Properties_11.html%23wwID0EZT5Yを参照してください。

Salesforce.comデータ・サーバーの物理スキーマの作成

Oracle Data Integratorの物理スキーマは、次のスキーマのペアに相当します。

  • データ・スキーマ。ここで、Oracle Data Integratorはマッピングのソースおよびターゲット・データ構造を検索します。

  • 作業スキーマ。ここで、Oracle Data Integratorはデータ・スキーマに含まれるソースおよびターゲットに関連付けられた一時作業データ構造を作成し、操作できます。

『Oracle Data Integratorの管理』物理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してSalesforce.comデータ・サーバーの物理スキーマを作成します。

『Oracle Data Integratorの管理』論理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してこの物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。

統合プロジェクトの設定

Salesforce.comを使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。

Salesforce.comでの作業を開始するにあたり、使用するプロジェクトに次の汎用SQL KMをインポートします。

  • IKM SQL to SQL Control Append

  • IKM SQL to SQL Incremental Update

これらのKMの詳細は、汎用SQLを参照してください。

注意:

システムでデフォルトで使用できるKMは次のとおりです。

  • LKM SQL to Oracle (Built-In)

  • LKM SQL to SQL (Built-in)

  • LKM SQL Multi-Connect

  • IKM Oracle Insert

  • IKM Oracle Update

Salesforce.comモデルの作成およびリバースエンジニアリング

この項では、次の項目について説明します。

Salesforce.comモデルの作成

『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』モデルの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してSalesforce.comモデルを作成します。

Salesforce.comモデルのリバースエンジニアリング

Salesforce.comでは、JDBCドライバの機能のみを使用する標準のリバース・エンジニアリングがサポートされています。

Salesforce.comで標準のリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』モデルのリバース・エンジニアリングに関する項の説明に従って、通常の手順を使用します。

マッピングの設計

Salesforce.comをマッピングのソースまたはターゲットとして使用できますが、ステージング領域としては使用できません。

マッピングまたはチェック用に選択したKMによって、このマッピングまたはチェックの機能およびパフォーマンスが決まります。この項に示す推奨事項は、Salesforce.comサーバーに関連する様々な状況でのKMの選択に役立ちます。

Salesforce.comとの間でのデータのロード

マッピングのソースまたはターゲットとしてSalesforce.comを使用できます。マッピング・フロー・タブでの、Salesforce.comと別のタイプのデータ・サーバー間でデータをロードするためのLKMの選択は、マッピングのパフォーマンスに関してきわめて重要です。

Salesforce.comからのデータのロード

Oracle Data Integratorには、Salesforce.com専用のナレッジ・モジュールは用意されていません。汎用SQL KMまたはステージング領域として使用するテクノロジ固有のKMを使用してください。次の表に、Salesforce.comから任意のステージング領域へのデータのロードに使用できる汎用SQL KMの一部をリストします。

表18-1 Salesforce.comからロードするためのKM

ターゲットまたはステージング領域 KM 説明

Oracle

LKM SQL to Oracle

任意のANSI SQL-92ソース・データベースからOracleステージング領域へデータをロードします。

SQL

LKM SQL to SQL

ANSI SQL-92準拠のデータベースからANSI SQL-92準拠のステージング領域へデータをロードします。エージェントを使用してソース・データベースから選択されたデータを読み取り、動的に作成された一時ステージング表に結果を書き込みます。

Salesforce.comへのデータのロード

Salesforce.comはステージング領域として使用できないため、LKMを使用してSalesforce.comにデータをロードすることはできません。Salesforce.comへのデータの統合方法は、Salesforce.comへのデータの統合を参照してください。

Salesforce.comへのデータの統合

Oracle Data Integratorには、Salesforce.com専用のナレッジ・モジュールは用意されていません。汎用SQL KMまたはステージング領域として使用するテクノロジ固有のKMを使用してください。Salesforce.comと統合する場合、LKMが不要で、ターゲット上にステージング領域を設定する必要がないIKMのみを使用できます。次の表に、任意のステージング領域のデータをSalesforce.comに統合するときに使用できる汎用SQL KMをリストします。

表18-2 Salesforce.comにデータを統合するためのKM

KM 説明

IKM SQL to SQL Control Append

任意のANSI-SQL92準拠のステージング領域からANSI-SQL92準拠のターゲット・データベースへデータを統合します。通常、このIKMはETL構成に使用されます。この構成では、ソース表とターゲット表は異なるデータベースにあり、マッピングのステージング領域は、ソース表の論理スキーマまたは第3のスキーマに設定されます。

IKM SQL to SQL Incremental Update

任意のAINSISQL92準拠データベースから任意のANSI SQL-92準拠データベースのターゲット表へ、増分更新モードでデータを統合します。通常、このIKMはETL構成に使用されます。この構成では、ソース表とターゲット表は異なるデータベースにあり、マッピングのステージング領域は、ソース表の論理スキーマまたは第3のスキーマに設定されます。

このIKMを使用するには、FLOW_TABLE_LOCATIONオプションをSTAGINGに設定する必要があります。