7 デルタ抽出のパッケージの作成
これまでに、BWのデータ・ターゲットからデータを抽出する例を示してきました。この章で説明する手順では、これまでの章で説明したマッピングをデルタ抽出マッピングに変換する方法を説明します。
デルタ抽出マッピングでは、データのうち、前回の抽出以降に変更された分のみが抽出されます。デルタ抽出マッピングがサポートされるのは、インフォ・キューブ、ODS/DSOおよびオープン・ハブ・オブジェクトのみであり、インフォ・オブジェクトに対してはサポートされません。
この章の内容は次のとおりです。
デルタ抽出のパッケージの作成
3番目のステップでは、これまでのステップで作成したビルディング・ブロック(変数とマッピング)からパッケージを作成します。
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「SAP Demo」
プロジェクトを開きます。 -
新しいパッケージを
「SAP Demo」
という名前で作成します。 -
「変数の宣言」ステップをこのパッケージに挿入します。
MIN_REQUEST_ID
変数をドラッグ・アンド・ドロップして「変数の宣言」ステップ・タイプを選択します。 -
「フロー」ステップをこのパッケージに挿入します。
前の項でインフォ・キューブ/ODSまたはオープン・ハブ抽出用に作成したマッピングを、パッケージにドラッグ・アンド・ドロップします。
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「変数のリフレッシュ」ステップをこのパッケージに挿入します。
MIN_REQUEST_ID
変数をドラッグ・アンド・ドロップして「変数のリフレッシュ」ステップ・タイプを選択します。 -
ステップの順序を定義します。
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「変数の宣言」ステップを「最初のステップ」として定義します。
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これを、成功時の次のステップである「フロー」ステップにリンクします。
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「フロー」ステップを「変数のリフレッシュ」ステップ(成功時の次のステップであり、パッケージの最後のステップ)にリンクします。変数間に矢印を追加します。
パッケージは、このスクリーンショットのようになります。
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パッケージの実行
パッケージを実行するには:
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「プロジェクト」ツリー・ビューで、
SAP Demo
プロジェクトを開きます。 -
「SAP Demo」
パッケージを選択します。 -
右クリックして「実行」を選択します。
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「実行」ウィンドウの「OK」をクリックします。
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「セッションを開始しました」ウィンドウの「OK」をクリックします。
デルタ抽出パッケージを実行したときに行われる処理
最初に、Oracle Data Integratorによって変数MIN_REQUEST_IDが最後の履歴化値に初期化されます(「変数の宣言」ステップ)。この値が、データ抽出開始位置を指定するためにABAP抽出プログラムに渡されます。KMがSAPシステムに、割当て済リクエストIDの最大値を問い合せます。最小リクエストIDから最大リクエストIDまでのすべてのデータが抽出されます(マッピング)。
マッピングの実行後に、変数リフレッシュ・ステップによって最大リクエストIDがMIN_REQUEST_IDに格納され、これが次回実行時に使用されます。