Oracle GoldenGateのスタート・ガイド

Oracle GoldenGateでは、Classic ArchitectureおよびMicroservices Architecture (MA)の2つのアーキテクチャがサポートされます。

Oracle GoldenGateは、次の目的で構成できます。
  • あるデータベースからデータ・レコードの静的抽出を行い、別のデータベースにそのレコードをロードする場合。

  • ソースとターゲットのデータ一貫性を維持するために、トランザクションデータ操作言語(DML)操作とデータ定義言語(DDL)変更(サポートされるデータベースの場合)を継続的に抽出およびレプリケートする場合。

  • Oracle GoldenGate for Big Dataを使用してサポートされているデータベース・ソースからデータを抽出し、ビッグ・データ・ターゲットやファイル・ターゲットにレプリケートする場合。

Oracle GoldenGateアーキテクチャの概要

次の表では、2つのOracle GoldenGateアーキテクチャについて説明し、それぞれのアーキテクチャをどのような場合に使用するかを示します。

X Classic Architecture Microservices Architecture

アーキテクチャの概要

Oracle GoldenGate Classic Architectureは、エンタープライズ・レプリケーション本来のアーキテクチャです。このアーキテクチャは、様々なトポロジにまたがってトランザクション・データを効果的に転送するために必要なプロセスとファイルを提供します。これらのプロセスとファイルは、Classic Architectureの主要なコンポーネントを形成し、Oracle GoldenGate 12c (12.3.0.1)リリースまでは主要な製品インストール方法でした。

Oracle GoldenGate Microservices Architectureは、Oracle GoldenGate環境の一部としてRESTサービスを可能にするマイクロサービス・アーキテクチャです。REST対応サービスには、Webベースのコンソール、拡張されたコマンドライン・インタフェース、PL/SQLおよびスクリプト言語を使用したリモート構成、管理および監視に利用できるAPIエンドポイントが用意されています。

使用目的

Oracle GoldenGate Classic Architectureを使用するようにOracle GoldenGateをインストールして構成できるのは、次のシナリオで説明されているように、そのプラットフォームでMAリリースが利用できない場合のみです。
  • あるデータベースからデータ・レコードの静的抽出を行い、別のデータベースにそのレコードをロードする場合。

  • ソースとターゲットのデータ一貫性を維持するために、トランザクション・データ操作言語(DML)操作とデータ定義言語(DDL)変更(サポートされるデータベースの場合)を継続的に抽出およびレプリケートする場合。

  • データベースから抽出を行い、データベース以外の場所にあるファイルにレプリケートする場合。

  • Oracle Database以外のソースから取得する場合。

次の用途には、Oracle GoldenGate Microservices Architectureを使用するように、Oracle GoldenGateをインストールして構成できます。
  • ストリーミング・データ用の全面的にセキュアなHTTPSインタフェースとセキュアWebSocketを備えている、大規模デプロイメントおよびクラウド・デプロイメント。

  • Oracle GoldenGate環境の複数実装の管理や、Oracle GoldenGateの設定とモニタリングの様々な機能へのユーザー・アクセスの制御を簡略化する場合。

  • システム管理のデータベース・シャードをサポートして、きめ細かいマルチマスター・レプリケーションを実現する場合。このとき、すべてのシャードが書込み可能になり、各シャードをシャードグループ内の他のシャードに部分的にレプリケートできます。

  • 次の機能をサポートする場合:

    • シン・クライアントおよびブラウザベースのクライアント

    • ネットワーク・セキュリティ

    • ユーザー承認

    • 分散デプロイメント

    • リモート管理

    • パフォーマンスのモニタリングおよびオーケストレーション

    • Oracle Database環境の他のシステムやサービスとの調整。

    • Oracle GoldenGateのアプリケーションへのカスタム埋込み、またはセキュアなリモートHTML5アプリケーションの使用。

サポートされるデータベースについて

Classic Architectureでは、動作保証マトリックスで示すように、サポート対象のすべてのデータベースがサポートされます。

MAでは、エンドツーエンドのMA専用トポロジOracleデータベースのみがサポートされます。ただし、Oracle Database以外のデータベースに関連付けられているソースのOracle GoldenGate ClassicをOracleに関連付けられているターゲットのOracle GoldenGate MAにレプリケートしたり、Oracleに関連付けられているソースのOracle GoldenGate MAを異機種データベースに関連付けられているターゲットのOracle GoldenGate legacyにレプリケートしたりすることは可能です。