プライマリ・システムへのユーザー・アクティビティの再移動

この手順では次の操作を実行します。

  • Oracle GoldenGate環境をリカバリします。

  • リストアしたプライマリ・システムにライブ・スタンバイのデータをコピーします。

  • コピーの作成中に発生したユーザー・トランザクションを伝播します。

  • コピーの結果と伝播された変更とを調整します。

  • ユーザーをスタンバイ・システムからリストアしたプライマリ・システムに移動します。

  • ライブ・スタンバイを再度保持するためにレプリケーションを準備します。

プライマリ・システムのリカバリの完了後に、次のステップを実行します。

ソースOracle GoldenGate環境をリカバリする手順

  1. プライマリ・システムで、バックアップからOracle GoldenGateディレクトリをリカバリします。

  2. プライマリ・システムで、GGSCIを実行します。

  3. プライマリ・システムで、プライマリExtractグループを削除します。

    DELETE EXTRACT ext_1
    
  4. プライマリ・システムで、ローカル証跡を削除します。

    DELETE EXTTRAIL local_trail_1
    
  5. プライマリ・システムで、バックアップからリストアしたパラメータ・ファイルと一致するように同じ名前を使用して、プライマリExtractグループを再度追加します。説明上、このグループをext_1と呼びます。このステップによって、Extractのチェックポイントが障害前の状態からクリーンな状態に初期化されます。

    ADD EXTRACT ext_1, {TRANLOG | INTEGRATED TRANLOG}, BEGIN time
    [, THREADS n]
    
    • TRANLOGおよびINTEGRATED TRANLOGの詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。INTEGRATED TRANLOGにより、Oracleデータベースに対する統合キャプチャが可能になります。

  6. プライマリ・システムで、前と同じ名前を使用してローカル証跡を再度追加します。説明上、この証跡をlocal_trail_1と呼びます。

    ADD EXTTRAIL local_trail_1, EXTRACT ext_1
    
    • EXTRACTでは、この証跡に書込みを行うext_1グループを指定します。

  7. プライマリ・システムで、Managerプロセスを起動します。

    START MANAGER

スタンバイからプライマリ・システムにデータベースをコピーする手順

  1. プライマリ・システムで、トリガーおよびカスケード削除制約を無効化するスクリプトを実行します。

  2. スタンバイ・システムで、データベースのホット・コピーの作成を開始します。

  3. スタンバイ・システムで、コピーが終了したときの時刻を記録します。

  4. スタンバイ・システムで、アプリケーションへのユーザー・アクセスを停止します。すべてのオープン・トランザクションの完了を待機します。

コピー中に作成されたデータ変更を伝播する手順

  1. プライマリ・システムで、Replicatを起動します。

    START REPLICAT rep_2
    
  2. ライブ・スタンバイ・システムで、データ・ポンプを起動します。この操作によって、蓄積されたユーザー・トランザクションをスタンバイからプライマリ・システムの証跡に転送します。

    START EXTRACT pump_2
    
  3. プライマリ・システムで、初期ロード中にユーザーがスタンバイ・システムで生成したすべてのデータ変更が適用されたとわかるまで、INFO REPLICATコマンドを発行します。前に記録した時刻を参照してください。たとえば、コピーが12:05に停止した場合、変更のレプリケーションによってその時刻までデータが適用されていることを確認します。

    INFO REPLICAT rep_2
    
  4. プライマリ・システムで、次のコマンドを発行してHANDLECOLLISIONSパラメータをオフにし、初期ロードのエラー処理を無効化します。

    SEND REPLICAT rep_2, NOHANDLECOLLISIONS
    
  5. プライマリ・システムで、Replicatによってすべてのデータが証跡からデータベースに適用されたことを確認するため、EOF(ファイルの終わり)に到達したことを示すメッセージが戻されるまで、STATUS REPLICATコマンドを発行します。

    STATUS REPLICAT rep_2
    
  6. ライブ・スタンバイ・システムで、データ・ポンプを停止します。この操作によって、ユーザー・トランザクションをスタンバイからプライマリ・システムの証跡に転送することを停止します。

    STOP EXTRACT pump_2
    
  7. プライマリ・システムで、Replicatプロセスを停止します。

    STOP REPLICAT rep_2
    

この時点で、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースは、同期状態に戻っていることが必要です。

(オプション)同期を検証する手順

  1. Oracle GoldenGate Veridataなどの比較ツールを使用して、ソース・データベースとスタンバイ・データベースの同等性について比較します。

  2. Oracle GoldenGate Veridataなどの修復ツールを使用して、非同期状態を修復します。

プライマリ・システムにユーザーを切り替える手順

  1. プライマリ・システムで、ビジネス・アプリケーションのユーザーに挿入、更新および削除権限を付与するスクリプトを実行します。
  2. プライマリ・システムで、トリガーおよびカスケード削除制約を有効化するスクリプトを実行します。
  3. プライマリ・システムで、アプリケーション・サーバーをフェイルオーバーし、アプリケーションを起動して、レプリケーション環境に含まれない必須ファイルをコピーするスクリプトを実行します。
  4. プライマリ・システムで、プライマリExtractプロセスを起動します。
    START EXTRACT ext_1
    
  5. プライマリ・システムで、アプリケーションへのユーザー・アクセスを許可します。