ADG構成でのロール変更の処理

スタンバイ・データベースに関するロール変更では、Extractで使用されている接続を含む、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースのすべてのセッションが最初に切断されます。これにより、両方のデータベースが停止し、元のプライマリがスタンバイ・データベースとしてマウントされ、元のスタンバイがプライマリ・データベースとして開かれます。

ロール変更の手順は、クラシックExtractの初期デプロイメント、および必要なデプロイメント関係(データベースまたはロール)によって決定されます。次の表は、4つの可能なロール変更を示しており、prisysおよびstansysの2つのデータベースで構成されるADG構成を前提としています。prisysシステムにはプライマリ・データベース、stansysシステムにはスタンバイ・データベースが含まれ、prisysでは2つのREDOスレッドがアクティブで、stansysでは4つのREDOスレッドがアクティブです。

初期デプロイメント・プライマリ(prisys) 初期デプロイメントADG (stansys)

元のデプロイメント:

 
ext1.prm
DBLOGIN USERID userid@prisys, PASSWORD password
ext1.prm
DBLOGIN USERID userid@stansys, PASSWORD password
TRANLOGOPTIONS MINEFROMACTIVEDG

データベース関連:

 

ロール・トランジション後: クラシックExtractからADG

  1. ext1.prmファイルを編集して、次を追加します。

    TRANLOGOPTIONS MINEFROMACTIVEDG

    DBLOGREADERオプションはADGモードでは使用できません。DBLOGREADERオプションが存在する場合は、それを削除します。ASMを使用している場合は、ASMUSERパラメータを追加してASMインスタンスに接続します。

  2. フェイルオーバーの場合は、TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSIDを追加します。

  3. Extractを起動します。

    START EXTRACT ext1

    Extractはロール・トランジション・ポイントに到達すると、異常終了し、内部BR_RESETを実行して、I/Oチェックポイントおよび現在のチェックポイントの両方をSCN sに移動します。

  4. フェイルオーバーの場合は、パラメータ・ファイルを再度編集し、次を削除します。

    TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSID

  5. ALTER EXTRACT ext1 SCN #を実行します( #は、ロール・スイッチ・メッセージからのSCN値です)。

  6. スレッド数に基づいて、次のいずれかを実行します。

    スレッド数がデータベース間で同じ場合は、START EXTRACT ext1;コマンドを実行します。

    または

    スレッド数がデータベース間で異なる場合は、次のコマンドを実行します。

    DROP EXTRACT ext1

    ADD EXTRACT ext1 THREADS t BEGIN SCN s

    START EXTRACT ext1

ロール・トランジション後: ADGからクラシックExtract

  1. ext1.prmを編集して、次を削除します。

    TRANLOGOPTIONS MINEFROMACTIVEDG

  2. フェイルオーバーの場合は、TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSIDを追加します。

  3. Extractを起動します。

    START EXTRACT ext1

    Extractはロール・トランジション・ポイントに到達すると、異常終了し、内部BR_RESETを実行して、I/Oチェックポイントおよび現在のチェックポイントの両方をSCN sに移動します。

  4. フェイルオーバーの場合は、パラメータ・ファイルを再度編集し、次を削除します。

    TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSID

  5. ALTER EXTRACT ext1 SCN #を実行します( #は、ロール・スイッチ・メッセージからのSCN値です)。

  6. スレッド数に基づいて、次のいずれかを実行します。

    スレッド数がデータベース間で同じ場合は、START EXTRACT ext1;コマンドを実行します。

    または

    スレッド数がデータベース間で異なる場合は、次のコマンドを実行します。

    DROP EXTRACT ext1

    ADD EXTRACT ext1 THREADS t BEGIN SCN s

    START EXTRACT ext1

ロール関連:

 

ロール・トランジション後: クラシックExtractからクラシックExtract

  1. ext1.prmを編集して、データベース・システムをスタンバイ・システムに変更します。

    DBLOGIN USERID userid@stansys, PASSWORD password

  2. フェイルオーバーの場合は、TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSIDを追加します。

  3. Extractを起動します。

    START EXTRACT ext1

    Extractはロール・トランジション・ポイントに到達すると、異常終了し、内部BR_RESETを実行して、I/Oチェックポイントおよび現在のチェックポイントの両方をSCN sに移動します。

  4. フェイルオーバーの場合は、パラメータ・ファイルを再度編集し、次を削除します。

    TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSID

  5. ALTER EXTRACT ext1 SCN #を実行します(#は、ロール・スイッチ・メッセージからのSCN値です)。

  6. スレッド数に基づいて、次のいずれかを実行します。

    スレッド数がデータベース間で同じ場合は、START EXTRACT ext1;コマンドを実行します。

    または

    スレッド数がデータベース間で異なる場合は、次のコマンドを実行します。

    DROP EXTRACT ext1

    ADD EXTRACT ext1 THREADS t BEGIN SCN s

    START EXTRACT ext1

ロール・トランジション後: ADGからADG

  1. ext1.prmを編集して、データベース・システムをプライマリ・システムに変更します。

    DBLOGIN USERID userid@prisys, PASSWORD password

  2. フェイルオーバーの場合は、TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSIDを追加します。

  3. Extractを起動します。

    START EXTRACT ext1

    Extractはロール・トランジション・ポイントに到達すると、異常終了し、内部BR_RESETを実行して、I/Oチェックポイントおよび現在のチェックポイントの両方をSCN sに移動します。

  4. フェイルオーバーの場合は、パラメータ・ファイルを再度編集し、次を削除します。

    TRANLOGOPTIONS USEPREVRESETLOGSID

  5. ALTER EXTRACT ext1 SCN #を実行します(#は、ロール・スイッチ・メッセージからのSCN値です)。

  6. スレッド数に基づいて、次のいずれかを実行します。

    スレッド数がデータベース間で同じ場合は、START EXTRACT ext1;コマンドを実行します。

    または

    スレッド数がデータベース間で異なる場合は、次のコマンドを実行します。

    DROP EXTRACT ext1

    ADD EXTRACT ext1 THREADS t BEGIN SCN s

    START EXTRACT ext1