4 ブライユ点字の使用

ブライユ点字サポートは、GNOMEデスクトップのアクセシビリティ機能に含まれています。同様に、バックグラウンド・プロセスとして実行されているbrlttyデーモンを使用すると、ユーザーはブライユ点字表示デバイスの情報にアクセスできます。

スクリーン・リーダーの点字オプションの構成

GNOMEデスクトップの「Screen Readers Preference」ウィンドウには、点字構成用のページがあります。

スクリーン・リーダーの構成可能なブライユ点字設定

「Braille」ページでは、次の設定を構成できます。

表示設定

点字を表示する方法を定義します。

冗長度

点字でレンダリングされる情報の量を決定します。

選択およびハイパーリンク・インジケータ

選択したテキストおよびハイパーリンクの表示方法を定義します。

フラッシュ・メッセージ設定

通知を有効にして、通知を処理する方法を構成します。

Orcaの点字オプションの構成の詳細は、https://help.gnome.org/users/orca/stable/preferences_braille.html.enを参照してください。

スクリーン・リーダーでのブライユ点字のカスタマイズ

  1. 次のコマンドを入力します。

    orca -s

    -sオプションは、--setupとして入力することもできます。このコマンドは、「Screen Reader Preferences」ウィンドウを開きます。

  2. 「Braille」タブをクリックします。

  3. 必要に応じてブライユ点字オプションをカスタマイズします。

  4. ユニバーサル・アクセスパネルまたは使用可能な場合はデスクトップの上部バーにあるクイック・アクセス・アイコンを使用してスクリーン・リーダーを有効にします。

ノート:

/etc/brltty.confの設定を変更する場合は、Orcaも再起動する必要があります。/etc/brltty.confを構成するには、BRLTTYサービスの構成を参照してください。

BRLTTYサービスの構成

点字デバイスのサポートはBRLTTYデーモン(brltty)によって提供されます。このサービスは、/etc/brltty.conf構成ファイルを使用して構成します。

ノート:

brlttyサービスは、デフォルトでは使用できません。このサービスを使用するには、brlttyパッケージをインストールする必要があります。

brlttyサービスの構成可能な設定

/etc/brltty.confに設定できる構成の選択内容は次のとおりです。

  • 点字デバイスを使用できるユーザーを承認します。

    #api-parameters Auth=user:でユーザーを指定します。次に例を示します。

    api-parameters Auth=user:jsmith, jdoe, bbrown
  • 点字デバイスを使用できるグループを承認します。

    #api-parameters Aut=group:でグループを指定します。たとえば、brailleというグループの場合、次のように入力します。

    api-parameters Auth=group:braille
  • 点字表示デバイス・ドライバを指定します。

    選択したドライバを含む適切な#braille-driver行をコメント解除します。ドライバは、構成ファイルで提供される2文字のコードで識別されます。次に例を示します。

    braille-driver vo

    1つのbraille-driver行で、カンマで区切って複数のドライバを指定できます。この場合、サービスはリストを自動的にスキャンし、適切なドライバを検出します。

  • 点字表示デバイス・ドライバのタイプを指定します。

    選択したデバイスを含む適切な#braille-device行をコメント解除します。特定のデバイス・タイプに対応する複数の行を指定します。次に例を示します。

    braille-device bluetooth:address

    1つのbraille-device行で、カンマで区切って複数のデバイスを指定できます。この場合、サービスはリストを自動的にスキャンし、適切なデバイスを検出します。

brlttyサービスの使用

  1. brlttyパッケージをインストールします。
    sudo dnf install -y brltty
  2. 必要に応じて、/etc/brltty.confの設定を構成します。
  3. brlttyサービスを有効にします。

    sudo systemctl enable brltty
  4. 要求された場合は、ユーザー・パスワードを入力します。

  5. システムをリブートします。

  6. システムの再起動後、次のようにサービスが実行中であることを確認します。

    sudo systemctl status brltty
    * brltty service - Braille display driver for Linux/Unix
       Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/brltty.service; enabled; vendor preset: disabled
       Active: active (running) since Wed 2020-04-15 12:07:48 PDT; 25min ago
    ...

ノート:

/etc/brltty.confの設定を変更する場合は、Orcaも再起動する必要があります。スクリーン・リーダーのブライユ点字オプションを構成するには、スクリーン・リーダーのブライユ点字オプションの構成を参照してください。

詳細は、brltty(1)マニュアル・ページを参照してください。